ニッカル商工


顧客情報・営業ノウハウの共有化と営業活動の効率化により、新入社員が即戦力に!
創業50年超の“アルミ材料販売の先駆的企業”がSalesforceを活用して新たなステージへ!

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アルミ販売問屋として半世紀
“2007年問題”が大きな課題に

「弊社では当時、お客様の情報を紙やExcelで管理していたので、必要な情報を引き出すのに大変な手間と時間がかかってしまい、結局、あとからそれを読み返そうとする社員はひとりもいませんでした。しかも、弊社を長年支えてきた団塊世代の社員が順繰りに定年退職する時期が迫っていました。こんな状態で、彼らの担当しているお客様をどうやって次世代に引き継げばいいのか……。そう悩んでいたとき、とあるきっかけでSalesforceに出会ったんです」

Salesforce導入時の状況をそう回想する、ニッカル商工株式会社専務取締役の松下力氏。日本におけるアルミ材料販売問屋の先駆けである同社は、今、Salesforceを有効活用して、56年におよぶ社歴においても特筆すべき成果を上げている。Salesforce導入前から現在に至るまでの過程を、同社の歴史とあわせて振り返ってみたい。

同社の創業は、高度経済成長まっただ中の1957年。松下氏の祖父、故・栗木繁年氏が、同社の前身に当たる銀友商工株式会社を興したのがことの始まりだ。銀友商工は、アルミ製の平棒・角棒・パイプといった押出材の在庫販売を日本で最初に始め、メーカーの協力を得ながら少しずつ販路を拡大していった。

その後、同業者を主な取引先とするアルミ材料の一次問屋として、業界内でその名を知られる存在となった同社は、89年、市場のニーズに対応するため、現社長の松下威氏により、第二事業部を独立させる形で、新たにニッカル商工を設立。 京浜工業地帯の町工場をはじめとするユーザーへの直接販売と特注生産をあわせて手がけるようになった。創業から50年あまりが経過した2010年、両社は合併統合され、社名はニッカル商工に統一されたが、長年つき合いのある得意先からは、今でも「銀友さん」の呼び名で親しまれている。半世紀以上にわたり顧客を大切にし、信頼を得てきた同社ならではのエピソードである。

00年代半ば頃、好景気によるアルミ価格の高騰もあり、同社は順調にビジネスを進めていた。しかし、冒頭の松下氏の言葉通り、内実としては先行きの不透明な状況に陥っていた。団塊世代の退職、いわゆる“2007年問題”に備え、若手の採用を進めてはいたものの、従来のアナログ管理では、顧客の引き継ぎがスムーズにいかないことは明白だった。

「もう紙ベースでお客様の情報を管理する時代ではない。もっと検索のしやすい方法でデータを積み重ねていかなければならない。必然的にそう考えるようになりましたね」(松下氏)

創業50周年の節目にSalesforce導入
社員の姿勢に少しずつ変化が……

そんな折、松下氏は、たまたま訪れた取引先の企業が、グループウェアを用いて工場や営業の活動記録を残していることを知る。それに触発され、取り引きのあったシステム関連会社に類似のシステムの導入についての相談を持ちかけたところ、勧められたのがSalesforceだった。

「実は、私は当初、ある別のCRMを導入しようと考えていて、その製品のセミナーを聞きにいったり、社長を連れてシステム会社を訪問したりしていました。しかしながら、初期導入費用が約200万円かかるといわれ、なかなか決心がつきませんでした。それに比べて、Salesforceは初期費用が安いですし、セールスフォース・ドットコムの担当の方が、弊社の要望をすぐに汲み取って、的確な提案をしてくださったこともあって、とりあえず30日間無料トライアルを利用してみることにしたんです」(松下氏)

実際にシステムの構築作業を進めたのは、情報企画室課長の露崎光洋氏だ。

「私はシステムの専門家というわけではなく、ちょっとパソコンをいじれるからという理由で担当することになったのですが、わからないことはセールスフォース・ドットコムの担当の方に教えていただけましたし、特に難しいと感じることはありませんでした。それで、システム構築後、まずは3名のコアメンバーで使い始めて、これならいけそうだ、という見通しがある程度立った時点で、営業部全体に拡大しました」(露崎氏)

とはいえ、新しいシステムやツールに対しては、程度の差こそあれ、誰しも抵抗感を覚えるものだ。実際同社でも、導入当初、積極的にSalesforceを使ってみようとする社員はほぼ皆無だったという。

「始めは皆、なにを質問すればいいのかすらわからない、という状態でしたね。ですから最初のうちは、松下がトップダウンで繰り返し利用を呼びかけ、基本的な操作方法を覚えるところから始めました。それで少しずつ使えるようになってくると、だんだんと社員から質問が寄せられるようになり、次第にその質問内容も、『この情報とこの情報をまとめられますか?』『もっとこういう機能を使いたいのですが』というような、具体的で前向きなものに変わっていったんです」(露崎氏)

創業50周年の節目に当たる07年にSalesforceを導入した1年後――。同社内では、いくつかの大きな変化が起きていたのである。

営業活動に計画性が生まれ
業務スピードも加速

Salesforceの導入によって、まず変わったのがミーティングの方法だ。売上や活動数などの指標をグラフ化できるダッシュボード機能を使って、現状の全社の売上と営業担当者別の売上を把握し、今後の売上の予測を立てる。同時に、営業マン個人の成績を粗利率や商談件数といったさまざまな観点からチェックするのだ。

「大切なのは、成約に至るまでのプロセスを管理することによって、計画性を持ってアポイントメントを取るなど、次に必要なアクションをどんどん起こしていくことです。例えば、お客様を重要度によってSABCのランクに分け、それぞれについてすべての活動および予定を説明させ、問題点があれば具体的な改善方法を指導します。そして、お客様ごとにこちらからアプローチをかける頻度を設定し、それをもとに行動予定を立てていきます。そのように、営業マン個人の経験と感覚に委ねていた営業活動を、データに基づいて行うようにしたわけですね。かつてなら、『お客様をランクづけするなどけしからん』といわれたでしょうが、ビジネスである以上、ひいきにしてくださるお客様から優先的にコンタクトを取るのは当然です。以前から私はそう考えていたものの、裏づけとなるデータと、実行に移すための手段がなかった。そのふたつをSalesforceが実現してくれたわけです」(松下氏)

業務のスピードも全社的に大きく変わった。営業マン全員にiPadを支給し、どこからでも顧客情報やダッシュボードなどを確認できるようになり、また、それまで口頭やメール、文書などでやりとりしていた業務連絡のうち、速度重視のものは社内SNSのChatterで行うようになったからだ。

さらに、ウェブマーケティングの面でも大きな変化があった。自社ウェブサイトから自動的にSalesforceの見込み客データへ情報を取り込むWeb-to-リード機能などを活用することによって、バナー広告の費用対効果を計測したり、より受注に結びつきやすい施策を取ったりすることが可能になったのだ。

「そのあたりについては、もともと別のサーバ会社のCGIを使っていたのですが、月3万円ぐらいの利用料が必要でした。Web-to-リードはSalesforceの標準機能なので、その点でもコストダウンできましたね」(露崎氏)

顧客引き継ぎの課題を解消
新人育成の速度が飛躍的にアップ!

では、同社の最大の懸案であり、Salesforce導入の直接のきっかけでもあった、顧客の引き継ぎの問題は解消されたのだろうか?

「現時点では、いわゆる“属人化営業”から完全に脱却できたとまではいえませんが、顧客リストをすべてSalesforceに入れ、営業マンの知識やノウハウを共有したことによって、以前おつき合いのあったお客様の掘り起こしがしやすくなったり、取りこぼしが減ったりしているのは確かです。

おそらくSalesforceの最大の特長は、Salesforceにトップセールスマンの思考習慣や行動パターンを落とし込んで、その通りに実行させれば、たとえ営業経験のない新人でも、短期間で一人前に近いパフォーマンスを発揮できるようになる点です。一人前の営業マンに育つのに最低3年かかるといわれるこの業界において、弊社では、一昨年入社したばかりの20代半ばの若手社員がいっぱしの営業担当として活動しています。そのようなことは、Salesforceがなければあり得なかったでしょう。ベテラン社員の引退によって、平均年齢30歳そこそこの“若者集団”になった弊社が、これまで通り事業を継続できているのも、Salesforceがあればこそだと思っています」(松下氏)

導入当初、Salesforceに苦手意識を持っていた社員から、「予材管理のための自分用のダッシュボードを作って欲しい」というリクエストがあった、と嬉しそうに話す松下氏。Salesforceは、同社の風土そのものにも影響を与えつつあるようだ。

最近の取り組みとして、リスク低減のために売掛金を即座に把握できるようにするため、Salesforceによる与信管理の仕組みを構築した同社。次のステップとして、どのような商品がどんな顧客にどの程度売れているかを分析し、より効率的な営業戦略につなげられるシステムを作る予定だという。

「Salesforceは、顧客管理に課題のある企業なら、使い方次第で大きな成果を上げられるシステムです。ですが、導入を成功させるには、トップダウンで『Salesforce以外の紙媒体での報告は認めない』というぐらいの徹底した使い込みが必要ではないでしょうか」(松下氏)

“2007年問題”をSalesforceで乗り切り、それどころかステップアップまで果たした同社。今後の事業展開が注目される。

ニッカル商工株式会社
  • 業種
  • 小売・流通
  • 業種詳細
  • アルミニウムの卸売業
  • 活用用途
  • 営業支援・顧客管理
  • 導入製品
  • Sales Cloud ›
ニッカル商工株式会社
ニッカル商工株式会社専務取締役の松下力氏。「今年入社した社員に、Salesforceを使った顧客管理の状況を説明したところ、『では、以前はどうやって管理していたんですか?』と聞かれて返答に窮しました。あくまで感覚値ですが、導入前の弊社の管理レベルを10とすれば、導入後には300ぐらいになった気がします(笑)」(松下氏)
ニッカル商工株式会社
情報企画室課長の露崎光洋氏。「セールスフォース・ドットコムの営業の方にChatterの利用を勧められて試しに使い始めたら、社内の評判が非常によくて、あっという間に定着しました。最初はちょっとした遊び感覚で広まり、次第に仕事のほうへベクトルが向いていったイメージですね」(露崎氏)