Salesforceを活用して、顧客関係の強化に投資しているU.S.バンク
米国第5位の規模を誇る商業銀行であるU.S.バンクにとって、顧客関係は事業展開の最も重要な要素です。 しかし、一般銀行業務、住宅ローン、投資、決済など、1人の顧客が複数の部門と関わりを持っているにもかかわらず、顧客との信頼関係の構築は長年にわたり個々の部門内で行われていました。 その結果、各部門の行員が顧客とのやり取りを完全に把握できず、部門間の認識にずれが生じることも少なくありませんでした。
こうした一貫性の欠如は、商業銀行業界では特別なことではありませんが、ミネアポリスに本店を置くU.S.バンクは、顧客管理の手段を一新するという決断を下しました。
統合された1つのプラットフォームを会社全体で活用し、TrailblazerとなったU.S.バンク
U.S.バンクの経営陣は、部門ごとに顧客関係を管理するという従来の方法を維持するのではなく、行員に「1つのU.S.バンク」という考え方を浸透させ、全部門にわたって一貫したカスタマーエクスペリエンスを創出することを望んでいました。
この新しい取り組みを進めるために同行が選んだのが、Salesforceプラットフォームです。Salesforceでは、顧客がモバイル端末、パソコン、ATM、U.S.バンクの支店(25州に3,000店舗以上)など、あらゆるチャネルから金融サービスを簡単に利用できます。
「Salesforceは当行を完全な顧客中心の組織に転換するうえで欠かせないパートナーです」(最高分析責任者兼CRM責任者、Bill Hoffman氏)
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U.S.バンクは
Trailblazer
Salesforceの導入の決め手となったリード管理機能
Salesforceへの移行のきっかけとなったのは、小さなできごとでした。U.S.バンクの小規模企業向けバンキング部門が、モバイルアプリをサポートする新たなベンダーを探していたのです。 ベンダーの選定に携わったエンタープライズCRM担当バイスプレジデント兼ディレクターであるSteven Daniels氏は、次のように述べています。
「Salesforceにはリード管理機能があります。また、他のベンダーのサービスとは異なり、当行の既存システムとの互換性がありました。 それだけでなく、Salesforceには他のメリットもありました。データセンター外のデータを管理でき、アップグレードコストが不要で、3年ごとに新しいハードウェアを購入する必要もありません。 Salesforceのモデルは他社とはまったく違っていました」
1つの事業部門の決断によって、他部門の変革がスムーズに
2009年の導入後、目に見える効果がすぐに現れました。 「組み込み機能を素早く簡単に、そして柔軟に追加、削除できるだけでなく、以前ほど頻繁に技術サポートを依頼したり新しい機器を追加したりする必要がなくなりました。
これまでのプラットフォームでは実現できなかったことです。 Salesforceなら、ほとんどの企業が既存のテクノロジー、プロセス、環境を生かしたまま、独自の方法で利用できるでしょう。 私たちの場合もそうでした。 Salesforceの良さはこれだけに留まりません。今では内部システムの修正や設定の約80%を自分たちで行えるようになったので、ITチームは統合やデータ品質の向上といったタスクに集中できます」(Daniels氏)
この成果に他部門も注目し、2013年には住宅ローン部門がSalesforceを導入し、資産運用や決済サービス部門もこれに続きました。 さらに2年後には、コマーシャルバンキング部門も導入を決定しました。 現在では、U.S.バンクの約12,000部署、73,000人以上の行員がSalesforceを使用しています。
一貫性のあるアプローチにより、顧客関係が強固かつ細やかに
U.S.バンクが、CRM導入の次に着手したのはパーソナライゼーションです。U.S.バンクは、Salesforceの協力の下でパーソナライゼーション機能を実装しており、さまざまな銀行サービスを利用する顧客との複雑な関係をスムーズに管理しながら、顧客に手厚いサポートを提供しています。
「Salesforceのおかげで、最も重要なタイミングで顧客にサービスを提供することができます。 Salesforceの担当者は、当行の住宅ローン部門やコンシューマーバンキング部門といった枠にとらわれるのではなく、 常にU.S.バンク全体がうまく機能するように考えてくれます。 Salesforceプラットフォームでは、事業部門を問わず、顧客を管理する行員が必要な情報にアクセスできます。これにより、1つの銀行、1つの企業としてお客様に接することができます」(Hoffman氏)
その一例は、1つの顧客アカウントに関わる行員が最大50人まで必要な情報にアクセスできる、Salesforceの「チームルーム」機能です。
「さまざまなソースの最新データを一元的に管理、共有できるため、行員が本来の業務に時間をかけられるようになりました。顧客と実際に話し合い、そのリスクを理解し、顧客に最適な商品やサービスを見極めることができます」(Hoffman氏)
すぐれたモビリティ。どこにいても顧客とつながる
従来は、顧客情報は1つの事業部内で手作業で保存されるか、デジタル保存されることが一般的でした。今では、Salesforceプラットフォームによってすべてが変わっています。
「当行では、カスタマーエクスペリエンス全体をアナログからデジタルに移行しています。 私たちは、それをリアルタイムに実現しています。 カスタマーエクスペリエンスを包括的に管理することで、当行と顧客の関係を幅広く見渡すことができます」(Hoffman氏)
Hoffman氏はSalesforceのモビリティによって「大きな価値が得られた」と述べています。
「行員をデスクトップPCにつなぎ止めておくわけにはいきません。 Salesforceなら、どこにいても、顧客対応に必要な情報を得ることができます。 オフィスの外にいても、 顧客との商談中や移動中でも、確実に情報を手にすることができます」
TrailheadトレーニングでSalesforceをスピーディに学習
U.S.バンクでは、Salesforceに移行するにあたり、行員に利用開始の準備を整えさせることが大きな懸念事項でした。そこで重要な役割を果たしたのが、Salesforceのガイド付き学習アプローチであるTrailheadです。
「Salesforceプラットフォームについて学ぶうえで、これ以上優れたツールはありません。 Trailheadでは、Salesforceのあらゆる側面に導入されている最先端の技術から、初心者ユーザー向けの知識まで、何でも学習できます」とDaniels氏は述べています。 Daniels氏の部署では、部門内でSalesforceを導入する際、Trailheadのコースを修了したユーザーが、非常に早くSalesforceプラットフォームを使いこなせるようになりました。


Trailblazer事例
“Trailheadでは私たちのビジネスの課題に対してSalesforceがどのように役立つかを学ぶことができます。Trailheadはすべての行員がTrailblazerになれる環境を提供してくれているのです。”
Salesforceプラットフォームの新たな可能性を探るイノベーションチーム
U.S.バンクはSalesforceのネットワーキング機能を活用しているとDaniels氏は述べています。
「Salesforceプラットフォームで提供されるChatterやAppExchangeなどのツールやサービスは、業界有数の大企業やクリエイティブな小規模企業から集まったすばらしいインサイトにあふれています」。現在同社のイノベーションチームはSalesforceを活用し、モノのインターネット(IoT)を使ったパイロットプロジェクトに着手しています。
人工知能が進むべき道を照らし出す - Salesforce Einstein
SalesforceはU.S.バンクの顧客サービス戦略に欠かせないパートナー
「行員が日々の業務で遂行している通常のプロセスに、機械学習や人工学習の機能を組み込みたいと考えています。 そうした機能の条件は、まず日常業務に抵抗なく取り入れられること。 そして、カスタマーエクスペリエンスを第一に考えたものであることです」(Hoffman氏)
2016年12月に、U.S.バンクは5年契約をSalesforceと締結し、事業目標の達成に欠かせないミッションクリティカルパートナーとして、Salesforceとの関係をさらに強化しています。
「Salesforceには、人を大切にする文化があり、そのための支援体制があります。Salesforceプラットフォームは、こうした文化を顧客のために具現化したものといえるでしょう。 Salesforceの文化は私たちにとっても重要な意味を持ちます。なぜなら、『1つのU.S.バンク』という企業哲学と、お客様第一という当行の理念を実現してくれるものだからです。 顧客サービスに関する企業戦略の実践に向かって、現場の行員がベストポジションを確保する。それを実現させてくれるのがSalesforceです」(Hoffman氏)