コンタクトセンターBPOで業務効率化|選び方と注意点を解説
コンタクトセンター業務をBPO委託するメリット・リスク・業者の選定方法まで解説します。さらに、BPOと併せることでより業務を効率化する方法まで紹介。委託先選定の参考にしてみてください。
コンタクトセンター業務をBPO委託するメリット・リスク・業者の選定方法まで解説します。さらに、BPOと併せることでより業務を効率化する方法まで紹介。委託先選定の参考にしてみてください。
コンタクトセンターの運営において、人手不足や応対品質のバラつき、人材コスト増大などの課題を抱える企業が増えてきています。
こうした状況を解決する手段として、近年注目されているのが「BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)」です。BPOに業務を委託することでさまざまなメリットを得られますが、同時にデメリットや失敗のリスクがある点にも注意しなければなりません。
本記事では、コンタクトセンターにBPOを導入するメリット・デメリットから、失敗しない業者の選び方までわかりやすく解説します。
このeBookでは実際に生成AIを導入した「実在のコンタクトセンター」における効果と、活用で留意すべきポイントについてご紹介します。
コンタクトセンターにBPOが求められている背景には、近年業界が抱える課題が関係しています。
コンタクトセンターでは、慢性的な人手不足が深刻な課題になっています。複雑な問い合わせやクレーム対応など、精神的な負荷が大きい業務が多いことから、離職率が高くなる傾向にあるためです。オペレーターの入れ替わりが頻繁に起こると、採用・育成コストが都度発生してしまう悪循環にも陥りがちです。
さらに、フォームやチャットなど、問い合わせチャネルの多様化により業務の難易度も上がってきており、それらに対応できるような質の高い人材の確保は、ますます難しくなっています。
オペレーターはそれぞれ知識量や経験値が異なるため、応対品質にバラつきが起こりがちです。丁寧に対応してもらえるときもあれば、知識が足りず不十分な回答で終わってしまうときもあると、顧客にとっては「当たりはずれがある」という印象につながってしまいます。
品質の不安定さが積み重なると、顧客満足度やブランドイメージの低下を招くリスクがあるため、一定の品質を担保できるBPOが求められているのです。
自社でコンタクトセンターを運営する場合、システム導入費・人件費・採用や教育コストなどの費用が経営を圧迫してしまうケースが発生します。さらに、問い合わせ件数は時期によって変動するため、繁忙期には人員が足りず、閑散期には過剰になる、という非効率的な状況が生まれがちです。
コンタクトセンター業界の構造上、改善が難しいものの、需要の波に合わせて柔軟に体制を拡大・縮小できるような仕組みが求められています。
自社でコンタクトセンターを運営する場合、システム導入費・人件費・採用や教育コストなどの費用が経営を圧迫してしまうケースが発生します。さらに、問い合わせ件数は時期によって変動するため、繁忙期には人員が足りず、閑散期には過剰になる、という非効率的な状況が生まれがちです。
コンタクトセンター業界の構造上、改善が難しいものの、需要の波に合わせて柔軟に体制を拡大・縮小できるような仕組みが求められています。
コンタクトセンター業界で取り入れられているBPOとは、どのようなものなのでしょうか。BPOについて、委託できる業務の範囲を解説します。
BPOとは、「Business Process Outsourcing」の略であり、企業が特定の業務プロセスを外部の専門業者に一括して委託する仕組みです。単純に人手を補うためのアウトソーシングとは異なり、企画・設計・実行・改善まで一括して任せられる点が特徴です。また、アウトソーシングと比べて、対応できる業務の範囲が広い傾向にあります。
BPOは主に、事務作業や経理・人事労務などのバックオフィス業務、コールセンター対応などで活用されています。近年は人手不足や業務効率化のニーズを背景に、BPOを導入する企業は増加傾向です。
BPOに委託できるコンタクトセンター業務は、電話応対だけでなく、顧客からの問い合わせやクレームに対応する「インバウンド業務」、テレアポやサンキューコールなどの「アウトバウンド業務」も委託の対象です。
また、業者によっては、受注から発注までの一連の処理作業やマーケティング調査、市場調査など幅広く対応できる場合もあります。
さらに、電話だけでなく、メール・チャット・SNSなど複数チャネルへの対応をまとめて委託できる業者も増えてきており、コンタクトセンター業務をより幅広くカバーできるようになってきています。
コンタクトセンター業務をBPO委託することで、さまざまなメリットを得られます。
ここでは、BPO委託するメリットを5つ紹介します。
コンタクトセンター業務をBPOに委託することで、自社にスタッフを採用する際のコストや人件費を削減できます。
コンタクトセンターを自社で運営する場合、スタッフの募集や採用にかかる採用費、入社後の研修・育成コストが発生します。離職率の高いコンタクトセンターでは、採用と育成サイクルの繰り返しが多いため、コスト負担が非常に大きくなりがちです。
しかし、業務をBPO委託することで自社でスタッフを採用・教育する必要がなくなるため、こうした採用や研修にかかるコストを削減できます。さらに、コンタクトセンター設備の維持費といった固定費の負担も抑えられるようになります。
BPOでは、希望するタイミングで担当スタッフを増やしたり減らしたりできるため、自社の繁忙期や閑散期に合わせた人員調整が可能です。
コンタクトセンターに寄せられる問い合わせの件数は、キャンペーン時期や繁忙期によって大きく変動するため、自社運営では常に適切な人員配置が難しくなります。
BPOでは、需要の増減に合わせてスポット的にオペレーターの人数を調整することが可能です。繁忙期のみ人員を増やし、閑散期は縮小する、といった柔軟な対応ができるため、過剰な人員を抱えるリスクを減らしながら、人手不足による機会損失の防止にもつながります。
時間外の対応を、深夜帯も作業可能なBPOに委託することで、24時間365日いつでも問い合わせを受けられる体制を整えられます。
自社運営のコンタクトセンターでは、夜間や休日のリソース確保が難しい傾向にあり、顧客から時間外に寄せられた問い合わせを取りこぼしてしまうケースが少なくありません。
時間外対応も可能なBPO業者に委託することで、時間外に発生した取りこぼしを大きく減らせます。さらに、インバウンド顧客の増加に伴い、多言語対応が求められる場面が増えてきていますが、BPOはそのような需要にも対応できます。
問い合わせ対応をBPO委託することで、対応に費やしていたリソースを他の業務に当てることができるようになります。
コンタクトセンター業務は対応件数が非常に多いため、社内のリソースを大きく消費しがちです。
BPOに委託することで、これまでコンタクトセンター運営に充てていた人材や時間を、商品開発・マーケティング・営業戦略など収益に直結するコア業務へ振り分けられるようになります。限られた経営資源を、より価値の高い領域に集中させることで、企業全体の競争力強化にもつながります。
BPO業者には、コンタクトセンター運営に特化した専門知識と豊富な経験を持つ人材が在籍しています。そのため、自社で一からオペレーターを育成する場合と比べ、高い応対品質を安定して提供できるようになります。
BPO業者は、日々の改善活動を通じて蓄積してきたデータや知見を活用できるため、問い合わせ内容の傾向分析や対応フローの見直しといった、継続的な品質向上の仕組みも構築可能です。
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BPOを利用することで、社内リソースの適正化などのメリットが期待できますが、同時にデメリットもある点に注意が必要です。
導入前に知っておくべきデメリットやリスクを解説します。
委託先のセキュリティ対策が不十分であると、情報漏洩につながりかねません。BPOに業務を委託する場合、外部のスタッフが自社の顧客情報や機密情報を日常的に取り扱う状態になります。
万が一トラブルが発生してしまうと、BPO業者のみならず、自社の信用も損ねてしまう可能性もあります。事前に「どのようなセキュリティ対策を実施しているのか」を確認してから契約を進めるようにしましょう。
コンタクトセンター業務の委託によって社内の業務負担が減る一方で、対応履歴や改善の経緯といった実務上のノウハウが自社に蓄積されにくくなります。
BPOからノウハウを取り入れる体制がないと、将来的に内製化へ切り替えようとした際に、オペレーターの育成を一から始めなければならなくなってしまいます。業務を委託する際には、業務上で得た知識などを共有してもらえるような体制を作れるかどうかも大切です。
BPO契約は、事前に定められた業務範囲や対応ルールに従って運用されますが、この際に自社の方針や顧客対応の基準が、委託先に正確に伝わらないケースもあります。
特に、顧客対応の品質水準や対応の方法などについて認識に相違が生じると、顧客体験に悪影響を及ぼす可能性があります。業務開始前にしっかりと業務内容についてすり合わせを行い、開始以降も定期的な連携やモニタリングを行うことが重要です。
BPO導入時には、委託費用や業務移行のコストなどが集中して発生するため、コスト管理にも注意が必要です。特に、業務の引継ぎ期間中は委託先との連携の構築に時間がかかるため、導入直後は期待していたコスト削減効果が出にくいケースがあります。
BPOに委託してすぐにはどうしてもコストがかさんでしまうため、すぐに思ったような効果は得られないことを前提とした導入計画を立てるようにしましょう。
この動画ですが、Salesforceが提供するAIエージェントであるAgentforceで、問い合わせ対応をどのように変革させるのかを3分でご紹介します。
いざBPO導入を検討しても、BPO業者は数多く存在するため、実際にどのような基準を設けて選定すべきか迷うこともあるでしょう。
ここからは、失敗しないためのBPO業者の選び方や比較ポイントを解説します。
BPO業者を選ぶ際は、自社の業務や委託したい作業に近い対応実績があるかどうかを確認しましょう。
コンタクトセンター向けのBPO業者でも、ECや金融など業界によって求められる知識や品質が異なります。たとえば、EC業界であれば返品・配送対応の知識、金融業界であればコンプライアンスを踏まえた対応スキルが求められます。
こうした前提知識がない業者に委託してしまうと、対応の遅れや案内ミスなどが発生し、クレームの増加につながるおそれもあるでしょう。
自社と同様の業務実績があれば、引継ぎもスムーズに進めやすくなります。「同じ業界の対応実績があるか」「対応件数や規模間を近いか」などを確認すると、業務委託時のミスマッチを防ぎやすくなります。
顧客の個人情報や企業の機密データを取り扱うコンタクトセンター業務を委託する以上、情報セキュリティ体制が整っているかどうかのチェックは必須です。
具体的には、プライバシーマークやISMSといった第三者認証を取得しているか、スタッフへのセキュリティ教育が定期的に実施されているかが判断ポイントになります。自社のみでデータ管理する場合と比べ、セキュリティ面が脆弱になりやすいため、業務に必要なデータの提供方法も確認できるとより良いでしょう。
作業をBPOに委託すると業務の実態が見えにくくなるため、応答率・一次解決率・顧客満足度などのKPIを定期的に共有してもらえるかどうかも重要な選定ポイントです。
進捗の可視化ができないまま業務を委託してしまうと、認識違いのまま作業を進められてしまう恐れがあります。品質低下や対応の遅れなどの兆候を察知できず、クレームに発展してから初めて問題が発覚するという事態を招きかねません。
定期的に進捗や応対の内容をモニタリングできる仕組みを整えることで、認識違いを防ぎ、自社で対応していたときと同等の応対品質を維持しやすくなります。また、そのデータをもとに改善活動までしてもらえる体制が整っているかを事前に確認するようにしましょう。
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BPO導入は、まず小規模からスタートできる業者を選ぶことが重要です。
いきなり大規模な委託に踏み切ると、委託先の習熟度が不十分なまま本格運用が始まってしまい、品質トラブルやコスト超過につながるリスクがあります。小規模から始めることで、品質や自社との相性を実際の業務を通じて見きわめられるため、導入の失敗を防ぎやすくなります。
BPO契約時には、業務範囲の拡張・縮小を柔軟にできるか、最低契約期間や追加費用の条件はどうかなどを事前に確認しておきましょう。
コンタクトセンターのBPOは、運用や人員管理を外部に委託することで業務負担を軽減できる点が大きなメリットです。そのうえで、応対の自動化やさらなる高度化を目指すなら、AIツールの活用も有効な選択肢といえます。
たとえば、Salesforce社が提供する「Agentforce Voice」(日本語対応は現在ベータ版での提供)は、AI音声エージェントにより自然な会話で問い合わせ対応を自動化し、CRMデータと連携したタスク処理や24時間対応を実現するツールです。このようなツールを活用することで、定型的な問い合わせの一次対応や情報案内を自動化でき、オペレーターは複雑な対応に集中しやすくなります。
BPOによる運用最適化とAIの自動化を組み合わせることで、対応品質の平準化や応答スピードの向上につながり、より効率的なコンタクトセンター運営を実現できるようになります。
コンタクトセンター業務をBPO委託することで、人件費の削減や24時間対応の実現、応対品質の一定化などがしやすくなるメリットがあります。その一方で、導入初期のコスト増大や、業務を一括して委託することによるセキュリティなどの面でリスクがあることにも注意が必要です。
よりコンタクトセンター業務の効率化を進めたいのであれば、BPOへの委託と併せてAIツールの活用も視野に入れることをおすすめします。
BPOで運用負担を軽減し、AIツールで応対品質の高度化・自動化を強化する、という組み合わせをすることで、相乗効果によるさらなる効率化が期待できます。