
CRM連携完全ガイド
CRMを他のサードパーティアプリと連携させることで、データのギャップを埋め、より効果的に活用できるようになります。
Missy Roback、グローバルエディトリアルイネーブルメントリード
CRMを他のサードパーティアプリと連携させることで、データのギャップを埋め、より効果的に活用できるようになります。
Missy Roback、グローバルエディトリアルイネーブルメントリード
顧客関係管理(CRM)ソフトウェアは情報の拠点で、ここを起点として、顧客のライフサイクル全体にわたるデータへのアクセスが可能になります。あらゆる顧客接点を通じて顧客関係を強化する際に役立ちます。ただし、顧客データは、企業のWebサイト、レガシーシステム、多数のサードパーティアプリケーションなど、他の領域にも存在します。実際に、一般的なオーガナイゼーションでは1,000近くのアプリケーションを使用しています。
CRMを社内で信頼できる唯一の情報源とするため、すべての外部アプリを連携させるにはどうしたら良いでしょうか?CRM連携が答えです。すべての外部アプリをCRMと統合させると、コラボレーションの強化、業務の効率化、データの正確さの向上、顧客体験の改善を実現できます。また、お使いのCRMが予測型AIや生成AIを活用している場合は、複雑なプロセスの自動化、データの分析、売上予測の作成も行うことができます。こうした利点を得るためにCRM連携がどのように役立つかを見てみましょう。
CRM初心者向けガイドをご覧ください。顧客を開拓、獲得、維持するうえで必要なものをすべて紹介しています。
CRM連携とは、クラウド、レガシーシステム、オンプレミスハードウェアなどに存在するサードパーティアプリケーションをCRMプラットフォームに接続して、アプリケーション間でデータが自動的に同期されるようにするプロセスです。たとえば、連携済みのマーケティングオートメーションソフトウェアを使用してキャンペーンを実施すると、そのキャンペーンを通じて収集された顧客データは、CRMやその他すべての連携済みアプリケーションで自動的に利用可能になります。
企業の各部門は、エンタープライズリソースプランニング(ERP)、注文および在庫管理、プロジェクト管理、サプライチェーン管理、ソーシャルメディア、コラボレーションなど、複数のソフトウェアアプリケーションとシステムを使用しており、それらはすべて独自のデータをホストしています。部門によっては、独自のCRMソフトウェアを使用している場合もあります。各部門が独立して行動し、システムが他部門と連携しない場合、データサイロが発生します。これはよく見受けられる課題です。一般的な企業は、アプリケーションの28%しか連携しておらず、ITリーダーの81%がサイロ化がデジタルトランスフォーメーションの障害になっていると回答しています。
CRM連携を行うと、データサイロが解消され、社内の全員が同じデータを使用できるようになります。IT投資、特に人工知能(AI)を最大限に活用するには、CRMを連携することが不可欠です。
データの分断は、複数のシステムにサインインしたり、データにアクセスして管理するためにシステムを切り替えたりするなど、面倒で時間のかかるワークフローの原因になります。連携型CRMでは、すべてのデータが1つの統合システムでホストされるため、即座に更新され、誰もがアクセスできるようになります。プロセスが合理化されることで、チームは業務に専念でき、よりスピーディーに成果を上げることができます。また、信頼できる企業データにもとづく組み込みAIツールを使用することで、チーム全体の効率をさらに向上させることができます。
連携型CRMでは、CRMとサードパーティアプリ間でデータが自動的に同期されるため、最も正確で最新の情報を常に使用して作業できます。たとえば、在庫システムが連携していれば、小売またはカスタマーサービスチームは、商品の在庫が少ないときや品切れになったときなど、倉庫の在庫状況を詳細に把握できます。また、連携型CRMでは、自動化レポートを実行することで、一元化されたソースからAI生成の実用的なインサイトを抽出できます。また、使用できるデータポイントが大幅に増えるため、より詳細な分析が可能になります。
CRM連携により、Webフォーム、マーケティングオートメーションソフトウェア、営業ツール、顧客開拓ツールから収集された顧客データを活用して、リードを見込み客に、見込み客を売上に転換できます。Eコマースチームは、連携済みの店舗および在庫システムの最新情報を使用して、顧客の購入履歴データと製品の在庫情報にもとづいてマーケティング活動を調整できます。
連携型CRMにより、サービス業務を効率化し、顧客離れを減らすことができます。顧客履歴レコードとヘルプデスクシステムをCRMと接続することで、担当者はサービス問題の全体像を把握し、デジタル担当者はサービスライブラリにアクセスできるようになります。その結果、迅速にケースを解決できるようになり、顧客体験が向上します。連携システムが提供するデータは、関連する統計値にもとづいてサービスパフォーマンスを分析するのに役立ちます。
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優れたCRMには組み込みのアプリが含まれ、すべてのデータがすでに1か所にまとめられていますが、未連携のサードパーティアプリも依然としていくつか使用しているでしょう。すぐに使えるコネクタや連携機能を備えたデータプラットフォームを使えば、そうした例外的なアプリケーションもCRMに直接接続できます。CRM戦略を開発および実装する場合は、中堅・中小企業であろうと大企業であろうと、連携をサポートするプラットフォームをお探しください。
AIを搭載したCRMなら、マーケティング担当者は、マーケティング、コマース、営業、サービス、収益、キャンペーンに関するデータにもとづいてターゲットとなる顧客セグメントを作成し、複数のチャンネルで活用できます。ソーシャルキャンペーンやマーケティングキャンペーン、自社のWebサイトを連携させて収集したエンゲージメントデータは、マーケティング担当者が顧客や見込み客の行動にもとづいて、パーソナライズされたメッセージ、コンテンツ、オファーをAIで生成するのに役立ちます。
連携型AI CRMは、Web上での顧客接点、マーケティングキャンペーンへのエンゲージメント、ソーシャルメディアでの活動といった購買意欲を示すシグナルを収集し、最も有望なリードを自動的に特定できます。また、Web、ソーシャルメディア、マーケティングのエンゲージメントデータにもとづいて、見み客へのアプローチに最適なタイミングを営業担当者に通知することもできます。
AIを活用した連携型CRMは、カスタマーケース、請求についての苦情、顧客フィードバックなどのデータを収集し、サービスチームのリーダーはその情報から顧客の状態を評価できます。また、テレメトリー(IoTやその他のデバイスからデータを収集するプロセス)を通じて、業務を評価することもできます。さらに、顧客満足度スコア、ケース解決時間、サービス担当者の生産性といった統計値を提供するダッシュボードを使用して、サービスパフォーマンスを分析することも可能です。連携したデータを活用してリスクのある顧客を特定することも可能で、顧客の問題が発生したときに担当者は速やかに対応できます。
コマースチームは、CRMのコマースおよびマーケティングデータと併せて、連携されたWebやソーシャルメディアのエンゲージメントデータを使用し、AI主導のパーソナライズされたショッピングジャーニーを作成したり、状況に応じた製品レコメンデーション、プロモーション、カスタマイズされた価格設定を提供したりできます。また、連携された在庫および注文管理データをトリガーとして、再入荷を通知したり、それらのデータからサービスケースを自動的に作成したりすることができるため、マーチャンダイジングが効率化されます。
SlackなどのCRMコラボレーションツールを、営業、サービス、マーケティング、コマースのCRMデータと連携することで、顧客とのつながりを一層強化できます。チャンネル機能を使えば、特定のテーマに関する会話やデータのコレクションを作成できます。また、AIを活用した検索機能により、チャンネルやスレッドから必要な情報を迅速に見つけることが可能です。Slackでも、プロジェクト管理、コンテンツ管理、ファイル管理、ファイル共有、ドキュメントの署名、ビデオ会議、生産性といったサードパーティツールと接続 し、効率的に仕事をすることができます。
CRMシステムの連携を始めるための基本的な方法は3つあります。
APIを利用することで、現在および将来のアプリケーションやプロセスを迅速に連携させることができ、IT投資の保護にもつながります。アプリケーションにすぐに使える連携機能がない場合でも、役に立つ連携プラットフォーム があります。アプリケーション、データソース、APIを接続し、多様なシステム間でシームレスなデータフローを作成して、業務を効率化できます。このプラットフォームは、オンサイトとクラウドベースの連携の両方に対応しており、各種のビジネスアプリケーション、データベース、プロトコルに対応した、事前構築済みのコネクタライブラリを提供しています。さらに、APIの設計、構築、管理 のためのツールも用意されています。
CRM連携にAPI主導の戦略を用いる場合、それぞれ特定の目的、すなわち「システムからのデータ抽出」、「プロセスへのデータ統合」、「エクスペリエンスの提供」のために開発された、3階層のAPIが必要となります。
プロセスAPI は、特定のビジネス目的のために、複数のシステムAPIを組み合わせるものです。先の最新の配送状況の例で言えば、顧客に荷物の現在地を知らせたり、遅延の有無を伝えたりするためには、配送会社やその他の関連システムなど、複数のシステムAPIが必要になる場合があります。企業がAPIを使って分散した複数のシステムを連携させていれば、プロジェクトを早期に完了でき、データ連携も容易になります。APIにより、CRMプラットフォームを企業の信頼できる唯一の情報源とすることができます。オーガナイゼーション全体のあらゆるシステムからデータにもとづくインサイトを引き出すことが可能になります。こうしたインサイトを通じて、企業は顧客に対して正確かつ迅速に対応できるようになり、ひいては収益性の向上と事業の成功につながります。
エクスペリエンスAPI は、複数のシステムAPIやプロセスAPIを利用して、より複雑なプロセスをサポートします。たとえばエクスペリエンスAPIを利用すると、カスタマーサービス担当者は、顧客とサービス部門のやり取りだけでなく、マーケティング、営業、利用料金、ソーシャルメディアについても顧客の履歴を確認できます。これにより担当者は、顧客のニーズをより的確に評価し、質問に答え、サポートを提供できるようになります。
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