アイスタイル


“課題認識と固い意志”を胸に全社員がメリットを実感し、Salesforce定着化に成功!
会員数220万人の化粧品・美容の総合サイト「@cosme」の運営元が顧客&営業管理をシステム化

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国内最大のコスメ総合サイトの運営を中心に
多角的な事業展開で東証一部上場を達成

20~30代女性の実に3人に1人が利用しているといわれる、国内最大の化粧品・美容に関する総合サイト「@cosme(アットコスメ)」。2013年7月現在、会員数220万人、月間ユニークユーザー数790万人を誇り、ユーザーによるクチコミ投稿は1000万件を超えている。1999年12月のサイトオープンから13年あまり、今や「@cosme」は、多くの女性にとってなくてはならない情報収集・発信の場となっただけでなく、2兆円超と推定される国内の化粧品市場の動向に対しても少なからず影響を与えるメディアへと発展を遂げたといえるだろう。

その運営元である株式会社アイスタイルは、「@cosme」開設に先立つ99年7月に創立された、社員数283名(13年7月時点)の企業だ。同社は、創設後間もなくITバブル崩壊を経験するも、基本的に右肩上がりで成長を続け、12年3月に東証マザーズ上場、同年11月には東証一部へ市場変更を果たした。

同社は創立以来、サイト上に掲載する化粧品メーカーのバナーやタイアップなどを中心とする広告サービスを事業の主軸に据えてきた。それに加えて、07年には、化粧品メーカーとユーザーとの直接交流を図る場として、コミュニケーション支援サービス「ブランドコミュニティ」の提供を「@cosme」上で開始。12年に「ブランドファンクラブ」に改称された同サービスは、化粧品メーカーの情報発信ツールとして現在450のブランドに利用されており、同社にとって、メーカーから安定的に収入を得られる重要な戦略商品となっている。そのほかにも、連結子会社の運営による化粧品ショッピングサイト「cosme.com(コスメ・コム)」や都内6カ所に店舗を構える「@cosme store(アットコスメストア)」において、オリジナル商品の企画・販売やプロモーションサービス等を展開するなど、規模の面でも、また内容の面でも、事業を拡大し続けてきた。

顧客情報、営業活動、案件熟度が管理されず
事業拡大で3つの課題があらわに

そのように、はた目にはきわめて順調にビジネスを進めてきたかに見える同社だが、ソリューションセールス部部長の河合辰哉氏によると、内実としては、事業拡大に必然的にともなういくつかの課題を抱えていたという。

「まず、弊社では設立当初から、Excelを使って顧客を管理していたのですが、取引先のメーカーの数が3000社ぐらいにまで急増して、営業スタッフがすべての顧客の情報を把握したり、全員で情報を共有したりするのが次第に難しくなってきました。加えて、営業スタッフの活動情報についても、顧客情報と同様にExcelで管理していましたが、チームや個人によって別々に行われていて、それらを顧客情報と連携させて活用することに非常に時間がかかっていました。」(河合氏)

実は同社は、一度、顧客管理・営業支援システムの導入に失敗した苦い経験を持つ。

情報戦略室基幹システムグループの吉川祥代氏はいう。

「価格が安いのが決め手となり導入したシステムだったのですが、業務にフィットしなかったため、現場でまったく使ってもらえませんでした。無理してそれを使うぐらいなら、多少運用しづらくても従来通りExcelで管理するほうがまだいい、と現場の誰もが感じたのだと思います。結局、不本意ながらExcelを使い続け、そういう状況に営業スタッフも慣れてしまっていました」(吉川氏)

しかし、その後もビジネスは拡大の一途をたどり、その結果、11年頃には、先述の課題はいよいよ抜き差しならない状態になっていた。

システム導入失敗の過去を踏まえ
改めてSalesforceの導入を決意

同社が諸問題の解決策として選択したのは、失敗の経験を踏まえつつ、改めて顧客管理・営業支援システムの導入に真正面から取り組むことだった。

「営業担当の役員から現場に対して、『比較的少額の初期投資で、少ないアカウントから気軽に始められるSalesforceを導入してはどうか』という提案がありました。私もかねがね、Salesforceの圧倒的なシェアや実績、導入面におけるコストの安さやスピード感、カスタマイズ性の高さといったさまざまな面におけるメリットを耳にしていて、非常に優れたツールであることは認識していました。ですので、現場としても、他社の製品と比較して迷うようなことはなく、そういうことなら一刻も早く導入しましょう、という感じでしたね」(河合氏)

そして同社は、12年3月にSalesforceを導入。前回の挫折を思えば意外なほどスムーズに社内に受け入れられ、定着していった。その理由はなんだったのだろうか?

「セールスフォース・ドットコムの営業の方が、非常にいいタイミングで弊社のやり方に合わせたデモを作って見せてくれたのは大きかったですね。それによって現場は、導入前に具体的な運用のイメージを持つことができ、一気に心をつかまれてしまいました(笑)。その後の実際の運用も、まさにデモの通りに進めるだけ。『実際に使ってみたらまるで話が違うじゃないか』というような現場の不満や戸惑いはまったくありませんでした」(吉川氏)

経営者・管理者・現場の三者が
それぞれの立場でメリットを実感

同社は当初の目的に従い、顧客情報と営業活動情報の管理、さらには案件の熟度管理に着手。中でも、それまでは困難だった受注確度や顧客満足度の把握・管理が、しっかりとできるようになり、かつ売上管理システムのデータと合わせて分析できるようになったのは大きな前進だった、と河合氏はいう。

「レポート機能やダッシュボード機能を使って、そうしたデータを簡単にグラフ化できる点が非常にいいんです。そのようなわかりやすい形でいろいろなものが可視化されたことは、いうまでもなく経営者にとっては、意思決定のための貴重な判断材料になりますし、現場の管理者にとっても、業務の効率化などにつながる直接的なメリットであるといえます。また、現場にとっても、データを入力しなければならないという負担はあるとはいえ、顧客情報がSalesforceに集約され、お客様に対してこれまでどんなコンタクトや提案をしてきたかがすべてわかるというのは、肌で感じられる大きな利点です。そのように、経営者・管理者・現場という三者が、それぞれの立場でメリットを実感できたからこそ、定着化に成功したのだと思います」(河合氏)

そうした経緯で社内に浸透したSalesforceは、今や基幹システムとして同社の業務に完全に組み込まれている。

「Salesforceによってスタッフ全員が常に状況を把握できるようになったことで、ある営業チームなどは、定例会のための資料を作ったり、打ち合わせを行ったり、ということをほとんどしなくなったそうです。つまり、弊社においてSalesforceは、管理者と現場のコミュニケーションツールとしても機能しているわけです。『Salesforceがなかったときにはどうやって仕事をしていたんだろう?』と思うぐらいに、今では業務に欠かせないものになっています」(河合氏)

売上と営業効率の向上に貢献
システム管理者にも大きなメリット

河合氏は、Salesforce導入の効果を数値化するのはなかなか難しい、と前置きしながらも、次のように続ける。

「営業の活動を定量的に管理できるようになって、売上と活動量の相関がある程度はっきりしました。それによってマネージャーは、営業スタッフに対してより具体的な指導を行えるようになり、かたや営業スタッフも、『やはり活動量と売上には相関関係がある』ということをこれまで以上に強く意識するようになりました。その意味では、Salesforceは確実に売上に貢献し、また営業効率の向上にも寄与しているはずです。もちろん、効率面に関しては、例えば過去の案件における営業の活動内容を確認したいとき、クライアント名やブランド名を入力するだけですぐに調べられたり、過去にコンタクトを取りながらも契約に至らずに埋もれていたクライアントを発掘したりできるようになったことで、Excelを使っていた頃と比べて格段に向上したのはいうまでもありません」(河合氏)

一方、システムを管理する立場にある吉川氏にとっても、Salesforce導入のメリットは大きかったようだ。

「システムの設計思想そのものが、使う側のことを本当によく考えている、と感じる場面が多々あります。久しぶりに行う操作でも、設計者の勘どころが的を射ているので、すぐにやり方を思い出せるんですよね。加えて、基幹システムというものは、継続的に他のシステムとの連携を図ることが求められ、それだけに頻繁に入れ替えられないわけですが、その点、Salesforceはカスタマイズ性と安定性が高いので、それをベースに他のシステムをどう最適化するかということを考えやすい。そういう面においても、システム管理者にとってはすごく安心感がありますね」(吉川氏)

記録ツール」から「攻めのツール」へ
成功の要因は課題認識と固い意志にあり!

「弊社の長所は、事業の拡大や人員の増加に合わせて組織や体制を柔軟に変えられるところだと考えています。これまで属人化していた情報をすべて蓄積して共有できるSalesforceは、今後、そうした長所をさらに伸ばし、ビジネスを発展させていく上で、これまで以上に重要な基盤になるでしょう。ただ、今のところ、弊社にとってのSalesforceは、顧客情報や活動情報といった『結果の記録ツール』なんですよね。ですが今後、顧客ごとの優先順位やサービス利用の履歴を出せるようになれば、『新しくこんなサービスを始めたから、過去にこういうサービスを利用したことのあるメーカーにアタックしてみよう』といった営業の戦略を立てられるようになる。つまり、『記録ツール』から『攻めのツール』『事業の発展ツール』へと進化するわけです。できるだけ早く、そういう使い方ができるようになりたいですね」(河合氏)

将来の展望についてそう語る河合氏。一方、吉川氏は、「@cosme」上のデータを売上と連携させて分析することによって、営業やマーケティングの精度をより高めていきたいと考えているようだ。

「例えば、ブランドごとのPV数やユニークユーザー数と、広告の出稿のタイミングや実際の売上との関連性を可視化できれば、メーカーに対して、『今、こういうキーワードでPVがこう伸びてきているので、こういう施策を打ちましょう』といった提案を的確にできるようになります。そうなればSalesforceは、弊社にとってより重要な、戦略的なツールになると思いますね」(吉川氏)

同社は近い将来、Salesforceをさらに使いこなし、より大きな成果を上げるだろう。ただ、同社がSalesforceの導入と活用に成功した最大の理由は、システムなどの技術に詳しい人材を多数擁するIT企業だったからではない、と河合氏は分析する。

「ツールは万能ではなく、また、仮に使いこなすだけのスキルがあっても、導入すれば直ちに効果が出るというものではありません。大切なのは、課題を認識して導入の目的をはっきりさせることと、使おうという意志を全社で共有すること。弊社には、顧客管理や活動管理が不十分であるという明確な課題があり、今度こそ導入を成功させるのだという強い意志がありました。逆にいうと、その二つさえあれば絶対に効果を出せると思います。システムに関する知識はなくても、デモによる事前のイメージづけやしっかりとしたサポートがありますので、さほど大きな問題にはならないと思いますね」(河合氏)

株式会社アイスタイル
  • 業種
  • IT・サービス
  • 業種詳細
  • 美容系総合ポータルサイト@cosme(アットコスメ)の企画・運営 関連広告サービス、マーケティング・リサーチサービスの提供
  • 活用用途
  • 営業支援・顧客管理
  • 導入製品
  • Sales Cloud ›
株式会社アイスタイル
ソリューションセールス部部長の河合辰哉氏。「Salesforce導入の効果はさまざまありますが、これまで経営者や管理者しか見ようとしてこなかったビジネス全体の状況を、現場の人間が常に見られるようになったということ自体にも大きな意味があると思いますね」(河合氏)
株式会社アイスタイル
情報戦略室基幹システムグループの吉川祥代氏。導入成功の要因のひとつは、現場のマネージャーが、導入プロジェクトのメンバーに入っていたことだったという。「彼らは、営業の活動報告の資料を作るのに毎週多大な労力と時間を費やしていました。Salesforceを使えばその問題を一挙に解消できるとわかり、積極的に導入に取り組んでいましたね」(吉川氏)
株式会社アイスタイル
メディアセールス部第2グループマネージャーの保坂未来氏。「各営業スタッフの状況をどこからでもリアルタイムに把握できるようになったおかげで、 Excelで営業の行動を管理していたときにはできなかった、複数の営業スタッフによる同時交渉などが可能になり、とても助かっています」(保坂氏)