IVRとは?コールセンターに導入するメリットやコツを解説
ここでは、IVRの基礎的な知識とメリットのほか、知っておきたい注意点などについて解説します。
IVRとは、外部からの着信に対して、自動応答するシステムのこと
IVR(Interactive Voice Response)は、日本語では「自動音声応答装置」「自動音声応答システム」などと呼ばれており、外部からの着信に対して、自動応答するシステムを指します。また、単に音声を流すだけではなく、プッシュ信号の送信や音声認識によって担当部署につないだり、ほかのシステムを操作したりすることが可能です。
企業のサポート窓口に電話した際に聞かれる「新規のお申込みは1を、契約の変更は2を…」といった自動アナウンスや、宅配便の配達時間変更の仕組みなどは、このIVRを使ったものです。
特に、BtoCの企業には、数多くの電話が外部からかかってきますが、その内容は単純な問い合わせからクレームまでさまざまで、内容によっては回答できる部署が異なります。IVRを導入しておくと、顧客側の操作によって電話の内容をあらかじめ仕分けておくことができますから、オペレーターの負担軽減や業務の効率化に大いに役立ちます。
さまざまな形で使われているIVR
IVRは一般の企業をはじめ、さまざまな場面で活用されています。先程ふれたカスタマーサポートや宅配便の例は、多くの人々が知っている例でしょう。
変わったところでは、自治体がIVRを導入した例もあります。市役所や区役所などでは、住民からのさまざまな質問や問い合わせをさばくため、代表電話を設置。大きな自治体になると、数人のオペレーターを配置して、入電を担当部署に振り分ける場合もあります。しかし、年度替わりの時期や、地震・台風などの災害時には電話が集中し、対応しきれなくなっていました。
そのようなときにIVRがあれば、問い合わせ内容に応じた部署に電話を振り分け、人力ではカバーしきれない量の入電処理が可能になるというわけです。
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IVRの具体的な4つの機能
電話の初期対応を自動化してくれるIVR。ここで改めて、IVRの持つ機能と、そのメリットをまとめてみました。
<IVRの具体的な4つの機能>
- 24時間、365日の対応が可能
- オペレーターのスキルに合わせた振り分けができる
- オペレーターを効率的に活用できる
- 折り返しの連絡も可能
24時間、365日の対応が可能
もちろん、込み入った内容の問い合わせとなると、オペレーターとのやりとりが不可欠でしょう。しかし、宅配便の配送日の変更のように、ボタン操作だけで処理できるものについては、時間を気にしなくて済むため、ユーザー側にとってもメリットが大きいものとなります。
オペレーターのスキルに合わせた振り分けができる
外部からの問い合わせやクレームは多種多様で、中には答え方の難しい内容もあります。そうした電話を習熟度の低いオペレーターにつないでしまうと、うまく対応できず、顧客満足度を下げるばかりか、顧客の離脱を引き起こしてしまいかねません。
しかし、IVRでスキルに応じた振り分けを行えば、そうした事態を避けることができるのです。
オペレーターを効率的に活用できる
こうした、有人・無人対応を選別する仕組みを用意しておくと、オペレーターの作業負荷が軽くなるばかりか、聞き間違いによるミスやエラーを未然に防ぐことができますし、スピーディに処理できますからユーザー側にも使いやすいものとなります。
ユーザーの声をしっかり聞き、着実かつ丁寧に対応することがオペレーターのコア業務です。そこに集中させるためにも、IVRはとても有用なのです。
折り返しの連絡も可能
「何度電話してもつながらない」というのは、顧客満足度を大きく下げる要因です。この機能を活用することで顧客満足度の低下を防ぎ、顧客の声をひとつでも多くすくい上げることができます。
IVRの導入による3つのメリット
さまざまなメリットを持つIVRですが、実際に導入することで、いくつもの効果を得ることができます。その代表的な効果を見てみましょう。
<IVRの導入による3つのメリット>
- コールセンター業務の効率化
- オペレーターの離職防止
- 顧客満足度の向上、解約防止
コールセンター業務の効率化
また、シンプルな案件は慣れない新人に、難しい案件はベテランに振り分けることで、個々のオペレーターの生産性を高めることもできます。
オペレーターの離職防止
特に、新人のオペレーターに対しては、対応が容易な案件を選んで振り向けることで、業務に慣れながら教育を施し、スキルアップにつなげることも可能です。
人材不足の昨今、優秀なオペレーターはなかなか確保できません。その点を考えても、IVRには大きなメリットがあるといえるでしょう。
顧客満足度の向上、解約防止
電話をかけてきた顧客は、自分が抱えている疑問や不明点を明快に、しかも今すぐ解消したいと思っているはずです。しかし、いくつもの部署をたらい回しにされ、その度に同じ話を繰り返していては、うんざりしてしまいます。それ以前に、電話がなかなかつながらないというだけで、大きなストレスを感じることでしょう。
このような事態を防ぎ、顧客満足度を高く維持して解約を防ぐことは、IVRの大きな目的でもあるのです。
IVR導入の5つのコツ
自動応答の時間は短く設定する
また、案内が長くなると、そのすべてを覚えておくのが難しくなります。プッシュボタン操作を使うにしても「◯◯の方、△△の方…」と延々と用件を並べておいて「…以上の方は1番を押してください」では、聞いているほうはとても覚えられません。
自動音声に丁寧な言い方は必要ですが、それ以上に少ない言葉で簡潔に、正確に伝えることが大切です。
階層は浅く、メニューは少なく
顧客は、この階層がどこまで続いているのかを知りません。ですから、3階層あたりになると、「もういいや」と電話を切ってしまいます。こうしたことを避けるためには、できるだけ階層を浅くすることです。
また、これと相反することですが、メニューの数を絞り込んでおくことも大切です。多すぎるメニューは長すぎる案内と同じく、一度で覚えにくいものです。浅く、短く、簡潔にと、心掛けておきましょう。
顧客本位のメニュー構成にする
たとえば、自動音声のメニューの順序。これは、会社によって考え方は違いますが、問い合わせの多い順に並べておけば、多くの顧客が短時間で目的のメニューに到達でき、顧客満足度の向上・維持に役立ちます。また、メニューに「そのほかの用件の方」あるいは「オペレーターとお話しになりたい方」を加えておくと、どれを選べば良いのかわからない顧客の救済策になり、顧客満足度の向上につながります。
定期的な見直しを行う
収集できる情報から仮説を導き、改善を繰り返して、より洗練されたサービスへとブラッシュアップしてください。
使いやすいツールを選ぶ
ですから、IVRの導入を考えるなら、まず機能やコストの点でいくつかの製品に絞り、デモ版を試用してみるといいでしょう。その上で自社の目的にかない、必要な機能を備えていて、なおかつ使いやすいものを選べば、後悔しない選択ができるはずです。
IVRで顧客接点を強化しよう
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