株式会社みどり財産コンサルタンツ

Salesforceによる情報一元化が
4年間で2,770時間の工数削減、
業績前年比130%の原動力に

顧客・商談・活動情報の共有による業務効率化、顧客行動・ニーズを踏まえた
マーケティング施策の展開、営業パイプライン可視化による売上予測の
精度向上等で、顧客の“優良ストック化”に向け大きく前進

株式会社みどり財産コンサルタンツは、中小零細企業・個人資産家を顧客として税財務のコンサルティングサービスを提供する企業です。2003年の設立以来、顧客との長期的な関係を重視するビジネス展開で成長を続けてきた同社。しかし内実としては、そうしたビジネスの基盤であるはずの顧客・商談・活動情報の管理・活用において大きな課題を抱えていました。

ビジネスに関するすべての情報を一元管理して活用することで、“ストック(資産)”としての顧客の価値向上とさらなる企業成長を実現したい――そんな想いから同社は、Salesforceの導入に踏み切りました。そして、Sales Cloud、Account Engagement (旧 Pardot)、CRM Analyticsを活用してさまざまな業務改善を進めたことが、結果として業績前年比130%成長の原動力となったのです。顧客の“優良ストック化”という目標に向かって大きく前進した同社の取り組みを紹介します。

 
 

目次

 

1. “ストック”としての顧客の価値向上を目指し、Salesforce導入を決断

香川県高松市に本社を置く株式会社みどり財産コンサルタンツは、中小零細企業や個人資産家を顧客として、事業承継・相続に焦点を合わせた税財務のコンサルティングサービスを提供する企業です。同社の強みは、コンサルティング会社として蓄積した節税・補助金活用等に関する情報やノウハウを活かし、事業承継型M&Aや組織再編など、一般的な会計事務所ではカバーできない領域、いわば「会計事務所に対する企業経営者の不満を埋めるサービス」を提供できることにあります。さらに、社会的信用のある会計事務所を母体とし、独立系のコンサルティング会社と比べて顧客から信頼や情報を得やすいことや、顧客の担当者を基本的に変えず、継続的なコミュニケーションで関係を構築・維持できることも、他社との大きな差別化要因となっています。

そのように、顧客との長期的な関係を重視するビジネス展開によって、同社は2003年の設立以来、右肩上がりの成長を続けてきました。当然ながらそんな同社において、顧客に関する情報はなにより大切なものです。代表取締役社長の川原大典氏はこう述べます。

「なにかモノを作っているわけでも、形のある商材を提供しているわけでもない弊社にとっては、お客様そのものがビジネス上の“ストック(資産)”なのです。その情報を貯めて整理しなければ、ストックを有効活用できないばかりか、みすみす“不良資産化”させるようなもの。情報をしっかりと管理することでストックの質を高めつつ、蓄積されたビッグデータから次の行動への気づきを得て、成長をさらに加速させたいと考えるようになりました」(川原氏)

とはいえ現実には、情報管理に関する課題は山積していた、と経営企画室室長の四元彩子氏は振り返ります。

「お客様や商談の基本的な情報は簡易的なCRMに登録していましたが、提案内容ややり取りなどの詳細は担当者の頭の中にしかなく、属人化していました。そのため、たとえばある担当者がお客様への提案を練る際、別の担当者の提案内容を把握して活用・流用することができず、一から考えなければならない、といった無駄な作業が当たり前になっていました。また、営業の売上報告も紙ベースで行われ、経理が会計システムへ手入力しなければなりませんでした。そのように、現場には情報を共有する文化がなく、属人的で非効率な作業が多く発生していたのです」(四元氏)

 
 
 
 
 
 
 
 

そうした状況を踏まえて川原氏は、情報一元化による生産性の向上と顧客の優良ストック化を実現するため、Salesforceの導入を決断しました。

2. トップのコミットと専任者配置で定着化を推進、情報一元化で各種業務を大幅効率化!

「いろいろなCRMを検討しましたが、最終的に世界ナンバーワンのCRMであるSalesforceに行き着きました。お問い合せフォームからプレゼンを依頼したところ、すぐに携帯電話へ連絡があり、その時点でちょっと感動しましたし、プレゼン内容も申し分なく、すぐに導入を決定しました」(川原氏)

Salesforceを導入した同社は、利用を定着させるため、全社員向けの説明会の実施や自己解決のためのマニュアルの作成、機能追加依頼・相談窓口としてのChatterグループの設置など、さまざまな工夫を凝らしました。そうした施策の土台となり、定着化を成功させたポイントは2つあった、と川原氏は分析します。

「1つはトップのコミット。やはり社長である私自身が『導入を必ず成功させるのだ』と覚悟を決め、社員の活動記録を毎朝確認してコメントしたりすれば、社員側もそれを意識して利用が習慣化します。そしてもう1つが、専任の担当者を置いたこと。四元が現場のリーダーとなり、導入の環境作りを進めてくれたのが大きかったと思います。これら2つは、以前にCRMの定着化に失敗した経験から学んだことでした」(川原氏)

同社はまず、Sales Cloudによる顧客管理を開始しました。取引先や取引先責任者、リードなどの情報を登録し、すべての商談・活動をそれらに紐づけて管理。Salesforce Inboxで記録した取引先とのメールでのやり取りや、インサイドセールスのコール内容も同様に管理するようにしました。名刺情報はSansan経由で登録し、顧客への贈り物や送付物などのアナログな接触はオブジェクトで管理するなど、顧客とのあらゆる接点の登録・管理を徹底しました。

それと連動して商談と売上の管理も進化した、と経営企画室の眞鍋春菜氏はいいます。

「他社製のクラウド会計サービスを導入してSales Cloudと連携したことによって、商談情報にもとづく請求書の作成から発送までが自動化され、以前は手で行っていた請求処理の作業そのものがなくなりました。裏を返すと、Sales Cloudに商談を登録しないと売上の請求ができない状況になったわけで、それがSalesforce定着化を促進した面もあったと思います」(眞鍋氏)

また、商談に勘定科目情報を付与し、請求情報の一部としてクラウド会計サービスへ連携することで、会計の仕訳が自動化されました。同社では、複数の営業担当者が関わった商談について、各人の関与率によって売上を按分しています。従来は、経理担当者が各営業担当者に直接話を聞くなどして仕訳を行っていましたが、その作業自体がなくなったわけです。

「加えて、不動産小口化商品・生命保険などの商材の情報を商談に登録すると、それをもとにお客様のご要望に沿う提案資料を自動作成できる仕組みも構築しました。以前は手作業で作っていた資料を一瞬でアウトプットできるようになり、営業の業務が大幅に効率化されました」(四元氏)

 
 

3. 導入後4年間で2,770時間の工数削減! 業績130%成長を支えたSalesforce

さらに同社は、キャンペーン管理にもSalesforceを利用。セミナー参加者や休眠顧客のステータスの管理をSales Cloudで、セミナーの効果測定をCRM Analyticsで行うようにしました。また、Webサイト経由の問い合わせをAccount Engagement (旧 Pardot)で自動的に一覧化し、メールマガジンやセミナー案内メールの配信への活用も始めています。

「Account Engagement (旧 Pardot)導入の利点は、メール配信の自動化などの業務効率化だけではありません。以前使っていたメール配信システムでは、送付後のお客様の行動や結果がなにもわかりませんでした。Account Engagement (旧 Pardot)によって、お客様がメールを見てどう行動したか、Webサイトのどのページに興味を持ったかなどを把握できるようになり、次のアクションへつなげられるようになったのです。そのメリットは計り知れません」(眞鍋氏)

「経営者としては、Sales CloudやCRM Analyticsのダッシュボードによって、各営業担当者の商談の進行具合や積み上げ、実績というパイプラインが可視化され、『この先ビジネスがどうなっていくか』を正確に予測できるようになったことが一番うれしいですね」(川原氏)

バックオフィスで770時間、社内全体で2,000時間、社員17名計2,770時間の工数を削減――それが2017年のSalesforce導入後4年間で実現した業務効率化を端的に示す数字です。それだけでも大きな成果ですが、同社の掲げるSalesforce導入の最大の目標は、顧客のストック化によって、企業の成長スピードをさらに加速させること。その点について、川原氏は最後にこう語りました。

 
社員17名計2,770時間の工数を削減
「2021年12月期決算で、業績は前年比130%となっています。これは、2021年度に制度化され、新たに取り扱いを始めた事業再構築補助金関連の案件が一気に増えたからで、どこまでがSalesforceの直接的な効果といえるかは検証中です。ただ、Salesforceという1つのプラットフォームに各案件の情報を集積し、それをナレッジに変えて社全体で共有したことが原動力となり、皆が一緒にその分野の“プロ”へと急成長し、新たに取り組む膨大な数の案件に対応できたのは間違いない。Salesforceによる顧客のストック化とさらなる企業成長という目標へ向かって、着実に前進していると実感しています」(川原氏)
 
 
 
 
※ 本事例は2022年1月時点の情報です
 

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