
SFA導入に失敗してしまうのはなぜ?原因と対策を解説
営業業務の効率化を狙ってSFAを導入したにもかかわらず、現場に定着せずに使われなくなってしまった…。こうしたことは、実際に起こりえます。SFAの導入失敗の原因と、それを回避するための対策について解説していきます。
営業業務の効率化を狙ってSFAを導入したにもかかわらず、現場に定着せずに使われなくなってしまった…。こうしたことは、実際に起こりえます。SFAの導入失敗の原因と、それを回避するための対策について解説していきます。
営業業務の効率化を狙ってSFAを導入したにもかかわらず、現場に定着せずに使われなくなってしまった…。こうしたことは、実際に起こりえます。せっかくコストをかけて導入するのですから、SFAの効果を存分に発揮せずに終わるのは、もったいない限りです。
ここでは、SFAの導入失敗の原因と、それを回避するための対策について解説していきます。
営業組織が顧客ニーズに応じて売上を上げるためには、営業支援システム(SFA)の適切な活用が重要です。本ガイドでは、営業支援システムを選ぶ際の10の重要なポイントをご紹介します。
SFAとは「Sales Force Automation」の略であり、営業メンバーの行動管理や進捗を管理し、営業を支援するシステムです。商談の結果を蓄積でき、営業に関する情報を属人化することを避け、営業活動を効率化できます。
『eBook いまから始める営業支援システム』で詳しく解説していますが、活動内容の分析が可能になれば、訪問頻度のバランスや、活動の抜け漏れ、重複がはっきりと可視化できます。これによって「ムダ・ムラ・モレ」を回避し、営業担当者の限られたリソースを、効果的に活用できるようになります。
CRM(Customer Relationship Management)は、顧客情報を一元管理できるツールです。商談後に顧客化した顧客とのコミュニケーションツールとして利用できます。SFAとCRMの機能が重複していたり、似ていたりするため、両社の機能を併せ持つツールもあります。
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営業業務を飛躍的に効率化してくれるツール、SFA。CRMとともに、ここ数年で導入する企業は増え続けているようです。その背景には、下記のようなSFAによって得られる多くのメリットがあります。
<SFAで得られるメリット>
こうしたメリットから、営業業務の属人化を防ぎ、チーム全体のパフォーマンスアップを図り、何よりも業務の効率化、生産性の向上を狙うことができます。成果の創出には、売上目標の達成度合いを「見える化 」できるシステムを早急に構築することが大切です。
しかし、このような効果に期待してSFAを導入したにもかかわらず、現場に定着せずにほとんど使われなくなってしまった…という失敗例は、意外に多いのです。
なぜ、そのようなことになってしまうのでしょうか?まずは、その原因から探ってみましょう。
<SFA導入が失敗する原因>
SFAを導入したまでは良かったものの、その後、現場に定着させるプロセスが不十分だったため、チーム内でもあまり使われずに終わってしまう。あるいは、「導入したけれど、メリットが感じられなかった」というケース。これは明らかに、導入することが目的化しているために起こることです。
ほかのビジネスツールも同様ですが、SFAは導入しただけでは意味がありません。運用のルールを定め、日常業務の中で活用していくことで、初めてその便利さを実感できます。また、蓄積されていくデータは、さまざまな形で抽出し、分析することで業務に活用することができます。SFAに情報を入力していくだけでは、単なるデータベースになってしまうのです。
「とにかく使ってみよう」という安易な理由で導入すると、こうした結果を招きやすくなるでしょう。
SFAの導入にあたっては、マネージャーや部門長が関与し、積極的に推進することが大切です。しかし、それ以上に重要なのは、実際に日々SFAで作業する現場スタッフのコンセンサスです。
人は、無意識のうちに変化を嫌う傾向を持ちます。ですから、慣れた手順や作業が大きく変化するSFAの導入に対して、拒否反応を起こしやすいのです。そうした状態で無理に導入を推進してしまうと、現場の反発を招きやすくなります。
SFAの導入と活用は、営業業務を大幅に効率化してくれますし、生産性の向上にも役立ってくれます。しかし、それはわかっているけれど、「今までどおりの慣れたやり方のほうがいい」という心理を現場からぬぐい去らないと、SFAの定着は難しいでしょう。
本来ならば、業務の作業量を軽減してくれるのがSFAのメリットのひとつです。しかし、SFAの導入によって、かえって作業量が増えてしまったということが起こります。これはいったい、どういうことでしょうか?
SFAでは、入力項目をユーザー側で設定することができますが、より詳細なデータが取れるようにと入力項目を増やしすぎてしまうと、それが作業負荷の増大につながってしまいます。営業担当者の作業負荷を軽くするはずのSFAによって、かえって業務が重くなるという、まったく逆の結果を呼んでしまうのです。こうした理由で、SFAの定着が頓挫してしまう例は多くあります。
「導入することが目的になっている」という項目とも関連しますが、SFAを「どのように運用するか」という点を詰めておかないと、導入しても定着せずに終わってしまうリスクがあります。
SFAの導入は、それ以前のワークフローを一新するものです。ですから、SFAの機能を踏まえた上で、新たなワークフローを構築し、部署内で共通化しておくことが必要です。日々の活動履歴や顧客とのコミュニケーション、日報などはSFA上に記録するとして、チーム内での連絡はメールにするのか、それともSFAのチャットツールを使うのか。また、スケジュールや各種書類の作成ルールはどうするのか。
これらの細かい部分まで運用ルールとして設定しておかないと、チームとしての業務が滞ってしまいます。
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SFAの機能的な面や運用面で何かしらのトラブルが起こった場合、それを誰も解決できないということもありがちです。機能的なことはメーカーやベンダーに相談すれば解決できますが、運用面では自社内でのルール設定が絡みますから、誰かが先頭に立って調整しなくてはなりません。
また、入力されたデータをどのように分析するかという点も重要です。SFAの真価はそこにあるのですから、抽出されたデータを正しく分析できないのでは、SFAの価値が半減してしまいます。
メニューやボタンの配置が見づらい、目的の画面にスムーズにたどりつけないなど、ユーザーインターフェースが洗練されていない場合も、SFAの導入失敗を招きます。これは、ツールそのものの問題でしょう。
さらにありえるのは、SFAの選択ミスです。現在、市場には多くのSFAが出回っており、それぞれ特徴が異なります。自社の業務内容、事業規模にフィットした製品を選ばないと「必要な機能が搭載されていない」「拡張性が低い」といった不満が噴出することになります。
導入を急ぐあまり、製品の選定が疎かになると、こうした失敗が起こりやすくなります。
せっかくのSFA/CRMを導入しても、使われなければ宝の持ち腐れ。データ入力こそ、その成否の分かれ目にあるといっても過言ではありません。本eBookでは、Salesforceの導入において、多くのユーザーの導入を支援してきたカスタマーサクセス本部による「定着化に必要なプロセス」をご紹介しています。
では、前述したような失敗をしないためには、どうすればいいのでしょうか?それは、失敗の理由の「逆を行く」ことで解決します。
これから説明するポイントを踏まえておくことで、SFAをスムーズに導入し、定着させることができるでしょう。
<SFA導入で失敗しないためのポイント>
人は「よくわからないもの」には拒否感を示しますが、それが自分にとって有益だと理解できれば、一転して好感を持つことができます。ですから、「何のためにSFAを使うのか」「それによって、どのような利益があるか」を明確にし、現場のメンバーに繰り返し説いて、理解を求めることです。不安や疑問があればそれをくみ取り、確実に解消していくことです。
こうして現場のコンセンサスを得ておけば、スムーズな導入が可能になるでしょう。
SFAを活用すると、営業現場の状況をリアルタイムで知ることができます。ということは、売上予測をリアルタイムで、確度も含めてチェックできるのです。これは、マネージャーはもちろん、経営陣にとっても非常に大きなメリットです。その恩恵を理解し、経営陣も導入に関与するべきでしょう。
また、SFAの導入は、現場のワークフローを大きく変えることになります。それに伴う調整には、マネージャーの関与が欠かせません。現場のコンセンサスを得ることも含めて、導入・定着の旗振り役として、積極的なコミットが求められます。
SFA導入で失敗しないためには経営トップがしっかりとコミットし、必要なリソースをアサインできる体制を確立する必要があります。詳しくは『eBook いまから始める営業支援システム』で解説していますので、あわせてお役立てください。
せっかくSFAを導入するのだから、できるだけ多くの入力項目を設定しておきたい…。こうした考えは合理的なものです。しかし、項目を増やしすぎたために入力作業が重くなると、現場に浸透せずに終わってしまいます。
ですから、事前に入力項目を取捨選択し、絞り込んでおくことが大切です。「あれば便利」なものはとりあえず脇に置いておき、まず「これがなくては」というものだけをピックアップしましょう。
SFA運用のルールは事前に作成しておき、マニュアル化しておくのがベストです。また、入力した顧客データをどのように活用するのか、それも明文化しておくとなお良いでしょう。もちろん、最初から完璧なマニュアルを作る必要はありません。何か問題が起こったら、どう対処するのかをその度に検証・検討して、更新していけばいいのです。
ここは、杓子定規に考えることはありません。段階を踏んでブラッシュアップしていけば大丈夫です。
SFAに関する疑問や質問、トラブルへの対処を担当するヘルプセンターを設置しておくと、現場のスタッフは安心です。また、導入から運用に関して、どのような問題が起こり、どう解決したのかを履歴として残しておくと、別部署への導入の際にも大いに参考になります。
さらに、データの分析ができるアナリストを確保しておけば、SFAのメリットをさらに活かせるでしょう。
これらのスタッフは、既存メンバーに教育を受けさせたり、コストをかけられるなら、新たに配置したりすることで確保します。自社の事情と状況に合わせて対応してください。
数多くあるSFAの中から、どれを選ぶか。この選択は企業によって変わってきますので、ひとつの正解はありません。ただし、本格的な導入の前に、ある程度の試用期間は必要です。
多くのSFAはクラウドサービスとして提供されており、試用も可能ですから、まずはデモ版で操作性や機能を確かめておきましょう。また、導入にあたっては、まず少人数でスモールスタートを切っておき、問題ないとなったら、部署全体に拡張するというのも良い方法です。
ちなみに、SFAの中には、PCにインストールするパッケージ型、自社内にサーバーを設置するオンプレミス型も存在します。しかし、これらはアップグレードの手間と管理が煩雑であることや、初期費用と運用コストが大きいことなどから、扱いやすいものではありません。特別な理由がない限り、クラウドサービスを選んでおけば問題ないでしょう。
営業組織が顧客ニーズに応じて売上を上げるためには、営業支援システム(SFA)の適切な活用が重要です。本ガイドでは、営業支援システムを選ぶ際の10の重要なポイントをご紹介します。
無事、SFAの導入・定着が完了したら、次は「SFAをどのように活用するか」です。導入の段階でここまで想定しておかないと、宝の持ち腐れになりかねませんので注意しましょう。
<SFAをさらに効果的に活用するポイント>
SFAと顧客管理ツールであるCRMとは、機能的に共通する部分が多くあります。実際のところ、ここ数年で両者の機能上の境界線は曖昧になりつつあります。
しかし、SFAは本来、営業支援システムとして開発されたもの。ですから、「SFAのデータを営業業務にいかに活かすか」という視点から見てみると、次のような活用方法が考えられます。
営業業務の履歴情報が蓄積されているSFAと、マーケティング領域における作業の自動化を図れるMA(マーケティングオートメーション)を連携させると、見込み顧客の育成とフィールドセールスを、スムーズにつなぎ合わせることができます。見込み顧客を育成し、その中でも確度の高いホットリードをセールス部門に引き継ぐことができますから、業務効率化はもちろん、成約率の向上も期待できます。
ここまでの展開を想定するなら、SFAを選定する際、MAをはじめとする各種ツールとの相性の良い、拡張性の高い製品をピックアップしておくことです。
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SFAの導入と活用によって、営業業務は大きな効率化を図れます。作業量は格段に少なくなり、時間の有効活用ができるようになるでしょう。つまり、限られた時間と労力を、営業本来のコア業務、たとえば顧客とのより深いコミュニケーションや、課題解決策のプランニングに使うことができるのです。
こうした業務にかける時間とエネルギーが増えれば、営業活動も充実します。当然ながら、それは成約率という結果にも表れてくるでしょう。それこそ、SFAによってもたらされる、最大の効果といえます。 SFAによる効果を得るためにも、導入の際に起こりうる失敗の原因を知り、それを避ける策を講じて、SFAの導入を成功させましょう。
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せっかくのSFA/CRMを導入しても、使われなければ宝の持ち腐れ。データ入力こそ、その成否の分かれ目にあるといっても過言ではありません。本eBookでは、Salesforceの導入において、多くのユーザーの導入を支援してきたカスタマーサクセス本部による「定着化に必要なプロセス」をご紹介しています。