三浦屋


モバイルとの連携により日報をSalesforceで一元管理!
創業明治43年の老舗住宅建材商社にChatterが“革新”をもたらす

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百年の歴史を誇る住宅建材商社が
市況激変で革新の必要性を痛感

「住宅着工戸数が年々減少して、価格競争がどんどん激しくなっていく中、これまで通りに商売をしていたのでは利益を確保できない。何かを変えていかなければならない、革新しなければならない、という思いが常にありました。私がSalesforceに出会ったのは、まさにそういうときだったんです」

株式会社三浦屋代表取締役社長の内川義雄氏は、Salesforce導入当時の心境をそう述懐する。

東京都大田区に本社ビルを構える同社は、板ガラスやアルミサッシなどの住宅建材の卸売および施工を事業の中核とする、社員数65名の企業だ。創業は1910年(明治43年)。内川氏の曽祖父が「三浦屋硝子店」を設立して以来、1949年の法人化を経て、同社は実に1世紀以上にわたり、この地域に根を下ろし、堅実な事業を続けてきた。地場に密着し、地域と共生してきたことこそが、同社を長寿企業たらしめた第一の要因だった、と内川氏はいう。

「今の三浦屋があるのは、地域に根ざし、中小規模のお客様を大切にしてそのニーズに応えてきたからだと考えています。いたずらに事業を拡大せず、地道に仕事をしてきたからこそ、90年代初頭のバブル崩壊などを乗り越えてこられたのでしょう」(内川氏)

しかし、冒頭で内川氏が語ったように、90年代半ば以降の市場環境の変化は、100年の歴史を誇る同社でさえ経験がないほど大きなものだった。同社の業績に直結する新設住宅の着工戸数は、96年度に約163万戸を記録して以降、毎年のように減少を続け、リーマン・ショック後の09年度には約77万戸にまで落ち込んだ。それに伴い、ピーク時の91年度には37億8千万円に達した同社の売上高も、09年度には21億7千万円にとどまった。

そんな厳しい状況にあった08年、第5代目の社長として老舗の看板を背負うことになった内川氏。革新が必要――内川氏がそう考えるようになったのも、ごく自然なことだろう。

SalesforceとiPadの同時導入で
システムの一元化を図る

それに加えて同社には、より具体的なシステム上の課題もあった。同社は、営業日報のデジタル化を比較的早い時期に済ませていたが、社内の情報共有を行うグループウェアとは別のシステムで処理していたため、営業活動の管理を円滑に行うことができないでいた。内川氏は、00年の入社後間もなく、基幹システムの導入を推進し、生産性の向上につなげた実績を持つだけに、これは看過できない問題だった。

「そうしたいくつかの課題に頭を悩ませていたとき、目にとまったのがiPadでした。『これを導入すれば、絶対に何かを変えられるはずだ』と直感したんです。単純に、非常に種類の豊富な建築資材についてお客様から質問されたとき、手元で即座に調べられるようになるだけでも、iPadを営業担当者ひとりひとりに持たせる価値はあります。ただ、それだけでは物足りない。ほかに有効な活用法がないものかと社内で検討を重ねました。その結果浮かび上がったのが、iPadと同時に営業管理システムを導入して、営業日報と情報共有システムを一元化するというアイデアでした」(内川氏)

そこで同社は、建材営業本部課長の堅正元一氏を中心に、営業管理システムの選定作業に取りかかる。そして、複数のベンダーのツールを比較検討した末、堅正氏の選んだのがSalesforceだった。

「やはり弊社のような中小企業は、大手と比べて一度に投資できる額が少ないですから、初期コストを低く抑えられるという点は魅力的でした。加えて、製品についてウェブサイトから問い合わせたときのセールスフォース・ドットコムの担当の方の対応が、まさにSalesforceというシステムを体現したかのような、細部にまで配慮の行き届いた非常にスムーズなものだったことも、決定の大きな要因になりましたね」(堅正氏)

12年5月、Salesforceを導入した同社は、営業日報と情報共有システムの統合という当初の目的を一気に達成することに成功した。ただ、後ほど詳しく述べるように、Salesforce導入の効果はそれだけにとどまらなかった。内川氏や堅正氏がもともと想定していなかった部分においても、Salesforceは社内に大きな変化をもたらしたのである。

Chatterが全社員の意識を高め
改善活動の横展開を促進する

Salesforce導入後、同社では、12名の営業担当者全員にiPadを支給。従来、営業担当者は、1日の仕事を片づけて帰社してから営業日報をつけていたが、SalesforceとiPadを組み合わせて使うようになったことで、いつ、どこからでも入力が可能になった。管理側にとって、営業日報と情報共有システムを一元化するという大きな利点があっただけでなく、営業担当者にとっても、電車での移動中や昼食休憩中などの“すき間時間”を有効に利用し、そのぶんだけ早く退社できるというメリットがあったわけだ。

導入当初の目的からすれば、それだけでも十分な成果だった。しかし、そのこととは無関係に、予期せぬ効果を上げたツールがあった。Salesforceのすべてのエディションで利用できる企業内SNS、Chatterである。

「Chatterというツールがあるということ自体、セールスフォース・ドットコムの営業の方の説明を受けて初めて知りましたし、最初は普通のSNSと似たようなものという程度の認識しかなく、あまり重視していませんでした」(内川氏)

それでも堅正氏は、とにかく試しに使ってみようと、特定の社員に対し、毎日定刻にChatterに何かしら書き込むよう指示を出した。ただし、投稿内容については特に制限を設けなかったという。

「投稿の内容は、『今日、こんなお客様を訪問しました』といった業務連絡から、本当に他愛のない小ネタまでさまざまでしたが、それを半月ほど続けるうちに、利用者が自然にどんどん増えていきました」(堅正氏)

同社には、大田区の本社兼営業所のほか、神奈川県の川崎市と綾瀬市に営業所があり、それぞれに約15名の社員が配置されている。定期的に全社会議を開いたりはしていたものの、各営業所間で十分なコミュニケーションを取れているとはいい難い状態だった。

ところが、Chatterが各営業所で定着した頃、そうした状況に変化が表れた。ある営業所でのみ実施されていた「ミス・ロス撲滅活動」が、それに関するChatterへの投稿をきっかけに、他の営業所にも自然に波及していったのだ。

「『A営業所は今日でミスゼロ連続20日達成です!』といった投稿を見た他の営業所の社員たちが、『これは効果がありそうだから、うちでもやってみよう』と自主的に取り入れたんです。同時に、ミスを減らそうという意識とやる気が全社的に高まり、営業所の枠を越えて積極的に意見が交換されるようになりました。また、仮にミスをしてしまっても、その原因が書き込まれることによって、再発防止につながります。社員たちの自発的な行動によって、そのように改善活動がどんどん横展開していくというのは、弊社の歴史を振り返ってもあまり例のないことでした。社員たちの成長を感じさせる、弊社にとっては非常に意義深いできごとでしたね」(内川氏)

顧客との情報共有ツールとして活用し
地場のビジネス全体を盛り上げる

現在、内川氏は、これまでとはまた異なる場面でのChatterの活用方法を検討しているようだ。

「今は社内の情報共有ツールとして使っていますが、これからはお客様とのコミュニケーションの場としても積極的に利用していきたいと考えています。例えば、弊社の取引先には、業界内で横のつながりをお持ちでないお客様が意外と多いのですが、そうした方々を巻き込んで、利害が対立しないよう配慮しつつChatterのグループを作り、成功事例などをうまく共有できれば、お客様にとっても、また弊社にとっても、非常に大きなメリットがあるはずです。そのようにChatterを活用することによって、地場のビジネス全体を活性化させ、お客様とともに業績を伸ばしていきたいですね」(内川氏)

今では、毎朝Salesforceで営業日報を確認し、コメントを書き込むのを日課にしているという内川氏。Salesforce導入のメリットを日々実感しているという。

「Salesforceには本当にさまざまな機能があります。導入すれば絶対にこれだけの効果がある、ということを事前に推し量るのはなかなか難しいと思いますが、たとえChatterを使うだけでも、社内の変化を十分に感じられるだろうと思います。コスト的にも負担になりませんしね」(内川氏)

堅正氏も同様の見解のようだ。

「企業規模がある程度以上になると、どうしても社員が各拠点に散らばることになりますから、必然的に全社的なコミュニケーションを取るのは難しくなります。ですが、Chatterを使えば、例えば社長が毎日朝礼のようなことを行なったり、それに対して現場がリアルタイムで反応したりすることも簡単にできます。そのように、Chatterは、使い方次第でいろいろな可能性を秘めたツールだと思いますね」(堅正氏)

老舗企業に新風を吹き込み、革新をもたらしたChatter。地場に密着し、中小の顧客の声に耳を傾けることによって長い歴史を刻んできた同社にとって、極めて親和性の高いツールであるといえるだろう。

株式会社三浦屋
  • 業種
  • 建設・不動産
  • 業種詳細
  • 住宅建材販売業者
  • 活用用途
  • 社内コミュニケーション、モバイル活用
  • 導入製品
  • Chatter ›
株式会社三浦屋
株式会社三浦屋代表取締役社長の内川義雄氏。「iPadを導入すれば何かを革新できるのではないかという、どちらかというとiPadありきで始まったシステムの導入計画でしたが、そこにSalesforceがうまくマッチしたという感じですね」(内川氏)