ゼロパーティデータとは?注目される背景やメリット、収集方法を解説
ゼロパーティデータとは何かをわかりやすく解説します。ファーストパーティデータとの違いや注目される背景、メリット・デメリットなどを整理しました。効果的な収集方法や活用のポイントについても、紹介します。
ゼロパーティデータとは何かをわかりやすく解説します。ファーストパーティデータとの違いや注目される背景、メリット・デメリットなどを整理しました。効果的な収集方法や活用のポイントについても、紹介します。
ゼロパーティデータとは、顧客が自ら企業へ提供する興味・関心や購買意向、嗜好などの情報を指し、顧客ニーズを把握できるデータとして注目を集めています。
近年はCookie規制の強化やプライバシー保護への意識の高まりを背景に、企業には顧客の同意を得たうえでデータを収集・活用することが求められるようになりました。
本記事では、ゼロパーティデータの概要をはじめ、注目される理由やメリット・デメリット、収集方法などを解説します。
アンケートや会員登録で得たデータを、どう活用すべきか悩んでいませんか?SalesforceがデータとAIを駆使した40個のマーケティング施策例をご用意しました。
ゼロパーティデータとは、顧客が自らの意思で企業に提供する情報のことで、2018年に、調査会社「Forrester Research」が提唱した概念です。主に、趣味・嗜好や購入意向、商品・サービスの利用感想などが含まれます。
客の好みや購入意向だけでなく、「どのような情報を受け取りたいか」「企業にどのように対応してほしいか」といった希望も含まれる点が特徴です。
アンケートや会員登録、キャンペーン応募などを通じて、顧客の同意を得たうえで収集されるため、第三者経由のデータと比べて信頼性が高いとされています。たとえば、興味のある商品カテゴリや購入予定時期を顧客自身が回答することで、企業はニーズをより正確に把握できるでしょう。
ファーストパーティデータ・セカンドパーティデータ・サードパーティデータとの違いについては、下記の表にまとめました。
| 種類 | 取得元 | データの例 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ゼロパーティデータ | 顧客本人 | 趣味・嗜好、購入意向、希望条件 | 顧客の意思を直接把握できる |
| ファーストパーティデータ | 自社 | 閲覧履歴、購買履歴、利用履歴 | 行動データからニーズを把握する |
| セカンドパーティデータ | 提携企業 | 提携先の購買・利用履歴 | 自社にない情報を補完できる |
| サードパーティデータ | 第三者 | 属性データ、市場調査データ | 幅広い分析や広告配信に活用できる |
ファーストパーティデータとゼロパーティデータは、取得方法と得られる情報の性質が異なります。ファーストパーティデータは自社サイトやアプリの閲覧履歴、購買履歴、利用履歴など、企業が顧客との接点を通じて収集する行動・取引データです。
一方、ゼロパーティデータは、アンケートやヒアリングなどを通じて顧客が自ら提供する情報です。過去の行動からニーズを推測するファーストパーティデータに対し、ゼロパーティデータは顧客の意思をそのまま取得できます。
会員登録・アンケートを収益に。ピザハットやIHGなど6社の成功事例から、ゼロパーティデータ収集の主軸となるトレンドを4つ整理しました。ぜひご活用ください
セカンドパーティデータとは、提携企業などが収集したファーストパーティデータを活用するものです。
ゼロパーティデータが顧客本人から直接取得するデータであるのに対し、セカンドパーティデータは提携企業を介して取得する点が異なります。自社では得にくい情報を補完できますが、収集方法や内容を直接コントロールできない点が課題です。
サードパーティデータとは、自社や提携企業以外の第三者が収集・提供するデータです。広告事業者やデータ提供会社などが収集した属性データや興味関心データ、市場調査データなどが該当します。
市場分析や広告配信のターゲティングなど幅広い用途で活用されますが、自社顧客に特化した情報ではないため、ゼロパーティデータほど顧客ニーズを正確に把握できるとは限りません。
ゼロパーティデータが注目される背景には、個人情報保護の強化とプライバシー意識の高まりがあります。
GDPR(EU一般データ保護規則)や、CCPA(カリフォルニア州 消費者プライバシー法)などの法規制により、企業には顧客の同意を前提としたデータ活用が求められるようになりました。信頼性・透明性の高いゼロパーティデータが、顧客理解を深める手段として注目されています。
(参考:個人情報保護委員会「EU一般データ保護規則」
)
ゼロパーティデータは、顧客理解や適切なコミュニケーションに役立ちます。ここでは、ゼロパーティデータを活用する主なメリットを3つ紹介します。
会員登録の設計やパーソナライズに悩んでいませんか?特典設定からプロモーション管理まで、30日間の無料体験でSalesforceの機能をお確かめください。
ゼロパーティデータは、顧客が自らの意思で提供した情報であるため、信頼性・正確性が高い点がメリットです。企業が閲覧履歴や行動履歴から推測するデータとは異なり、顧客の意向を直接把握できます。
閲覧履歴だけでは購買目的を判断しにくい場合でも、趣味や関心、購入意向などの情報があれば、ニーズに合った提案を行いやすくなるでしょう。また、顧客の同意を得て収集したデータであるため、安心して活用できるのもポイントです。
サードパーティCookieに依存しない、マーケティングを実現できる点もメリットです。
ポストCookie対策とは、サードパーティCookieに依存しないデータ収集・マーケティング手法へ移行するための取り組みです。近年はプライバシー保護の観点からCookie規制が強化され、従来のようなデータ活用が難しくなっています。
ゼロパーティデータであれば、顧客から直接取得したデータを活用できるため、Cookie規制の影響を受けにくくなります。また、顧客の同意のもとで収集されるため、ポストCookie時代でも価値のある情報提供が可能です。
ゼロパーティデータは、顧客との関係構築において有効なデータですが、収集や運用にはいくつかの課題があります。メリットだけでなくデメリットも理解したうえで、活用すると効果的です。主なデメリットは、下記の3つです。
ゼロパーティデータは、収集や運用に一定のコストがかかる点がデメリットです。
顧客の自発的な情報提供を前提とするため、アンケートやキャンペーンなど参加を促す施策の企画・運営が求められます。回答特典やポイント付与といったインセンティブを用意する場合は、追加費用が発生することもあるでしょう。
さらに、収集したデータを整理・管理し、分析やマーケティング施策へ活用するためには人的リソースや運用コストも必要です。そのため、導入時には継続的な運用負担も見据えて、計画することを意識しましょう。
顧客の回答が、実態と異なる場合がある点に注意が必要です。
ゼロパーティデータは顧客の自己申告にもとづくデータであるため、回答時の状況や感情、設問の解釈によって内容が変わり、必ずしも本音や実際の行動を正確に反映するとは限りません。
たとえば、「明るい色が好き」という回答でも、人によってイメージする色味は異なる場合があります。アンケート結果だけで判断するのではなく、購買履歴や利用状況などの実データと組み合わせて分析することが大切です。
ゼロパーティデータは、一度収集すれば終わりではなく、継続的に更新する必要がある点がデメリットです。顧客の価値観やライフスタイル、興味・関心は時間の経過とともに変化するため、過去の情報が現在の実態と一致しなくなることがあります。
興味のある商品カテゴリーや家族構成、購入目的が変わると、以前の回答では適切なニーズを把握できません。最新の情報へ定期的に更新しないまま活用すると、顧客に合わない提案につながり、顧客体験や満足度の低下を招くおそれがあります。
データを継続的に活用するには、情報を最新の状態に更新するだけでなく、重複や誤りを整理してデータ品質を維持することも重要です。
顧客データを統合することでOne to Oneコミュニケーションを実現し、キャンペーンの効果測定・改善も高速化できます。ぜひAgentforceの製品動画をご確認ください。
ゼロパーティデータを効果的に活用するには、目的に応じた適切な方法で収集することがポイントです。ここでは、代表的なゼロパーティデータの収集方法と、それぞれの特徴について紹介します。
| 収集方法 | 収集できるデータ例 | 特徴 |
|---|---|---|
| アンケート調査 | 趣味・嗜好、購入意向、利用目的 | 幅広い顧客から効率よく収集できる |
| 商品購入後のフィードバック | 満足度、利用感想、改善要望 | 利用者の率直な意見を収集できる |
| 顧客へのヒアリング | 課題、関心、利用目的 | 詳細なニーズを把握しやすい |
| プレゼント・懸賞 | 好み、利用目的、興味・関心 | 特典により回答率を高めやすい |
| クイズ・診断・ゲーム | 興味・関心、価値観、好み | 楽しみながら自然に収集できる |
| 会員登録 | 好み、利用目的、属性情報 | 登録時に継続活用できる情報を取得できる |
アンケート調査は、ゼロパーティデータの収集方法のひとつです。
紙のアンケートを郵送するほか、メールやWebフォームを活用することで、幅広い顧客から効率的に情報を集められます。回答率を高めるには、収集目的や「おすすめ商品の提案に活用する」など、顧客側のメリットをわかりやすく伝えることが重要です。
調査における、効果的なアンケートの作り方について知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
商品購入後のフィードバックは、顧客の満足度や利用時の感想などを、直接収集する方法です。実際の利用者から率直な意見を得られるため、顧客ニーズや改善すべき課題を把握しやすい点が特徴です。
たとえば、購入体験の評価や今後期待する機能について質問することで、具体的な改善点を明確にできます。
顧客へのヒアリングでは、双方向のコミュニケーションにより、顧客の関心や課題をより具体的に把握できる点が特徴です。
具体的には、購入時に利用目的を確認したり、店舗やイベントでお気に入りの商品について質問したりすることで、詳細な情報を収集することが可能です。得られた情報は、顧客の同意を得たうえで管理・活用することで、一人ひとりに最適な提案や継続的な関係構築に役立ちます。
顧客満足度を向上させるポイントについて知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
プレゼント・懸賞など、特典を用意することで回答率を高められます。
たとえば、商品のプレゼントキャンペーンで、好みや利用目的を回答してもらう施策が挙げられます。顧客も楽しみながら参加しやすく、回答率の向上が期待できるでしょう。
クイズ・診断・ゲームは、顧客が楽しみながら参加できるコンテンツを通じて、ゼロパーティデータを自然に収集する方法です。楽しさがあるため、参加への抵抗感が少ないのがメリットです。
具体例として、旅行先診断やスキンケア診断を実施し、回答内容から顧客のニーズを分析するなどがあります。
会員登録は、登録時の入力項目を通じて、ゼロパーティデータを収集する方法です。好みや関心、商品選びで重視するポイント、サービスの利用目的などを登録してもらいます。
たとえば、会員登録フォームで、好みのデザインや利用目的を選択してもらうなどです。登録時に自然な形で情報を取得でき、一人ひとりの好みに合わせた商品提案やメール配信などに活用できます。
アンケートや会員登録の設計に悩む方へ。特典設定からプロモーション管理まで、30日間の無料体験でSalesforceの製品を試してみませんか?
ゼロパーティデータを効果的に収集するには、顧客が安心して情報を提供できる環境を整えることが大切です。ここでは、3つの押さえておきたいポイントを紹介します。
顧客との信頼関係を構築することは、ゼロパーティデータの収集を成功させる重要なポイントです。顧客は個人情報の提供に不安を感じることがあるため、企業には誠実でわかりやすいコミュニケーションが求められます。
データの利用目的や取得理由、情報提供によって得られるメリットを具体的に伝えましょう。あわせて、プライバシーポリシーやデータの活用方法を明確に示すことで、透明性を高められます。
ゼロパーティデータの精度を高めるには、顧客が迷わず回答できるシンプルでわかりやすい収集方法を設計することが求められます。回答方法が複雑だと入力の負担が増え、回答率やデータの質が低下するリスクがあります。
たとえば、「好きな料理のジャンル」を尋ねる場合は、和食・洋食・中華・イタリアンなどの具体的な選択肢を用意することが大切です。自由記述と選択式を適切に使い分け、集計・分析しやすい設計にすることが成功のポイントです。
データは収集するだけでなく、分析することで効果を発揮します。業務で使えるデータ分析手法について知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
(関連記事:【初心者向け】日常や仕事で使えるデータ分析手法10選)
顧客にとって魅力度の高い提案を行うことも、成功のポイントです。ゼロパーティデータは顧客の自発的な回答によって得られるため、回答する価値を感じてもらえなければ協力を得にくくなります。
たとえば、顧客の関心やニーズに合ったアンケートを実施し、回答者に割引クーポンやポイントを付与すると、参加意欲を高められます。回答によって得られるメリットを明確に示し、顧客にとって価値のある体験を提供しましょう。
顧客一人ひとりに最適なコミュニケーションを実現するには、ゼロパーティデータの効果的な活用が欠かせません。
Salesforceの「Marketing Cloud」は、アンケート、クイズ、会員登録などで取得したゼロパーティデータを顧客プロファイルとして一元管理できます。
さらに、メール・Web・アプリなど複数チャネルで活用可能です。行動データと組み合わせることで、顧客のニーズに応じたレコメンドやコンテンツ配信をリアルタイムに実現できます。
株式会社ビームスは、購入金額のみを評価するポイントプログラムでは、SNSやイベント参加といった顧客の多様な「非購買行動」を十分に評価できず、購入額は少なくてもブランドへの関わりが豊富な顧客への還元手段がないことが課題でした。
そこで2024年、SalesforceのLoyalty Managementを基盤に、購買と非購買行動を「アクションマイル」としてストック型で評価する新ロイヤルティプログラムを導入し、「購買中心」から「共感中心」へと顧客関係の軸を再定義。
会員登録やイベント参加といった顧客の「熱量(ゼロパーティデータ)」を可視化・蓄積する仕組みを構築したことで、顧客エンゲージメントの深化と売上指標の改善につなげました。
【事例詳細】
ゼロパーティデータは、顧客の意思を直接反映した情報であり、パーソナライズや顧客体験の向上に役立ちます。一方で、継続的な更新や適切な管理も欠かせません。顧客との信頼関係を前提にデータを活用し、長期的な関係構築につなげましょう。
特典設計やアンケート・会員登録を活用したロイヤルティ施策について、専門家に相談してみませんか?ぜひお気軽にお問合せください。