



サッカーチームを想像してみてください。もし各選手がバラバラのルールブックを使っていたら、どうなるでしょうか?チームワークはなく、すべてがカオスです。顧客データのサイロ化とはこのような状態です。バラバラでまとまりのない混乱です。—そのすべてのデータを1か所に集約する顧客関係管理(CRM)プラットフォームがあれば、企業は選手権チームのように動くことができます。データを一元管理できるCRMプラットフォームがあれば、まるで優勝チームのように企業全体が連携して動けるようになります。
平均的な企業は、ビジネスを管理するために1,000以上のアプリを使用しています。Salesforceのコネクティビティレポートによれば、問題は、それらのアプリの70%が連携していないことです。
ビジネス全体で、顧客のデータや顧客接点を明確に把握できない場合、優れた顧客体験を提供し、関係を育成することは困難です。各チームにソリューションがあっても、それらが連携してなければ、最終的にデータサイロが生じ、顧客体験はバラバラになります。CRMが正しく導入されていれば、社内の全員が閲覧できる顧客データを統一することで、その問題を解決できます。
これがあれば、顧客からの問い合わせに対して、同じような基本的な質問に繰り返し答える必要がなくなります。顧客は解決策を求めているだけです。この記事では、企業を効率化し、投資から最大の効果を得るのに役立つ8つのCRMベストプラクティスをご紹介します。
このガイドの内容

CRMを使い始めたばかりの場合は
CRM初心者向けガイドをご覧ください。顧客を開拓、獲得、維持するうえで必要なものをすべて紹介しています。
1. ニーズに合ったCRMを選ぶ
すべてのCRMが同じように作られているわけではありません。機能(と弱点)を十分に調査せずにCRMを選択すると、企業が定めた明確な目標の達成には役立たないシステムを導入してしまいかねません。
考慮すべき点:
サービス契約が必要なCRMと、初期インストール費用が高額なCRMではどちらがいいでしょう?細かく高度なカスタマイズができる機能が必要ですか?基本的な機能で十分ですか?事業規模の拡大に合わせて拡張し、成長していけるCRMですか?数年後には別のソリューションを探し直す必要がありますか?
時間をかけてすべての選択肢を検討し、何が必要なのかを把握してから、最終的な判断を下してください。
2. CRMの目標を設定する
組織に適したCRMソフトウェアを選択したら、今度はCRMの目標が全体的なビジネス目標と一致していることを確認します。チームの成功を支援するためにCRMに何を求めるのか、測定可能で現実的な目標を定義します。目標は経時的に追跡して、必要であれば修正できます。
CRMに支援できることは多岐にわたります。特に、Artificial Intelligence(AI)対応のCRMを選択した場合は多くなります。
たとえば、CRMは、見込み客段階から、顧客獲得、そしてカスタマーサービス管理まで、バイヤージャーニーの改善に役立ちます。CRMでバイヤージャーニーを可視化すると、目標を達成している点と、目標から外れている点を追跡できます。
CRMは、顧客へのアウトリーチ、購入後のフォローアップ、請求書発行などのタスクを自動化することで時間を節約できるため、効率目標を達成するのにも役立ちます。適切な設定を行えば、顧客獲得コストや顧客リテンションコストを削減できます。CRMに定期的にレポートを作成・送信させることさえ可能です。これによって最も重要な総計値の最新情報が自動的に得られます。
CRMの目標を設定することで、セグメンテーションとパーソナライズによってマーケティングキャンペーンの反応がどのくらい増えているか、営業チームが何件多くの案件を成約させているか、どのくらい成約までの時間を短縮できているか、といったことを把握できるようになります。カスタマーサービス部門は、優先度の高いケースに注力できます。なぜなら、SalesforceのようなAI CRMでは、AIエージェント、AI生成のナレッジベース記事、チャットボットなどを使用して小さなタスクを処理し、ケース履歴をすばやくレビューしてサービスのやり取りを効率化するからです。
3. 実装計画を立てる
CRMの使用を開始する前に、実装戦略を策定する必要があります。この計画には、タイムライン、スコープの定義、実装に割り当てたリソース、今後追跡する総計値を含める必要があります。
次に、ニーズに合わせてCRMをカスタマイズし、この新しいプログラムに転送します。顧客履歴、営業記録、サービスのやり取りといった関連データが確実に移行されるようにします。
CRMが稼働を開始し、従業員が指示に従って使用している状態になったら、パフォーマンスを評価し、チームからのフィードバックに耳を傾けてください。
このプロセスが少し大変だと感じる場合は、実装パートナー に任せて、自社の特定のニーズに合わせてCRMをカスタマイズしてもらうことができます。実装パートナーの仕事は、新しいアカウントやパスワードの設定だけではありません。実装パートナーは、企業の標準に合わせてCRMをカスタマイズし、従業員をトレーニングし、強固な顧客関係の構築に役立つワークフローを設計します。
変化には困難が伴うこともありますが、トレーニングを十分に提供することで、従業員がCRMを継続的に活用する可能性が高まります。
4. CRMをカスタマイズする
CRMはビジネスを前進させ続けるエンジンになり得ます。しかし、利点を享受するには、企業独自のワークフローやプロセスに合わせたカスタマイズが必要です。
CRMは、チームが毎日使用する他のプログラム、たとえば、Eメール、カレンダー、自動化ツール、カスタマーサービスツールなどに接続できます。設定を調整したり、カスタムフィールドを作成したり、ダッシュボードをセットアップしたりすることで、各チームが重要な総計値をすばやく簡単に確認できるようになります。
導入時にCRMをカスタマイズしておくことは、時間を節約するためのベストプラクティスのひとつです。業務に必要な情報を探すために、膨大な量のスプレッドシートから探したり、分断されたシステムで検索したりする必要がなくなるからです。
各チームが求める設定は異なるため、それぞれが注視したい指標を把握することが重要です。たとえば、マーケティングチームは、開封率やクリックスルー率などのEメール指標をわかりやすく表示するダッシュボードをCRM上に設定できます。カスタマーサービスチーム向けにダッシュボードをパーソナライズすれば、平均処理時間や初回解決率、顧客満足度スコアなどの重要な指標をすばやく確認できます。
SalesforceのようなCRMは、企業の成長に合わせて適応できる拡張性と柔軟性を持ち合わせています。時が経つにつれて、企業のニーズと目標にもとづいて機能を追加したり削除したりできます。お支払いは必要な機能の分のみです。
5. 従業員を十分にトレーニングする
用途に合わせてCRMを調整したら、従業員が使い始める前に、適切なトレーニングを受けられるようにしましょう。導入パートナー はトレーニングを支援できます。実習、ドキュメント、ウォークスルー、そしてCRMを導入した他企業の使い方を示す成功事例などを提供します。
実装が完了した後も、その勢いを維持することが大切です。そうすれば、CRMの活用がチームにとって自然な習慣になります。最も避けたいのは、チームがCRMを継続的に使う価値を理解せず、スプレッドシートや分断されたシステムに戻ってしまうことです。最終的に、CRMの価値はそれを使用する人次第です。
新規リードは、例外なくすべてCRMを通じて処理することを、社のポリシーにします。CRMシステム導入直後から正しい使い方を徹底すれば、スムーズな移行と、チームの一体感を高めることができます。
適切な教育とトレーニングがあれば、チームは認識を共有し、業務の流れを整え、より円滑にコミュニケーションを取ることができます。CRMが唯一のデータソースとなり、同じ情報を中心に企業を統一します。
CRM導入のベストプラクティスの一つは、Trailheadのようなプログラムによる継続的な学習を取り入れたトレーニング計画を作成することです。手軽に始めるには、こちらのCRMコースがおすすめです。また、CRMで最もよく使う機能をまとめた使いやすいチートシートを作成するのも効果的です。チームの定例会議でCRMの活用状況をレビューしたり、メンバー一人ひとりのCRMへの適応状況を確認したりします。さらに、CRMの利用率やCRMに登録されたプロジェクトの数など、導入状況を測るための明確な総計値や目標を設定することも重要です。
6. 自動化とAIを活用する
CRMは、顧客関係の構築に必要な多くのタスクを自動で行うことで、ビジネスを支援するために設計されています。自動化やAIが組み込まれたCRMを導入すれば、会社全体で業務効率の向上が期待できます。
自動化とは、最小限の人手でタスクを自動的に完了させるプロセスのことで、従業員がより多くの業務を迅速にこなせるようになります。もしチームが毎日のように繰り返しているワークフローがあれば、そのような面倒なタスクは自動化に任せることができ、従業員は顧客が期待するパーソナライズされた対応に専念できます。
たとえば、営業チームはリード管理を自動化できます。リードがシステムに入力されたら、一定時間後に自動でフォローアップメールを送信するルールを設定することで、商談を逃さずに済みます。一方、コマースチームは、買い物客がカートに商品を一定時間放置した場合にアプリ内リマインダーを自動送信するなどの自動化を作成できます。
信頼できるAIは自動化をさらに一歩進め、顧客履歴や全体的な消費者行動の分析をもとにリードを自動でスコアリングし、成約や高収益につながる可能性の高いリードを特定します。AI CRMは、顧客データから安全に情報を引き出し、マーケティング、営業、サービスチームがリードをファネルの下に進めるために役立つようなインサイトを自動的に提示します。
当社の調査では、AI CRMを導入した企業は収益が30%増加し、ケース解決のスピードも29%向上したことがわかりました。
7. データをクリーンで整理された状態に保つ
AI CRMは、既存の顧客データにもとづいてインサイトを提供します。それを最大限に活用するには、データがクリーン で、一元化され、正確であることが重要です。
データクリーニングとは、データセット内の、不正確な、破損している、形式が誤っている、重複している、または不完全なデータを修正または削除するプロセスです。データクリーニングは、従うべき最も重要なCRMベストプラクティスの一つです。AI搭載CRMが顧客データからインサイトを生成する際に、データをクリーンに保つことで、正確な情報にもとづいてより良い意思決定ができるようになります。
しかし、クリーンなデータも分断されたアプリにサイロ化されていれば、大して役に立ちません。CRMは、サイロ化を解消し、組織全体が信頼できる単一のデータソースを提供します。
正確さを高めるため、顧客データを定期的にクリーニングするプロセスを作成 することができます。CRMに追加される情報が増えるにつれて、データの不正確さをチームで継続的にチェックすることを忘れないでください。
データが整理されていなければ、方針の元となるインサイトが不正確になってしまう可能性があります。当社の調査では、営業担当者のわずか35%しか、自社データの正確さを完全に信頼していないということがわかりました。これを防ぐ最善の方法は、顧客データを単一のデータプラットフォームに集約し、それを維持することです。これにより各チームが見ている情報が統一されます。

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8. コラボレーションに注力する
営業がサービスチームやマーケティング部門とは異なる顧客データプラットフォームを使用していると、同じ顧客について矛盾した、あるいは重複した情報が発生します。お互いバラバラのシステムを使っていると、カスタマージャーニーを正確に把握するのは困難になり、状況は混乱を極めます。すでに成約済みの顧客に営業電話をかけたり、対応済みの問い合わせにフォローアップしたり、誤った宛先に製品を送ってしまうといった、気まずい状況を引き起こしてしまうかもしれません。
Slackのようなコラボレーションツールがあれば、チームは顧客やお互いと簡単にコミュニケーションを取って、スムーズに連携できるようになります。実際、サービス担当者の80%が、他部門のデータに簡単にアクセスできれば、自分の仕事が改善されるだろうと回答しています。
CRMがあれば、営業担当者は顧客の購入履歴に容易にアクセスできます。一方、AIは企業の保護されたデータから情報を抽出し、アップセルできる補完的な商品を提案することができます。サービス担当者は営業時のやり取りの記録を見ることができるため、即座に顧客についての詳細な情報を収集できます。マーケティングチームは、人々の購入行動や、製品との関わり方を確認し、共感を呼ぶメッセージを作成できます。
このようなCRMベストプラクティスを実践すれば、顧客関係とビジネスを新しい方法で成長・発展させることができます。従業員の生産的が向上し、より複雑なビジネス課題に専念できるようになるでしょう。顧客は、カスタマージャーニーを通じて、よりパーソナライズされたオファー、レコメンデーション、サービス、そして配慮を受け取ることができます。まずは、顧客データを一つの情報源に統合することから始めて、企業の成長を後押ししましょう。
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