グループ各社のビジネス状況を把握できる共通基盤を目指すも定着化に課題
コネクタ専業メーカーとして知られるヒロセ電機。同社では、1937年の創業以来、長きにわたり、高耐圧、高耐振性、耐環境性などを要する厳しい利用環境下で利用できる産業用コネクタの供給を中心にビジネスを展開してきました。さらに近年では、そうした取り組みの中で培った技術をベースに、自動運転分野の技術革新やEV化の進展 進むモビリティ分野や、様々なデバイスと接続性が高まるスマートフォンやタブレットなどの新情報端末に代表されるコンシューマ分野、あるいはIoTやロボットの活用を核にスマート化が進む産業機器分野など、コネクタにまつわる新たなニーズを抱える多彩な領域をターゲットに事業を展開。同社のラインナップする製品は実に5万数千点を数え、国内はもちろんグローバル市場においても高い評価を受けています。事実、同社の売上の75%が海外の顧客との取引によるものです。
そうしたグローバル規模のビジネスを支える体制として同社では、米国や欧州、アジア地域にグループの販社を置いているほか、生産拠点についても国内3カ所、および海外5カ所に自社工場を展開し、協力会社と一体となったモノづくりネットワークを形成しています。
ヒロセ電機では、Salesforceを2016年に導入。「海外拠点を含むグループ全体のビジネス状況を共通基盤上で把握できる仕組みを整備すべくSales Cloudを日本発で導入し、海外拠点へと展開しました」とヒロセ電機の鎌形伸氏は語ります。
当時、Salesforceの活用にあたり同社では、自社の要件を満たすために積極的にカスタマイズを施していくというスタンスで臨みました。例えば、Salesforceによって同社が管理したいと考えていた業務の1つに、製品が顧客に採用された後、顧客の生産計画に応じて繰り返し発生する注文にかかわる販売予測、いわゆるリピートオーダーの管理がありました。
「しかし、カスタマイズのデザインが良くなかったこともあり、我々が実装した繰り返し注文に関する販売予測管理においては、ERP側の実績データとの連携ができず、結果、予実にかかわる評価がなされないという問題がありました。また、そもそもリード管理や顧客接点活動の管理など、Salesforceにおけるごく一般的な機能についても十分に使いこなせていないという状況があり、結果、定着化に課題を抱えていました」とヒロセ電機の田島賢一氏は振り返ります。もちろん、こうしたカスタマイズの多用は、Salesforceのアップグレードにも思うように追随できないという問題も引き起こしていました。