
クッキーレス時代とは?広告やデジタルマーケティングへの影響、対策方法を解説
ここ数年で加速している「クッキーレス」の動き。クッキーレスによって何が変わるのか、クッキーレスによって高まるファーストパーティデータの価値について解説します。
ここ数年で加速している「クッキーレス」の動き。クッキーレスによって何が変わるのか、クッキーレスによって高まるファーストパーティデータの価値について解説します。
デジタルマーケティングにおいて欠かせないクッキー(Cookie)ですが、その利用を規制する「クッキーレス」の動きが、ここ数年で加速しています。
ここでは、クッキーレスによって何が変わるのか、クッキーレスによって高まるファーストパーティデータの価値について解説します。
本資料では、新しいビジネス環境において、組織にとって喫緊の課題ともいえるデータセキュリティとガバナンス強化について、Salesforce Platformを利用し、信頼できるデジタル環境を実現するための6つのポイントを解説いたします。ぜひご一読いただき、自社のDX、そしてデータ戦略の一助としてお役立てください。
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クッキーは、元々ユーザーの利便性を高めるために、ユーザーとその行動情報を保存し、活用するしくみです。たとえば、一度ログインすると、ウインドウを閉じた後でもログイン状態を維持できるのは、クッキーを利用しているからです。買い物の途中でECサイトを離脱しても、再訪するとカートの中身がそのまま残っているというのも、クッキーがあるおかげといえるでしょう。
こうした便利さがある一方、ユーザーの行動履歴が記録されることから、企業のマーケティング活動に利用されることにもなりました。ユーザーごとにクッキーを読み取り、関心が高いと思われる広告を打つ「リターゲティング広告」は、代表的な手法といえます。
つまり、現在のマーケティング分野で、クッキーは欠かせない存在なのです。
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クッキーには、ファーストパーティクッキーとサードパーティクッキーの2種類が存在します。これは、「クッキーが発行された場所と発行者が同一であるかどうか」によって、区別されます。
たとえば、あるウェブサイトを訪れたとき、そのサイトの運営者、つまりウェブサーバーがクッキーを発行したなら、それはファーストパーティクッキーです。これは、ログイン状態を維持したり、前回の訪問時の状態を再現したりするために使われます。
もうひとつのサードパーティクッキーは、たとえば、ウェブサイトに広告を出稿している第三者のドメインといった、訪問しているサイトとは別のところから発行されるクッキーです。インターネットユーザーの行動を把握することでリターゲティング広告を表示したり、広告効果を分析したりするためのクッキーです。
クッキーレスが進行しているとはいえ、クッキーそのものに規制すべき違法性や難点があるというわけではありません。また、クッキーそのものを「なくしてしまおう」ということでもありません。問題とされているのは、その利用のしかたです。特に、マーケティング分野で多用されているサードパーティクッキーが、規制対象となっています。いったい、何が問題とされているのでしょうか。
自分の閲覧履歴などから、興味や関心の対象を読み取られ、適した広告を表示する。こうしたリターゲティング広告を、便利だと感じる人もいるでしょう。しかし、自分の行動が知らないうちに追跡され、企業の広告活動に利用されていることに、不快感を覚える人は多いはずです。
つまり、クッキーを利用した広告活動は個人情報の利用に等しく、本人の許諾を確実に得ているのかどうかというコンプライアンス上の問題と、ユーザー視点が欠落しているという問題が潜んでいるのです。
前述したクッキーを利用した広告活動に対する疑問が膨らむと、主要なブラウザがその対応に乗り出すことになりました。まず、AppleのブラウザSafariが、クッキーによるトラッキング防止機能を実装。Firefoxもこれに続き、トラッキングの自動ブロック機能を実装しました。Google Chromeは、2023年にはサードパーティクッキーの利用を廃止する予定ですし、Microsoft Edgeもこれに続く動きを見せています。
また、EUやアメリカではクッキーによる情報取得制限が法制化されていますし、日本でも2022年施行の改正個人情報保護法によって、クッキーを利用するトラッキングについて、事前同意が義務化されます。クッキーレスは、すでに「業界の潮流」というだけにとどまらず、社会全体の動きになりつつあるのです。
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クッキーレスの動きによって、サードパーティクッキーが規制されると、それを利用していた広告活動は壊滅的な打撃を受けます。また、サードパーティクッキーによって収集していたサードパーティデータと呼ばれるデータも、その用途が大きく制限されることになります。
そこで注目が高まるのが、企業が直接収集した情報であるファーストパーティデータです。
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企業から見た場合、サードパーティクッキーから得られたサードパーティデータは、自社からはかなり距離のある場所で得られたデータです。ですから、必ずしも「自社と自社製品・サービスに興味を持っている層」のデータではありません。
つまり、大量に収集した上で、市場全体の動向や潮流を見るには適していますが、自社のターゲット層として想定するには、データの精度が決して高くはないのです。
しかし、ファーストパーティデータはそうではありません。オフィシャルサイトやキャンペーンサイトのほか、展示会や見本市、セミナーや講演会など、自社の活動を通じて情報を獲得できた人々は、程度の差こそあれ、自社と自社製品・サービスに興味を持っています。
情報の出所が明確であるだけに信頼性が高く、しかも、タッチポイントによってカテゴライズし、それぞれ分析することもできます。サードパーティからの情報とは比較にならない質の高さを、ファーストパーティデータは持っているのです。
ファーストパーティデータはその精度の高さから、効果的な活用法がいくつもあります。中でも重要なのは、「顧客理解を深めるために利用する」というものです。
データには、性別、年齢、職業などの基本属性に加えて、多くの付加情報が含まれています。この情報を分析することで顧客を理解し、製品やサービスに反映することができるでしょう。
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ファーストパーティデータを集めるためには、見込み顧客や顧客が、個人的な情報を積極的に教えてくれる環境を作る必要があります。それには、ファーストパーティデータをどのように活用するかという点が関係してきます。見込み顧客や顧客にメリットのある形で情報を活用するからこそ、見込み顧客や顧客は情報を与えてくれるということを忘れてはなりません。
続いては、ファーストパーティデータを集めるためのポイントを見ていきましょう。
まず、収集した情報を使って、見込み顧客や顧客に「何を提供するか」を明確にします。「メールアドレスの登録で、毎週お得な情報を配信」というサービスは、世の中に氾濫しています。しかし、それが見込み顧客や顧客にとって本当に貴重で、役立つものでなければ、すぐにそっぽを向かれてしまいます。
ですから、手元のファーストパーティデータをしっかり分析し、見込み顧客や顧客が本当に求めるものを浮き彫りにすることです。「それを提供するために、あなたの情報を教えてほしい」という流れを作れば、見込み顧客や顧客は喜んで情報を提供してくれるでしょう。
登録フォームや問い合わせフォームなどで情報を求める場合、得てして「あれもこれも」と欲張ってしまって、多くの入力欄を設けたくなるものです。ですが、マーケティングの視点に立つと、個々の見込み顧客や顧客の年齢、性別、居住地などは、必ずしも不可欠ではありません。むしろ、背景にある「何のために、どんな情報を探しているのか」という情報のほうが重要でしょう。それを知ることで、見込み顧客や顧客の興味を正しく把握できるからです。
興味を把握し、それに応えるコンテンツやアクションを用意すれば、満足度の高いコミュニケーションが可能になります。そのために必要なデータを、見込み顧客や顧客の許諾を得た上で利用するのです。
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数あるタッチポイントを通じて、企業は見込み顧客や顧客から多種多様な情報を得られます。しかし、これらは断片化したデータですので、従来はここにサードパーティデータを加え、データのボリュームと幅の広さを補完していました。
しかし今後は、精度の高いファーストパーティデータの断片をつなぎ合わせて、許諾を得た範囲内で管理・利用するという方向に変化していくでしょう。それによって、見込み顧客や顧客の行動だけでなく、その背景まで把握でき、顧客理解をさらに深めることが可能になるわけです。
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クッキーレスは、世界的な潮流であり、この動きが変わることはありません。そのため、これからのマーケティングでは、ファーストパーティデータをいかに収集し、活用するかが大きなポイントとなります。
この流れに取り残されることのないよう、早急な準備と態勢づくりが必要といえるでしょう。
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