クラウド型顧客管理システムのおすすめ4選と失敗しない選び方を解説
クラウド型の顧客管理システムなら、低コストで始めてどこからでもアクセスできます。選び方とおすすめ製品を解説します。
クラウド型の顧客管理システムなら、低コストで始めてどこからでもアクセスできます。選び方とおすすめ製品を解説します。
顧客情報が担当者のExcelやメールに分散していると、過去のやりとりを探すだけでも時間がかかります。外出先から情報を確認できず、対応が遅れることもあるでしょう。
こうした課題を解決するのが、クラウド型の顧客管理システムです。インターネットを通じて顧客情報を共有する仕組みのため、自社でサーバーを用意せずに始められるのが特徴です。営業の進捗や問い合わせ履歴もチームで把握でき、情報を探す手間や対応の遅れを減らせます。
本記事では、クラウド型とオンプレミス型の違い、クラウド型顧客管理システムのメリットと注意点、代表的な4製品を紹介します。さらに、業種・規模に合う選び方から費用の考え方、導入後に使い続けるための進め方まで解説します。
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クラウド型顧客管理システムは、提供会社が運用するシステムにインターネット経由でアクセスし、顧客情報を管理するサービスです。CRMは「Customer Relationship Management」の略で、顧客との関係を維持・向上させる考え方や、それを支援するシステムを指します。
連絡先だけでなく、購入履歴や商談、問い合わせをまとめることで、担当者が変わっても経緯を踏まえた対応がしやすくなります。
CRMの基本や、クラウド上で顧客情報を共有するメリットを動画でも確認したい方は、以下をご覧ください。Salesforceの基本情報の他に、営業・マーケティング・カスタマーサービスで顧客情報を一元的に活用する考え方を紹介しています。
大きな違いは、システムをどこに置き、誰が運用するかです。クラウド型では提供会社の環境を利用し、オンプレミス型では自社で用意したサーバーにシステムを構築します。
| 比較項目 | クラウド型 | オンプレミス型 |
|---|---|---|
| 初期準備 | アカウントや利用設定が中心 | サーバーの調達・構築が必要 |
| 費用 | 利用人数・機能などに応じた継続課金 | 構築費に加え、保守・更新費を計上 |
| 運用・保守 | 基盤の保守は主に提供会社が担当 | 自社や委託先が担当 |
| 機能の変更 | 製品が提供する設定・拡張の範囲で対応 | 自社の要件に合わせて設計しやすい |
| アクセス | インターネット接続と認証が基本 | 社内ネットワークやリモート接続を設計 |
ただし、クラウド型でも、既存データの移行や独自のシステム連携には準備が必要です。利用開始までの期間は、導入形態だけでなく、移行する情報量や対象業務によって変わります。
顧客に関する情報を一か所に集め、次の対応に生かす機能を備えています。搭載範囲は製品やプランによって異なるため注意が必要です。
| 機能 | 業務での使い方 |
|---|---|
| 顧客・連絡先管理 | 会社名、担当者、連絡先を整理する |
| 商談・活動管理 | 商談の進捗、面談内容、次回対応を共有する |
| 問い合わせ管理 | 過去の相談内容と対応状況を引き継ぐ |
| レポート・分析 | 売上や失注理由を集計し、改善点を探す |
| メール・マーケティング | 顧客の状況に合う案内を届ける |
| 外部サービス連携 | メールや会計などとの二重入力を減らす |
専任の運用担当者を置きにくい企業や、拠点・外出先から同じ情報を使いたい企業では、クラウド型を検討しやすいでしょう。必要な範囲から利用を始め、業務に合わせて広げられます。
一方、既存システムとの特殊な接続が必要な場合や、社内で設備を管理する明確な要件がある場合は、オンプレミス型も選択肢になります。「どちらの安全性が高いか」とひとくくりにせず、アクセス制御、バックアップ、障害対応などを具体的に比較することが大切です。
クラウド型の利点は、導入時の手軽さだけではありません。日々の情報共有や保守の負担を減らし、人員増加や新規事業立ち上げなどの業務変化にも対応しやすくなります。
自社用のサーバーを購入・設置せず、必要なアカウントから始められます。無料プランや試用期間を使えば、契約前に操作を確かめられるでしょう。
ただし、データ移行や設定を外部へ依頼する費用は別にかかる場合があります。初期費用を抑えるコツは、まず標準機能で運用できる範囲を決めることです。
インターネットにつながる環境があれば、外出先や在宅勤務中にも顧客情報を参照できます。訪問直後に商談内容を登録できれば、帰社後の入力待ちも減らせます。
ただし、利便性と適切な情報管理を両立させる運用が必要です。利用端末やアクセス元の制限は、社内のルールに合わせて設定しましょう。
サーバーの監視や障害対応など、基盤の日常的な運用・保守は、主にサービス提供会社の役割です。自社の担当者は、顧客データの整備や活用の支援に時間を使いやすくなります。
アカウントの管理、権限設定、退職者のアクセス停止などは利用企業側の仕事です。担当者を事前に決めておけば、運用が曖昧になるのを防げるでしょう。
機能追加やセキュリティ更新は提供会社が実施するため、自社で更新プログラムを適用する負担を抑えられます。機能改善を継続的に取り入れやすい点も利点です。
画面や機能が変わる際には、利用者への案内や連携機能の確認が必要な場合があります。更新情報を確認する担当者を置いておきましょう。
利用人数や対象業務に合わせて、契約プランや機能を拡張できます。営業部門から始めて、問い合わせ対応やマーケティングとの連携へ広げる方法もあります。
また、システムが自社拠点内の設備だけに依存しないため、地震や水害といった自然災害などで拠点を利用できない場合でも、通信環境を確保できれば業務を継続しやすくなります。BCP(事業継続計画)の一環として、提供会社の復旧方針だけでなく、自社の予備回線や緊急時の連絡方法も整えておくことが重要です。
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導入前に注意点を把握しておけば、想定外のコストや運用の負担を抑えやすくなります。自社で対応できる範囲と、提供会社へ確認する事項を分けて考えましょう。
有料サービスでは、利用を続ける間、月額・年額料金が発生します。人数や保存データが増えると、費用も変わる可能性があります。
現在の人数だけでなく、1年後・3年後の人数や利用範囲も想定して費用を試算します。半年ごとに利用状況を棚卸し、使っていないアカウントやオプションを定期的に見直すことも、無駄な支出を減らす方法です。
既存業務を細部まで再現しようとすると、標準機能では対応できないことがあります。拡張機能や外部連携を使う場合には、追加費用や保守の手間も生じます。
まずは「必須の業務」と「運用を変えれば対応できる業務」を分けましょう。標準機能に合わせて業務を見直せる部分を探すと、過度なカスタマイズを避け、運用の複雑化を防げます。たとえば、紙の申請書を前提にした承認フローを標準のステータス管理に置き換えるだけでも、追加開発を避けやすくなります。
通信障害が起きると、顧客情報を参照・更新できない場合があります。オフライン対応の有無や範囲も製品によって異なります。
重要な拠点では予備回線を用意し、障害時に受け付けた問い合わせを後で登録する手順を決めておくとよいでしょう。また、復旧後の二重登録を防ぐルールもあわせて整えておくと安心です。
ベンダーロックインとは、特定の企業(ベンダー)の製品やサービスに合わせて業務を組み立てた結果、他社製品への切り替えに手間がかかる状態を指します。独自機能を活用するほど、別のサービスへ移る際にデータ変換や業務の見直しが必要になる場合があります。
顧客情報だけでなく、活動履歴や添付ファイルも取り出せるかを契約前に確認しましょう。CSV形式で全データを一括エクスポートできるか、解約後のデータ取得期限は何日かといった点を事前に把握しておくことを推奨します。
提供会社が基盤を保護していても、利用企業の権限設定や端末管理が不十分だと情報漏えいにつながります。
多要素認証、閲覧・編集権限、操作ログなどの対応範囲を確認し、自社では最小限の権限を付与します。障害や事故が起きた際の通知方法、バックアップと復旧の条件も、自社の運用体制と契約内容の両面から把握しておきましょう。
選定の軸は「何を改善したいか」「現場で使い続けられるか」「将来も無理なく運用できるか」の3つです。機能の多さだけで決めると、必要な情報が入力されず、活用が進まないことがあります。
| 観点 | 確認する内容 |
|---|---|
| 導入目的 | 顧客情報の共有、商談管理、問い合わせ対応など、優先する課題を決める |
| 現場の操作性 | 実際に使う担当者が、入力・検索・報告を一通り試す |
| 料金と拡張性 | 人数増加時の総額、上位プラン、外部連携、データ出力を確認する |
試用時には、自社の代表的な商談を想定して「顧客登録→活動記録→進捗確認」まで操作すると、日常業務との相性が分かります。入力に時間がかかる項目や、使わない画面を洗い出し、運用開始前に整えましょう。
クラウド型CRMのプランや機能を比較する際は、以下の動画もご覧ください。基本機能をまとめたStarter Suite と、カスタマイズや自動化に対応するPro Suite の特徴を確認できます。
顧客管理に使えるクラウドサービスには、営業や顧客サポートをまとめて扱うCRMのほか、自社の業務に合わせてアプリを作成できるサービスもあります。ここでは、代表的な4製品を比較します。
| 製品 | 主な用途・特徴 | 料金例 | 契約・利用上の条件 |
|---|---|---|---|
| Salesforce Starter Suite | 営業・マーケティング・サポートの情報を一つのCRMで管理 | 月額3,000円/ユーザー | 月単位または年単位で契約。無料プラン(Free Suite)は2ユーザーまで |
| Zoho CRM | 顧客・商談管理、ワークフローなど | Standard:月額1,760円/ユーザー | 年間契約の月額換算。無料プランは3ユーザーまで |
| Mazrica Sales | 顧客・案件・行動の管理、営業状況の可視化 | Starter:月額70,000円/組織 | 10ユーザー分65,000円とAgent料金5,000円を含む |
| kintone | 自社業務に合わせた顧客管理アプリの作成 | ライト:月額1,000円/ユーザー | 10ユーザー以上から利用可能。外部連携・拡張はスタンダード以上 |
SalesforceのStarter Suite は、顧客との接点をまとめて管理したい小規模チーム向けのCRMです。顧客情報と営業の進捗、問い合わせをつなげ、部門間の引き継ぎを支えます。
Zoho CRMは、顧客・商談の管理から自動化まで、プランに応じて利用範囲を選べます。
Mazrica Salesは営業案件の進捗を把握し、チームの活動を共有する用途に対応しています。
kintoneは、管理項目や業務の流れに合わせてアプリを作るサービスです。顧客管理以外にも使えますが、顧客管理以外にも業務に合わせて幅広く活用できます。
(参考:Salesforce公式サイト、Zoho CRM公式サイト 、Mazrica Sales公式サイト 、kintone公式サイト )
営業・サービス・マーケティングをオールインワンで。AI搭載のCRMで、顧客管理をスモールスタートできます。
同じ企業規模でも、顧客情報を共有したいのか、営業活動を管理したいのかで必要な機能は変わります。専任のシステム担当者を置きにくい中小企業では、設定や運用の手間が少ない製品を優先すると定着しやすくなります。人数は予算の目安にし、実際に改善したい業務から選びましょう。
| 状況 | 優先する機能 | Salesforceの選択肢 |
|---|---|---|
| 個人事業主・小規模チーム | 顧客・連絡先・商談の管理 | 2名までならFree Suite、3名以上のチームでの活用にはStarter Suite |
| 営業支援を重視する中小企業 | 商談の進捗共有、活動記録、営業レポート | Starter Suite。見積・売上予測などが必要ならPro Suite |
| 複数部署が連携する成長企業 | 部門間の情報共有、自動化、外部連携 | Pro Suiteなどを軸に、必要な製品・連携を検討 |
以下では、クラウド型CRMを活用した業務改善事例を紹介します。なお、表に挙げたプランのみで、各社と同じ利用環境を構築できるとは限りません。
最初から入力項目を増やさず、顧客名、連絡先、直近のやりとり、次回対応を整理します。担当者以外も状況を把握できることが、小さなチームでの導入効果につながります。
ITサービスを提供するランステックは、担当者ごとに分かれていた営業情報をStarter Suite へ集約しました。社長が個別の状況確認に費やしていた1日約3時間の作業は、全員で情報を共有する約30分のミーティングに置き換わっています。
(導入事例:株式会社ランステック)
営業担当者が少ない中小企業では、属人化した案件情報を本人以外が追えなくなるリスクが特に大きくなります。案件の進捗だけでなく、誰が、いつ、何をするかまで共有できる仕組みを選びましょう。自社の商談の段階を設定できるか、営業会議で必要な情報を取り出せるかが判断のポイントです。
不動産事業のフェイスネットワークは、Sales Cloudなどを活用し、土地の仕入れから設計、施工、物件・オーナー情報までを一元管理しています。工程ごとに分散していた情報をつなぎ、部門をまたいで案件を把握できる基盤を整えました。
(導入事例:株式会社フェイスネットワーク)
問い合わせやセミナー参加の情報を営業へ渡し、その後の商談結果をマーケティングへ戻せるようにします。部門ごとに別の顧客情報を持つ場合には、重複を識別するルールも必要です。
不動産投資サービスを提供するTAPPは、Salesforceに蓄積した顧客データとAgentforceを活用し、セミナー予約の変更などの問い合わせ対応を自動化しました 。公式事例では、AIによる問い合わせ解決率90.3%を紹介しています。顧客データを基盤として、問い合わせ対応の効率化と営業機会の創出を図った取り組みです。
(導入事例:株式会社TAPP)
本記事で紹介した製品には、無料プランから月額数万円以上のプランまであります。営業機能や自動化の範囲、利用人数などによって料金は変わります。予算はユーザー単価ではなく、初期設定と継続運用を含めた総額で組みます。
| 費用 | 主な内容 |
|---|---|
| 導入時 | データ整理・移行、初期設定、研修、必要な開発 |
| 継続利用 | ライセンス、追加容量、連携サービス、サポート |
| 社内の運用 | 入力ルールの整備、管理者の作業、利用者への支援 |
たとえば、Starter Suite (月額3,000円/ユーザー)を10人で使うと、ライセンス料金は月額30,000円、12か月で360,000円です。これには、移行・支援・追加機能などの費用は含みません。
人数が増える見込みがあるなら、増員後の金額も並べて比較します。導入後に減らしたい集計や転記の時間を測っておくと、費用に見合う改善が得られたか判断しやすくなります。
導入を成功させるには、システムを契約する前に使い方を決め、運用後も見直すことが欠かせません。近年はAIが入力内容を要約したり対応履歴から次のアクションを提案したりする機能も増えており、こうした機能を使いこなせる運用を見据えて設計すると、将来的な活用の広がりにもつながります。一部の業務から始めることで、入力時の負担や不足している機能・設定を把握しやすくなります。
管理職も会議でCRMの情報を使うと、入力する目的が現場に伝わります。また、CRMとは別の報告書に同じ内容を入力する二重入力は、可能な範囲で減らしていきましょう。
Salesforceでは、顧客情報の共有から営業・問い合わせ対応まで手軽に始めたい企業向けにStarter Suite をご用意しています。月額3,000円/ユーザーから利用可能で、分散している情報を一つのCRMで管理できます。
ぜひ30日間の無料トライアル で、顧客登録や商談の更新、チームでの情報共有をお試しください。実際の業務に沿って使うことで、クラウド型顧客管理システムに必要な設定や運用方法が具体的になります。
(関連記事:【初心者ガイド】Salesforce Starter SuiteでSFAを始めよう)
基本的な顧客管理なら、2ユーザーまで無料のFree Suite から始める方法もあります。見積管理や売上予測、より柔軟な自動化が必要になった際は、Pro Suiteに拡張も可能です 。
まずは今の課題を解決する範囲から始め、業務の広がりに合わせて活用を進めていきましょう。
Starter Suiteなら無料ですぐに始められ、チームでの活用も簡単。成長に合わせて柔軟にスケールできます。
顧客・連絡先の管理、商談の進捗管理、活動履歴の共有、問い合わせ管理、レポートなどです。必要な機能が利用予定のプランに含まれるか、試用環境でも確かめましょう。
安全性は、提供会社の対策と利用企業の運用の両方で決まります。多要素認証や権限管理を活用し、退職者のアカウント削除、端末管理、バックアップの確認も行うことが大切です。
必須ではありません。ただし、顧客とのやりとりを探す時間や対応漏れが増えているなら、導入を検討するタイミングです。少人数向けのプランで、管理の負担が減るかを試せます。
可能ですが、元のシステムから出力できるデータの項目・形式と、移行先で取り込める項目・形式を確認する必要があります。顧客情報、活動履歴、添付ファイルなどを分けて試験的に移行し、件数やデータ同士の関連付けを照合してから本番環境へ切り替えます。
※本記事に掲載している各ツールの料金・機能・サービス内容は、記事執筆時点(2026年10月)の情報にもとづいています。最新情報は各社の公式サイトをご確認ください。また、本記事に掲載している他社製品・サービスに関する情報は、各社の公開情報をもとに作成しています。掲載情報の完全性・正確性を保証するものではありません。各製品の詳細・正確な仕様については、各社に直接お問い合わせください。
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