FUJIが挑む“内製化によるAgentforce活用”の最前線

現場主導のAI革新。自律型エージェントが変える製造業の未来

概要

2025年2月よりSalesforceのAI活用プロジェクトを始動。2025年7月にはAgentforce開発に着手し、活用現場とIT部門が連携するPoC体制のもと、2026年3月には「商談更新Agent」「FAQ Agent」「DX Agent」に対応する3つのエージェントを、すべて内製で本番展開しました。現在は長期ビジョン「FUJI2035」に向け、Salesforceの活用をさらに加速させています。

企業情報

株式会社FUJI(以下、FUJI)は1959年の創業以来、工作機械や電子部品実装ロボットといった「ものづくり」の領域で、ロボティクスと自動化技術を強みに発展してきた愛知県知立市に本社を置く製造業です。高精度・高速性・完全自動化対応といった技術力を武器に、FUJIは電子部品実装分野においてグローバルなハイエンドブランドとしての地位を確立しています。

成果

8
Agentリリース
2,000 時間
年間低減業務工数

FUJI2035の実現に向けた、Agentforce活用による“イノベーション”
FUJIは2019年に営業部門を皮切りにSalesforceの活用を開始し、現在ではカスタマーサービス部門やバックオフィスにも展開しています。さらに、Tableauを活用した経営指標の可視化など、全社的なデータ活用へと展開しています。

こうした取り組みを基盤に、2025年2月には「生成AI活用プロジェクト」を開始し、同年7月には「Agentforce活用プロジェクト」を立ち上げました。わずか9ヵ月で「FAQ Agent」「商談更新Agent」「DX Agent」など8体のAgentを作成し、2026年3月から順次本番展開を進めています。

FUJIが生成AIおよびAIエージェント活用に踏み出した背景には、2035年に売上高3,000億円という大きな目標があります。マーケティング部長の増田氏は「これから確実に人が足らなくなる。だからこそAI Agentを活用し、一人ひとりの生産性を1.5倍に引き上げなければ目標達成が難しい」と語り、その実現手段として、AI Agentに期待を寄せています。

その具体例の一つが、営業向けに作成した「商談更新Agent」です。顧客や海外代理店とのメール、会議録画データを取り込むだけでSalesforceの商談情報を自動更新します。変更内容や、変更箇所も担当営業に通知されるため、まるでAgentが「一人ひとりの秘書」のように営業の仕事をサポートしてくれます。

また、営業部長の権田氏は、「社内に蓄積された構造化/非構造化データを活用し、営業の秘書のように一緒に仕事を進めて行けるAgentを作りたい。誰が担当しても同じ品質で提案できる体制を構築し、お客様に価値を届けたいです」と語り、その理想を実現する手段としてAI Agentの拡大に期待を寄せています。

本プロジェクトを推進した、DX推進部 SFA課の吉間氏は、Agentforce活用の PoCの効果について、「試算では、年間2,000時間の工数削減が見込まれます。空いた時間は、より付加価値の高い業務や顧客対応に充てていきます」と述べています。今後も大きな成果に向けて、Agentforceへの期待は高まっています。

Agentforce活用のPoCを通して、年間2,000時間の工数削減の見込み

吉間 氏
株式会社FUJI, DX推進部 SFA課

Salesforceが提供するAIエージェント”Agentforce”は、FUJIのAI活用を大きく前進させました。DX推進部ではTrailheadやヘルプドキュメントを使いながら、ゼロからデータ整備とAI活用基盤の設計を内製で行ってきました。

DX推進部SFA課の松井氏は「Trailheadとヘルプだけで、気づけばここまで自分たちだけで構築できるようになりました。“好きこそものの上手なれ”で、Salesforceが好きだからDXを前に進められている実感があります」と話します。また、同課の吉間氏は、Agentforceの動作について「AgentforceがSalesforceのフローを自律的に実行する様子を見て、もう人間と遜色ないレベルに近づいていると正直思いました」と述べ、AIの判断と実行が従来のRPAの枠を超えつつある点を評価しています。

FUJIでは、こうした基盤を活かし、製造業ならではの活用も進めています。例えば、「TA(ターゲットアカウント)管理」を内製で実装、仕組み化し、ターゲット企業に対する営業アプローチを種まきの段階から可視化しています。事業本部会議ではTableauダッシュボードを活用し、ターゲット企業ごとの商談状況を把握できる体制を整えています。また、「VOC(Voice of Customer)データ」の活用も進んでいます。営業部門に加え、カスタマーサービスや海外駐在メンバーもVOCデータを登録し、蓄積されたVOCデータが製造や製品開発へとつながる仕組みも構築されています。
顧客の声に寄り添いながら価値創出につなげる、FUJIらしいSalesforce活用の一例です。

CRMに親和性の高い、製造業ならではの活用で、FUJIらしい活用ができています

増田 氏
株式会社FUJI, マーケティング部 部長

FUJIは2035年の経営目標達成に向け、Salesforce活用のさらなる高度化を進めています。今後は、マーケティング、営業はもちろん、カスタマーサービスやコマース領域など、顧客軸×設備軸でデータを統合し、全社的なSalesforce活用を構想中です。

DX推進部 SFA課 課長の石川氏は、「FUJIは、すでに内製化体制の確立やデータの蓄積が進んでおり、Salesforce活用の優位性が高まりつつあります。Agentforceの早期の取り組みにより、社内の人材も着実に育ってきました。これからはSalesforceを競合優位の源泉とするため、より高い視座で活用を進めてまいります。」
Salesforceは、こうしたFUJIの取り組みと歩調を合わせながら、更なるチャレンジを支えるための唯一無二の基盤として、これからもビジネスを支え続けます。