製造業におけるデジタル化:変化への対応

はじめに

 
 
 
 

デジタル化を推進する製造業者は、全社でイノベーションを起こし、効率化を進めて、業界の未来を切り開いています。こうした企業は、強力なツールを用いて営業、マーケティング、オペレーション、サービスの各部門、そしてパートナーネットワークでデータやインサイトを共有し、新しい次元のコラボレーションを展開することで、さまざまな可能性を生み出しています。

しかし、新しい働き方でスタッフを支援し、生産性を上げようと思えば、まずはスタッフに新しい働き方を積極的に受け入れるよう促さなければなりません。組織の変革を成功へ導くためには、人材、プロセス、テクノロジーという3つの重要な課題があります。この記事では、それぞれの課題について解説するとともに、Salesforceを導入してこれらの課題を克服する方法をご紹介します。

人材

デジタル化の最終目的は、顧客に優れた体験を提供することです。ただし、そのためにはまず従業員に優れた体験を提供しなければなりません。従業員が使いやすいツールで業務をスマート化すれば、顧客に対しても信頼性の高い体験を効率的に提供できるようになるからです。

とはいえ、いくら使いやすいツールでもある程度のトレーニングは必要であり、導入プロセスにおいておそらくもっともつまずきやすい点がそこなのです。トレーニングは往々にして退屈でやる気を失わせるようなものになりがちです。それを避けるにはワークショップやゲーム感覚で学べるオンライン学習システムなどを取り入れて、従業員の関心を引く充実したトレーニングプログラムを設けなければなりません。また、単に関心を引くだけでなく、導入によって従業員がどういったメリットを得られるかを伝えることも必要です。

デジタル化推進プロジェクトにおいては、早い段階から従業員の意見を聞くようにします。そうすることで各部署に「スーパーユーザー」や熱心なサポーターが育ち、同僚に新しい働き方を普及する役割を担ってくれます。またスクラムチームを編成し、ユーザーテストを行う際には、さまざまな部署や地域のステークホルダーをメンバーに加えてください。そうすることで、より包括的で詳細なインサイトやフィードバックを得られます。

Salesforce Manufacturing Cloudによって得られる利点

Salesforceなら、ワークショップやヘルプセンター、Trailheadなどの魅力的で使いやすいオンラインリソースをご利用いただけます。Trailheadとは、各従業員の学習進度に合わせて特典が提供される学習プラットフォームです。

プロセス

多くの企業が似たようなデジタル化プランを実施していますが、自社独自の組織構造や会社文化に合わせてプランをアレンジすることが重要です。自社の事情を考慮した上で、手法や問題点や対策などを決定しましょう。

導入手法を決定するにあたっては、自社の規模やアジリティ、スタッフの平均的なテクノロジー習熟度やその他の要素を考慮に入れてください。グローバル企業の場合は、手始めに小規模なパイロットプログラムを実施して概念実証を行い、自信と勢いを得るのが得策でしょう。中堅・中小企業の場合は、変革の積極的な担い手となっている熱心な従業員による実地トレーニングなどを主催し、デジタル化による新たな展望を全社に浸透させるのが有効です。またいかなる企業でも、システムの連携や導入の手法を検討するにあたり、初期の段階からITチームの関与を求めるのが得策です。

ただし、どのような方法を用いても問題は起こりますので、覚悟を決めて対処していかなければなりません。トレーニングにまつわるよくある課題についてはすでにご説明しましたが、他にもリーダーシップの旧態依然とした考え方や時代遅れのプロセスなど多くの問題があります。こうした問題の大半を解決するためにまず重要なのは積極的な姿勢です。リーダーが変革に全力を上げて取り組めば、ほとんどの難問には解決の道を見出せます。

では、最終的にプロジェクトが成功したかどうかはどうやって見極めればいいのでしょう。どのような指標を採用すべきでしょうか。チームが新しいツールの力を十分に発揮できているかどうかを測るには、収益の拡大、コストの削減、顧客満足度の改善などの指標が有効でしょう。ただし、指標も自社の事情に即したものでなければならず、またビジネスリーダーはその有効性を実証しなければなりません。

Salesforce Manufacturing Cloudによって得られる利点
多くの課題はスタート時点で明らかですが、プロジェクトの進展とともに表面化するものもあります。したがって、あらゆる導入プランには、新たに現れた課題を評価し、対応するための手法が求められます。その点、Manufacturing Cloudには対策に効果を発揮する機能が複数搭載されています。

エンドユーザー向けのChatterグループを立ち上げれば、アイデアやフィードバックや質問を募り、トレーニング資料やFAQや他の役立つリソースへのリンクを投稿できます。または、ログイン数や商談獲得数、ファネル上のリードの動きなどの導入指標を測定し、ダッシュボードにわかりやすく表示して、リーダーの問題解決をサポートすることもできます。さらに、Caseオブジェクト機能を使えば、社内の強化リクエストを簡単に把握できます。

テクノロジー

デジタル化においては無駄に複雑な構成は避けなければなりませんが、ビジネスの成長に合わせた拡張性を備えておくことも重要です。

導入当初は、当面必要なものに重点を置き、最小限の構成で展開を加速し、ユーザーの使いこなしのハードルを下げるべきです。しかし、顧客のニーズや要望は時とともに変化するため、それに合わせてユーザーのニーズや要望も変化します。システムもこの変化に対応しなければなりません。対応できなければ、システムはやがてユーザーのお荷物になり、新たな問題はユーザー自身の手で解決せざるを得なくなります。つまり、テクノロジーにはビジネスと同レベルの俊敏さが求められるということです。

最後になりますが、システムには独自のビジネスケースをサポートするデータを備えたダッシュボードを導入し、経営陣自らが長期的なビジョンに沿ってシステムの方向性を徐々に修正し、進化させていけるようにするのが理想です。

Salesforce Manufacturing Cloudによって得られる利点
Salesforce Manufacturing Cloudは、最小限のシステムからはじめてどこまでも機能を追加し、拡張していくことのできる構造を備えています。クリックだけで簡単に設定できてすぐに使える上に、組織が成長し、ニーズが変化した場合でも柔軟に拡張可能です。Salesforceなら、手動でのデータのアップロードも、完全なシステムの統合も、基本的なレポート作成も、AIを活用した分析も行えます。あらゆる段階から導入でき、その後ビジネスがどのように変化しても、常にお客様のニーズに合わせて対応可能です。

まとめ

この記事でご説明した3つの領域は、企業のデジタル化ジャーニーを成功へ導くための基本事項です。デジタル化に実際に着手するにあたっては、Salesforceの取引先チームがサポートいたします。ご不明な点やご要望などがございましたら、こちらからお問い合わせください。
 
 

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