アイチケット


診療予約システム業界で10年以上にわたって事業を拡大
Salesforceとグループウェアの連携で営業基盤を強化

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導入背景
  • 導入施設数が1300を超え、事業規模拡大に伴う体制強化・人員増強を推進中だが、一方で戦略的な営業を推進する基盤が必要に。
  • それぞれの営業がバラバラに活動しており、個人商店の集合体のような状態だったため、組織力の向上が急務だった。
  • 顧客管理システムとグループウェアが連携していないため、入力が二度手間に。顧客情報の活用も進んでいなかった。
導入効果
  • 顧客情報の一元管理により、売上や収益などの数値管理を行うための営業管理基盤を構築することができた。
  • 組織として顧客に向き合う姿勢が生まれるとともに、各営業のセルフマネジメントも効率化し、組織力がアップした。
  • 営業とカスタマーセンター間の顧客情報の共有により、お客様に対してのプラスアルファのサービスがさらに進化。

業界特有の二つの事情への対応力が強み

地域の医療機関を対象にした診療予約システムの開発・販売を軸に事業を展開するアイチケット。診療予約システムは、過去にも多くの企業が参入を試みては数年で撤退ということが繰り返されてきた浮き沈みの激しい業界。そんな中で、同社は10年以上にわたって事業を拡大し続けてきた。その理由は、顧客である医療機関の二つの特殊な事情に柔軟に対応してきたことがある。

ひとつは、訪問時間の管理。個人で診療所などを経営する医師が顧客となるが、診療時間内の訪問はできない。「午前と午後の診療時間の合間、もしくは午後の診療が終わった後、という限られた時間に、多忙なお医者さんのご都合に合わせて行かなければなりません」と同社取締役 兼 最高執行責任者の吉村泰之氏は話す。顧客に合わせて営業担当者を配置し、高度な時間管理を行えることが同社の強みでもある。

そしてもうひとつが、非常に高いサービスレベルの実現だ。診療予約システムといえども、医療機器や機材など直接命に関係するものと同様の高いサービスレベルが求められる。「通常のビジネスでは追加のサービスと受け取られることが、この業界では当たり前のようなところがあります。そこへのプラスアルファが常に必要なのです」と吉村氏。

事業拡大にふさわしい戦略基盤整備のために導入

そうした強みを支える基盤として同社ではこれまで、自社開発の顧客管理システムと市販のグループウェアを組み合わせて使っていた。しかし導入施設数が1300を超え、規模も拡大する中で旧システムでは限界が見えてきており、事業拡大に向けた基盤整備も視野に入れて、SalesforceとRakumoのスケジューラーの導入に踏み切った。
「これまで、当社の営業部隊は個人商店の集合体のようなもので、各人がバラバラに活動しているのに近い状態でした。今後人員を増やして体制を強化し、営業活動についてもきちんと体系化して戦略を組んでいきたいと考えました」と、メディカルソリューショングループ マネージャーの板倉伸児氏は説明する。

それまでは、見込み顧客のニーズに反応して営業を行うというのがほとんどで、売上予測や進捗管理もあまりできていなかった。従来の顧客管理システムは、マネージャーが定期的に新規獲得案件の数値をチェックする程度にしか使われていなかったという。

Salesforceを導入した狙いはもうひとつあった。「これまでベテランの営業が中心でしたが、人員の拡大に伴って、新卒や第二新卒も積極的に採用していくことになりました。ベテランの知識やノウハウをどうやって新たな社員に伝えていくかという課題があり、その点でもSalesforceに期待していました」と板倉氏は話す。

新規顧客獲得にも効果が生まれる

では、実際にSalesforceを導入して、アイチケットはどのように変わったのだろうか。 「特に大きかったのが、システム上これまでできなかった、外出先からの顧客情報の確認です。例えば、これから訪問するお客様が、直前にカスタマーセンターにクレームを入れていたとしたら、その解決策を持って訪問することができます」と吉村氏。これはプラスアルファのサービス実現という意味でも大きい。

この“プラスアルファのサービス”は、実は販路拡大という面でも意味を持つ。というのも、既存顧客からの紹介による新規獲得の比率が非常に高いためだ。既存顧客の満足度の維持・向上は重要な使命なのだ。
「営業が信頼されるために一番大事なのは、当たり前ですが、約束をきちんと守るということだと思います。そのためには、『ご依頼を受けた修理の見積りをいつまでに出す』といったToDoリストの管理が大事になってきます。しかし、顧客管理システムとグループウェアを別々に使っていると、一方だけに登録して漏れてしまうことが起こりがち。Salesforceを導入してそういったこともなくなりました」と吉村氏は話す。

新規獲得という点では、医療機器・医療品の販売会社も顧客情報として管理することを始めた。というのも、彼らの紹介で成約に至るケースが多く、また医師に関する情報も豊富に持っているからだ。
「これまで販売会社様の方々の情報は、各営業の頭の中だけにあり、共有・継承ができていないことが問題でした。顧客としてSalesforceに登録・管理することで、情報共有を進めることができました」と吉村氏は評価する。

アイチケットでは、Salesforceを外勤の営業だけでなく、電話の問い合わせなどを受けるカスタマーセンターでも活用している。
「カスタマーセンターは、当社にとって最大のプロフィットセンターです。独自の売上・利益目標もありますし、お客様の満足度の指標も使って管理しています」と吉村氏は説明する。このカスタマーセンターでも、ToDoリストの管理に始まり、外勤営業との顧客情報の共有などでSalesforceを活用している。

マネージャー層が率先して利用の活性化を図る

Salesforceの導入によってさまざまな効果が生まれているアイチケットだが、導入時は、現場の営業が進んで使えるように工夫を凝らした。
「当初の使い方としては、社内SNS Chatterの利用頻度が高かったので、私や吉村をはじめ上の者が積極的に書き込んで活性化を図りました。私たちからの発信はもちろんですが、営業報告に対してアドバイスをしたり、『この機能を使えばこんなことができる』といった書き込みもしました」(板倉氏)。

Chatter上で「いいね」ボタンを押すにも躊躇していた営業も、その行動によって上司からさまざまなアドバイスが得られるなど、役立つことが体感でき、徐々に利用が進んでいった。導入から2カ月がたつ頃には、現場から「こんな使い方はできないか」「こうしたらうまくいくのでは」といった主体的な書き込みも増え、利用サイクルが順調に回り出したという。

現場の営業の業務効率化を実現

Salesforceの導入は、現場の営業の業務の進め方にも大きな変化をもたらした。メディカルソリューショングループ セールス&コンサルティングチームの寒水久美子氏はこう語る。
「自分が抱えている案件の進捗状況や、受注件数などが目に見える形でわかるようになったのは大きいですね。ToDoの管理がより厳密にできるようになったのもありがたいです。例えば資料請求をいただいていたのに連絡が遅れている案件などがすぐわかります。次にやるべきアクションもわかるので計画も立てやすいです」

これは各営業のセルフマネジメントが効率的に行われるようになった証だろう。また情報の共有という側面でも効果が出ている。
「何かで必要な資料を作成しようというとき、今までであれば似たような案件を担当した人を探し出して直接電話して相談したりしていました。しかし、Salesforceならば別拠点にいる営業担当者のものでもすぐに見つけられます。そこから自分なりの工夫を加えて文書もすぐに作れるので、時間の短縮になっていると思います」と寒水氏。

資料の共有に際しては、どのような属性の顧客に対して、どのフェーズで使ったものかがわかるようにポストするというルールを設けている。これによって、単に資料の作成時間を短縮するというだけでなく、他の営業の体験を疑似体験として取り入れ、組織として営業力のレベルアップを図っている。

営業の意識が変化。今後は数値管理での活用も

営業履歴情報の共有は営業活動の効率化にもつながっている。「医療機関向けの営業では、地域性が重要な要素になってきます。『どこそこの先生が導入した』という情報が口コミで広がって、その地域の別の医師も検討するということがよくあるので、新規獲得の営業が効率的に行えるという効果があります」と板倉氏。Salesforceの導入は売上の向上という形でも結果が現れているという。
「現状ではまだ、顧客管理や数値管理に向けた土台ができたという程度」と話す板倉氏だが、組織としても変化が生まれてきていると指摘する。「今までは、与えられた商品があって、それを個人個人がバラバラに売っていた。それが徐々に、全員が顧客という同じ方向を向いて情報を共有しながら活動するというように変わってきている感じがしています」。

最後に吉村氏は次のように語った。「現状では、既存顧客の管理や、注文をいただいたお客様への導入までの進捗管理での活用がメインになっていますが、今後は売上や利益など数値管理にもSalesforceを活用していきたい」。

アイチケット株式会社
  • 業種
  • IT・サービス
  • 業種詳細
  • 診療予約システムをはじめとする医療機関向け各種ITサービス
  • 活用用途
  • 顧客管理、商談管理、問合せ・カスタマーサポート、グループウェア
  • 導入製品
  • Sales Cloud › Service Cloud ›
取締役 兼 最高執行責任者 吉村泰之氏
アイチケット株式会社取締役 兼 最高執行責任者の吉村泰之氏。「約束を守るという、営業にとって大事なことをSalesforceの活用で促進できます」
メディカルソリューショングループ マネージャー 板倉伸児氏
メディカルソリューショングループ マネージャーの板倉伸児氏。「個人商店の集まりだった営業が、顧客という同じ方向を向いて活動できます」
セールス&コンサルティングチーム 寒水久美子氏
セールス&コンサルティングチームの寒水久美子氏。「ToDoの管理で次にやるべきアクションがわかるので計画も立てやすいです」