ECにおけるパーソナライズとは?施策例や進め方のポイントを解説
ECにおけるパーソナライズとは何か、レコメンドとの違いや具体的な施策例、期待できる効果を解説します。また、顧客データやAIを活用して購買体験を高めるポイントも紹介します。
ECにおけるパーソナライズとは何か、レコメンドとの違いや具体的な施策例、期待できる効果を解説します。また、顧客データやAIを活用して購買体験を高めるポイントも紹介します。
ECにおけるパーソナライズとは、購買履歴や閲覧履歴などのデータをもとに、適切な商品や情報を提供するための取り組みです。ECサイトで売上やリピート購入を伸ばすには、顧客一人ひとりに合った商品や情報を届けることが重要であり、その実現方法としてパーソナライズが注目されています。
本記事では、ECにおけるパーソナライズの意味やレコメンドとの違い、具体的な施策例、期待できる効果などを解説します。あわせて、顧客データやAIを活用してECでのパーソナライズを進めるポイントも紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
B2C・B2Bのコマースリーダー3,400人以上への調査で、約半数が6か月以内にAIによるパーソナライズを導入予定と判明。EC市場の最新動向をご活用ください。
ECにおけるパーソナライズとは、顧客の属性や行動履歴、購買履歴などのデータを活用し、一人ひとりに最適化された顧客体験を提供することです。
たとえば、過去に閲覧した商品に関連する商品を表示したり、購入履歴に応じて再購入の案内を送ったりする施策が挙げられます。顧客ごとの関心や購買状況に合わせて情報を届けることで、商品を探しやすく、購入しやすい状態をつくる取り組みです。
レコメンドは、パーソナライズ施策の一つです。顧客の関心が高そうな商品やコンテンツをおすすめする機能であり、ECサイトでは以下のような形で表示されます。
一方、パーソナライズはレコメンドをはじめ、サイト表示やメール、通知なども含めて顧客体験全体を最適化する考え方です。
ECにおいてパーソナライズが重要な理由は、商品や価格だけでなく、購買体験の質も購入の意思決定に影響を与えるためです。
EC市場が拡大するなかで、顧客は多くのサイトや商品を比較しながら購入先を選んでいます。そのため、商品の探しやすさや必要な情報を得られるかといったサイトの使いやすさも、購入先を選ぶ判断材料になっているのです。
また、顧客によって興味のある商品や購入タイミング、求める情報は異なります。初めて訪問した顧客と、何度も購入している顧客では、届けるべき情報も変わるでしょう。
そこで、購買履歴や閲覧履歴などのデータを活用し、顧客ごとに商品や情報を出し分けるパーソナライズが重要になります。さらに、AIを活用すれば、顧客の行動や購買傾向をもとに、より関連性の高い提案を行いやすくなります。
下記記事では、小売業にAIを導入するメリットやデメリットを詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
ECにおけるパーソナライズでは、顧客の行動や購買状況に応じて、商品提案や情報提供を最適化します。代表的な施策としては、以下のようなものがあります。自社の課題や顧客との接点に合わせて、取り入れる施策を検討しましょう。
| 施策 | 概要 |
|---|---|
| 商品レコメンド | 閲覧履歴や購買履歴などをもとに、顧客に合いそうな商品を表示する |
| パーソナライズメール | 購買履歴や会員情報などをもとに、顧客ごとにメール内容を出し分ける |
| カゴ落ち・再入荷通知 | カート投入後に離脱した商品や、在庫切れ商品の情報を通知する |
| サイト内表示の出し分け | 顧客の属性や行動履歴に応じて、バナーや商品一覧などの表示内容を変える |
| Web接客 | 閲覧ページや行動に応じて、ポップアップやチャットなどで案内する |
商品レコメンドは、閲覧履歴や購買履歴などをもとに、顧客に合いそうな商品を表示する施策です。
たとえば、過去に閲覧した商品と似た商品を表示したり、カート画面で一緒に購入されやすい商品を提案したりする方法があります。顧客の商品探しの手間を減らし、自分に合った商品を見つけやすくする点が特徴です。
また、関連商品を提案して追加購入を促すクロスセルや、より高価格帯・高機能な商品を提案するアップセルにつなげられる場合もあります。
レコメンドについては、下記記事で詳しく解説しています。仕組みやメリットを知りたい方は、あわせてご覧ください。
パーソナライズメールは、購買履歴や閲覧履歴、会員情報などをもとに、顧客ごとにメールの内容や配信タイミングを最適化する施策です。
たとえば、過去に購入した商品に関連する商品を案内したり、閲覧したまま購入に至らなかった商品をメールで再度紹介したりする方法があります。また、消耗品の再購入のタイミングに合わせた案内や、顧客の興味・関心に合ったキャンペーン情報の配信にも活用可能です。
一斉配信ではなく、顧客の関心や購入タイミングに合わせて情報を届けられるため、メールの開封率やクリック率、購入率の向上が期待できます。
カゴ落ち通知は、商品をカートに入れたまま購入せずに離脱した顧客に対して、メールやプッシュ通知などで購入を促す施策です。購入を迷っている顧客に再度アプローチできるため、購入機会の損失を防ぎやすくなります。
再入荷通知は、在庫切れの商品に関心を示した顧客に対して、商品が再入荷したことを知らせる施策です。お気に入り登録した商品や再入荷通知を希望した商品について案内することで、購入機会を逃しにくくなります。
カゴ落ちの原因や対策については下記記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
サイト内表示の出し分けは、顧客の属性や行動履歴に応じて、トップページや商品一覧、バナーなどの表示内容を変える施策です。
たとえば、初回訪問者には人気商品やブランドの特徴を訴求し、リピーターには過去の購入カテゴリに関連する商品を表示するなどの方法があります。
また、特定のカテゴリをよく閲覧している顧客に対して、そのカテゴリのキャンペーンを表示するといった方法も考えられます。顧客にとって関心の高い情報をスムーズに届けることで、購入につながりやすくなります。
パーソナライズ施策のCVR・LTV向上を裏付ける実例として、EC売上10倍成長を支えたASICSの購買体験改革とAIエージェント活用の全貌を解説します。事例から次の一手が見えてきます。
Web接客は、ECサイトを訪問した顧客に対して、ポップアップやチャットなどを通じて最適な情報を提供する施策です。
すべての顧客に同じ案内を表示するのではなく、閲覧ページや行動履歴、属性に応じて内容を出し分けます。たとえば、商品選びに迷っている顧客に選び方を案内したり、一定時間ページを閲覧している顧客にキャンペーン情報を表示したりする方法があります。
また、チャットボットを活用すれば、顧客の疑問に自動で回答し、商品選びをサポートすることも可能です。顧客の疑問や迷いを減らし、購入を後押しする施策として活用できます。
下記記事では、AIチャットボットのメリットや活用のコツについて詳しく解説しています。チャットボットについて知りたい方は、あわせてご覧ください。
ECでパーソナライズ施策を実施した場合、主に以下のような効果が期待できます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ECでのパーソナライズ施策により顧客一人ひとりに最適な商品や情報を提供することで、コンバージョン率(CVR)と客単価の向上が期待できます。
たとえば、閲覧履歴に応じておすすめ商品を表示すれば、顧客は目的の商品や関連性の高い商品を見つけやすくなります。サイト内で迷う時間や離脱を減らせるため、コンバージョン率の向上につながるでしょう。
また、レコメンドによって関連商品や上位商品を提案することで、アップセルやクロスセルにつながれば、客単価の向上も期待できます。
下記記事では、アップセルとクロスセルとの違いや活用例を解説しています。どのような手法があるのか知りたい方は、あわせてご覧ください。
過去の購入履歴に応じて再購入を案内したり、購入商品に関連する商品を提案したりすることで、リピート購入を促しやすくなります。消耗品や定期的に買い替えが必要な商品であれば、購入タイミングに合わせた案内も有効です。
また、顧客一人ひとりに合った情報を継続的に届けることで、再訪問や再購入のきっかけをつくれます。購入回数や購入金額が増えれば、LTV(顧客生涯価値)の向上にもつながります。
下記記事ではLTVの計算方法や戦略について解説しています。LTVについて知りたい方は、あわせてご覧ください。
顧客に合った商品や情報を届けることで、顧客満足度の向上も期待できます。
たとえば、誕生月に特別なクーポンやメッセージを配信したり、購入履歴に応じておすすめ商品を案内したりすることで、顧客に「自分のための提案をしてくれている」という特別感を与えられます。こうした体験は、ブランドへの親しみや信頼感を高め、顧客満足度の向上につながるでしょう。
ECでパーソナライズを進める際のポイントは、以下の3つです。
それぞれのポイントを押さえることで、顧客にとって役立つパーソナライズ施策を継続的に運用しやすくなります。
パーソナライズを行うには、どのデータをどの施策に活用するかを整理しておくことが大切です。代表的なデータには、以下のようなものがあります。
| データの種類 | 活用できる施策の例要 |
|---|---|
| 購買履歴 | 再購入の案内、関連商品のレコメンド、アップセル・クロスセル |
| 閲覧履歴 | 関心のある商品カテゴリの表示、閲覧商品のリマインド、関連商品の提案 |
| 検索履歴 | 検索キーワードに応じた商品表示、サイト内表示の出し分け |
| カート投入履歴 | カゴ落ち通知、カート内商品のリマインド、関連商品の提案 |
| 会員情報 | 属性に応じたメール配信、キャンペーンの出し分け |
重要なのは、データを収集することではなく、目的に応じてどの施策に活用するかを整理しておくことです。
あわせて、顧客の関心や購買状況に応じて、どの接点でどの情報を届けるのかを決めておきましょう。
パーソナライズは、顧客にとって自然で役立つ体験となるよう運用することが重要です。
たとえば、閲覧した商品が何度も表示されたり、関心のない商品ばかり提案されたりすると、顧客は不快に感じる可能性があります。過剰なレコメンドや不自然な出し分けは、「監視されている」「押しつけられている」と受け取られることもあるかもしれません。
パーソナライズは、あくまで顧客の購買体験を助けるための施策です。顧客にとって有益な情報提供になっているかを定期的に見直しながら運用しましょう。
AIを活用することで、顧客一人ひとりに合わせた商品提案や情報提供を、より効率的かつ高い精度で行えるようになります。
たとえば、AIは閲覧履歴や購買履歴、カート投入履歴などのさまざまなデータを分析し、顧客一人ひとりの関心に合った商品やキャンペーン情報を自動で提案できます。人手では分析しきれない大量のデータも活用できるため、より精度の高いパーソナライズを実現しやすくなるでしょう。
さらに、AIを活用すれば提案内容を継続的に最適化できるため、パーソナライズ施策を効率的に運用・改善しやすくなります。
ここまで紹介したようなパーソナライズ施策を効率的に実現するには、顧客データを一元管理し、AIを効果的に活用できる環境を整えることが重要です。
SalesforceのCommerce Cloudは、ECやPOS、注文管理をつなぐ統合コマースプラットフォームです。ECサイト上の購買体験だけでなく、店舗や注文管理などの接点も含めて、顧客対応や販売活動を一元的に支援します。
ECや店舗など複数の接点で収集した顧客データを活用し、AIによる商品提案や購買支援を行える点も特長です。顧客の関心や購買状況に合った商品を提示しやすくなり、商品を見つけやすいEC体験づくりに役立つでしょう。
ECサイトだけでなく、購入前後の接点も含めて顧客に合った体験を提供したい場合は、Commerce Cloudを活用することで、データにもとづくパーソナライズ施策を進めやすくなります。
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パーソナライズとレコメンドは対象範囲が異なります。レコメンドは、顧客の興味・関心や行動履歴などをもとに、商品やコンテンツをおすすめする施策です。
一方、パーソナライズは商品提案だけでなく、サイト表示やメール、通知、Web接客なども含めて顧客ごとに購買体験を最適化する取り組みのことです。つまり、レコメンドはパーソナライズを構成する施策の一つと考えるとわかりやすいでしょう。
ECでパーソナライズを進める際には、購買履歴や閲覧履歴、検索履歴、カート投入履歴、会員情報などのデータを活用します。
たとえば、閲覧履歴をもとに関連商品を表示したり、購買履歴をもとに再購入を案内したりできます。会員情報や購入状況を組み合わせれば、顧客一人ひとりに合わせたメール配信やサイト内表示の出し分けも可能です。
重要なのは、データを集めること自体ではなく、目的に応じて適切な施策へ活用することです。あわせて、複数の顧客データを一元的に管理・活用できる環境を整えることで、より効果的なパーソナライズを実現しやすくなります。
まずは、自社ECの課題を明確にし、改善したい指標に合わせて施策を選ぶことが大切です。
たとえば、CVRを改善したい場合は商品レコメンドやサイト内表示の出し分け、リピート購入を増やしたい場合はパーソナライズメールや再購入の案内が候補になります。カゴ落ちが多い場合は、カゴ落ち通知も有効です。
最初から多くの施策を同時に導入するのではなく、優先度の高い課題から取り組み、効果を確認しながら段階的に施策を広げていきましょう。
ECにおけるパーソナライズは、顧客の購買履歴や閲覧履歴などをもとに、一人ひとりに合った商品や情報を届ける取り組みです。商品レコメンドやメール配信、サイト表示の出し分け、カゴ落ち通知、Web接客などさまざまな施策があります。
効果的に進めるには、顧客データを適切に活用しながら、顧客体験を損なわない形で運用することが重要です。さらに、AIを活用することで、商品提案や情報提供の精度を高め、パーソナライズ施策を効率的に運用しやすくなります。
ECサイト全体の購買体験を高めたい場合は、Commerce Cloudのような仕組みを活用し、顧客データとAIを組み合わせたパーソナライズを進めていきましょう。
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