タイガーモブ株式会社

前職でSalesforceを使っていたので、これなしに起業することは考えられませんでした。ビジネスツールというよりも、事業に欠かせないパートナーの位置付けです。スタートアップで予算がない中でも、導入は必要不可欠でした”

タイガーモブ株式会社 菊地 恵理子氏 代表取締役 社長
 

6割近くの案件が未稼働
社員2人、学生インターン2人の創業期

代表の菊地恵理子氏は、新卒で入社した人材採用支援会社で、1年目は採用コンサルタントとして営業を担当。2年目には海外インターン事業を立ち上げ、約600人を海外に送り出した。より実践的なビジネスインターンシップを通じて、時代を牽引するリーダーを輩出したいという想いから、2016年に独立。タイガーモブ株式会社を立ち上げた。
急成長するアジア新興国を中心に、アフリカ、南米、中東等、世界35カ国270件の多種多様なインターンシップを提供し、海外へ送り出したインターン生の数はこれまでに1600人を超える。対象は中学3年生から社会人まで幅広く、最近は法人向けに若手人材育成、役員合宿など、学びある旅をテーマに領域を広げている。
ニッチな業界だけに、見込み客をリアルタイムにキャッチアップすることが重要。主な集客手段はWebサイトだが、Webからの問い合わせは伸びるも全く人手が足りず、未稼働案件が6割と機会ロスが多かった。
課題解決のためにはSales Cloudを活用して、いかに業務を効率化、圧縮化するかが急務となっていた。「前職でSales Cloudを使っていたので、今の会社でも立ち上げ当初からSales Cloudの導入は決めていました。前職で海外事業を立ち上げる時、最初はExcelやスプレッドシートで管理していたのですが、作業が全然間に合わないうえに、人為的なミスも多かったのです。ミスは、海外渡航中のインターン生を命の危険にさらすことにもつながりかねません。SalesCloudで顧客管理を自動化するメリットを十分に理解していたので、会社の立ち上げと同時に、導入前提でセールスフォース・ドットコムの担当者に相談しました」と菊地氏は語る。いかに単純作業を自動化して仕組みにするか、 空いた時間をお客様のフォローや案件推進に充てるかが課題であった。
 

顧客管理の自動化により、お客様にとってもストレスフリーな環境へ

創業当初、代表の菊地氏自ら、何度もセールスフォース・ドットコムの担当者と遠隔でやりとりしながら、年末年始返上で必要な機能を組み立てていった。そして、2016年にはSales Cloudを本格的に稼働させ、2017年にはPardotとSalesforce Inboxを導入した。これにより海外インターンシップに申し込んだ顧客の対応をしたかどうかの顧客管理や、企業と学生の情報の紐づけなどが容易になった。
導入後すぐに効果を実感したことの1つに、工数の削減がある。Excelだと顧客管理が煩雑な上、ダブルチェック、トリプルチェックが必要になる。タイムラグのせいでアプローチのタイミングが遅れて機会ロスにつながるケースも多いが、SalesCloudを導入すれば瞬時に顧客の情報を共有化できるようになる。必要なタイミングで素早くアプローチできるので、機会ロスを減らすことができた。2つ目は情報の共有漏れがなくなったこと。海外出張も多いメンバーだが、オフィスにいなくても、誰がいつどこから見ても、同じ情報が共有できるようになった。3つ目はデータの蓄積化ができるようになったこと。現在同社が手がけるのは、国内から海外へインターン生を送る事業がメインだが、今後は国内インターン採用、新卒採用、中途採用などの事業へも注力していく。
そこで期待をかけているのが、同社が運営する海外インターンシップ生限定のコミュニティだ。過去にインターンシップに参加したメンバーなど800人以上が所属する参加者限定のコミュニティで、ユーザー同士の活発な情報交換が行われている。顧客を海外に送り出したらそこで終了ではなく、コミュニティを通じで帰国後のインターン生の就職、転職などの動きをサポートすることができる。ここから得た顧客情報をSales Cloudに蓄積していくことで、適切なタイミングで就職支援を行うことができると考えている。

Pardotで実現する、見込み客の取り込みと、
成約客へのアップセル、クロスセル

「Pardotマーケティングオートメーションの活用法は大きく分けて2つあります。1つは、まだ案件に至っていないお客様向けのもの。もう1つは案件になっているものの、成約に至らず未稼働のもの。」そう語るのはインサイドセールスを担当する半田藍子氏だ。
前者の事例では、例えばオフラインイベントに参加した顧客に、Pardot上に設置したアンケートフォームから感想などを投稿してもらうことで、会員登録無しに、cookieの情報を利用してその後のWeb上の行動履歴が追えるようになった。これまではオンライン経由で来た顧客の行動しか見られなかったが、オンラインとオフラインの垣根をなくせたのは大きい。今後、Web上で何らかのアクションをとってくれた顧客すべてをPardotでフォローして行く予定だという。
実装途中の部分もあるが、今後は海外インターンシップから帰国した学生向けに、採用情報やインターンシップの新着情報などもEngagement Studioを活用して自動的に発信していきたいと考えている。コンテンツに関しては自分たちで制作する他に、海外インターン生限定のSNSコミュニティやブログから自発的に情報を発信する人も増えてきており、コンテンツとして活用していきたい。

全てのスタッフが同じレベルのサービスを提供することを目指す

これまでは、担当者それぞれが対応したメールに関しては共有化が難しかったが、Salesforce InboxをGmailに接続することで、顧客の情報を全て一ヶ所に集約することが可能になった。同社が目指すのは、誰が対応しても高いレベルでサービスをお客様に提供することだ。
「ログを残すことによって『言った、言わない』のリスクヘッジにもつながります。キャンセルは何日にしたはずだ、などといったセンシティブな会話は、ログが残っていないと問題になりかねません」(半田氏)。メールの履歴、スケジュール、開封率などが、すべて1つのダッシュボード上で閲覧できるので、わざわざメーラーを立ち上げて履歴を検索したり、別のタブを開いたりする必要もない。テンプレート機能やワークフローでコミュニケーションの自動化が図れるため、別々の担当者から同じ確認メールが送信されるようなヒューマンエラーも解消できた。

メールチェックの時間は3分の1に短縮、
新規リード獲得数は4300件超に

「Salesforceの導入までは、深夜までの残業が常態的になっていましたが、導入後は『最近仕事が減っていない?』と社内から心配の声が上がるほど、業務時間を短縮できました」と半田氏は語る。「私の仕事は、Webから問い合わせをしてきた学生をカウンセラーにつなぐまでの工程や、海外インターンシップが決まってからの具体的な渡航手続きなどです。入社当初は、1件分の書類を確認するにも手作業で大変でした。『何枚目と何枚目が抜けているのでよろしくお願いします』など、お客様といちいちメールでやりとりするために、とても時間がかかっていました。しかしSales CloudやPardotを導入してお客様とのコミュニケーションをほぼ自動化できたことで、以前は3時間かかっていたメールチェックの時間を1時間に短縮することができました。お客様に対するリマインドの回数もぐんと減りましたし、私たちだけではなく、お客様にとってもストレスフリーな関係を構築できたのではないかと思います」(半田氏)。
各人の業務量が減ったことにより、新規事業へ注力することもできた。企業研修事業や採用事業など新たな試みにチャレンジできたのも、Salesforce導入による効率化によるところが大きい。Salesforceのサービス導入後約1年間で、新規リード獲得数4302件、商談数2倍、商談日数は平均14日かかっていたところを10日に短縮した。そして、「鉄は熱いうちに打て」という言葉の通り、顧客の熱量が高いうちにアプローチする余裕が出てきた。
全スタッフで目標値や達成度合いを共有化でき、誰が成果を上げていて誰が上げていないのかもリアルタイムで一目瞭然になるため、人材育成ツールとしても一役買っている。

個人でブラックボックス化している情報
も全てSales Cloudで共有したい

現在は日本から海外の支援だけだが、今後は海外から日本、海外から海外の支援も視野に入れているという。「情報はいろいろなところに点在してしまいがちです。データの活用と蓄積で、適切なタイミングで適切な情報を全部Sales Cloudに一括で集約できるようにしたいですね。会社として提供できることを最大化するためにも、データの蓄積と効率的な活用をしていきたいです」(菊地氏)。
個人の頭の中にだけ存在している情報を全てSales Cloudで共有・蓄積することで、海外インターンシップに留まらず、その後のチャレンジをシームレスに応援する教育機関を目指していきたいという。Salesforceは、個々の力だけでは成しえないレバレッジ効果を、今後もチームにもたらしていくだろう。
※ 本事例は2019年2月時点の情報です
 
 

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