5.若手の活躍で利用定着化、さらなる部門間連携・ビジネス拡大が視野に
同社のDXは留まるところを知らず、新たな企画や改善事例が次々に生まれています。たとえば、顧客の機械の稼働情報をもとに、新モデルに入れ替えた場合のコスト削減効果などを算出し、営業の提案書を自動的に生成する機能が開発されたのもその1つです。
そうしたDXの取り組みは、サービスBiz企画グループの若手メンバーを中心に進められています。サービスBiz改革プロジェクト サービスBiz企画グループの篠岡あゆみ氏は、プロジェクトに参画するまで、IT経験がまったくなかったといいます。
「Salesforceはノーコード・ローコードで実装できる機能がたくさんあって、私のようにIT経験のない人間にとっても障壁が低く、とても使いやすいです。また、オンラインのTrailheadやセールスフォース・ジャパンのトレーニングに毎年十数名のメンバーが参加して学習しています。ほかにもユーザーのブログなどを見て勉強していますが、やはり実際に画面を見ながら手を動かして作ってみたほうが早く覚えられます」(篠岡氏)
前出のオンラインショップは、そのようにしてスキルを磨いた篠岡氏によって刷新・運営され、大きな成果を上げています。オンラインショップの売上が、Salesforceを基盤としてリリースされた2018年と5年後の2022年の比較で、実に約15倍に伸びたのです。
サービスBiz企画グループの若手メンバーは、「V-factory」をはじめとするSalesforceの社内展開・プロモーション活動でも活躍しています。その1人であるサービスBiz改革プロジェクト サービスBiz企画グループの武藤彩華氏はいいます。
「これまでサービスエンジニアの業務は、当社の中でITからもっとも遠い仕事でした。それに長年携わり、自分たちのスタイルを確立してきた人たちに、Salesforceという新しいツールを使ってもらうため、PRの動画を作ったり、直接会って話したりしました。好意的に受け止めてくれることもありましたし、やはり最初は『なぜ必要なのかわからない』という拒否反応もありました。
そうした活動の中で、実際に『V-factory』を使って成果を上げている社員のインタビュー動画などが反響を呼び、徐々に利用が定着・拡大していきました。動画配信などの活動を通じて、『Salesforceを使ってほしい』という推進メンバーの一所懸命な姿勢や思いが届いた側面もあったと感じています」(武藤氏)
このように、経営陣から若手までが積極的に関わり、全社的な取り組みでSalesforceの活用を日々進化させている同社。最後に山田氏と福田氏は、今後の展望についてこう語りました。
「『V-factory』に関しては、2026年度までに接続社数5000社、接続台数1万台という目標を明確に打ち出しています。達成すればそれだけお客様との接点が増えるので、そこで提供するコンテンツを考え、ビジネスをさらに広げていくのが次のステップです。
また、サービス部門と営業部門が、Salesforceという1つのプラットフォームを使うようになったことで、たとえば『V-factory』のデータにもとづいて、サービスと営業が協働してお客様に機械の入れ替えを提案するなど、効果的な連携を生み出せるようになると期待しています」(山田氏)
「日本の市場で受け入れられている『V-factory』を、今後、海外の市場にも積極的に展開していく計画です。また、社内DXについても、販売・サービス体制の強化/効率化が必要なアジア・アセアン・インドの拠点に広げ、成果を上げていきたいと考えています」(福田氏)