本川牧場


"酪農経営と IT が初めてうまくリンクしたと実感しています。 この仕組みは、日本のすべての酪農農家が活用できるのでは ないでしょうか。"

— 社長 本川 角重 氏

3 万頭の牛情報をクラウドで管理
「牛任せ」から「先読み」の酪農経営へ

4種類の牛を市販のソフトとExcelで別々に管理
使い勝手の悪さが悩みだった

本川牧場は、大分県日田市の山あいに総面積 40 ヘクタールという 広大な敷地をもつ酪農事業者である。飼育している牛は、預託分を含 め、現在約 5000 頭。うちほぼ半数が乳牛で、ほかに肉牛、子牛、種 雄牛と、計 4 種類の牛を飼育している。設立時より、焼酎粕、豆腐粕 といった食品残さを飼料に使う循環型酪農を実践してきたことで知ら れる先進的な酪農家だ。
以前は、乳牛情報は市販の乳牛管理ソフトで、それ以外の牛の情報 については市販のソフトもないため Excel で管理していた。その頃に 抱えていた問題点について、代表取締役の本川角重氏は次のように話 す。
「乳牛管理ソフトが入っているパソコンでしか情報を扱えないのが とても不便でしたし、そのソフト自体の使い勝手も決していいもので はありませんでした。例えば、過去の記録を牛にうまくひもづけて管 理できなかったり、乳牛や肉牛など 4 種類の牛を一括して管理できな いのもかなり不便でした」

入力画面や機能を見直し
使いやすさを追求

本川社長は、かねてより耳にしていたクラウドに問題の解決を求め、2009 年に Salesforce の事例をテレビで見たの をきっかけに Salesforce 導入を決意。しばらくは機能を十分に使いこなすことができなかったもの、現場の誰もが使い やすいように入力画面を改修し、機能を整理することで、スムーズな活用が可能になった。
「Salesforce の導入支援実績が豊富で九州にも事務所を構えるシフトセブンのスタッフが、自ら酪農について勉強し、 現場のニーズに合わせた仕組みを作ってくれたことが成功へとつながった」と本川氏は振り返る。

現在は、牧場内の約 5000 頭すべての情報を Salesforce に登録しているほか、過去に出荷した肉牛や子牛などの情報 もすべて Salesforce で一括管理している。登録されている牛は 3 万頭以上。管理している情報は、主に「繁殖」「成長」 「健康」の 3 分野の記録と出荷情報で、入力項目数は 300 項目に達する。Salesforce 導入の最大の成果は「先が読める」ようになったことだと本川氏は話す。
「過去から現在までの情報を関連づけて活用できるようになり、過去の実績をもとにして経営計画を立てることが可 能になりました」
本川牧場では、生後半年を経た子牛を預託先へ移動することにしているが、Salesforce 導入後、親牛の分娩予定を 把握することが可能になり、子牛が生まれる前から出荷計画を立てられるようなった。また、緻密な品種別管理が実現 し、出荷時の売上げ頭数も正確に予測できるようになった。さらに、搾乳できる牛を把握して、牛乳の売り上げ予測が 立てられるようになったのも大きな変化だった。
それまでは、牛がいつ子どもを産んで、いつ乳を出すようになるかは、いわば「牛任せ」だった。その「待ち」の経 営から、数カ月後を見通す「先読み」の経営への大きな転換に成功したわけだ。
また、すべての牛の状態がリアルタイムで確認できるようになったことで、飼料の生産を手がけるグループ会社でも、 生産量や原料の仕入れに関する緻密な計画が立てられるようになった。結果、大幅なコスト削減が実現している。 現在は、事務所内のパソコンのみで Salesforce を活用しているが、近々、タブレット端末を導入し、牛の目の前で その牛の情報を確認できるような仕組みを作っていく予定だ。グループ会社全体でのクラウド活用も模索中である。 「これまでは難しかった計画的な酪農経営が実現したこと。それがクラウド活用の最大のメリットであると感じてい ます」と本川氏は話している。

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