メディア・バックオフィス


毎月の入金漏れが1/100以下に減少。月数百万円だった取り漏れが、数千円に低下。
キャッシュフローが劇的に改善。さらに請求・入金消込業務の自動化で、作業コストを70%も削減。
画像切り抜きサービスのフロントランナーが、Salesforce導入2年で売上を倍増させる。

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画像切り抜きサービスの先駆者
創業から5年で売上1億円を突破

「切り抜きJP」は、印刷・出版・メディア・Eコマースなどの業界を中心に利用されている画像切り抜き代行サービスだ。ユーザーが切り抜き加工や処理を依頼したい画像をウェブサイトに入稿(アップロード)すると、当日もしくは翌営業日に加工済みのデータをサーバからダウンロードできるというシステム。2006年9月のサイト開設当初から、画像の加工1枚70円からという価格設定の低さや、24時間体制の作業によって実現した納品の早さでユーザーの心をつかみ、現在、顧客数は6000社以上、受注数は1日250~300件と、日本におけるこの分野のパイオニアとして業界トップのシェアを確立している。

同サイトの運営元である株式会社メディア・バックオフィスは、東京都文京区に本社を置く、社員6名、アルバイト2名のベンチャー企業だ。設立のきっかけは、服飾小物の個人輸入を手がけていた代表取締役の渡邉堅一郎氏が、海外の同種のサービスを利用したことだったという。

「輸入した商品をウェブのショッピングモールに出品するために、自分で写真を撮影、加工していたのですが、その一連の煩雑な作業をひとりでは処理しきれなくなりました。なにか解決策はないかと探したところ、ベトナムにそうした作業を代行してくれる専門の会社があるのを発見したんです。日本にも同様のサービスは存在していましたが、おおむね画像1枚500円からという価格設定で、中小零細の事業主にはとても手が出せない。日本で受注し、人件費の安い海外の企業に業務を委託することができれば、ビジネスとして十分成立するはずだと考えました」(渡邉氏)

品質や納期に関する日本のユーザーの高い要求に対応できる企業を見つけるのに苦労したものの、中国やインド、バングラディッシュで委託先の企業を確保。06年12月の法人化以降、売上高は07年(1期目)約1500万円、09年(3期目)約6500万円、11年(5期目)約1億2000万円と順調に推移していった。

受注量の増加により
情報管理と業務量が限界に

だが、受注数や顧客数が急速に増えたことによって、同社はふたつの大きな問題を抱えることになった。ひとつは、CRMを導入していなかったため、顧客ごとの細かなリクエストに関する情報を管理しきれなくなり、ミスが多発し、クレームが相次いだこと。もうひとつは、顧客や案件に関するデータベースと、販売や会計に関するデータベースとが別個に存在していたため、1つの注文につき20~30項目のデータをそれぞれのシステムに入力しなければならず、また請求書の発行や消し込みの作業についても、データ同士を突き合わせて人の手で行う必要があり、業務量が膨れ上がってしまったことだ。

「各社員の残業時間が100時間に迫る月もあり、そのふたつの課題をなんとかしなければ、すぐにでも業務がパンクしかねない状態でした」(渡邉氏)

CRMの導入が急務だと判断した渡邉氏は、実装すべき機能などの要件定義を突き詰めた上で、複数のベンダーの製品をピックアップして検討を始めた。その際、特に重視したのは、初期費用と拡張性だ。

「弊社のような中小企業では、一度に投資できる金額に限りがありますし、使っているうちに『ああしたい、こうしたい』という希望が出てくるのはわかっていましたからね。その観点から比較したところ、あるベンダーのパッケージ型の製品の場合、システムのインストールだけで約1000万円、しかもある程度のカスタマイズが可能であっても、カスタム項目をひとつふたつ追加するだけでさらに金額が跳ね上がり、弊社には手の届かない価格になってしまう。また、別のベンダーの製品は、内容的には気に入っても、日本での導入事例が少なく、開発を委託できるパートナー企業が数社しかない。そうしていくつもの製品が候補から外れました」(渡邉氏)

そんな中、唯一、渡邉氏の要望に合致したのがSalesforceだったという。

「初期費用が安く、クラウド型で自由にカスタム可能な製品という時点で、Salesforce以外に選択の余地はほとんどなかったのですが、セールスフォース・ドットコムの営業の方のデモを拝見したり、開発のパートナー企業の方のお話をうかがったりして、『これならいけそうだ』と確信しました」(渡邉氏)

そして同社は11年5月、Salesforceの導入に踏み切り、創業5年目にして、さらに大きな飛躍を遂げることになる。

業務フローの自動化で生産性の圧倒的向上を実現
銀行データとの連携で入金漏れが月間100万円から数千円まで減少

同社はまず、アプリケーション開発のためのクラウド型プラットフォームForce.comを使って、ウェブサイトのオーダーフォームを一新。Salesforceの顧客・商談データベースと連動させたことにより、オーダーフォームから送信された情報を一元管理できるようになった。それによって、複数のシステムに同じデータを何度も入力する必要がなくなり、また見積書の作成から顧客への送信という受注に関する一連の処理が自動化されたのだ。

「以前は、1件の注文につき合計60項目ほどのデータを入力しなければなりませんでしたが、Salesforce導入後は5項目ほどの入力で済むようになりました。単に楽になったというだけでなく、受注後のお客様への返信速度が倍以上になり、受注から納品までの処理時間も約半分になりましたね」(渡邉氏)

さらに、それまで手作業で行っていた請求書の消し込みについても、銀行口座のデータを取り込んで自動的に処理できるようになった。

「800件以上の請求書を入金済みのものと未納のものとに分け、支払いの遅れているお客様に督促するという作業は非常に手のかかるものだったのですが、それを自動化したことによって、請求業務全体の約70%、社員ひとり分ぐらいの業務量をカットできたはずです。また、Salesforceのレポート機能を使えば、入金状況を瞬時に把握して督促の連絡ができますので、以前は月間100万円ぐらいあった入金漏れが、今は数千円レベルになりました。当然、利益率にも非常にいい影響が出て、キャッシュフローが劇的に改善されましたね」(渡邉氏)

業務量を大幅に削減できたことによって、残業時間が激減し、結果として社員の離職率が低下。「仕事が楽になった」「効率がよくなった」という現場の声がよく聞かれるようになったという。

加えて、海外のパートナー企業への発注や指示をSalesforce上で管理し、情報を共有するようになったことで、画像の加工内容や納期に関するミスが減少した。また、Salesforceの翻訳機能を用いることにより、特にインドのパートナー企業との英語での意思疎通が円滑になったという。

導入から2年で売上が倍増
グローバル進出をSalesforceで実現

Salesforceを活用して業務を徹底的に効率化し、2013年9月期の決算で前年比16%増の売上高約2億円を計上した同社。2012年04月にはインドに100%出資の子会社を設立するなど、グローバルに事業を展開している。

「インドの子会社での1期目の生産は順調ですし、一方で国内における競争はどんどん激しくなっていますので、遅くとも15年1月には国内と同様のサービスを海外でも始め、売上高を10億円まで伸ばしたいというシナリオを描いています。Salesforceを使ってプラットフォームの英語化を行えば、ほとんどの業務はこれまでと同じように行えるはずですし、その際に必要となる情報システムのノウハウもSalesforceで身につけることができましたので、立ち上げは早いと考えています。そういう海外展開を含めたビジネスのビジョンを持てるようになったのは、Salesforceを使い始めてからですね」(渡邉氏)

将来の展望についてそう語る渡邉氏。Salesforce導入から2年が経過した現在、そのメリットについてどんな認識を持っているのだろうか。

「お客様の声や要望という情報を蓄積することは、サービスレベルの向上につながる重要な要素ですので、Salesforceはお客様になんらかのサービスを提供する業種には非常にマッチすると思いますし、事業のレベルを上げる大きなきっかけになると感じています。また、ハードウェアの買い足しの必要がなく、初期コストの負担が圧倒的に小さい点や、パッケージ型の製品だとなかなか自社の業務に合わせられないという問題を、カスタマイズ性の高さによって非常にスマートに解決してくれる点など、メリットは数えきれないほどあります。ビジネスはスピード勝負ですから、導入は早ければ早いほどいいと思いますね」(渡邉氏)

画像の切り抜き代行サービスという新ビジネスに着目して大きな成果を上げた渡邉氏は、これからもSalesforceを駆使して新たな道を切り拓いていくことだろう。

株式会社メディア・バックオフィス
  • 業種
  • IT・サービス
  • 業種詳細
  • 画像切り抜き代行サービス
  • 活用用途
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  • 導入製品
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株式会社メディア・バックオフィス
株式会社メディア・バックオフィス代表取締役の渡邉堅一郎氏。「CRMのシステムを使ったのはSalesforceが初めてでしたが、それまでにもExcelを使って自分で項目を考えてデータを入力していた経験があったので、違和感はまったくなかったですね」(渡邉氏)