サポートチームに顧客から注文が遅れているという苦情が入った場面を考えてみましょう。担当者が複数のシステムを右往左往して詳細を確認している間、顧客はさらに不満をつのらせていきます。ここまでの話になにか思い当たることはありませんか?
分断されたデータによって、顧客の不満が高まるだけでなく、コストも上昇します。幸い、そのような状況でも、優れた顧客データインテグレーション(CDI)があれば、顧客体験を改善できます。
このガイドでは、CDIの仕組みやインテグレーションの種類について解説し、散在したデータをシームレスな顧客体験に変換したいと考えるビジネスにとって、CDIがゲームチェンジャーになる理由を解き明かします。
顧客データインテグレーションの定義
顧客データインテグレーションとは、複数のソースから得たデータを単一のアクセス可能なシステムに統合するプロセスです。このプロセスにより、組織全体で顧客の包括的なビューを確立できます。
CDIは、CRM、マーケティングプラットフォーム、eコマースシステム、データウェアハウスなど、顧客データが保存されている場所同士をつなぐ役割を果たします。情報ピースを断片化したまま扱う代わりに、CDIは情報ピースを一元化し、明確な全体像として集約します。
この明確さがチームの意思決定を改善する基盤となります。関連するすべての情報を掌握できれば、顧客が求めているものを正確に提示する作業がはるかに容易になります。電話(または商談)の準備をしている営業担当者を例に考えてみましょう。 担当者が顧客の最近の購入品、マーケティングでのやり取り、サポート履歴をすべて1か所で瞬時に確認できれば、業務効率が向上し、その場で優れた判断を下すことができます。
つまり、顧客データインテグレーションは、データを集約・整理することで、より有意義な顧客とのやり取りを実現するということです。すべてのシステムが信頼できる唯一の情報源を活用することで、チームは必要なデータにすばやくアクセスできるようになり、手作業が減少します。その結果、価値の高いタスクに集中することができ、効率と生産性の両方が向上します。
顧客データインテグレーションの種類
顧客一人ひとりがすべて完全に異なるように、顧客データインテグレーションは画一的なアプローチではありません。ビジネスによってニーズが異なるため、状況によって役立つCDIの種類も異なります。CDIの主な手法としては、コンソリデーション(統合)、プロパゲーション(伝播)、フェデレーション(連携)があります。いずれも独自の強みと用途を備えたこれらのアプローチを詳しく見ていきましょう。
1.コンソリデーション(統合)
コンソリデーション(統合)では、すべてのシステムからデータを収集し、データウェアハウスなどの一元的な場所に保存します。この中央リポジトリは、すべての顧客情報を網羅した巨大な図書館と考えることができます。チームは必要な情報を検索して使用し、共有できます。
CRMの販売データ、マーケティングのエンゲージメント指標、eコマースシステムの商品在庫情報を収集し、それらすべてをCRMと深く連携した単一のデータプラットフォームに集約します。多くの場合、このプロセスには、ETL(抽出・変換・ロード)パイプラインなどのプロセスを伴います。つまり、さまざまなソースのデータを抽出し、クリーニング・構造化して一貫性を確保し、中央リポジトリにロードします。
適切なデータプラットフォームがあれば、データレイクやデータウェアハウスなどの元の場所からデータに直接アクセスできるようになり、ETLプロセスが簡素化されます。その結果、データをシステム間で移動したり、変換したりする必要がなくなります。API 、SDK、コネクターなどの高度なインテグレーションテクノロジーも、システム間でのリアルタイム/一括データ転送で重要な役割を果たします。
データ全体が統合されるため、チームは信頼できる唯一の情報源にもとづいて作業を進めることができ、エラーや不一致が減少します。チームにとっては、次のようなメリットがあります。
- 正確なデータと、信頼できる唯一の情報源に基づくAIソリューションにより、意思決定とコラボレーションを改善できる
- レポートとアナリティクスを簡素化できる
- 構造化された統合環境で、より深いインサイトを得られる
- あらゆる情報を網羅した静的なデータセットで作業を開始できる(特定時点のデータのスナップショットを取得することで、履歴データのアナリティクスを改善できる)
2.プロバゲーション(伝播)
プロバゲーション(伝播)では、変更が発生したら即座にシステム間で自動的にデータが更新・共有され、すべてのツールが瞬時に同期状態を保つことができます。この場合、面倒な手作業は必要ありません。たとえば、顧客がいずれかのプラットフォームでメールを更新すると、その変更内容がCRM、マーケティングツール、アナリティクスダッシュボードに瞬時に反映されます。追加の操作は必要ありません。
たとえば、顧客がWebサイト上で自分の連絡先情報を更新したとします。プロパゲーションにより、直ちにCRM、マーケティングプラットフォーム、サポートツールに反映されます。変更内容を手入力する必要はありません。この常時接続されている仕組みを通じて、統合された顧客プロファイルが確立され、組織は次のことが可能になります。
- データの一貫性を確保し、常に最新の状態を保つことができる
- 手作業を減らし、データの不一致によるエラーを排除できる
- 同期されたデータを活用し、顧客とのやり取りを改善できる
3.フェデレーション(連携)
フェデレーション(連携)は、いわば「万能の鍵」です。フェデレーションにより、データを移動せずに異なる場所からデータにアクセスできるようになります。ETLなどのプロセスを介してデータを中央リポジトリ移動するコンソリデーションとは異なり、フェデレーションでは、データを元の場所に置いたまま接続します。この手法では、データをコピーせずに元の場所にあるデータに接続するため、チームは余分なバージョンのデータを作成せずにデータにアクセスできます。
Data Cloud Zero Copy IntegrationやMuleSoft などのツールを使用することで、ビジネスは他のシステム(オンプレミスのデータベース、クラウドストレージ、サードパーティプラットフォームなど)から顧客データを取得できます。データを物理的に移動する必要はありません。データウェアハウスやデータレイクに保存されているデータを別のシステムに移動しようとすると、多額のコストが発生します。ファイルフェデレーションであれば、そうしたコストを回避することができるだけでなく、次のことが可能になります。
- データセットの重複を回避することで、ストレージコストを最小限に抑える
- データを元のシステムに保持することで、コンプライアンスとガバナンスを改善できる
- さまざまなデータソースに柔軟にオンデマンドでアクセスできる
- Salesforceから直接インサイトを取得し、データにもとづいてアクションを実行できる
ゼロコピーを活用することで、リフトアンドシフトを行うことなく、即座にデータへとアクセスできるようになります。その仕組みについて、さらに詳しくご紹介いたします。
顧客データインテグレーションが重要な理由とそのメリット
注目すべき点として、顧客データがツールや部門間で分散していると、見落としが生じます。営業担当者はマーケティングキャンペーンを完全には把握できません。サービスチームは過去の購入履歴を把握できません。マーケティング担当者はオーディエンスセグメントの統合に数週間を要します。
顧客のニーズが可視化されていないと、ビジネスは停滞します。しかし、顧客データインテグレーションが状況を一変させます。CDIですべてのデータを単一のシステムに集約することで、営業担当者から手配担当者まで、あらゆるユーザーが優れた体験を提供し、速やかに意思決定を下し、より有意義なやり取りをできるようになります。
1.よりインテリジェントなエージェント型AIを強化する
顧客データインテグレーションは、効果的なエージェント型AIのバックボーンです。つまり、AIモデルがどれほど高度化しても、AIの品質は基盤となるデータしだいであり、質の高い統合データ基盤が非常に重要です。なぜなら、そうした基盤を得ることで、AIエージェントは、もっとも正確で最新の情報にもとづいて意思決定を下すことができるからです。
データを連携することで、サイロが解消され、信頼できる顧客の全体像を一元化できます。これは極めて重要です。なぜなら、AIがそれぞれの顧客のジャーニー、好み、やり取りを完全に理解した状態で動作するようになるからです。たとえば、金融サービス会社は、連携されたデータを使用することで、リアルタイムの正確な貸付リスク評価を実施し、最新の市況と顧客行動にもとづいて判断できます。
特に、統合されたデータプラットフォームがあれば、AIエージェントはシームレスにデータにアクセスして行動できるようになります。このインテグレーションこそが、ワークフローの自動化、高度なアナリティクスの実行、AIを活用したアプリケーションの加速を実現するための鍵になります。このインテグレーションがない状態では、もっとも高度なAIモデルでも十分に力を発揮できず、コスト増につながる不具合や機会の損失を招きます。包括的な統合システムに注力することで、AIを単なるツールから、ビジネスの成長とイノベーションを加速するパワフルなエンジンに変換できるのです。
2.データサイロの解消
分断したデータは、顧客体験を損なう死角を生みます。顧客に関する信頼できる唯一の情報源がない場合、営業チームは、ロイヤルティの高い顧客が未解決のサポート問題を抱えていることを把握できません。結果として、アップセルの取り組みが無駄になります。
顧客データインテグレーションを導入すれば、あらゆる部門が同じ最新情報にアクセスできるようになります。データサイロで分断されることなく、全員が同じ情報を参照することで、チームは一貫したシームレスな顧客体験を提供し、信頼を築くことができます。72%の消費者が、1年前と比べて企業への信頼が低下したと回答していることからも、信頼の構築は大きな価値のある投資と言えます。
3.顧客情報の一元化
CDIがもたらす究極の成果は、顧客情報の一元化です。ビジネスは、分散した情報に惑わされず、購入履歴やマーケティングエンゲージメントからサポートでのやり取りまで、顧客行動の全体像を把握できます。
通話対応の準備をしている営業担当者の例を考えてみましょう。CDIがあれば、顧客が最近オンラインで新製品を閲覧したこと、プロモーションメールを開封したこと、サポートチケットを申請したことなどを瞬時に確認できます。こうしたインサイトを得ることで、担当者はアプローチをパーソナライズし、顧客との関係を強化して、販売成約の可能性を高めることができます。
4.意思決定の強化
データの検索とアクセスは、優れた顧客インサイトの第一歩にすぎません。データを統合することで、ビジネスはトレンドを分析し、成果を予測し、速やかに行動できます。その結果、チームは顧客を効果的にサポートできるようになり、競合他社よりも優位に立つことができます。
製品ローンチを最適化するeコマースチームの例を考えてみましょう。データを統合することで、チームは販売トレンド、顧客からのフィードバック、在庫レベルを把握してアナリティクスを実施し、価格設定やプロモーションを調整できます。また、サービスチームの場合は、予測的モデルを使用して、顧客の解約や製品の潜在的な不具合などのパターンを特定し、問題が深刻化する前に対処できます。統合されたデータでこうした判断を促進することで、ビジネスは後手対応から先手対応に移行し、先を見越して行動できるようになり、ビジネスと顧客基盤の双方に良い成果をもたらします。
5.データ精度の改善
多くの場合、分断されたシステムは、重複した連絡先、古くなったプロファイル、データギャップなど、雑多で一貫性のないレコードを生み出します。CDIは、プラットフォーム全体でデータをハーモナイズすることで、この問題を解決します。
ハーモナイゼーションとは、複数のソースから得たデータを連携させ、標準化するプロセスです。具体的には、不一致の解消(顧客名のつづりの不一致など)や重複の排除、さらに別のデータセットからの情報を相互参照することでギャップを解消する作業が含まれます。データを連携させてハーモナイズすることで、スピードと利便性、精度と一貫性のすべてを優先できます。
正確なデータを得ることで、エラーが減少し、意思決定が改善されます。さらに、信頼できるデータでグラウンディングした強力なAIソリューションが確立され、チームのワークフローがスムーズになります。顧客は、パーソナライズされたフラストレーションのない体験を得られます。関連性の高いプロモーションが提示され、問題の回答を速やかに取得できます。何度も状況を説明する必要はありません。
顧客データインテグレーションの課題
CDIのメリットは明白ですが、導入を妨げる課題もいくつかあります。技術的なハードルから、進化するビジネスニーズまで、組織が直面する課題を紹介します。さらに、顧客データインテグレーションの効果を引き出すためにできることを見ていきましょう。
- 導入時の問題:最大のハードルの1つが、スタート地点の把握です。明確な目標やインテグレーション計画がないままスタートすると、膨大なデータ量やその複雑さにすぐさま圧倒されることになります。まずは小さく始めましょう。顧客のセグメント化の改善、マーケティングデータと営業データの同期化など、具体的な目標を設定します。その後、こうした優先事項を盛り込んだインテグレーション計画を作成します。
- 過去のデータに関する問題:不完全な顧客プロファイル、重複したレコード、古いフォーマットで保存されたデータなど、古いデータは煩雑になりがちです。こうした過去のデータを最新のシステムと連携させるのは容易ではありません。そのため、インテグレーションを開始する前に、既存のデータを精査しましょう。後々の問題を最小限にするために、クリーニング と標準化に注力します。データスチュワードチームや専任チームは、長期的な一貫性の確保をサポートします。
- 複数のデータソースの管理:データは、CRM、スプレッドシート、旧式のシステムなど、多種多様な場所に保存されています。一部の企業は、従来のデータベース構造とビッグデータシステムの柔軟性を組み合わせたデータレイクハウスをはじめとする新たなストレージ手法も導入しています。ソースごとに独自のフォーマットや構造が使用されている可能性があるため、インテグレーションは複雑なパズルになります。さまざまなデータタイプやフォーマットをサポートするツールに投資することで、この問題に対処できます。MuleSoft などのプラットフォームは、数百ものデータソースに接続できるため、すべてを集約するプロセスをシンプルに進めることができます。
- 進化するデータタイプ:新しいツールやテクノロジーを導入すると、IoTデバイス、ソーシャルメディアに関する総計値、通話の書き起こしなどの非構造化データなど、新たなデータタイプが生成されます。こうした新しいフォーマットには、互換性の課題が付きまといます。この問題の解決についても、プラットフォームの選択が重要になります。柔軟に適応できるインテグレーションソリューションを選択しましょう。
- プラットフォームの選択:プラットフォームの選択では、膨大な数の顧客データインテグレーションツールが市場にあふれているため、適切なツールの選択は簡単ではありません。使いやすさを優先しているプラットフォームもあれば、拡張性や高度な機能を売りにしているプラットフォームもあります。ビジネス固有のニーズを重視しましょう。ビジネスとともに成長し、安全で、既存のテックスタックと連携できるツールを検討します。
- セキュリティとプライバシーのリスク:顧客データを連携させると、特に個人データや金融データなどの機密情報に関する侵害やコンプライアンス違反のリスクが高くなります。この場合も、投資するツールの選択が重要になります。プライバシー保護をインテグレーションデータ戦略の中心に据えることで、ビジネスに対する顧客の信頼をさらに高めることができます。
- 継続的なメンテナンス:インテグレーションは、「設定したらあとは放置できる」プロセスではありません。システムニーズとビジネスニーズの進化に合わせて、インテグレーションフレームワークを定期的に更新してモニタリングし、効果を維持する必要があります。チームは、CDIを「生きているプロセス」として扱う必要があります。プロアクティブメンテナンスは、長い目で見ると、時間とリソースの節約につながります。
適切なツールを選択し、明確な目標を設定し、プロアクティブなアプローチで取り組むことで、CDIのマイナス面が目立たなくなり、優れた顧客体験をもたらすプラス面が明確になります。
顧客データインテグレーションのベストプラクティス
顧客データインテグレーションを成功に導くには、適切なツールの選択が重要ですが、これについては後ほど説明します。まずは、継続的に改善するための強固な基盤作りを見ていきましょう。以下の3つの戦略により、インテグレーション戦略の成功率を高めることができます。
1.すべてのデータソースを洗い出す
データを統合する前に、現状を正確に把握する必要があります。最初に、ビジネスのおけるすべてのデータソースを明らかにしましょう。CRM、メールプラットフォーム、スプレッドシート、eコマースシステム、さらにレガシーデータベースなどを列挙し、それぞれのソースの内容、用途、管理者をまとめます。
この洗い出しにより、重要な要素を漏らさず検討できます。たとえば、カスタマーサポートシステムがインテグレーションから漏れていると、担当者は購入履歴や未解決のケースなど、重要な情報にアクセスできなくなります。すべてのデータソースをマッピングすることで、完全で正確なインテグレーションの基盤を確立できます。
2.データスチュワードを割り当てる
前述のように、インテグレーションは、システムを接続しただけで終わりではありません。継続的なプロセスとして取り組み、プロセスを監視する必要があります。そこで、データスチュワードの登場です。データスチュワードを担う個人またはチームは、データ品質、不一致の解決、プライバシー規制に対するシステムのコンプライアンス維持が責務となります。
データスチュワードは、データの番人と言えます。古くなったレコードをクリーンアップし、重複したエントリを排除し、機密情報の安全性を維持します。CDIの取り組みにおける明確なオーナーシップを割り当てることで、「設定したらあとは放っておける」というインテグレーションの落とし穴を回避できます。
3.インテグレーションを定期的に監査して最適化する
絶えず進化するデータソースのように、顧客のニーズも進化しています。インテグレーションの効率と効果を保つために、定期的な監査は不可欠です。監査によって、連携させるべき新たなデータソースが明らかになり、ワークフローを改良して目標をより適切に達成できます。
たとえば、新しいツールやデータタイプ(ソーシャルメディアのエンゲージメントに関する総計値やIoTデバイスデータなど)が登場すると、システムに組み込むために調整が必要になる場合があります。監査を実施することで、自動化や新しいアナリティクスツールでシステムを強化する機会を得られ、さらに実践的な価値をデータから引き出すことができます。インテグレーションを継続的に最適化することで、データをパワフルなアセットとして引き続き活用し、優れた顧客体験を実現できます。
顧客データインテグレーションツールの選び方
市場にはさまざまな種類のCDIツールがありますが、ソーシャルメディアや広告に惑わされずに選択するにはどうすればいいのでしょうか?何が真の違いを生み出しているのでしょうか?鍵となるのは、何を優先するかということです。選択する際に注目すべき3つの要素を見ていきましょう。
1.拡張性
ビジネスとデータは時間とともに成長します。そのため、インテグレーションツールも成長する必要があります。データ量の増加に対応し、導入した新しいシステムに接続し、進化するニーズに合わせて拡張できるプラットフォームを探しましょう。
たとえば、企業が新しい市場に参入する場合は、ローカライズしたCRMや各地域の営業プラットフォームなど、追加の顧客データソースを連携させる必要があります。拡張可能なツールを選ぶことで、データ環境が複雑化しても、ゼロからシステムを作り直す必要がなくなります。
2.セキュリティ
当然ですが、顧客の信頼は顧客データの保護に対する企業の取り組みで左右されるため、最高レベルのセキュリティ機能は言うまでもなく必須です。一般データ保護規則 (GDPR)やカリフォルニア州消費者プライバシー法 (CCPA)、高度なプライバシー統制などの規制に準拠した、エンタープライズクラスの暗号化機能を備えたCDIツールを選びましょう。
また、承認されたチームメンバーのみが機密情報を表示または編集できるようにする、ロールベースアクセスなどの機能を提供するツールに注目しましょう。こうしたツールにより、データの安全な取り扱いを確保できます。特に、厳格なコンプライアンス要件への遵守が求められる監査時に有効です。
3.使いやすさ
最善のインテグレーションツールは、複雑なプロセスをシンプルにします。使いやすいインタフェースとローコードまたはノーコードオプションがあれば、ITに依存しすぎることなく、チームを迅速に立ち上げることができます。すべてのチーム、あるいはメンバーの一人ひとりがデータ管理のエキスパートになれるわけではありません。しかし、使いやすいプラットフォームであれば、誰でもデータをより効果的に利用できます。エキスパートは自分の得意分野に集中し、残りの作業はプラットフォームに任せることができます。
たとえば、マーケティング担当者は、コードを作成したり、データサイエンティストに依頼したりせずに、複数のソースからデータを抽出してオーディエンスセグメントを作成できます。使いやすいツールがあれば、組織のあらゆるチームがデータを直接操作できるため、ワークフローをスピードアップし、ボトルネックを削減できます。
Data 360でCDIの効果を最大化する次のステップへ
SalesforceのData 360は、保存場所を問わず、あらゆるデータを統合するパワフルなツールです。構造化データと非構造化データを、Salesforce内で信頼できる一元的なビューとして集約します。つまり、Salesforceと深く連携した単一のプラットフォームで、顧客の全体像を把握できます。
Data 360は、「どこからでも、あらゆるデータを統合」をどのように実現しているのでしょうか?プレビルトされたコネクターやゼロコピー連携を使用して、AWS、Snowflake、Google Big Queryなどのプラットフォームからデータを抽出します。その結果、最新の包括的なデータを、すぐに使用できる状態で確保できます。
もっとも重要なのは、Data 360によってAIとエージェント型AIを強化できる点です。独自のデータでAIをグラウンディングすることで、AIエージェントがよりインテリジェントになり、精度が向上します。また、データでトリガーされるワークフロー、高度なアナリティクス、AIを活用したアプリケーションで自動化を実現することで、プロセスが合理的になり、貴重なインサイトを得られ、革新的なソリューションを構築できます。
Data 360は、組織の誰もがアクセスできるように設計されています。ローコードツールとプロコードツールを備え、チームがデータにアクセスして行動できるように支援します。さらに、セルフサービスの文化と情報にもとづく意思決定を促進します。
Data 360がビジネスをどのように変革するのか興味を持たれた方は、 Data 360の仕組みと、ビジネス上のメリットをご確認ください。
顧客データインテグレーションに関するよくある質問
顧客データインテグレーションとは、複数のソースから得たデータを単一の統合されたシステムに集約するプロセスです。ビジネスは顧客の全体像にアクセスし、そのデータを利用してエンゲージメントをパーソナライズし、より優れた意思決定を下すことができます。
CDIには、主に3つのアプローチ方法があります。
- コンソリデーション(統合)複数のソースから得たデータを中央リポジトリに集約し、統合分析を行います。
- プロバゲーション(伝播)システム間でデータをコピーして共有し、同期状態を保ちます。
- フェデレーション(連携)複数のソースにあるデータを複製せず、仮想的にアクセスします。
いずれのアプローチも異なるビジネスニーズに対応します。多くの企業は、これらのアプローチを組み合わせて使用しています。
たとえば、小売会社は顧客の購入データを中央リポジトリに集約し、店舗全体のトレンドを分析します(コンソリデーション)。同時に、プロバゲーションを使用して、CRMとeコマースプラットフォームの間で、リワードポイント、メンバーシップランク、利用履歴などの顧客ロイヤリティプログラムの詳細を瞬時に同期します。一方で、フェデレーションを利用して、追加コピーを作成することなく、在庫データをウェアハウスシステムから直接把握できます。その結果、オンラインと店内で最新の在庫状況を可視化できます。こうしたCDIの特長により、顧客インサイトに包括的にアプローチできます。
CDIでは、データサイロを解消し、すべてのプラットフォームとリソースでデータ精度を効果的に高めることができます。システム間の障壁を排除することで、CDIは以下のメリットをもたらします。
- 顧客一人ひとりを大切にしていると感じさせる、パーソナライズされた体験を提供できる。
- 全体像をベースとして、自信を持ってデータにもとづく意思決定を下せるようになる。
- 重複したデータや古くなったデータに起因する無駄な時間や作業を省くことができる。
データを接続することで、チームは本当に重要なこと、つまり顧客に集中できます。
どのビジネスもデータに関する課題を抱えていますが、CDIを導入すれば、難しい課題でもシンプルに解決できるようになります。その方法を紹介します。
- 分断されたシステム:点と点をつなぎ、あらゆる部門が一元化された同じデータにアクセスできるようにします。
- データの不一致:ソース間でデータをハーモナイズすることで、CDIはクリーンで信頼できる情報をもたらします。
- 複雑なワークフロー:チームは複数のツールを切り替えることなく、1か所から必要なデータに瞬時にアクセスできます。
- 進化するデータタイプ:CDIがあれば、IoTデータからソーシャルメディアのやり取りまで、さまざまな新しいデータフォーマットにシステムが対応できるようになります。