最終更新日:2025.6.3

CDPとは?顧客データを統合する仕組みやメリット、3つの成功事例を解説

CDPとは顧客に関するさまざまなデータを収集・統合・管理するプラットフォームで、精度の高いOne to Oneマーケティングに寄与します。本記事では、CDPの概要と役割、活用事例を解説します。

アニメで学ぶCDP

本アニメでは、顧客データプラットフォーム(CDP)について詳しく解説します。
マーケターの視点から、データの統合、キャンペーンの最適化、顧客を満足させるパーソナライズされた体験の提供にCDPを活用する方法をご紹介します。

CRM(顧客関係管理:Customer Relationship Management)

目的 主に既存顧客との良好な関係を維持・向上させること。営業活動の効率化や顧客満足度の向上を目指す。
主な対象データ 顧客の連絡先情報や対応履歴、購買履歴、契約情報など、主に営業担当者やカスタマーサポート担当者が直接入力・収集するデータ。
主な機能 顧客情報管理や営業案件管理、問い合わせ管理、メール配信、レポート作成。
活用シーン 営業活動の進捗管理や既存顧客へのフォローアップ、問い合わせ対応の効率化、顧客満足度調査。

CDP(カスタマーデータプラットフォーム)

目的 CRMがカバーする既存顧客のデータに加え、匿名の見込み顧客段階からのあらゆる接点のデータを統合し、マーケティング活動全体での顧客理解とパーソナライズを実現すること。
主な対象データ CRMデータに加え、ウェブサイトやアプリの行動ログ、広告接触データ、オフライン店舗の購買データ、IoTデータなど、あらゆるチャネルのオンライン・オフラインデータを統合。
主な機能 CRMよりも広範なデータ収集・統合、高度な顧客分析とセグメンテーション、MA、広告プラットフォームなどの他のマーケティングツールへのデータ連携。
活用シーン 営業活動の進捗管理や既存顧客へのフォローアップ、問い合わせ対応の効率化、顧客満足度CRMのデータだけでは見えなかった顧客インサイトの発見、潜在顧客から優良顧客までの全カスタマージャーニーの可視化と最適化、より精緻なターゲティングにもとづく施策実行。

動画で学ぶシリーズ
Salesforceが描くCDPソリューション編

本動画では、様々なデータをCDPに集約し、どのようなパーソナライゼーションを実現することが出来るのか、SalesforceならではのCDPソリューションについて解説します。

表:CDP導入検討の前に目的と課題を明確にする

解決したい経営・事業課題の特定 「顧客理解を深めてLTVを向上させたい」「新規顧客獲得の効率を上げたい」「部門間のデータ連携を強化して業務効率を改善したい」など、具体的なビジネス課題をリストアップします。
CDP導入によって達成したい目標(KGI・KPI)の設定 課題解決の結果として、どのような状態を目指すのかを定量的な目標で設定します。これにより、導入効果を測定しやすくなります。(例:顧客単価〇%向上、解約率〇%削減、施策実行までの時間〇%短縮など)
関係部署との合意形成 CDPはマーケティング部門だけでなく、営業、カスタマーサポート、IT部門など、複数の部署が関わることが多いため、早い段階から関係者間で目的・目標を共有し、協力体制を築くことが不可欠です。
現状のデータ環境の把握 どのようなデータがどこに、どのように存在しているのか、データの品質はどうかといった現状を把握することで、CDPに必要な要件が見えてきます。

表:CDP導入の基本的な流れ・5ステップ

ステップ1:企画・要件定義 前項で明確にした目的・課題にもとづき、CDPに求める機能や性能、必要なデータ項目、連携システムなどを具体的に定義します。予算や導入スケジュールの大枠もここで策定します。
ステップ2:情報収集・製品選定・PoC(概念実証) 複数のCDPベンダーや製品について情報を収集し、比較検討します。必要に応じて提案依頼書を作成し、提案を受けます。有望な製品については、PoCを実施して実際のデータで機能や効果を検証し、自社との適合性を確認します。
ステップ3:設計・構築 選定したCDP製品をベースに、データモデル設計、連携インターフェース設計などの詳細なシステム設計を行ない、実際の環境構築作業を進めます。
ステップ4:データ移行・システム連携 既存システムからCDPへのデータ移行や、MA、CRM、BIツールなどの必要な外部システムとの連携設定を行ないます。データのクレンジングや名寄せもこの段階で重要になります。
ステップ5:運用開始・効果測定・改善 CDPの運用を開始し、設定したKPIにもとづいて効果測定を行ないます。実際に活用する中で出てきた課題や改善点については、継続的に対応していく体制を整えることが重要です。ユーザー部門へのトレーニングやサポートも欠かせません。

表:CDP導入でよくある失敗と対策

失敗例 対策
目的が曖昧なまま「CDP導入ありき」で進めてしまう 前述の通り、具体的な目的と課題解決を明確にし、CDPが本当にそのための最適な手段なのかを冷静に判断する。
データの品質を軽視し、汚れたデータのまま統合してしまう 導入前にデータクレンジングや名寄せの計画を立て、データの品質を担保するプロセスを組み込む。
現場の活用体制やスキルが伴わず、宝の持ち腐れになる CDPを実際に活用する部門のメンバーへの十分なトレーニングや、データリテラシー向上のための教育機会を提供する。運用ルールやサポート体制を整備する。
ベンダーに丸投げしてしまい、自社の主体性が失われる 自社内にプロジェクトオーナーと推進チームを明確に置き、主体性を持ってプロジェクトをリードする。ベンダーとはあくまでパートナーとして協力関係を築く。
短期的な成果を求めすぎ、長期的な視点が欠ける CDP導入は継続的なデータ活用と改善の取り組みであり、すぐに大きな成果が出るとは限らないことを理解する。スモールスタートで成功体験を積み重ね、段階的に活用範囲を広げていく。

ご相談・お問い合わせ

Data Cloudの製品、価格、導入などご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。専門担当者がお答えします。

表:CDPの導入や運用には、どれくらいのコストがかかる?

初期費用 ・CDPライセンス費用
・導入コンサルティング費用、要件定義支援費用
・システム構築・設定費用、既存システムとの連携開発費用
・データ移行・初期データクレンジング費用
月額・年額費用(ランニングコスト) ・CDPライセンス費用(サブスクリプションの場合、管理するデータ量、イベント数、ユーザー数などに応じた従量課金制が一般的)
・サーバー・インフラ費用(クラウド型の場合はライセンス費用に含まれることが一般的)
・保守・サポート費用、バージョンアップ費用
・運用代行を依頼する場合の費用

表:CDP導入の投資対効果(ROI)は、どのように考えればいい?

定量的な効果 ・売上向上
・パーソナライズ施策によるコンバージョン率改善(例:メール開封後の商品購入率〇%向上)
・LTVの向上(例:優良顧客の平均購入単価〇円増加、年間購入回数〇回増加)
・アップセル・クロスセル率の向上
コスト削減 ・マーケティング施策の効率化による広告費削減(例:ターゲット精度向上によるCPA〇%削減)
・業務効率化による人件費削減(例:手作業で行なっていたデータ集計・分析時間の〇時間削減)
・顧客離反率の低減による再獲得コストの削減
定性的な効果 ・顧客満足度・エンゲージメントの向上
・ブランドイメージの向上
・データにもとづいた意思決定文化の醸成
・部門間の連携強化
・従業員のモチベーション向上

表:CDP導入のROIを最大化するためのポイント

目的の明確化 何を達成するためにCDPを導入するのか、具体的なKPIを設定する。
スモールスタート まずは限定的な範囲で導入し、成功体験を積み重ねながら段階的に対象を拡大する。
継続的な効果測定と改善 定期的に効果を測定し、PDCAサイクルを回して施策やCDPの活用方法を改善していく。
全社的な取り組み CDPはマーケティング部門だけのツールではなく、全社で顧客データを活用する意識を持つ。

2分でわかるData Cloud

製品のデモ動画にて、Data Cloudがどのようにパーソナライズされた顧客体験の提供を実現するかをご確認ください。