
SMBとは
3つのポイントから、「スピードを最大化するビジネス」である中堅・中小企業について、あらためて考えてみましょう。
Laura Norman
3つのポイントから、「スピードを最大化するビジネス」である中堅・中小企業について、あらためて考えてみましょう。
Laura Norman
SMB(中堅・中小企業)を設立するには、計画を立て、財務関連の重要な決定を行い、成功に必要な条件を理解する必要があります。SMBとして成功するために必要なこと(英語)を学べば、大きな成果を上げられる可能性があります。
これから紹介するヒントが、SMBで成功を収めるための一助となれば幸いです。本題に入る前に、SMBとは何か、なぜ経済にとってSMBが重要であるかを確認しておきましょう。
SMBとは、Small and Medium-ized Businessの頭文字であり、いわゆる中小事業者を指しています。従業員が1~20名の企業を小規模企業、21~100名の企業を中規模企業と考えるとよいでしょう。
とはいえ、これはSMBの標準的な捉え方です。中小事業者を意味する「SMB」は、アナリストや研究者にとっては、大企業のITニーズとの違いや、小規模企業が抱える課題を定義するうえで有益な企業分類です。
SMBの定義に使われるもう1つの属性は、年間売上です。一般的に、年間売上が5,000万ドル未満(英語)の企業は小規模企業、5,000万ドル以上10億ドル未満の企業は中規模企業と定義されます。
SMBには業界を変革し、企業向けソフトウェアの新しい要件を定義し、私たちの働き方を本質的に変える力があります。
MBAや経済学者は、経済社会で維持できる大企業の数には限りがあるため、SMBが活躍するロングテール市場が形成されると述べています。ロングテール市場は、多数の中小企業で構成されており、全体を集めると、大手企業と肩を並べるほどの市場支配力を持っています。
大企業には事業運営に余裕がありますが、油断すると肥大化し、動きが鈍くなります。SMBにはそのような余裕はなく、スピード勝負のビジネスを前提としています。スピード重視の企業が生き残るには、熱意のあるメンバーでチームを作り、その情熱をビジネスに注ぎ込むしかありません。その際、最も重要な存在になるのは顧客です。
事実、顧客の65%は、自分のニーズや好みの変化に企業が対応することを期待しています。しかし61%が、多くの企業が自分たちをただの数字として扱っていると回答しています。SMBの強みは、顧客一人ひとりを唯一無二の個人として尊重できることにあります。
出典:Salesforce、『コネクテッドカスタマーの最新事情』、2023年8月
世界の経済は、雇用を創出し、経済を成長させ、イノベーションを起こすSMBの力に支えられています。政府はその重要性を認識し、SMBを支援するためにリソースを投入し、さまざまなプログラムを実施しています。
SMBは、地域市場と世界市場の両方で、競争を活性化する重要な役割を担っています。雇用機会を生み出し、税収を増やし、他の企業の成功に寄与して、地域経済に利益をもたらしています。また、輸出と国際的な流通にも大きく貢献しています。
SMBは、成長と成功の障壁となる課題を抱えています。大きな課題の1つは、高まり続ける顧客のデジタル志向への対応です。業務に必要なツールがない企業は、他社に後れを取るおそれがあります。
サイバーセキュリティに対する脅威も増大しています。SMBはウイルス対策が万全ではないことから、特にランサムウェア攻撃に対して脆弱です。企業向けの強力なセキュリティソリューションにアップグレードすれば、データやアプリケーション、デバイスを保護できます。
市場開拓も、SMBにとっては高いハードルです。限られたリソースで十分な市場調査を実施できず、情報にもとづく意思決定が難しいという現状にあります。また、サプライチェーンの混乱による影響も、交渉を有利に進められる大企業に比べ、中小企業にしわ寄せが来ます。
活気あるSMB市場への進出を狙うB2B企業は、「SMB」という言葉に新たな意味を見出す必要があります。SMBは、中小事業者(Small and Medium-sized Business)であると同時に、スピードを最大化するビジネス(Speed-Maximizing Business)でもあるのです。
SMBとのビジネス獲得を目指す企業は、この新しい意味を押さえ、SMBの3つの基本原則を理解する必要があります。
1. SMBはスピードを重視 - SMBは迅速に動く必要があり、6か月もかかる導入の提案を受け入れてはくれません。すぐ対応するか、手を引くかを迫られます。すばやく動けない企業は、すぐに選択肢から外されるでしょう。
2. SMBで働く人のモチベーションは多種多様 - SMBの従業員が、一般的な事務員や歯車の1つとして働くことを望んでいるのであれば、大企業に入っているでしょう。提案する前に、見込み客の目的意識を十分に理解してください。そうすれば、相手のやる気を引き出す、魅力的な商談を持ちかけられるはずです。
3. SMBはそれぞれが違う会社 - 言うまでもないことのようですが、実は多くの営業担当者が、まったく異なる企業に対して同じ営業戦略を採ろうとします。SMBには独自性があります。思い込みによって商談が行き詰まってしまう前に、見込み客のビジネスについてしっかりと理解する時間を取りましょう。
SMBが成長を加速させるには、業務の自動化や事務作業の効率化など、成長を後押しする機能に重点的に投資する必要があります。テクノロジーや連携ツールを活用すれば、業務の合理化、コスト削減、効率性向上を実現し、成長を促進できます。
従業員、財務、給与の管理機能を統合したクラウドベースのソリューションにより、SMBはリアルタイムのデータと分析にアクセスし、情報にもとづく意思決定が可能になります。
従業員エンゲージメントプラットフォームは、小規模企業が中規模企業に成長する過程で、従業員の満足度と維持率の向上に重要な役割を果たし、ビジネス全体の成長を支援します。
規模は小さくても、SMBは大きな志を抱き、巨大な影響力を及ぼす可能性を秘めています。適切なツール、優れた人材、効果的な戦略が揃えば、経済を支える存在になるでしょう。