脱炭素を、数字で終わらせない。セブン&アイ・ホールディングスがAgentforce Net Zeroでデータを「行動」に変えたいねらいとは
Salesforceと共に歩む、“企業価値向上を見据えた開示”と行動変容への道
Salesforceと共に歩む、“企業価値向上を見据えた開示”と行動変容への道
同社は早くからサステナビリティを経営課題として位置づけ、環境・社会施策を継続的に推進してきました。
しかし、拠点数が増えるにつれ、実務の運用面では次第に無理が生じていました。
その中で、環境施策では、CO2排出量削減、プラスチック対策、食品ロス・食品リサイクル対策、持続可能な調達といったテーマごとに担当チームが分かれ、それぞれが実績データをExcelで管理。その結果、データの更新状況や定義が揃わず、全社の状況を把握するたびに個別確認が必要な状態になっていました。
こうした運用は、「特定の担当者に業務が集中しやすい」という別の問題も生んでいました。数字の確からしさを担保することも容易ではなく、全社横断での状況把握や、迅速な意思決定を妨げる要因にもなっていたのです。
さらに、サステナビリティ情報の開示義務化(SSBJ等)がより一層求められる中、環境データについても有価証券報告書の開示に合わせ、タイムリーな対応が必要となってきます。
短期間で正確性と信頼性を両立させる必要が生じ、「従来の手運用」では限界が明確になっていたのです。
1店舗単位での見える化により、課題点を本部と現場、双方で確認できる運用へ
「従来、ホールディングス側が把握できていたのは、事業会社単位で集計された数字が中心でした。店舗レベルの状況を確認するには、約2万店分のレコードを辿る必要があり、迅速に全体像を捉えることは容易ではありませんでした」
サステナビリティ推進室の伊藤豊記氏は、当時の状況をこう振り返ります。
Agentforce Net Zeroの導入によって、状況は大きく変わります。1店舗単位で電力使用量などのデータを直接扱えるようになり、管理側(開示側)も、都度個店データを再確認することなく、状況を把握できるようになりました。
国内2万店超の電力レコードに、都市ガスなどのデータを加えると、年間で扱うデータ量は大規模にのぼります。こうしたデータをExcelで管理し続けるには、処理性能や分析の面で無理が生じやすくなっていました。
グループDX本部の遠藤勇貴氏は性能・運用を意識した技術的な観点から、次のように語ります。
「Agentforce Net Zeroは、この規模のデータを前提に設計されています。大量のデータにも迅速にアクセスでき、加工や可視化を含めた運用が可能です。将来の拡張も見据えた、持続的な管理基盤として機能しています」
部門ごとに異なる数字を参照している状況では、「どの数字が正しいのか」という確認に、多くの時間が割かれていました。
Agentforce Net Zeroによって、会社としての基準となる数字が定義(マスターデータ化)され、共通の画面で共有されるようになります。その結果、会話の焦点は数字の正しさから、次に打つべき施策へと自然に移っていきました。
サステナビリティは、一部の担当者だけが向き合うものではありません。本当は、現場に近い一人ひとりが、自分の行動と結果を確かめられるべきだと思っています。このプラットフォームを通じて、気づきや会話が生まれ、その会話が次の行動につながっていく。そんな循環を、ここからつくっていきたいのです
江上 貴司氏株式会社セブン&アイ・ホールディングス, サステナビリティ推進室 オフィサー
同社は、最初から特定の製品に決め打ちすることなく、全体で20社規模、最終的には10社程度まで絞り込んだうえで比較検討を進めました。
その中でまず重視したのは、環境データを一元的に管理できることと、現場で無理なく使い続けられる操作性。そして検討を深める中で、判断の分かれ目となったのが拡張性です。
グローバル展開に耐えうることに加え、CO2に限らず、食品ロスやプラスチック、持続可能な調達といった領域まで、同じ基盤で扱える「柔軟性」が評価されました。環境領域に特化したツールは多く存在しますが、「それ以外」も含めて将来像を描ける点が、他社との明確な違いとなったのです。
さらに、Agentforceの活用による変革ポテンシャル、セキュリティを含む非機能要件についても慎重に検討を重ねた結果、Agentforce Net Zeroの採用を決定しました。
運用保守はベンダーに依存せず内製で対応し、改善を止めない体制を構築することで、変化に素早く対応できる環境を整えています。
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