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Agentforceコンテキストエンジニアリングガイド

Agentforceが、ハイブリッド推論、サブAIエージェント、アクションなどを活用して、信頼性の高いエンタープライズグレードのAIエージェントを実現する仕組みについて学びます。

AgentforceスタジオにおけるAIエージェントのライフサイクルを示す円形の図。最初に、Agentforceビルダーでエージェントスクリプトを作成します。テスティングセンターでテストを行った後、ユーザーはAgentforceオブザーバビリティでAIエージェントのパフォーマンスをモニタリングし、必要に応じてAgentforceビルダーに戻り、エージェントスクリプトを最適化します。

Agentforceスタジオは、AIエージェントを継続的に改善するためのワンストップソリューションです。このツールスイートにより、AIエージェントの構築、テスト、デプロイ、モニタリング、最適化を一貫した形で実行できます。

拡張性と制御を実現するData 360のコンポーネント

コンポーネント 使用目的 必要なスキル
AIエージェントで使用できるアクション FlowまたはApexからAIエージェントを呼び出す ローコード
AIエージェントのAPI Salesforceの外部からAIエージェントを呼び出す プロコード
AIエージェントの変数 サブAIエージェントやアクションの選択におけるAIエージェントの推論に、追加の制御を加える場合 ローコード
Agentforce SDK Pythonコードを使用し、SalesforceのAgentforceインフラへのプログラムインターフェースを介してAIエージェントを最初から構築する場合 プロコード
モデルビルダー 生成AIモデルのカスタマイズ、または予測モデルの作成 ローコード
キャンバスビューおよびコードファーストのスクリプトビューにおけるエージェントスクリプトのスクリーンショット

Agentforce Scriptは、AIエージェントの詳細情報をフラットで読みやすいテキストファイルとして保存し、レビューやガバナンスを容易にします。

AIエージェントのメタデータ階層図

Agentforceにおけるカスタムアクションの選択

コンポーネント 使用目的 必要なスキル 追加ライセンスの要不要
プロンプトテンプレート LLMを呼び出して応答を生成する場合。プロンプトテンプレートのアクションは、AIエージェントがRAGを活用するための1つの方法です。 ローコード はい
Flow ローコードのルールベースの自動化とレコード取得を実行する場合 ローコード いいえ
Apexコード プロコードのルールベースの自動化とレコード取得を実行する場合 プロコード いいえ
MuleSoft API 複雑なエンタープライズ環境でレガシーシステムやその他の外部アプリケーションからデータを取得する場合 プロコード はい
外部サービス OpenAPI仕様をサポートするREST APIからデータを取得する場合 ローコード はい
予測的モデル エージェントで予測AIを使用する場合 ローコード はい
Agentforce推論エンジンの上位意思決定ツリーを示すフローチャート図。

注:この推論エンジンのフロー図では、「topics」という用語が、現在のサブAIエージェントに相当するものとして使用されています。図は近日中に更新予定です。

アクティビティ ステップ 説明
AIエージェントの呼び出し 1 AIエージェントが呼び出されます。
サブAIエージェントの分類 2~3 エンジンは顧客のメッセージを分析し、サブAIエージェントの名称や説明にもとづいて、最も適切なサブAIエージェントに割り当てます。


Agentforce Scriptは、Agent Routerを完全に構成可能な要素に変換し、確率的なLLMルーティングの「ブラックボックス」を排除します。ナビゲーションをプログラム可能なサブAIエージェントとして扱うことで、完全な透明性と制御を確保でき、AIエージェントの意思決定ロジックを特定のビジネス要件やアーキテクチャ標準に正確に適合させることができます。
サブAIエージェントの
Agentforce Scriptを実行し、指示を構築/指示と利用可能なアクションを解決
4~5 指示に従ってスクリプト化されたアクションを実行します。これらは、サブAIエージェントが選択された後、システムが非決定論的な指示や残りの会話コンテキストの評価に進む前に実行されるアクションです。

プロンプトと会話履歴をLLMに送信
6 すべてのスクリプト化されたアクションが実行されると、サブAIエージェントのスコープ、指示、利用可能なアクション、および会話履歴を含むプロンプトがLLMに送信されます。
注:指示については、レベル2「エージェント型制御」で説明しています。
LLMが応答するか、アクションを実行するかを決定 7 これらすべての情報をもとに、エンジンは次のいずれかを判断します。
・情報を取得または更新するアクションを実行する
・顧客に追加の詳細を尋ねる
・回答を直接返す
LLMが応答すると判断した場合は、ステップ12が実行されます。
アクションの実行 8~9 アクションが必要な場合、エンジンはアクションを実行し、結果を収集します。
アクション後ロジックを実行 10 Agentforce Scriptでのみ適用されます。Agentforce Scriptを使用すると、アクションは他のアクションやサブAIエージェントへ決定論的に遷移できます。それらは、アクションの実行後に必ず実行されます。
アクション出力の返却とアクションループ 11 エンジンは新しい情報を評価し、次に何を行うかを再度判断します。つまり、別のアクションを実行するか、追加情報を尋ねるか、または応答するかを決定します。
グラウンディングチェック- LLMが顧客に応答 12 最終的な応答を送信する前に、エンジンは応答が次の条件を満たしているかを確認します。
・アクションや指示にもとづく正確な情報であること
・サブAIエージェントの指示に示されたガイドラインに従っていること
・サブAIエージェントのスコープで定められた範囲内に収まっていること
注:Agentforce Scriptを使用すると、最終的な回答をフォーマットするステップを追加できます。
グラウンディングされた応答が顧客に送信されます。

サブAIエージェントのベストプラクティス

Agentforce Scriptは、サブAIエージェントを確率的なルーティングの「ブラックボックス」から、完全に構成可能な要素へと変換します。

  • サブAIエージェントごとに明確な名称を付ける。特定の領域を的確に反映した名称を使用します。
  • 目的を明確に記述する。説明フィールドを使用して、オーケストレーションのためのサブAIエージェントの意図を明確にします。
  • 遷移を明確に定義する。スクリプトコマンドを使用して、ユーザーをあるサブAIエージェントから別のサブAIエージェントへ確実に移動させます。
悪い例 良い例 優れている理由
注文に関する質問や問題を処理してください。 あなたの役割は、注文状況や修理ポリシーに関する質問に対応することです。 この説明により、推論エンジンは分類に適した専門領域を正確に特定できます。
ログインに関する問題をサポートしてください。 あなたの役割は、ログインできない顧客に対して、パスワードのリセットやユーザー名の確認を行うことです。 これにより、分類エンジンが処理すべき具体的な業務内容が明確に定義されます。

ユースケース例:パスワードリセット

この構成例では、自然言語による指示と決定論的なスクリプトロジックを組み合わせる方法を示しています。

コンポーネント 目次
サブAIエージェント名 パスワードのリセット
説明 これにより、分類エンジンが処理すべき具体的な業務内容が明確に定義されます。
Agentforce Script(制御) リセット処理を実行する前に、必ず本人確認を行います。ユーザーに有効なセッションがあるかを確認します。主要な認証手段が利用できない場合は、スクリプトロジックを使用してセキュリティ質問へのフォールバックを提供します。
指示(動作) 顧客に希望する認証方法を確認します。プロフェッショナルなトーンで対応します。認証が完了すると、安全なリセットリンクがメールで送信されることを説明します。

指示のベストプラクティス

指示は、サブAIエージェント内での会話の進め方をAIエージェントに示します。また、アクションの選択や応答パターンに関する判断を支援します。指示は非決定的であるため、Agentforce Scriptやアクション内で定義されたビジネスルールの必要性を置き換えるものではありません。

悪い例 良い例 優れている点
顧客の注文情報を取得してください。 顧客から注文状況について問い合わせがあった場合は、メールアドレスや注文IDなど、利用可能なすべての検索方法を提示します。 具体的なガイダンスを提供し、アクション名に近い言葉を使用しています。
デバイス関連の問題をサポートしてください。 Knowledgeアクションを使用する前に、デバイスの種類(iOSまたはAndroid)を確認します。 最初に収集すべき情報について明確な指示を示しています。
製品に関する質問にナレッジを使用してください。 まず対象となる製品を特定します。その後、正確な製品名を使用してKnowledgeアクションを実行します。 アクション実行のための明確な手順を示しています。
顧客がサポートを必要としているかどうかを確認してください。 配送状況を案内した後は、注文に関連して他に必要なことがないか必ず確認します。 フォローアップのタイミングと方法について具体的に説明します。

表:Data 360を基盤とするAgentforceの機能

Data 360を基盤とするAgentforceの機能 説明 プロビジョニング
データライブラリの自動化 検索インデックスおよびリトリーバーの作成を自動化し、「ナレッジにもとづいた質問回答」などのエージェントアクションをサポートする デフォルトでプロビジョニング
Agent Analytics レポートやダッシュボードのために、使用状況データをData 360に送信する デフォルトでプロビジョニング
検索拡張生成(RAG) ユーザーが、推論時に取得されるSalesforceおよびData 360のデータを用いてプロンプトを拡張できるようにする デフォルトでプロビジョニング
監査証跡とフィードバックロギング 生成AI監査データ 任意選択
独自の大規模言語モデル(BYO-LLM)の持ち込み ユーザーが、独自のLLMを使用できるようにする 任意選択
外部データソース(非CRM) ユーザーが、外部ソースを用いてAI生成の応答をグラウンディングできるようにする 任意選択
非構造化データ ユーザーが、非構造化データにもとづいてAI生成の応答をグラウンディングできるようにする 任意選択
リアルタイムのデータグラフ 複数のData 360ソースから正規化されたデータを使用して、AI生成の応答をニアリアルタイムでグラウンディングできるようにする
任意選択

Agentforceガイドに関するよくある質問

Agentforceは、単なるチャットでのやり取りを超え、AIエージェントを構築するためのSalesforceのプラットフォームです。従来の生成AIツールとは異なり、これらのAIエージェントは、人間が介在するかしないかにかかわらず、特定の目標を達成するために自律的に計画し、推論し、行動することができます。

Agentforceスタジオ内における包括的な開発ライフサイクルへと進化してきました。また、より強力な決定論的制御を実現するために、Agentforceビルダーやエージェントスクリプトが導入されています。この変化には、「トピック」を「サブAIエージェント」へと名称変更したことも含まれます。最終的に、このプラットフォームはプロンプト中心のアプローチからハイブリッド推論モデルへと移行し、確率的な自然言語プロンプトよりも信頼性の高いロジックを重視するようになりました。

はい。https://www.salesforce.com/agentforce/legacy-guide/
をご参照ください。これらのガイドはAgentforceの仕組みに関する技術的な詳細を提供するものですが、操作手順(クリックパス)やトラブルシューティングを含む正式な実装ガイドではありません。公式のガイドについては、Salesforce HelpでAgentforce実装ガイドをご参照ください。

公式のガイドについては、AgentforceSalesforce HelpでAgentforce実装ガイドをご確認いただけます。
本ガイドはAgentforceの仕組みに関する技術的な詳細を提供するものですが、操作手順(クリックパス)やトラブルシューティングを含む正式な実装ガイドではありません。

ハイブリッド推論とは、決定論的なルールベースのロジックとLLMによるインテリジェンスを組み合わせた、AgentforceにおけるAIエージェントオーケストレーションの手法です。これにより、タスクに求められる信頼性と柔軟性のバランスに応じて、AIの自律性の度合いを調整できます。

このガイドでは、Agentforceの基礎、プロンプトとAIエージェントの違い、Agentforceがどのように推論しているか、さまざまなコンポーネントのベストプラクティス、AgentforceにData 360が必要かどうかについて説明します。

Agentforce Scriptは、長く複雑なシステムプロンプトを構造化されたロジックに置き換えることで、完全な決定論的制御を実現します。これにより、実務担当者は、LLMによる推論の前後で必ず実行されるコードのような具体的な手順や「if-then」形式の処理を定義でき、予測可能な結果を確実に得ることができます。

  • サブAIエージェント(旧称「トピック」)は、特定の専門性を持ち、AIエージェントが対応できる範囲が明確に定義された、専門部署のようなものです。
  • アクションは、タスクの実行やデータ取得のためにサブAIエージェントが使用する具体的な仕組みであり、Apexコード、Flows、APIなどが含まれます。

必須の処理順序の強制、複雑な計算、機密性の高いビジネスルールの適用など、「制御」にはAgentforce Scriptを使用します。AIエージェントのトーンやペルソナ、一般的な会話パターンの誘導といった「挙動」には指示を使用します。

コンテキストエンジニアリングは、プロンプトエンジニアリングの後継となる考え方です。これは、サブAIエージェント、指示、ルール、アクションを組み合わせたシステムを設計し、AIエージェントが目的を達成するために必要な正確な情報と境界を提供するアプローチであり、LLMから意図どおりの応答を引き出すために最適な言い回しを作り込むアプローチとは異なります。

フィルターは、システムレベルのゲートキーパーとして機能します。フィルターは、顧客の認証が完了しているかどうかや、注文番号のような特定の変数が取得されているかどうかといったリアルタイムのデータにもとづいて、特定のサブAIエージェントやアクションを完全に非表示にしたり、利用可能にしたりすることができます。

Data 360は、効果的なエンタープライズ向けAIエージェントの構築に不可欠であり、検索拡張生成(RAG)のためのデータのインデックス作成や「チャンク化」を支えています。また、AIエージェントのパフォーマンスや利用状況を把握するためのAgent AnalyticsやDigital Walletといった重要な機能も提供します。