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テレフォニー(電話通信)とは?- 定義、種類、メリット

企業が選べるテレフォニーとコールセンター連携ソフトの選択肢は、ますます増えています。この記事では、企業が最適なツールを選ぶ方法を紹介します。

テレフォニー(電話通信)の定義

テレフォニー(電話通信)とは、簡単に言えば、物理的に距離が離れた複数の人々の間で、互いの通信を可能にするテクノロジーを指します。しかし、いまや電話の機能は、単なる音声通話を超えて著しく進化しています。以前は、通信手段として固定電話網や有線電話が利用されていましたが、現在ではインターネットによるビデオ通話、メッセージング、ボイスメール、通話の録音、インターネットFAXなどの新たなツールが使われています。

テレフォニー技術が進化するにつれ、さまざまな疑問もわいてきます。ビジネスに最適な電話通信は?特別な機器は必要?そして、導入を決めたツールは、カスタマーサービスにどのように影響するのでしょうか?

この記事では、テレフォニーについて押さえておきたいポイントを詳しく説明します。

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テレフォニーの種類とは

テレフォニーには従来型、移動体通信、インターネット電話、FAX通信の4種類があります。

従来型のテレフォニーとは

従来型の電話通信は、基本電話サービス(POTS)とも呼ばれ、公衆交換電話網(PSTN)によって、物理的に離れた人々の間での会話を可能にします。PSTNは、物理的な配線で世界中の電話を接続する固定回線で構成されています。コールセンターで、サービス担当者の固定電話が壁のジャックに配線されている(さらに地中に埋め込まれた広大な銅線のネットワークに接続されている)情景を思い浮かべてください。

PSTNは信頼性が高いとされていますが、柔軟性には欠けています。たとえば、従来の電話回線はビデオ通話に対応していません。また、設置や維持のコストも割高です。

移動体通信とは

移動体通信では、セルラー方式の技術、双方向の電波、電波塔を使用して、音声とデータを無線でデバイスに送信します。

有線接続を介さずにデータを送信、共有できる機能により、現場担当者が作業現場からシステムや他の従業員と通信したり、営業担当者が現場から在庫データを送信したりすることが可能になり、従業員の働き方が変化しています。

インターネット電話とは

インターネット電話は、音声をデータに変換し、高速のコンピューターネットワークで送信するソフトウェアです。インターネット電話では、PSTNやセルラー方式の技術が不要になります。インターネット電話の重要な要素が、音声、動画、テキストメッセージを送信するVoIP(Voice over Internet Protocol)です。VoIPは、クラウド電話と呼ばれることもあります。

VoIP電話を利用すると、従業員はインターネットに接続可能であれば、世界中のどこからでも、音声、動画、メッセージング、FAXを使って連携できます。VoIPシステムを顧客関係管理プラットフォームに接続すれば、さらに効率的なやり取りが実現します。

FAX通信とは

従来型の電話通信と同様に、従来のFAX通信も、固定ケーブルや物理的な配線のネットワークを使用して機器を接続しています。しかし、IP-FAX(Fax over IP)ソフトウェアは、書類上の情報をデータに変換して、インターネットで送信します。インターネットFAXを利用している企業は、有線機器ではなく、文書を添付ファイルに変換してメールで送信しています。

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従来型の電話、移動体通信、インターネット電話、インターネットFAXの仕組み

従来型の電話は、音声を電気信号に変換し、ケーブルを使って伝送します。伝送先に到達した信号は、再び音声に変換されます。従来、音声を伝送するケーブルは銅製でしたが、現在は光ファイバー製のケーブルが増えています。光ファイバーケーブルのほうが、電気信号を高速に、強力に伝送でき、明瞭な通信が可能になります。

移動体通信は、音声を電気信号に変換し、電波を使って基地局に送信します。電波は基地局のネットワークを中継して送信され、目的地に到達した後、再び音声に変換されます。
インターネット電話は、音声をデジタル信号に変換して、ブロードバンド(高速)インターネット経由で送信します。VoIPは、ビデオ会議やテキストメッセージなど、他の種類の通信も伝送できます。

インターネットテレフォニーでは、音声をデジタル信号に変換し、ブロードバンド(高速)インターネットを介して伝送します。VoIPでは、ビデオ会議やテキストメッセージなど、その他の通信タイプも伝送できます。

インターネットFAX通信は、文書を画像として符号化し、電気信号(従来のFAX)またはデータ(IP-FAX)に変換して、ケーブルまたはインターネットで宛先に送信します。宛先に到着した信号やデータは、機器またはコンピューターで復号化され、元の文書のコピーが作成されます。

VoIP、クラウド電話とは?なぜ重要なのか?

VoIPでは、コンピューターにインストールされたソフトフォンアプリケーションが、ローカルエリアネットワークとインターネットを介してデータを送信します。クラウド電話は、企業向けのホスト型VoIPで、企業の音声、動画、メッセージング、顧客関係管理、業務プロセスを連携させる、サービスとしての統合コミュニケーション(UCaaS)モデルの一種です。これらの機能を単一のクラウドプラットフォームに統合することで、システムの切り替えが不要になり、従業員の生産性が向上します。

VoIPシステムは、既存のネットワークを使用して、通話、ビデオ会議、メッセージ、文書の送信を可能にします。そのため、専用の回線が必要で、設置や保守にコストがかかる従来の電話通信に比べると安価です。VoIPはプライベートやビジネスでの通信方法を変えています

ビジネスで使うVoIPのメリットとデメリット

VoIPのメリット(英語)新しいウィンドウで開くは、コストの削減とビジネスバリューの高さにあります。インターネットにアクセスできれば、無料、もしくは低料金で通話、ビデオ会議、メッセージング、FAXを利用でき、大抵は従来のPSTN回線が不要です。しかし、停電時にバックアップ電源がないと、こうしたサービスへのアクセスを失う危険性があります(英語)新しいウィンドウで開く。また、VoIPプロバイダーによっては、緊急通報用の番号に直接電話をかけられない場合もあります。

VoIPを利用すると、国際電話や携帯電話を含め、電話番号がある相手と通話できます。多くの場合、相手に特別な機器は必要ありません。

テレフォニーに必要な機器

システムに必要な機器は、従来型、インターネット電話、移動体通信によって異なります。従来型の電話には、グローバルな電話回線網へのアクセス、職場や自宅の物理的配線、電話機、壁のモジュラージャックが必要です。一方、インターネット電話の場合、ローカルエリアネットワークまたはブロードバンドインターネットへの接続と、スマートフォンやノートPCなどのインターネット対応のデバイスが必要になります。一般的に、電話通信システムが古いほど、必要な機器が増え、メンテナンスのコストもかさみます。移動体通信に必要なのは、モバイルデバイスとセルラーネットワークへの有料アクセスだけです。

クラウド電話とオンプレミス型電話通信の違い

クラウドベースの電話とオンプレミスの電話通信システムは、どちらも着信と発信のフローを制御しますが、オンプレミス型のテクノロジーでは、トラフィックを管理するために社内にデバイスを設置する必要があります。クラウド電話の場合、社内に物理的なデバイスは不要で、通話データはインターネット経由で送受信されます。さらに、クラウド電話では、電話機をジャックに接続する必要がなく、ビデオ会議、テキストメッセージ、IP-FAXなど、さまざまな種類の通信が可能です。

コールセンター向けテレフォニーソリューションの種類

コールセンター向けの電話通信ソリューションには、オンプレミスの構内交換機(PBX)、VoIPまたはIP-PBX、ホスト型VoIPの3種類があります。

従来のオンプレミス型PBXシステムには、保留音、通話の転送、通話キュー、各従業員専用の内線などの機能があります。このシステムは、信頼性は高いものの、割高です。また、段階的に廃止が進んでおり、一般的ではなくなりつつあります(英語)新しいウィンドウで開く

VoIP電話システム(IP-PBXとも呼ばれます)は、コンピューターのIPアドレス間で音声データを転送します。ただし、従来型のPBXのようにPSTNを使用するのではなく、データネットワークと、従来の交換機のような機能を持ったIP-PBXサーバーを使用します。

ホスト型VoIPでは、音声はデータパケットに変換され、ネットワーク経由で転送されます。社内にサーバーを設置するのではなく、VoIPプロバイダーがクラウド上に電話通信をホストします。そのため、ハードウェアと保守にかかる費用を削減でき、設置と構成をスピーディに行えます。また、ソフトウェアが自動的に更新され、ケーブルや配線も不要になります。

テレフォニーでお客様サービスを向上させる仕組み

VoIPは、サービス担当者の生産性と効率を高め、従来の電話通信よりコストも低いため、サービスチームに最適なソリューショです。VoIPと顧客関係管理(CRMプラットフォーム、デジタルコミュニケーションチャネルを連携させると、サービス担当者はつながる顧客体験をどこからでも提供できます。

VoIPなら、ケーブルや配線、固定電話機に投資したり、長距離通話や国際電話の料金を支払ったりする必要がなく、カスタマーサービスチームの規模をすばやく拡張できます。また、VoIPは音声データをデジタル化するため、通話内容を自動で即座にテキスト化できます。サービス担当者が同じ質問を繰り返すことで時間を無駄にせずにすみ、顧客も逐一答えるストレスから解放されます。マーケティングや営業と顧客とのやり取りをサービス担当者が把握していれば、顧客固有の質問にも適切に回答でき、その結果、顧客満足度も向上します。

VoIPとCRMを統合すると、平均保留時間や通話時間などの重要な指標がダッシュボードで可視化され、マネージャーはサービスチームのパフォーマンスを詳細に把握できます。サービスチームは、通話内容の文字起こしを確認して、顧客満足度が高くなる通話を特定し、新たに発見したベストプラクティスにもとづいて、サービス担当者のスキルアップを図れます。