ダイドードリンコ株式会社

営業のリアルタイムな計画・実行・情報共有のサイクルを確立
営業売上計画を達成、商談実施率は前年比1割増

各階層の社員を巻き込みSalesforce定着化を推進、
情報を一元化して営業活動を可視化・効率化

ダイドードリンコ株式会社は2022年、営業課題の解決に向けてSalesforceを導入し、段階的に機能を拡充。営業活動におけるリアルタイムな計画・実行・情報共有のサイクルを確立し、営業売上計画を達成するなどの成果を挙げました。

ダイドードリンコについて

ダイドーグループの中核企業として国内飲料事業を手がけ、2025年に創業50周年を迎えました。営業組織は主に自販機営業本部と流通営業本部の2事業部。2022年、スーパーマーケットやドラッグストア、コンビニエンスストアなどの流通チャネルへの営業を担う流通営業本部において、Salesforceの利用を開始しました。

ダイドードリンコの挑戦

ビジネスのあり方を一変させた、2019年末以降の新型コロナウイルス感染症の世界的大流行。ダイドードリンコの流通営業本部の営業活動も例外でなく、社外では商談の機会縮小やオンラインへの移行、社内ではテレワークの増加や直行直帰の推進など、劇的な変化に見舞われました。流通営業企画部 流通戦略グループの氷室佑典氏は、それにともなって組織の課題が顕在化した、と振り返ります。「営業活動の両輪である“質と量”の“量”を封じられ、限られた商談機会や方法の中で“質”を向上させる必要に迫られました。また、対面での情報交換の機会の減少などの情報共有面の課題や、Excel主体のアナログな帳票管理の煩雑さといった管理業務面の課題が浮き彫りになりました」
そうした状況を受けてダイドードリンコは、営業組織の改革と業務効率・効果の改善に向け、2022年に流通営業本部へのSalesforce導入を決断。特に「標準化」「見える化」「リアルタイム」「情報細分化」「脱アナログと集約化」「自動化」をキーワードとして新たな組織運営を目指しました。

Salesforceがどのように役に立ったか

各階層の社員を巻き込む推進プロジェクトでSalesforce定着化に成功

ダイドードリンコは、Salesforceの導入と定着化を円滑に進めるため、目的とタイミングに合わせて役割の異なる3つの階層のメンバーと連携を図りました。まず、各支店から若手を中心に計16名のメンバーを選出して「推進チーム」を発足。メンバーを通じてそれぞれの現場に導入目的や操作方法を浸透させるとともに、月1回の定例ミーティングで各支店の課題や質問を収集し、システムや業務に落とし込んでいきました。
同時に、各支店でのSalesforce活用において大きな役割を果たす「ミドルマネージャー」に対して、セールスフォース・ジャパンの支援を得ながらワークショップや勉強会を開催し、理解の獲得やスキルの習得を進めました。
さらに上の階層である各支店の「エリアマネージャー」に対しては、会議におけるSalesforceの活用や入力内容・メンバーへの積極的な関与を促すことで、活用に前向きな雰囲気を全社的に醸成していきました。
そのように、新入社員から役員クラスまでの全社員を巻き込む方針をプロジェクト開始時点で明確に打ち出したことが、定着化成功の大きな要因となったのです。

営業活動に直結するデータをSalesforceで一元管理し、一気通貫な営業活動と組織運営を実現

ダイドードリンコのSalesforceで目指す姿、ビジョンは、これまであらゆる場所やファイルで管理していた営業活動に直結するデータを一元管理し、一気通貫な営業活動と組織運営を実現すること。Salesforceにログインすることで、営業活動に関わる「計画」から「実行」、「共有」までを一貫して行うことができ、さらにはその活動を「リアルタイム」に進められるようになるのが目標です。
その中でダイドードリンコは、カスタムオブジェクトを活用して段階的に機能を拡充。取引先別・商品別の採用状況を示す「星取表」や、提案数量を表す「営業提案シート」、取引先の予実をまとめる「管理企業シート」などの帳票を管理し、個人・組織のKPI達成や部署連携による利益創出につなげていきました。
それらの帳票は、消費財メーカーであるダイドードリンコにとって、ビジネス状況を端的に示す重要なものです。それだけに、情報量の多い複雑なExcelシートの帳票をSalesforceにいかに載せ替えるかが、新たなシステムへの円滑な移行と業務の効率化を実現するうえでカギとなるポイントでした。
そこでダイドードリンコは、SalesforceのデータをExcelライクに入力・編集できるAppExchangeアプリMashmatrix Sheetを導入。流通営業部 東京オフィスの幹さやか氏は、そのメリットをすぐに実感したといいます。「Excelとほぼ同じ操作性なので、Excelの利用経験しかない社員でも、使い慣れるのに時間はかからず、スムーズに移行できました」
そうした取り組みによって、重要な管理帳票のデータがSalesforceで一元化・可視化されたことで、営業活動に関する各種の分析の頻度と精度が飛躍的に高まりました。商品の提案・採用状況や売上・利益・販促費などの各種指標を、オフィス別・取引先別などのさまざまな角度から可視化・分析して課題を洗い出す、あるいは営業エリア同士で比較するなど、従来は作業工数の都合により実施困難だったデータ活用が可能となりました。また、営業活動の評価基準が明確になり、営業担当者のモチベーションの向上につながりました。

営業の計画・実行・情報共有のサイクルを確立し、営業売上計画を達成

Salesforceの導入から約3年で、営業活動におけるリアルタイムな計画・実行・情報共有のサイクルを確立したダイドードリンコ。その成果は、数値としてはっきりと現れています。2024年度、売上高は計画を達成、商談実施率は前年比1割増と、各項目で目標を達成しました。
一方、定性的な効果について、幹氏は次のように話します。「従来の社内における情報共有やExcel主体の帳票管理は、対面のコミュニケーションがあってこそ成り立つもので、そこに関する問題がコロナ禍によって顕在化しました。Salesforce導入によって、いつでも、どこにいても、隙間時間などを活用してシステムに入るだけでコミュニケーション面を含めて仕事を完結できるようになり、本当にありがたいと感じています」さらに、Salesforceの社内SNSであるChatterを活用することで、情報の価値が上がると同時に、組織コミュニケーションが活性化した、と氷室氏は話します。「メールなどの従来の方法による情報交換だと、現場から中間層へ報告し、さらに上層へ報告し、そこからやっと全国の支社へ、という時間差がありました。それに対してChatterには、鮮度の高い情報が日々リアルタイムに発信・蓄積されています。日常的な活動・提案の進捗状況を共有するのはもちろん、全メンバー参加型の『売り場コンテスト』で成功事例を共有し、『いいね!』を使って投票するなど、エリアを越えたコミュニケーションも盛んに行われています」

“Salesforce導入によって、いつでも、どこにいても、隙間時間などを活用してシステムに入るだけでコミュニケーション面を含めて仕事を完結できるようになり、本当にありがたいと感じています”

幹 さやか 氏

ダイドードリンコ株式会社
流通営業部 東京オフィス

他社にはないSalesforceの価値

流通営業本部の営業担当者の1日は、出社したらまずSalesforceにログインし、その日のタスクや前日までの情報を確認するところから始まります。Salesforceがダイドードリンコにもたらした価値について、氷室氏は改めてこう語ります。「ビジネス環境の劇的な変化を受け、新しい組織運営や営業マネジメントが必要だと感じていたときに出会ったのがSalesforceでした。営業活動の可視化・定量化や情報共有のリアルタイム化、業務効率化など、今では営業活動をあらゆる面で改善する基盤となっていて、Salesforceのない世界は考えられません」
ダイドードリンコは今後の展開として、Salesforceに蓄積された自社独自のデータをもとに、AIを活用した業務効率化や、提案力・マネジメント力の強化などに取り組み、持続成長可能な収益基盤を確立したいと考えています。

“営業活動の可視化・定量化や情報共有のリアルタイム化、業務効率化など、今では営業活動をあらゆる面で改善する基盤となっていて、Salesforceのない世界は考えられません”

氷室 佑典 氏

ダイドードリンコ株式会社
流通営業企画部 流通戦略グループ アシスタントマネージャー

1割増

商談実施率の前年比

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