大阪府は「前例のない部局横断」で縦割りを打破 Agentforce Public Sector (旧 PSS)+Agentforceで、持続可能な行政サービスを実現
「精神論」から「システム」へ 大阪府の労働力革命
「精神論」から「システム」へ 大阪府の労働力革命
大阪府が直面していた最大の課題は、「現場のマンパワーの限界」と「ノウハウの属人化」でした。
健康、医療や福祉分野では、事業所等の急激な増加や度重なる法令等の改正により業務負荷が激増しています。しかし、団塊世代の退職により若手職員の割合が増え、ベテランのスキルを継承する機会が失われつつあります。担当者個人に業務ノウハウが蓄積され属人化が進行している中、行政特有の数年単位の定期的な異動もあるため、組織的な知見が途切れてしまうことが大きなリスクとなっていました。
また、現場レベルでは、立入検査や許認可業務のほとんどが紙ベースで行われてきました。資料の紛失リスクや膨大な転記作業、保管場所の狭隘化など、非効率なアナログ業務が職員の業務負担となっていました。
かつては別々に動いていた健康医療部と福祉部が、自治体向けソリューション「Agentforce Public Sector (旧PSS)」という共通の土台の上で一つになりました。当初、既存システムを持たなかった福祉部は予算確保さえ困難な状況にありましたが、健康医療部のシステムリプレイスに「相乗り」させるという泥臭くも戦略的な突破口で解決。仲間を増やすことで、全員を「DXという名のバス」に乗せ、部局の垣根を越えた一大プロジェクトへと昇華させました。
また PSSを導入することで事業者と行政をつなぐ「事業者等ポータル」を構築しました。これにより、医療機関や福祉施設はオンラインで申請や資料提出が可能になり、審査状況の照会やプッシュ通知の受信もマイページ上で完結します。これまで紙のやり取りに費やしていた膨大な時間が削減され、行政と事業者の双方が本来の業務に集中できる環境を整えました。
Salesforceのモバイル機能を活用し、現地検査の情報をその場でタブレット入力・データ登録できる仕組みを整えました。これにより、これまで職員を苦しめていた帰庁後の膨大な転記作業や報告書作成といった事務作業は一掃されます。事業者はポータルサイトからリアルタイムに審査状況や検査結果を確認できるようになり、行政の透明性も飛躍的に向上しました。単なる効率化ではなく、年間約9,900「時間」相当を職員に取り戻すことで、職員がよりクリエイティブな業務をはじめ、行政サービスの向上に注力することを可能にしました。
PoC(概念実証)においては、Salesforceのプラットフォームを使うことで、個別に開発しなくても部局を横断した他の指導監査業務にも適用できるなど、汎用性や拡張性があることを検証できました。実際に動く画面を職員たちに見せ、共に作り上げていくプロセスを通じて、「これなら自分たちの業務を変えられる」という確信を現場に植え付けました。さらに、最新のAIエージェントであるAgentforceを試行的に利用することで、事業者からの問い合わせ対応等を自動化する構想も進んでいます。
自分たちの成果が広く行政の現場に役立つことを願い、庁内はもとより他自治体へも横展開できる汎用的な設計にこだわりました。Salesforceを活用することで、この想いがカタチになり、関係者に良い未来の姿を見せることができたんです。
大野 哲史 氏大阪府 健康医療部 健康医療総務課 企画グループ , 課長補佐
人が減る中でも行政サービスを継続・維持していくために、Agentforce Public Sector (旧PSS)はかかせない存在です。
石橋 功太郎 氏大阪府 福祉部 福祉総務課 総務・人事グループ, 総括補佐
大阪府がDXプラットフォームとして(基盤として)Salesforceを選定した決定的な理由は、「確かな実績に裏打ちされた信頼性」と「ノーコード/ローコードでの圧倒的な拡張性」にあります。
大阪府では、コロナ禍における感染者管理の迅速なデジタル化を通じて、Salesforceという基盤が有事の際にも極めて有効であることを実証してきました。この実績が「行政サービスを支える強固なインフラ」という全庁的な信頼に繋がっています。
また、公共機関向けソリューション「Agentforce Public Sector (旧PSS)」は、許認可や検査業務に必要な機能を標準で備えているため、複雑なプログラムを書くことなく、自治体の実務に合わせたシステム構築が可能です。さらに、類似業務を持つ他部局への展開や補助金業務等の関連業務への拡大・利用を見据えられる点は、他社ツールにない優位性です。この柔軟な基盤があるからこそ、大阪府は業務改善に留まらず、時代に合わせた行政の形をデザインし続けることができるのです。
*内容は所属、役職名は取材時点(2025年12月時点)のものです。