マーケティング分析の10種類のフレームワークのやり方や手順を解説

 
最終更新日:2024.3.4
マーケティング分析とは、データを活用して市場の動向や消費者のニーズ、競合他社の動向、自社の立ち位置などを分析することで、的確なマーケティング戦略を立てるために行われます。マーケティング分析の基本から代表的な手法、フレームワーク、分析手順、ツールまで解説します。

マーケティング分析とは、商品やサービスを売るための仕組み作りのこと

マーケティングとは、商品やサービスを売るための仕組み作りを指します。その範囲は幅広く、市場調査から広告宣伝、営業、販売まで、モノを売るための一連の行程が含まれています。

顧客が何を求めているのか知るには、市場調査などで得たデータをもとに、消費者のニーズや課題などを分析する必要があります。これを、マーケティング分析といいます。

 
 

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マーケティング分析の重要性

インターネットが発達し、誰もがパソコンやスマートフォンであらゆる情報を素早く手に入れられる現代。消費者のニーズや情報収集の方法は、実に多様化しています。個人・法人問わず、口コミや比較サイト、SNSなどから情報を収集して、そのまま商品購入に至ることも一般的となり、もはや従来のマスマーケティングでは通用しません。

顧客ニーズが多様化するなか、効率よく収益を上げていくためには、より多くのデータを収集・分析しマーケティング戦略の精度を上げていくことが不可欠なのです。

マーケティング分析によく使われる3種類のフレームワーク

フレームワークとは、確立されている枠組みのことです。特定の型に落とし込むことで、誰でも決まった手順に沿って分析を進められ、素早く事象全体を把握しやすくなります。

ここでは、マーケティング分析によく使われるフレームワークをご紹介します。

1)現状分析に利用される3種類のフレームワーク

① 3C分析
② PEST分析
③ SWOT分析

2)顧客分析に利用される2種類のフレームワーク

① RFM分析
② CTB分析

3)戦略策定に利用される5種類のフレームワーク

① STP分析
② ファネル分析
③ 4P分析
④ 4C分析
⑤ 5フォース分析

1)現状分析に利用される3種類のフレームワーク

現状分析とは、自社の内部および外部の環境を分析し、自社の立ち位置を明確にすることです。自社を取り巻く環境を分析して客観的に把握することで、施策の立案や改善点のほか、今後の方向性決めにも役立ちます。

<現状分析のフレームワーク>

  1. 3C分析
  2. PEST分析
  3. SWOT分析

① 3C分析

3C分析とは、自社について分析するための手法です。
以下の3つの要素を軸にして分析を行います。

顧客(Customer):市場と顧客のニーズはどのように変化しているのか
競合(Competitor):競合は環境の変化に対して、どのように応じているのか
自社(Company):顧客と競合の動きを踏まえ、自社が成功できる要因はどこにあるか

顧客・競合は外部環境であり、自社は内部環境にあたります。自社のことは分析するまでもなく理解していると思いがちですが、あらためて複数人で確認することで見落としを防げます。また、共通認識の確立にも効果的です。

外部と内部、両面から見て自社の強みと弱みを知ることで、事業の成功へと向けて進むべき方向性が見えるようになり、戦略の立案へとつなげられます。

② PEST分析

PEST分析とは、自社を取り巻く外部環境を分析するための手法で、主に事業や企業の戦略を立てるためによく使用されています。PESTとは下記の4文字の頭文字を取った言葉となっています。

P:Politics(政治)
E:Economy(経済)
S:Society(社会・ライフスタイル)
T:Technology(技術)

PEST分析の目的は、自社を取り巻く外部環境を分析することで、現在もしくは将来的に自社へどのような影響が出てくるか把握・予測することです。大局的な視点を持って社会全体の動向を把握し、自社にとっての驚異や発展機会の発見につなげます。

③ SWOT分析

SWOT(スウォット)分析とは、自社の内部環境と外部環境の要素を洗い出し、現状を分析していく手法です。

ここでの内部環境とは自社内のこと、外部環境とは市場や競合他社など、自社に影響を及ぼす外部要因を指しています。

内部環境
強み(Strength)/自社や自社製品・サービスに好影響を与える内部環境の要素
弱み(Weakness)/自社や自社製品・サービスに悪影響を及ぼす内部環境の要素
外部環境
機会(Opportunity)/自社や自社製品・サービスに好影響を与える外部環境の要素
脅威(Threat)/自社や自社製品・サービスに悪影響を及ぼす外部環境の要素

自社を取り巻く環境を多角的に分析して現状を把握することで、戦略の方向性や改善点を見つけます。 SWOT分析を行うにあたり、最初に明確な目的・目標を設定することで認識のブレなく戦略が立てられ、施策への落とし込みもスムーズに進めやすくなります。

SWOT分析については、以下の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてください。

 
 

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2)顧客分析に利用される2種類のフレームワーク

顧客分析とは、自社の顧客について性別や年齢といった属性、来店頻度や購入頻度などの購買行動を分析することです。顧客ニーズや潜在顧客の有無を把握することで、顧客満足度の向上、営業活動の効率化などにつなげます。

<顧客分析のフレームワーク>

  1. RFM分析
  2. CTB分析

① RFM分析

RFM分析とは、下記の3つの指標を用いて顧客をグループ分けする顧客分析方法です。優良顧客、非優良顧客、新規顧客などに分類することで、顧客ごとに効率のよいアプローチを行えるようになります。

R:Recency(最新購買日)
F:Frequency(購買頻度)
M:Monetary(累計購買金額)

購入日が最近で、購買頻度が高く、購買金額が高い顧客ほど優良顧客となり、その逆であれば非優良顧客となります。また、「頻度の値が高い顧客が少なく、低い顧客が多いことから、現状は常連客が少なくて新規顧客が多い」といった分析も可能です。

② CTB分析

CTB分析とは、顧客を分析する手法です。個人の趣味嗜好を分析することで、顧客の購買行動予測に役立ちます。分類に用いられる指標は、下記の3つです。

C:Category(カテゴリー)
T:Taste(テイスト)
B:Brand(ブランド)

CTB分析をすることで、指標ごとに顧客の趣味や傾向を細かく把握できます。そのデータを活かせば、顧客の好みに応じた売り場作りや、趣向に合わせた商品開発にも役立つでしょう。

3)戦略策定に利用される5種類のフレームワーク

マーケティング戦略の基本は、誰に、何を、どれくらいの価格帯で、どのように提供していくかを決めることです。効果的なマーケティング戦略を立案するには、さまざまな視点から思考する必要があります。戦略策定に効果的なフレームワークを用いることによって、視点の漏れなく効率的な分析が可能になります。

<戦略策定のフレームワーク>

  1. STP分析
  2. ファネル分析
  3. 4P分析
  4. 4C分析
  5. 5フォース分析

① STP分析

STP分析とは、自社の商品・サービスのターゲットを把握するために行う分析手法です。「STP」とは、下記の3文字の頭文字から名付けられています。

S:Segmentation(市場を細分化する)
T:Targeting(狙う市場を決める)
P:Positioning(自社の立ち位置を決める)

STP分析を用いてビジネスを取り巻く環境を分析することで、自社の立ち位置を明確にし、競合他社との差別化を図れます。STP分析を行う際には、あくまでユーザー目線に立つことが重要です。自社目線に偏ってしまうと正確な分析結果が得られません。つねにユーザー視点を忘れないよう心がけましょう。

② ファネル分析

ファネル分析とは、消費者の購買行動とその課題を把握する分析手法です。顧客が商品・サービスを認知してから購入に至るまでのフェーズを漏斗(ろうと/ファネル)に見立て階層に分けて分析することで、停滞する場所を特定します。

顧客の心理変化は以下の「AIDMA」で表されます。

A:Attention(認知)
I:Interest(興味)
D:Desire(欲求)
M:Memory(記憶)
A:Action(行動)

ファネル分析を活用することで、施策のつまずく部分を把握し、改善へとつなげられます。消費者行動が多様化したことで、「ファネル分析は古い手法」とする見方もありますが、BtoBにおいては、いまだ有効で価値のある分析方法とされています。

③ 4P分析

4P分析とは、自社の商品・サービスを下記の4つの売り手視点から分析する手法です。

  • Product(製品)
  • Price(価格)
  • Place(流通)
  • Promotion(販売促進)

4P分析をすることで、最適な価格設定や販売方法など、具体的なマーケティング施策の立案に役立ちます。4つの項目でバランスのとれた設定をすることで、売上や収益の最大化にもつながります。

4P分析については、下記記事でも詳しく解説しています。

④ 4C分析

4C分析とは、自社の商品・サービスを下記の4つの顧客(買い手)視点から分析する手法です。

  • Customer Value(顧客にとっての価値)
  • Cost(コスト)
  • Convenience(顧客にとっての利便性)
  • Communication(顧客とのコミュニケーション)

顧客が商品・サービスを購入するまでに大きな影響を与える4要素を分析することで、自社に最適なアプローチ方法を検討します。顧客ニーズに合った商品開発につながるほか、競合他社との差別化にも役立ちます。

⑤ 5フォース分析

5フォース分析とは、「5つの脅威」から自社の収益性や競争率などを分析するフレームワークです。

「5つの脅威」とは、以下の事柄を指しています。

  • 業界内での競争
  • 業界への新規参入者
  • 代替品の存在
  • 買い手(顧客)の交渉力
  • 売り手(サプライヤー)の交渉力

5フォース分析では、自社がさらされている5つの脅威を分析することで、業界の構造を明確に理解し、自社の強みを探ります。市場参入や商品開発などによく活用されている手法です。

5フォース分析は下記の記事で詳しく解説しています。

マーケティング分析の結果はツールを使って施策に活用

マーケティング分析で戦略を策定し、実行に移すにあたっては、MA(マーケティングオートメーション)の利用がおすすめです。

MA(マーケティングオートメーション)とは、マーケティング活動全般を自動化する取り組み、もしくはマーケティング自動化をサポートするツールを指します。おもに顧客情報の管理や見込み顧客育成のための施策を自動化・効率化でき、マーケティング活動の効率化に役立ちます。

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消費者ニーズが多様化した現代のビジネスにおいて、マーケティング分析はほぼ必須と言えるでしょう。多くのデータを集め、分析し、戦略へと活かすことが生き残りのカギとなります。

膨大なデータを分析し施策へ活かすには、手法として確立されたフレームワークやMAなどのツールを利用すると効率的に進められます。積極的にマーケティング分析を行い、収益の最大化を目指しましょう。

 

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