株式会社ギブリーは2009年の設立以来、「すべての人が物心豊かな社会を実現する」というビジョンを掲げ、HRテックやマーケティングの領域を中心に革新的なソリューションを提供してきました。近年はタクシー広告やYouTube番組へのスポンサーシップなどを通じて多くの人々に広く認知され、既成概念にとらわれないプロモーションや独自のAIテクノロジーによって、新たなビジネスモデルの可能性を切り拓いています。
同社にとって最大の“課題”は、逆説的ですが「顕在化した問題が存在しない」状態にありました。既存の自社AIソリューションでも十分に業務を回せていたからこそ、急速に進化する生成AIの波に乗り遅れるリスクを強く懸念し、あえて新たな局面へ挑む決断を下したのです。すでに自社内でAI技術を保有しているにもかかわらずAgentforceの導入を選んだのは、変化を自ら生み出すことでこそ企業としての成長を加速させられると確信したからに他なりません。
ギブリーは、Agentforce Sales、Agentforce Service、Agentforce Marketing、Agentforce、Data 360などの豊富な機能を戦略的に組み合わせ、徹底した業務効率化を推進しています。
セールス+AI
Einstein for Salesの商談情報自動文字起こし機能を活用することで、フィールドセールスにかかる負担を大幅に削減しています。さらに生成AIによる要約機能も導入し、担当者の入力・管理工数を一層軽減することで、Sales Cloudへの商談情報更新率は20%から90%へと大幅に向上しました。交渉内容が可視化されるようになったことで管理体制の強化や商談の進捗をリアルタイムで把握する仕組みを整え、より戦略的な営業活動が可能となっています。
マーケティング+AI
ギブリーはAgentforce Marketingを活用し、マーケティング施策の企画から実行、分析までを包括的に自動化しています。従来は人手で対応していたメールマーケティング施策において、AIエージェントが企画書・仮想顧客の生成からコンテンツ作成、配信リスト作成、結果分析までを一貫してサポート。これにより従来月8本のメルマガ配信にかかっていた企画工数を20時間から8時間へ、メルマガ・LP制作工数を16時間から8時間へと50%削減することに成功しました。
具体的には、AIエージェントが仮想顧客(ペルソナ)を生成し、その顧客の課題やニーズを深掘りすることで、ターゲットに刺さるコンテンツを自動生成しています。過去の制作物やCRMデータを学習し、開封率やクリック率などのKPIと実績の差分から継続的にナレッジを更新する仕組みを構築。この学習サイクルにより、開封率は17%から20%へ3ポイント向上、クリック率は11%から13%へ2ポイント向上という具体的な成果を上げています。
また、ランディングページ(LP)制作においても、企画書レコードと過去ページ情報を参照しながらAIが自動生成し、WordPressへ直接反映。メルマガ制作でも同様に、企画書レコードとテンプレートを読み込み、ページテキストを自動生成してエディタに反映することで、マーケターは戦略立案やクリエイティブな判断に集中できる環境を実現しています。
さらに、アダプティブWebサイトの実装により、訪問者の関心領域をAIが自動で絞り込み、最適なコンテンツを視覚的に提案。自然言語での入力に対しても適切なコンテンツをサジェストし、24時間365日体制で新規リードの獲得と顧客との関係性強化を図っています。TableauやAgentforceとの連携により、広告データの統合やダッシュボードのリアルタイム分析も可能となり、データドリブンなマーケティング意思決定を支えています。
カスタマーサポート+AI
カスタマーサポートサイトにAgentforceを設置することでFAQ対応を自動化し、1日あたり6.1件の問い合わせのうち97%(5.9件)の対応を自動化することに成功。これにより1日あたり約3時間(0.4人月)の工数削減を実現し、回答内容の標準化によって対応品質のばらつきを解消しました。また、新機能情報の追加や更新を即座に反映できるようになり、情報更新作業の負担を大幅に軽減しています。
ヒューマンリソース+AI
AgentforceとLINEを連携させることで、求職者からの問い合わせを一元管理できるようにし、採用に関するコミュニケーションのスピードを飛躍的に向上させています。これにより、求職者への迅速な対応が可能になり、企業イメージの向上や優秀な人材の獲得にも寄与しています。
こうした取り組みによって、ギブリーは“労働力革命”という言葉にふさわしい全社規模の変革を進めています。特にカスタマーサポート領域では、現在の適用範囲は全体の1/3にとどまるものの、全製品情報に拡大することで月1.5人月の業務削減を達成予定。また、他の10製品への横展開によって、月10〜15人月の削減も見込まれています。AIエージェントが定型業務を担うことで、社員はよりクリエイティブな業務へ集中でき、高収益かつイノベーティブな企業文化の醸成を目指すという、大きなビジョンを着実に形にしているのです。
ここまでAIが精度高くかつ、お客様に合わせて柔軟に回答を変えていける、そんなことは今までみたことがなかったのでかなりの衝撃を受けました。
吉田 将輝 氏執行役員CMO / 経営統括部長, 株式会社ギブリー
ギブリーが自社のAI資産を有しているにもかかわらずAgentforceを導入した最大の理由は、「クリックベースで圧倒的に簡便なシステム構築が可能で、既存業務との親和性も極めて高い」という点にあります。コードを書かずとも柔軟にユースケースを追加できるため、急速に変化するビジネス環境に迅速に対応でき、現場の声も素早く反映できます。さらに、基幹システムがSalesforce上にあったことで、短期間での導入が可能となり、構築工程のほぼ全てを社内で完結できた点も大きな強みとなりました。
こうした基盤があるからこそ、ギブリーはAgentforce(AIエージェント)を最大限に活用し、業務革新だけでなく企業カルチャーの進化までも推し進めようとしています。
ギブリーの事例は、「課題がない」という状況こそが最大のリスクであることを示しています。既存のシステムで業務が回っているからこそ、次世代のAI技術を積極的に取り入れ、組織全体の変革を推進する。そのチャレンジ精神と実行力が、Agentforce(AIエージェント)による"労働力革命"を実現させています。
セールス、マーケティング、カスタマーサポート、ヒューマンリソースという多様な領域でAIエージェントが活躍し、人間はより創造的で戦略的な業務に集中できる環境を構築。データドリブンな意思決定とAIによる継続的な学習サイクルにより、業務効率の向上だけでなく、顧客体験の質的向上も同時に達成しています。
Salesforceの統合プラットフォームとAgentforceの組み合わせは、単なる業務効率化ツールではなく、企業文化そのものを進化させる原動力となっているのです。
※本事例は2026年4月時点の情報です