信頼性の高いAIエージェントの動作を実現するためのAgentforceガイド:決定論の6段階フレームワーク

Agentforceの構成要素を示すフローチャート図。
AIエージェント行動の制御レベルを示す図。
Agentforceの推論エンジンの高レベルのディシジョンツリーを示すフローチャート図。

アクティビティ ステップ 説明
AIエージェントの呼び出し 1 AIエージェントが呼び出されます。
トピックの分類 2~3 エンジンは顧客のメッセージを分析し、トピック名と分類の説明にもとづいて、最も適切なトピックに割り当てます。

Agent Scriptは、Topic Selectorを完全に構成可能な要素に変換し、確率的なLLMルーティングの「ブラックボックス」を排除します。ナビゲーションをプログラム可能なトピックとして扱うことで、完全な透明性と制御を確保でき、AIエージェントの意思決定ロジックを、特定のビジネス要件やアーキテクチャ標準に正確に合わせることができます。
トピックのAgent Scriptを実行し、指示を構築/指示と利用可能なアクションを解決 4~5 指示に従ってスクリプト化されたアクションを実行します。これらは、トピックが選択された後、システムが非決定論的な指示や残りの会話コンテキストの評価に進む前に実行されるアクションです。

プロンプトと会話履歴をLLMに送信
6 すべてのスクリプト化されたアクションが実行されると、トピックスコープ、指示、利用可能なアクション、および会話履歴を含むプロンプトがLLMに送信されます。
注:指示については、レベル2「エージェント型制御」で説明しています。
LLMが応答するか、アクションを実行するかを決定 7 これらすべての情報をもとに、エンジンは次のいずれかを判断します。
• 情報を取得または更新するアクションを実行する
• 顧客に追加の詳細を尋ねる
• 回答を直接返す
LLMが応答すると判断した場合は、ステップ12が実行されます。
アクションの実行 8~9 アクションが必要な場合、エンジンはアクションを実行し、結果を収集します。
アクション後ロジックを実行 10 Agent Scriptでのみ適用:Agent Scriptを使用すると、アクションは他のアクションやトピックに決定論的に遷移できます。それらは、アクションの実行後に必ず実行されます。
アクション出力の返却とアクションループ 11 エンジンは新しい情報を評価し、次に何を行うかを再度判断します。つまり、別のアクションを実行するか、追加情報を尋ねるか、または応答するかを決定します。
グラウンディングチェック- LLMが顧客に応答 12 最終応答を送信する前に、エンジンは応答が次の条件を満たしているかを確認します。
• アクションや指示にもとづく正確な情報であること
• トピックの指示に示されたガイドラインに従っていること
• トピックのスコープで定められた範囲内に収まっていること
注:Agent Scriptを使用すると、最終回答をフォーマットするステップを追加できます。
グラウンディングされた応答が顧客に送信されます。
AIエージェントとの会話からプランまでのトピック分類のフローを示す図。
AIエージェントとの会話からプランまで、アクションを分類するフローを示す図。
AIエージェントとの会話からプランまでのフローにおける次のアクションの分類のループを示す図。
AIエージェントとの会話からプランまでのフローにおける推論エンジンの動作を示す図。
AIエージェントの推論内のプラントレースを示しているSalesforce UI。
PlatformとData 360の間のRAGを使用したAIエージェントフローを示すフローチャート図。

コンテキスト変数 カスタム変数
ユーザーによるインスタンス化が可能 X
アクションの入力として使用可能
アクションの出力として使用可能 X

アクションによる更新が可能
X
アクションとトピックのフィルターで使用可能
トラブルシューティングの検索、設定、使用の各段階を示すフローチャート図。
トラブルシューティングや解決策の提供にフィルターを使用するAIエージェントのフローチャート図
マーケティングジャーニーを示すフローチャート図。
AIエージェント行動の制御レベルを示す図。


reasoning:
  instructions: ->
    before_reasoning : 
       # 決定論的処理:トピックに入ると自動的に実行される。
       # ここではLLMに選択の余地はなく、単に出力を受け取るだけである。
    instructions
       # ここで、結果がすでにコンテキストに含まれた状態でLLMがプロンプトされる
       | You are speaking to a customer.Their VIP status is {!@variables.is_vip}.
       # 以降に、通常の推論のための追加指示を書く
      Whatever instructions the agent needs for reasoning.


reasoning:
  instructions: ->
     if @variables.is_vip == true:
        # VIPの場合は信用チェックをスキップ(決定論的処理)
        run @actions.apply_auto_approval
        | Inform the customer their loan is auto-approved due to VIP status.
    else:
        # それ以外の場合は信用チェックを必ず実行
        run @actions.initiate_credit_check
        | Tell the customer we are checking their credit score now.


 if @variables.stock_level == 0:
        # 直ちに「Backorder」トピックへ引き渡す
        @utils.transition to @topic.handle_backorder



   # アクションの出力を変数に明示的に割り当てる
    run @actions.check_inventory with sku=@variables.current_sku
    set @variables.stock_level = @outputs.quantity_available



 reasoning:
  instructions: ->
    run @actions.get_incident_status with zip=@user.zip
    set @variables.is_outage = @outputs.active_incident
    | If {!@variables.is_outage}, acknowledge the specific incident immediately.


 if @variables.credit_score < 600:
   # AIエージェントは「Increase Credit」の指示を物理的に参照できない状態になる
   # 代わりに、RAGによって取得された「Debt Counseling」の指示のみが参照される
   | Focus solely on explaining credit repair resources.Insert $Debt_Counseling_Retriever.results
 else:
   | You are authorized to offer a limit increase up to $5k.


 if @variables.safety_check_complete == false:
   # ユーザーがトピックを終了できないようにする
   | Acknowledge the user's side-note, then pivot back to the required field:
{!@variables.missing_field}.
   @utils.stay_in_topic




# LLMはこれを要約したり「書き換えたり」することはできません。必ずそのまま出力します。
| "Disclaimer:I am an AI agent.I cannot provide financial advice."

サマリー表:アーキテクトのための早見表

項目 レベル1~5(ガイド付き自律性) レベル6(Agent Script)
主な駆動要因 確率的エンジン(LLMが判断) 決定論的グラフ(コードが判断)
ロジックソース 自然言語プロンプト if/elseロジック、状態管理、遷移ロジック
アクションの実行 「AIエージェント、このツールがあります。必要に応じて使ってください」 「AIエージェント、このツールを実行してください。今すぐです」
コンテキストメモリ LLMのコンテキストウィンドウによる暗黙的管理(レベル4を使用する場合を除く) スクリプト全体で使用される可変変数による明示的管理
ユースケースの例 ナレッジ検索、ショッピング、クリエイティブライティング 認証、決済、コンプライアンス、診断
構築コスト 低(主にプロンプト設計) 中〜高(スクリプト/ロジック設計)
リスク許容度 低(ゼロトラスト)

AIの決定論に関するよくある質問

AIにおける決定論の6つのレベルとは、指示なしのトピックおよびアクション選択、AIエージェントの指示、データグラウンディング、AIエージェント変数、フロー/Apex/APIを用いた決定論的アクション、そしてAgent Scriptによるエージェント型制御です。

AIの決定論を理解することは、創造的な流動性とエンタープライズ管理のバランスを取りながら、重要なビジネス機能を正確かつ一貫して実行できる信頼性の高いAIエージェントを構築するために不可欠です。

AIにおいて「決定論的」とは、同じ入力と条件が与えられた場合に同じ出力を生成できるシステムの能力を指し、信頼できるAIエージェント行動に不可欠な厳密性と規律を課すものです。

AIシステムにおける非決定論は、主に大規模言語モデル(LLM)の使用に起因して発生します。LLMは本質的に非決定論的であり、これによりAIエージェントが柔軟性と適応力を持つことができます。

決定論のレベルは段階的にAIエージェントの決定論性を強め、それによってAIエージェントの自律性に影響を与えます。レベルが進むにつれて、AIエージェントの自律性は低下しますが、信頼性が向上し、ビジネスプロセスとの整合性が向上します。

あまり決定論的でないAIシステムは、本質的に予測不能な行動を引き起こす可能性があるため、信頼性とビジネス要件へのコンプライアンスの点で課題を抱えています。

企業は、思慮深い設計、明確な指示、データグラウンディング、変数による状態管理、フロー、Apex、APIを使用した決定論的プロセスの自動化など、段階的アプローチを適用することで、さまざまな決定論レベルのAIシステムを管理しています。