EC業務で自動化できる範囲とは?メリットや導入手順を解説
ECで自動化できる業務や活用シーン、導入するメリット、主な方法、注意点を解説します。自社に合ったシステムの選び方や、導入を進める際の具体的な手順についてもわかりやすく紹介します。
ECで自動化できる業務や活用シーン、導入するメリット、主な方法、注意点を解説します。自社に合ったシステムの選び方や、導入を進める際の具体的な手順についてもわかりやすく紹介します。
EC業務では、商品情報の更新や在庫管理、顧客対応など、さまざまな作業を自動化することが可能です。これにより、担当者の負担を軽減し、業務を効率化しながら安定した運営体制を整えやすくなります。
本記事では、EC業務で自動化できる範囲やメリット、導入方法、注意点などを解説します。EC業務をはじめ、社内のさまざまな業務プロセスを自動化したい方は、下記もご覧ください。
EC業務の自動化を検討する前に、業界全体の最新動向も要チェック。EC業務自動化と合わせて押さえたいトレンドを解説します。
EC業務では、以下のような作業を自動化できます。これらの業務をどのように自動化・効率化するのかについて、詳しく解説します。
| 業務範囲 | 自動化・効率化できる内容 |
|---|---|
| 商品情報の登録・更新 | 商品名や価格、説明文、画像などの登録・更新 |
| 受注処理 | 注文情報の取り込み、受注データの処理、注文確認メールの送信 |
| 在庫管理 | 在庫数の更新、複数チャネルの在庫同期 |
| 出荷・配送処理 | 出荷指示、送り状作成、配送ステータスの更新 |
| 顧客対応 | よくある質問への回答、注文状況の案内、返品・交換受付 |
| 商品のレコメンド | 顧客の行動に応じたおすすめ商品の提示 |
| プロモーション施策 | 顧客ごとのキャンペーンやクーポンの出し分け |
商品情報の登録・更新は、EC業務で自動化しやすい作業の一つです。商品情報を一元管理できるシステムを活用すれば、商品名や価格、説明文、商品画像などを一括で登録・更新できます。
複数の販売チャネルを運営している場合、同じ商品情報をそれぞれの管理画面に入力する手間がかかるでしょう。一度登録・更新した内容をECサイトや複数のECモールへ自動反映する仕組みにすれば、登録・更新作業の効率化につながります。
また、生成AIを活用して商品説明文やキャッチコピーなどを作成することもできます。下記記事では、生成AIの種類や代表的なサービスについて詳しく解説しています。生成AIについて知りたい方は、あわせてご覧ください。
【関連記事】生成AIの7つの種類と代表的なサービス|効果がわかる成功事例も紹介 - Salesforceブログ
注文情報の取り込みや入金確認、注文確認メールの送信、注文データの出力といった受注処理も自動化できます。
ECモールや自社ECサイトごとに注文情報を管理している場合、手作業での確認や転記は時間がかかる作業です。受注管理システムなどを活用して注文データを自動で連携すれば、注文情報の取り込みから次の処理への連携までを効率化できます。
在庫情報を一元管理できるシステムを活用することで、注文に応じた在庫数の更新や、複数チャネル間の在庫同期を自動化することが可能です。
たとえば、自社ECサイトで商品が売れた際は、ECモール側の在庫数も自動で更新できます。これにより、複数の販売チャネルで在庫情報を同期でき、在庫数のずれや欠品のリスクを防ぎやすくなります。
出荷指示や送り状の作成、配送ステータスの更新なども自動化できます。
受注データをもとに出荷指示を作成したり、配送会社のシステムと連携して送り状を作成したりすることで、出荷作業にかかる手間を減らせます。出荷後は、配送状況をECサイトや顧客向けメールに反映することも可能です。
チャットボットやAIエージェントを活用すれば、よくある質問への回答や注文状況の案内、返品・交換の受付などの顧客対応も自動化できます。
たとえば、顧客からの配送状況や返品方法などの問い合わせにチャットボットで対応すれば、担当者が個別に回答する件数を減らせます。また、購入後の注文状況の確認や手続き案内も自動化することが可能です。
下記記事では、AIチャットボットを活用するメリットやコツについて詳しく解説しています。チャットボットについて知りたい方は、あわせてご覧ください。
【関連記事】AIチャットボットとは?メリット・活用のコツ・導入事例を解説
AIやレコメンドシステムを活用することで、顧客一人ひとりに合わせた商品提案を自動化できます。
レコメンドとは、閲覧履歴や購入履歴などをもとに、顧客に合いそうな商品をおすすめ表示する仕組みです。過去に閲覧した商品や購入した商品に応じて、関連商品や一緒に購入されやすい商品を表示できます。商品数が多いECサイトでは、顧客が目的の商品にたどり着きやすくなるでしょう。
下記記事では、レコメンドの仕組みやメリットなどを詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
【関連記事】レコメンドとは?仕組みやメリットを理解しECサイトを活性化させよう
プロモーション施策では、AIやマーケティングツールを活用することで、顧客の属性や行動、購入履歴に応じたキャンペーンやクーポンの表示を自動化できます。
たとえば、初回購入者には初回割引クーポンを表示できます。また、過去に購入したことがある顧客には再購入を促す案内を表示するなど、顧客ごとに内容を自動で出し分けられます。
下記記事では、セールスプロモーションの種類や役立つツールについて詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
【関連記事】セールスプロモーションとは?広告・営業との違いや種類などを解説
EC業務を自動化することで、主に次のようなメリットが期待できます。
それぞれ詳しく解説します。
登録や更新、確認、転記などの繰り返し作業をシステムに任せることで、担当者の作業時間を短縮できます。
その結果、商品企画や販売戦略、顧客対応の改善など、本来注力すべき重要な業務に時間を使えるようになるでしょう。また、特定の担当者しか処理できない業務を減らすことで、業務の属人化を抑える効果も期待できます。
EC業務を自動化することで、入力ミスや処理漏れなどの人的ミスの軽減にもつながります。
手入力での商品登録やデータ転記が多い場合、入力ミスや処理漏れ、確認漏れが発生しがちです。一定のルールに沿って処理を自動化することで、人為的なミスを抑え、業務品質を維持しやすくなります。
EC業務を自動化すれば、注文数や商品数が増えても、人員を大幅に増やすことなく対応しやすくなります。
新しいブランドや販売チャネルを追加する際も、受注・在庫管理・顧客対応などをあらかじめ自動化しておけば、運営体制を大きく変えずに事業を拡大できるでしょう。
自動化により顧客一人ひとりに適した商品や情報をすばやく提供できるようになれば、商品を探す負担を軽減でき、より快適な購買体験につなげられます。
また、問い合わせ対応や注文後の手続きがスムーズになることで、顧客の不安や待ち時間も減らせます。
EC業務を自動化することで、売上や顧客行動のデータをスムーズに収集・分析できるようになり、売上向上につながる施策を実行しやすくなります。たとえば、どの商品が売れているか、どのページで離脱が多いかなどを把握できれば、キャンペーンや商品配置、販促施策の見直しに活用できます。
EC業務の自動化による効果をさらに高めるには、受注や在庫管理などの一部業務だけでなく、周辺業務を含めたプロセス全体の見直しも重要です。
NRF2026の現地レポートから、AI時代に売上を伸ばす先行企業のECサイト戦略を徹底解説するウェビナーです。
EC業務を自動化する方法として、主に以下の3つが挙げられます。
| 方法 | 向いているケース |
|---|---|
| RPAで定型作業を自動化する | 既存システムの定型操作を自動化したい場合 |
| EC一元管理システムで受注・在庫管理を効率化する | 複数店舗の受注・在庫・商品情報をまとめたい場合 |
| ECプラットフォームで複数の業務をまとめて管理する | EC運営や顧客対応を一つの基盤で改善したい場合 |
RPA(Robotic Process Automation)とは、人がパソコン上で行う画面操作やデータ入力などの定型作業を、ソフトウェアに代行させる技術です。EC業務では、決まった手順で繰り返し発生する作業の自動化に活用できます。
たとえば、次のような作業を自動化できます。
一方で、RPAは状況に応じた判断が必要な業務には向きません。また、画面の表示や操作手順が変わると、設定の見直しが必要になる場合があります。
下記記事では、RPAについて詳しく解説しています。RPAについて知りたい方は、あわせてご覧ください。
【関連記事】RPAとは?意味やメリット・デメリット、種類やツールの選び方を簡単に解説
EC一元管理システムは、複数のECサイトやECモールの受注、在庫、商品情報などをまとめて管理する仕組みです。複数チャネルの情報を一元管理することで、受注処理や在庫更新、出荷指示などを自動化できます。
複数店舗を運営している場合、店舗ごとに注文や在庫を確認していると、作業負担が大きくなりがちです。EC一元管理システムを導入すれば、注文情報の取り込みや在庫数の反映などを自動化しやすくなり、受注から出荷までの定型業務を効率化できます。ただし、対応している販売チャネルや物流システムは製品によって異なります。
ECプラットフォームは、ECサイトの構築・運営や商品提案、顧客対応、注文管理などを一元的に管理できるサービスです。商品情報の更新や顧客に合わせたレコメンドなど、複数の業務をまとめて自動化・効率化できます。
RPAやEC一元管理システムが一部の定型業務の自動化に向いているのに対し、ECプラットフォームはEC運営全体を見直したい場合に適しています。業務効率化だけでなく、顧客体験や売上向上も含めて改善したい場合の選択肢です。
下記記事では、ECプラットフォームの種類や選び方について詳しく解説しています。ECプラットフォームについて知りたい方は、あわせてご覧ください。
【関連記事】ECプラットフォームとは?5つの種類〜選び方・企業の導入事例を紹介
EC業務の自動化は多くの利点をもたらしますが、万能ではありません。あらかじめ理解しておくべき留意点が2つ存在するため、導入検討の際には以下のポイントを確認しておきましょう。
EC業務では、すべての作業を自動化できるわけではありません。モール独自の設定や例外的な注文など、手作業で行う必要が出てくるケースもあります。
そのため、導入前には自動化したい業務を洗い出し、システムで対応できる業務と、担当者による確認や判断が必要な業務を分けておくことが大切です。
ECモールや外部システムの画面、仕様、操作手順が変わると、自動処理が正常に動かなくなる場合があります。とくに、画面操作を自動化するRPAは、管理画面の変更による影響を受けやすい傾向があります。
導入後も自動処理が問題なく動いているかを定期的に確認し、仕様変更があった場合は必要に応じて設定を修正しましょう。
EC業務の自動化は、いきなりすべての業務に導入するのではなく、課題が大きい工程から段階的に進めることが重要です。基本的な導入手順は、下記の通りです。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1. 目的を決める | 業務効率化や売上向上、顧客体験改善などを明確にする |
| 2. 現在の業務を洗い出す | 作業時間やミスが多い工程を確認する |
| 3. 対象業務を選定する | 優先して自動化する業務を決める |
| 4.自動化する方法・ツールを選定する | RPAやEC一元管理システム、ECプラットフォームなどから、自社の目的に適したものを選ぶ |
| 5. 連携可否を確認する | 既存システムや保有データとの連携を確認する |
| 6. 小さく始める | 一部業務で試し、効果を確認する |
| 7. 見直しを続ける | 課題があれば改善し、徐々に自動化範囲を拡大する |
まずは、EC業務を自動化する目的を決めましょう。従業員の作業を効率化したいのか、顧客体験を改善したいのか、売上につながる施策に時間を使いたいのかなどによって、優先すべき業務や選ぶべき方法は変わります。
次に、現在の業務を洗い出します。そのうえで、作業時間が長い工程やミスが発生しやすい工程を確認し、優先して自動化する業務を選びましょう。
自動化する業務が決まったら、RPAやEC一元管理システム、ECプラットフォームなどから、自社に合う方法・ツールを選定します。候補を絞ったうえで、既存のECサイトや基幹システム、物流システム、顧客管理システムなどと連携できるかを確認しましょう。
そのうえで、導入時は、最初から広い範囲を自動化するのではなく、小さな範囲から始めることが大切です。一部の業務で効果を確認し、問題がなければ対象範囲を広げていきます。導入後も成果や動作状況を確認し、必要に応じて業務フローや設定を見直しましょう。
EC業務の自動化を進めるなら、部分的な作業効率化だけでなく、EC運営全体や顧客体験の改善まで見据えてシステムを選ぶことが重要です。
SalesforceのCommerce Cloudは、ECサイトの構築・運営に加え、商品情報の管理やパーソナライズされた商品提案、注文管理、購入前後の顧客対応など、EC業務全体の自動化を支援するプラットフォームです。
AIを活用することで、商品レコメンドや接客、商品説明文・販促コンテンツの作成などを効率化できるほか、顧客データをもとに一人ひとりに合わせた購買体験を提供できます。
さらに、Salesforceが提供するCRMなどの製品や外部システムとも連携できるため、EC運営に関わるデータや業務を一元化し、受注からマーケティング、アフターサポートまでを含めた業務全体の一元化・自動化を進めやすくなります。
(参考:Commerce Cloud公式ページ)
大塚倉庫株式会社は、酒類・食品などの物流を担うBtoB企業です。従来は電話・FAXでの受発注業務が中心で、手入力によるミスや対応時間の長さが課題でした。
同社はCommerce Cloudを活用し、BtoB受発注サイト「One Site Market Place」を構築。電話・FAX対応を自動化した結果、年間1,500万円のコスト削減を実現しました。さらに、稼働完了後は年間4,000万円の削減効果を見込んでいます。また、大塚倉庫側の受発注業務の効率化に伴い、注文受付期限が1時間延長されたことで顧客側にも時間的余裕が生じ、リードタイムの短縮が実現しました。
(事例詳細:目指すはBtoBコマースのAmazon化。受発注業務のデジタル化・効率化で 今後の企業成長の基盤を確立|大塚倉庫株式会社)
ジュエリーブランドのPandora社は、世界100カ国以上で6,800店舗を展開する一方、500〜600名体制のカスタマーサービスチームでも問い合わせ対応が追いつかず、待ち時間の長期化が課題でした。
そこで同社はCommerce Cloudで顧客の注文履歴や商品情報を一元管理する基盤を構築しました。この基盤の上にAgentforceを導入し、AIエージェント「Clara」が注文状況の確認やジュエリーのケア方法などの問い合わせを自動化。
現在では、月間45,000件の会話のうち60%は人的対応への引き継ぎなしで解決しています。また、ショッピングアシスタント「Gemma」が贈る相手や予算に応じた商品レコメンドも自動化し、これらの取り組みによりNPS(顧客推奨度)は10%向上しました。
(事例詳細:Agentforceを活用して一人ひとりの顧客が特別な気分を味わえるオンラインショッピング体験を創出したPandora社)
EC一元管理システムやプラットフォームでの自動化を検討中の方へ。Commerce Cloudの機能を動画で紹介します。
EC業務では、以下のような作業を自動化できます。
たとえば、受注処理や在庫管理を自動化すれば、注文情報の確認や在庫数の更新にかかる手間を減らせます。さらに、顧客対応や商品提案を自動化することで、顧客体験の向上や売上向上にもつながります。
EC業務を自動化しても、必ず売上が上がるとは限りません。しかし、担当者の作業負担を軽減できれば、販売施策の改善や商品提案の見直しなどの業務に時間を使えるようになるでしょう。継続的に施策を改善することで、売上の向上も期待できます。
まずは現在の業務を洗い出し、作業時間やミスが多い工程を確認することからはじめましょう。受注処理や在庫管理など、負担の大きい業務から自動化を進めることで効果を実感しやすくなります。その後、状況に応じて対象業務を広げていくのがおすすめです。
EC業務では、サイト運営や販売施策、商品提案、顧客対応、受注・在庫・出荷などを自動化することが可能です。自動化によって担当者の業務負担や人的ミスを減らしながら、顧客体験や売上の向上も目指せます。
ただし、自動化できる範囲はシステムによって異なります。自社の課題や既存システムとの連携状況を確認し、目的に合った仕組みを選ぶことが重要です。
ECサイトの運営や注文管理、顧客対応を一元化し、AIを活用した商品提案や接客まで実現したい方は、Commerce Cloudの活用をご検討ください。また、EC業務の自動化をきっかけに、社内の業務プロセス全体を見直したい方は、下記もご覧ください。
EC業務自動化の次に効くのはAI活用による収益最大化。欧米最新事例を45分のウェビナーで解説します。