コールセンターの従業員満足度(ES)の重要性と高める方法とは?

投稿日:2021.8.16
企業にとって、顧客満足度(CS)の向上は大きな課題です。しかしそれは、顧客と接するスタッフの従業員満足度(ES)と密接につながっています。重要な顧客接点であるコールセンター業務では、その重要性はさらに高まりますが、どのように顧客満足度の向上を図ればいいのでしょうか。
ここでは、コールセンターにおける従業員満足度の重要性と、高める方法について解説していきます。

コールセンターでは従業員満足度の向上が重要!

ビジネスの現場では顧客満足度が注目されがちですが、事業を実際に動かしていくスタッフの満足度も重要な指標です。現場での業務にあたるスタッフが個々の仕事に満足し、意欲を持って日々の業務にあたることで、より質の高いサービスを顧客に提供でき、収益につなげることができるからです。
コールセンターは、従業員満足度が実務に大きく影響する業務のひとつに挙げられます。電話越しとはいえ、直接顧客と応対するコールセンターは、顧客の生の声を最初に受け止める部署です。それだけに気を使うことが多く、ストレスが溜まりやすい部署といえます。だからこそ、ストレスを上回るほどの高い従業員満足度が必要となるのです。

離職率の抑制はコールセンターの重要課題

多くのコールセンターでは、離職率の高さが重要な業務課題となっていますが、そのうちの大きな理由のひとつにストレスが挙げられます。

顧客からのクレームを受け止め、さらに、それを秒単位の限られた時間の中で処理しなくてはならないプレッシャー。通話内容はモニタリングされ、休憩時間も含めてきびしく管理されています。また、コールセンターは重要な顧客接点であることから、求められるクオリティは高くなるばかりです。ただでさえきびしい環境に置かれているのですから、少しでも好ましい環境を求めて転職を繰り返すのは、当然といえるかもしれません。

優秀な人材はより良い環境を求めて去っていき、新たな人材は成長する前に辞めてしまう。そのため、業務の品質がなかなか向上しない。この、多くのコールセンターが直面している課題を解決するには、離職率の抑制を考える必要があります。

ESなくしてCSなし

コールセンターは、顧客との接点として非常に重要なポジションであり、その品質次第で顧客満足度が大きく変化します。コールセンター業務を通じて顧客満足度を高めるには、高品質の対応を維持する必要があり、そのためには従業員満足度を高め、優れたオペレーターが満足して仕事に取り組める環境を構築することが不可欠です。これが、「ESなくしてCSなし」といわれる理由です。
スタッフのモチベーションや意欲は、仕事の成果に表れるもの。ですから、すべての部署、すべての業務において従業員満足度を高める努力は必要なのですが、コールセンターでは特にその重要性が高いといえるでしょう。

従業員満足度の向上が顧客満足度向上につながるしくみを知ろう

顧客満足度の向上は、高品質な業務によって生み出されます。コールセンターでの「高品質な業務」といえば、顧客からの問い合わせやクレームに対して、迅速・正確、さらに丁寧に対応することといえるでしょう。そして、個々のオペレーターが自主的にこうした対応をとれるのは、仕事に対するやりがい、働きがいを持っているからだということができます。

では、どうすれば仕事にやりがいを持つことができるのでしょうか。それは、自分たちの仕事によって顧客の不安や疑問を解消することができ、満足を与え、さらに自社の利益にも貢献できるということを、正しく理解することでしょう。そうすれば、日々の業務に対するやりがいだけでなく、誇りを持つことにもつながっていきます。そうした自覚が業務に対する積極性を生み、対応品質を高め、顧客満足度の向上へとつながっていくのです。

従業員満足度が低下してしまう要因は?

前項の場合と、反対のケースを考えてみましょう。オペレーター自身が、自分の仕事に意味を見いだせず、管理されることを束縛と感じ、嫌々ながら顧客対応を行う…。このような状態では、品質の向上などは望めません。それどころか、ちょっとした言葉遣いや言い回しの不手際から、顧客満足度を下げてしまう場合さえあります。

顧客対応によるストレス、厳格な管理によるプレッシャー、社内での人間関係など、コールセンター業務には、従業員満足度を下げる要因が数多く存在します。室内の空調や照明なども、細かなことですが従業員満足度に影響する場合があります。
従業員満足度の低下に影響がある要因をできるだけ抑え、同時に従業員満足度を高める対策を施すことが必要です。

コールセンターの従業員満足度を高める方法とは?

それでは、コールセンター業務の現場で従業員満足度を高めるためには、どのような方法をとればいいのでしょうか。いくつかの方法を挙げてみます。

経営理念を浸透させる

企業には、それぞれに経営理念があります。これを、現場のスタッフひとりひとりが正しく理解することは、すべての従業員が同じ方向を向き、共通の理想を持って業務にあたるためにはとても重要です。
「自分はこういう理念を持って仕事にあたるのだ」という意識づけを行うためにも有効なものですから、決しておろそかにしないようにしましょう。

業務目標を可視化しておく

コールセンター業務では、業務指標としていくつかの数値目標が設定されます。応答率やサービスレベルなど品質に関するもの、稼働率や平均処理時間など効率性に関わるもの。さらに、顧客満足度に関係するものやオペレーター個人のマネジメントに関するものなど、さまざまです。

これらの指標で業務目標を設定しておけば、自分の現状と照らし合わせることができ、従業員満足度の向上にも取り組みやすくなります。

環境改善でストレスを軽減する

勤務中はほぼ座りっぱなしのオペレーターにとって、デスクや椅子、空調、照明といった環境的要素は、ストレスに大きな影響を与えます。心身の疲れは対応品質に直結しますから、重要なポイントといえるでしょう。
また、リモートワークや時短勤務などを組み合わせ、希望のシフトがとりやすい環境を整えておくことも、ストレスの軽減と従業員満足度の向上に有効です。

充実した福利厚生を用意する

手厚い福利厚生が、職場選びの核心になることは少ないでしょう。ですが、職場に対する愛着を深め、やりがいを高める要素にはなります。
休憩室をカフェのような空間にしたり、マッサージチェアを用意したりするなど、できることには限りがありますが、可能な範囲で福利厚生を充実させれば、モチベーションの向上につながるでしょう。

インセンティブを導入する

数値目標の達成者に対してインセンティブを付与するというのも、従業員満足度を高めるためには有効な方法です。ただし、コールセンター業務は処理速度を優先しすぎると対応品質が低下し、顧客満足度を悪化させる危険性が高まります。ですから、どの指標にもとづかせるか、またインセンティブの額はどれほどにするか、慎重に決めるようにしましょう。

スーパーバイザー(SV)に余力を持たせる

オペレーターが自分自身の判断で対応できない場合、スーパーバイザー(SV)に判断を仰ぐことになります。ですから、スーパーバイザーとオペレーターは、常に良好なコミュニケーションを築いておくことが好ましいといえます。しかし、スーパーバイザーがあまりに多忙では、オペレーターは気軽に相談することができません。
こうした場合、まずスーパーバイザーの業務効率化を図り、スーパーバイザーがひとりひとりのオペレーターに目が届く状態を作ることが重要です。それによって、スーパーバイザーが常に的確な対応をとれるようになれば、従業員満足度の向上に大いに貢献するでしょう。

AIを活用した分析ツールの活用

多くのコールセンターでは、何らかのシステムを活用して、業務効率化を進めています。また、最近では、AIを活用した分析ツールを組み込んだものも登場してきました。
これは、顧客の音声を自動認識し、顧客の要求だけでなく感情までも読み取って、それに対する最適な回答をオペレーターの画面に表示するというしくみです。
こうしたシステムを使えば、経験の浅いオペレーターでも高い対応品質を維持できますから、従業員満足度だけでなく、顧客満足度の向上も期待できるでしょう。

定期的に従業員満足度調査を行うことは重要

企業側が良かれと思って行った施策が、オペレーターにはまったく響いていなかった…。こうなると、コストと時間を無駄にし、何の成果も得られなかったことになります。
ですから、打てる施策を行うことと並行して、定期的に従業員満足度調査を実施することが重要です。

従業員満足度調査の具体的な方法

従業員満足度調査の方法はいくつもありますが、一般的に使われるアンケートについて解説していきましょう。
まず、調査の目的を明確にすることです。「オペレーターのチームワークは良好か」「職場環境に不備がないか」「福利厚生に満足できているか」「管理者の質に問題はないか」など、どの点での従業員満足度を調査するのかを決めておき、それに関するアンケートを作っていきます。
従業員満足度調査を専門に行う業者に依頼したり、テンプレートを購入したりするのもいいでしょう。アンケートによって、どこに問題があるのかを探り出し、改善を重ねることで、従業員満足度の向上を図っていきます。

対策を打つべき従業員満足度のレベルは?

従業員満足度は、さまざまな要因で上下します。そのため、定期的な測定が必要なのですが、従業員満足度がどれくらいのレベルに下がったら対策を打つべきかは、企業の考え方によって変わってきます。
ただし、定期的に調査を続ける中で、目立って下がっている項目に関しては、早急に手を打つべきでしょう。また、さまざまな施策を実行しても離職率が下がらないという場合は、離職者に対してヒアリングをするという方法もあります。職場のどこに不満があったのかが明確になれば、対策を打つべきポイントもはっきりします。

従業員満足度を上げて、オペレーターが能力を十分に発揮できるようにしよう

貴重な顧客接点であるコールセンターにとって、優秀なオペレーターは大切な財産です。そのポテンシャルを十分に発揮してもらうためにも、従業員満足度の向上は重要施策のひとつといえます。
自社のどこに課題や問題があるのか、それを解決するために何ができるのか。十分に調査し検討した上で、従業員満足度の改善にあたってください。
 

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