“おもてなし”をSalesforceで磨く。三井住友トラストクラブが実現した「真の 1 to 1 コミュニケーション」
ダイナースクラブを運営する三井住友トラストクラブ。
決済機能を超えた「クラブ」を目指して、
デジタルで進化する「お客様に寄り添う体験価値」を追求。
ダイナースクラブを運営する三井住友トラストクラブ。
決済機能を超えた「クラブ」を目指して、
デジタルで進化する「お客様に寄り添う体験価値」を追求。
同社が目指していたのは、デジタル化そのものではありません。 デジタルで効率化できる部分は効率化し、その分をお客様へのより手厚いサービスに充てることでした。
しかし、その実現を阻んでいたのが、いくつかの構造的な課題でした。
ひとつめが「マーケティングのコミュニケーション」にまつわる課題。
当時のマーケティングでは、「一斉メール配信」が主流でしたが、そこには大きな構造的な限界がありました。 BIツールでリストを作成し、配信システムへ取り込んで送るという運用だったためです。 セグメントを細かく分けようとすると運用負荷が一気に高まり、結果として、全員に同じ情報を届けるしかない状態でした。
その状況に対し、現場には「強い違和感」がありました。 お客様一人ひとりに寄り添うはずのブランドが、「全員に同じメールを送る」というコミュニケーションをしていていいのか。 場合によっては、それはお客様の時間を奪うだけの情報になってしまうかもしれない――。 そんな危機感も、現場にはあったのです。
もうひとつの課題は、コンタクトセンターでした。
顧客対応履歴が複数のシステムに分散していたため、オペレーターは対応のたびに複数の画面を確認しながら業務を行う必要がありました。 当時は問い合わせ管理システムだけでも3つに分断されていました。
その結果、例えば、コンタクトセンターからお電話を差し上げても、ご不在の場合、お客様には着信履歴だけが残ります。「今の電話は何だったのだろう」という不安を抱かせてしまい、せっかくお客様から折り返しの電話があった際にも、情報が分断されていたため「なぜこちらから電話したのか分からない」という状況が起きてしまうこともあったのです。
お客様にとって、それは決して望ましい体験とは言えませんでした。 マーケティングも顧客対応も、システムごとに分断された状態だったのです。
「1 to 1の関係」を重視する企業だからこそ、この状態を変える必要がありました。
そこで同社は「分断された顧客接点をひとつの基盤でつなぎ直す」という決断を下しました。
こうした課題を解決するため、同社が選んだのがSalesforceでした。 顧客接点を分断したまま改善するのではなく、顧客情報を中心にすべての接点をつなぎ直す。 その基盤としてSalesforceが採用されました。
マーケティング機能単体で終わるのではなく、CRMなど他システムと拡張・連携できることが最大の決め手となりました。
Agentforce Service による統合 CRM 「 CREST 」の構築
同社はSalesforce Agentforce Serviceを基盤に、統合CRM「CREST」を構築。
顧客対応履歴やサービス利用情報を集約し、マーケティングとコンタクトセンターが同じ顧客情報を共有できる基盤を整えました。 誰が、いつ、どのような対応をしたのか――その履歴がひとつの画面で確認できるようになったことで、顧客対応の一貫性は大きく向上しました。
Agentforce Marketing で実現した「意味のあるコミュニケーション」
Agentforce Marketingの導入により、データを起点にしたコミュニケーション設計も可能になりました。
顧客属性や行動に応じてセグメントごとに配信内容を最適化し、ジャーニー機能を活用して施策を自動化。 これまで手作業では回らなかったパーソナライズ施策を、継続的に運用できる体制を構築しました。
その結果、お客様特性を考慮しない「一斉配信」は大幅に減少。 メールの開封率も大きく改善しました。
Agentforce Service × Agentforce Marketing が生んだ「おもてなし」
こうしたデータ起点のコミュニケーションを象徴する取り組みが、グルメ優待サービス「エグゼクティブ ダイニング」です。
予約フォームはAgentforce Serviceで構築され、予約情報はAgentforce Marketingへ自動連携。 レストラン利用後の翌週にはサンキューメールとアンケートが送信されます。
さらに、満足度が高かったお客様には一定期間後にリピートを促すメールを送信。
一方、期待に沿えなかった評価をいただいた場合には、その『お客様の声』を即座にサービス担当部門へとフィードバックしています。
こうしたきめ細かいコミュニケーションは、人の手だけでは到底実現できません。 データと仕組みを組み合わせることで、「おもてなしの質」をさらに高めることができました。
少人数でも回る運用体制と組織の変革
現在、Agentforce Marketingの運用は4名体制で行われています。 一斉配信担当とパーソナライズ担当に分担し、高度な開発は外部パートナーと協業するハイブリッド体制です。常時30以上のジャーニーを運用しながら、継続的な施策改善を進めています。
その背景にあるのが、メンバーのスキル向上です。
メンバーはSalesforceの専門トレーニングを受講し、データ構造や設定を体系的に理解しました。 内製化が進んだことで改善スピードも大きく向上。 ツールを自分たちで使いこなせるようになったことは、「組織のモチベーション向上」にもつながっています。 メンバーがデータ構造を体系的に理解し、「自分たちで手を動かせる」ようになったことで、改善スピードが劇的に向上しました。外部パートナーに対しても、曖昧な依頼ではなく、論理的で明確な要件伝達が可能になり、施策のPDCAがこれまでにない速さで回転し始めています。
また、マーケティング部門とコンタクトセンターが共通のシステム言語で会話できるようになったことで、「こんなことできませんか?」といった改善提案が部門を超えて活発化しています。
三井住友トラストクラブがSalesforceを選んだ理由は、Salesforceが単なるマーケティングツールではなく、顧客接点全体をつなぐ「顧客基盤」として活用できたからです。
同社にとって顧客コミュニケーションは、マーケティングだけの問題ではありません。 コンタクトセンター、サービス、ブランド体験――そのすべてがつながっています。 だからこそ必要だったのは、顧客情報を中心に接点を統合できる基盤でした。
もうひとつ重要だったのが、プラットフォームとしての信頼性です。
世間では「SaaSを使わず自社開発する」という声もありますが、金融機関レベルのセキュリティやインフラ、継続的な進化を自社で担うのは現実的ではありません。
基盤は信頼できるプラットフォームに任せる。 そのうえで、自社は顧客体験の設計に集中する――Salesforceは、その考え方と最も合致する選択肢でした。
プラットフォームはSalesforceに任せる。 そして自分たちは「お客様への価値」を設計する。 その役割分担こそが、三井住友トラストクラブが“おもてなし”を磨き続けるための選択でした。
今後は蓄積されたデータを基に「お客様が望んでいるであろう情報」をAIで予測し先回りして届けることや、AIを活用した業務スピードのさらなる向上を目指しています。また、イベントやラウンジなど同社の強みである「リアルな接点」での会話データもCRMに取り込み、エンゲージメント向上に活かしていく構想を描いています。
Salesforceのようなプラットフォームを自分たちがいかに使い倒し、お客様に価値を還元するかに集中する。 それが私たちの考え方です。 餅は餅屋と言いますが、基盤はSalesforceに任せて、私たちは“おもてなしの設計”に力を注ぎたいと思っています。
馬渕 貴由 氏三井住友トラストクラブ株式会社, マーケティング本部 マーケティング企画部 デジタルプランニングチーム チーム長
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