社長メッセージ
代表取締役社長 宇陀 栄次
米セールスフォース・ドットコム 上席副社長 (兼任)

「所有から利用へ」 自社で購入、開発、運用、保守するITだけの時代から、サービスとしてITを利用する時代になってきました。
定額給付金やエコポイント(経産、総務、環境の3省合同プロジェクト)、電子政府のアイデアボックスなどのシステムとして、当社のサービスが採用され、数日から数週間で構築、従来の数分の一の費用でサービスが開始されました。
米国のオバマ政権でも、Change.govというサイトで政権に期待する政策の意見を募集し、140万人の人々がアクセス、数万の意見が提案されました。 その後、様々な用途で採用され、今年10月には、Apps.gov で、数百のApplicationが調達庁から一括提供されるようになりました。当社は、世界で最初に、米国政府から認定を受けたCloudのサービス事業者として、連邦政府の過半数組織で採用されています。
機能、価格、信頼性、安全性、セキュリティー対策などを、飛躍的に向上させて、世界6万5千社以上の企業から支持されて成長・発展し、大企業や官公庁にまで採用されています。 中小企業や地方自治体のシステムも、今後、クラウド化が促進されてゆくものと考えます。
今日の非常に厳しい経済環境の中、ITにおいて最も重要なことは、投資対効果(ROI)です。新しい施策のための新しいシステムによって、現状の課題を、早く安く解決する必要があります。時間が長引けば、Costは増大し、効果は激減してゆきます。システム投資にはスピードと変化への柔軟性が、ますます必要になってきました。
さらに、社会構造としても、通信サービス各社の新しい取り組みと連動して、日本のクラウドコンピューティングが本格的に拡大すると考えます。 ITサービスだけではなく、新しい通信サービスや新しいモバイル端末など、まさにICTの新しい需要を喚起し、日本の優れた技術やノウハウを輸出産業にする可能性があると考えています。
クラウドコンピューティングとは
消費者向けのWebサービス、YahooやGoogleなどのように、数億人に利用されているサービスは、24時間365日稼働しながら、なおかつ、新しい機能をどんどん追加しています。法人向けのITにも、こうような技術を応用しようとしたのが、クラウドコンピューティングと呼ばれるようになりました。経営環境の激変が当たり前の今日、ITにもスピードとコストと柔軟性が必須です。また、ITの投資対効果は、遅れるほどに効果は減衰し、費用は増大するものです。その結果、効果の出ないシステムになってしまいます。
多数のユーザーで共有する規模のメリット(Multi Tenant)と、様々な外部のサービスを自社のシステムの一部のように利用できること(Mash Up)が、Cloudの特徴です。また、セキュリティーに関しても、当社は年間約100億円の投資をしています。専門家による外部監査(SAS70Type2)、バックアップ、災害対策などの二重化も標準サービスの費用の中に含まれています。”自社保有では、そこまで投資できないし、格段に安全”というご評価も頂いています。規模のメリットの一例です。
進化し続けるサービス
約6万5千社・200万人以上のお客様によって実際にご利用頂き、その成功例と新たなご要望の蓄積で当社のサービスは作られています。年に3回のバージョンアップを無料で行い、常に最新の技術とお客様のご要望をシステムの機能として進化させています。09年11月時点で、29回の機能強化を実現しました。お客様一人ひとり毎に、自分専用の設定が簡単に出来ます。当社の実績では、自社開発やパッケージの場合の開発コスト・期間と比べて、3分の1から5分の1と考えられてます。また、簡単な修正などは、わずか5分程で出来ます。
また全世界で、パートナーシップが進展しています。日本でも大手SI各社や中小ITサービス会社との協業も、積極的に展開しております。全世界で1,000社以上の様々な分野のソリューション・パートナーが、連携ソリューションや自社のクラウドコンピューティングのサービスを開発し発表しています。当社の努力以外にも、今後の新しいソフトウェア技術は、ブロードバンドをプラットフォームとしたサービスに、ますます集中してゆくと予測されています。それらを、お客様が非常に簡単にご利用いただけるようになります。まさに、Wisdom of Crowd (群衆の知恵)を、活用できるのです。
日本企業の生産性向上と、経済の活性化に
市場予測としてCloudの市場規模は、全世界で2011年で17兆円という予測もあります。大手企業はもちろんのこと、日本経済の基盤である中小企業への導入を促進する体制を強化し、日本企業の生産性の向上、国際競争力の強化、日本のIT産業の輸出化や経済の活性化などにもますます貢献していきたいと考えています。
クラウドコンピューティングによって、ITサービス産業は減退して行くのではないか、SEの雇用は減少するのではないかと懸念される方がいらっしゃいます。 しかし、むしろ、新しい技術やサービスを加えることによって、お客様の選択肢を増やし、お客様の満足を得ることで、その産業は成長発展すると確信します。ITサービス産業は新しい発展段階に入ったと考えます。 まだまだ未熟な産業です。だからこそ、ますます大きな広がりと発展の可能性があると考えます。今後、あらゆる産業のサービス向上、品質向上、お客様の満足の向上などと密接につながって、発展してゆくものと考えます。
【略歴】
慶應義塾大学法学部卒
日本アイ・ビー・エム株式会社
大手担当の営業部長、社長補佐、製品事業部長、理事・事業部長など
法人系IT会社の社長を歴任
米国セールスフォース・ドットコムSenior Vice President(上席副社長) 兼
株式会社セールスフォース・ドットコム 代表取締役社長




