不動産業界のAI活用事例10選|メリットと注意点も解説
不動産業界でも、AIの活用で業務の効率化や新規サービスの提供などを実現できます。本記事では、不動産業界でのAI活用事例10選とメリット・注意点を解説します。
不動産業界でも、AIの活用で業務の効率化や新規サービスの提供などを実現できます。本記事では、不動産業界でのAI活用事例10選とメリット・注意点を解説します。
2022年11月に公開されたChatGPTをきっかけに、AIや生成AIを活用して業務の効率化や生産性の向上を図る企業が増えています。不動産業界でも、AIの活用方法を模索している方がおられるでしょう。
AIは、不動産業界の業務を効率化し、データの利活用を促進する手段として活用できます。
本記事では、不動産業界でAIを活用するメリットと注意点、活用事例10選を解説します。AIの活用方法を模索している方は、ぜひ参考にしてみてください。
〜3つの活用事例とDX推進のヒント〜
顧客との関係をどう構築し ていくかを、改めて考える必要があります。そのためのアプローチとし て注目されているのが、CRMを活用した「不動産DX」です。具体的に、どのような取り組みを行うべきなのでしょうか。3つの事例と 共に、具体的なアプローチ方法をご紹介します。
AIは、不動産業界が抱える以下の課題を解決に導く可能性があります。
このような課題を抱えている場合は、AIの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和6年4月分結果確報 」によると、不動産業界は産業全体平均と比較して総実労働時間が長い実態があります。
参考:毎月勤労統計調査 令和6年4月分結果確報|厚生労働省 より作成
| 産業 | 不動産業・物品賃貸業 | 産業計 |
|---|---|---|
| 総実労働時間 | 155.2時間 | 141.5時間 |
| 所定内労働時間 | 142.4時間 | 131時間 |
| 所定外労働時間 | 12.8時間 | 10.5時間 |
| 出勤日数 | 19.2時間 | 18.2時間 |
AIで業務を効率化できると、総実労働時間を削減できる可能性があります。浮いたリソースは別の業務に回すことで生産性が向上し、企業の成長と従業員にとって働きやすい職場構築の一助となるでしょう。
不動産業界ではDX が遅れており、データを活用できる基盤がの整備がいきとどいていないため、データに基づく物件の価格設定やお客さまのニーズに合った物件のマッチングができていないという課題があります。
総務省の情報流通行政局情報通信政策課情報通信経済室が実施した「デジタル・トランスフォーメーションによる経済へのインパクトに関する調査研究 」によると、不動産業のDXの取り組み状況について「実施していない、今後実施を検討」「実施していない、今後も実施予定なし」と回答した企業の合計は、76.8%にものぼります。
データを活用できていないと、活用できている企業と比較して、市場価格に沿った価格設定ができなかったり、顧客ニーズと物件のマッチング精度が下るおそれがあるでしょう。
AIは、市場価格や物件の膨大なデータ分析 をリアルタイムに行えるため、従来よりも精度の高い提案を実現できます。
不動産業界でAIを活用するメリットは、以下のとおりです。
メリットを踏まえると、企業として成長を続けるためにも、AIの導入を検討するとよいでしょう。
AIを活用すると一部の業務が自動化され、効率化することができます。
たとえば、物件の問い合わせの一次対応をAIチャットボットに任せることで、従業員の対応時間が削減されます。また、24時間365日の問い合わせ対応によって、お客さまが自分のタイミングで問い合わせできるようになると、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
業務効率化の結果、従業員の満足度やエンゲージメント、顧客満足度の向上も期待できます。
以下の記事では、AIを活用することで業務を大幅に効率化できることがデータを基に解説されています。AIによる業務の効率化を目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。
AIを活用すると、膨大なデータ分析 をリアルタイムに行えるようになり、精度の向上が可能です。
不動産業界では、市場データを分析したうえで価格設定を行います。人の手で価格設定を行うと、過大評価・過小評価による市場とのズレや、経験の差による精度のバラつきが発生するおそれがあります。AIを活用すれば、短時間で精度の高い分析を行えるため、適正値から大きく外れた価格設定を行うリスクを最小限に抑えられるわけです。
また、経験が少ない担当者でも、客観的データを根拠とした提案が可能となり、提供サービスの標準化も実現できるでしょう。
AIは、不動産業界の業務だけではなく、新たな価値の提供や付加価値の創出にも活用できます。
既出の例だと、AIを活用したマンションの管理サービスがあります。顧客への提供サービスにAIを活用することで、利便性や満足度の向上を図れるでしょう。
以下の資料では、新たなビジネスモデルの創出につながるAIの活用方法に触れているので、あわせてご覧ください。
不動産業界にAIを導入する際は、以下の注意点に留意が必要です。
このような注意点を理解していると、AIをより効果的に活用する準備が整えられるので、参考にしてみてください。
AIを効果的に活用するためには、デジタル人材が必要となります。
たとえば、AI搭載型のSFA/CRM を導入する場合、社内にツールの活用を浸透させなければなりません。社内にデジタル人材がいないと、うまくツールを扱えず、業務の改革がスムーズに進められないでしょう。
デジタル人材を確保する方法には、以下の3つがあります。
いずれも、すぐには確保が難しいため、ツールの導入を先に行う場合は導入後のサポートの手厚さをポイントにするとよいでしょう。
AIは、従来の人の手による業務を一部自動化してくれますが、まだすべてを任せることは難しいです。
データを基にした判断は可能であるものの、対面したときにしか読み取れない顧客の感情や個別の事情などを踏まえてアプローチするためには、人を介する必要があります。
完全な自動化は難しいことを理解したうえで、AIと人間の業務の棲み分けとプロセスの整理が必要です。
ここでは、不動産業界におけるAIの活用事例10選を紹介します。
事例をヒントに、自社に合った活用方法を考えてみてください。
株式会社LIFULLは、不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」にSalesfoceのAI を適用し、売上向上の取り組みを行っています。
SalesforceのAIは、Salesforce Platformのファブリックで基礎学習を適用した、信頼できる拡張可能なAIソリューションです。AIでデータを分析するためには、肝心のデータを蓄積しなければなりません。
同社は、まずデータがそろっている退会予測分析をAIで行うようにしました。分析精度を向上させるために、AIの提案を踏まえながらモデルをブラッシュアップ。退会リスクの高い顧客を抽出できるようになりました。
退会リスクの高い顧客には、データに基づくフォローメールを送る仕組みを構築し、顧客フォローの最適化を図っています。
東急リバブル株式会社は、AIによって不動産価格査定が行える技術について、特許を取得しました。この技術を使ったシステムを活用すると、同社の査定担当者と同水準の査定価格をAIが自動で算出できます。
従来は、買い換えを検討している顧客の不動産を査定するには、所在する営業圏の店舗へ査定を依頼しなければならず、査定額を伝えるまでに数日から1週間程度時間を要していました。これに対しAIを活用した査定システムの活用で、即日査定額を伝えられるようになったのです。
他店とのやり取りが減ったことで従業員の業務負担を削減するとともに、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
株式会社オープンハウスでは、AIを活用した業務の効率化を推進しており、すでに10のテーマで年間2万5,700時間の工数削減に成功しています。
たとえば、仲介業務において顧客に提示する資料の編集・加工をAIで自動化し、年間2万時間の工数を削減しているといいます。
従来は、膨大な数の資料を営業担当者が検索したうえで編集・加工していまいたが、多大な工数がかかる課題がありました。
そこで、不動産資料に特化した分類モデルを開発し、AIに搭載。各種営業資料ごとに必要な資料の抜粋や帯の差し替え業務を自動化しています。
三井不動産株式会社は、自社特化型AIチャットツール「&Chat」を開発し、社内で運用しています。
「&Chat」にはChatGPTが活用されており、Web上の情報や社内データから、従業員の質問に対する回答や、プロンプトに従った文章の作成などを自動で行うことが可能です。
「&Chat」にノウハウを蓄積するためにマニュアルを読み込ませるというようにも活用。従来発生していたマニュアルの検索にかかる手間が削減され、業務効率の向上も期待できます。
このように、生成AI は、ナレッジ・ノウハウの蓄積・活用にも活用できるのです。
株式会社大京は、AIを活用したマンション管理システムによるサービスの提供によって「2018年度グッドデザイン賞」を受賞しました。
AIをはじめICTを活用した「AI INFO」は、共用部のディスプレイやスマートフォンアプリに入居者にとって必要な情報を表示したり、問い合わせをシームレス化したりするシステムです。
たとえば、AI管理員がペット届出の手続きや駐車場の契約など、問い合わせに対応してくれます。また、ペットの届出や共用施設の予約など、必要書類の提出も可能です。
入居者は、管理員が不在のときもマンション管理の情報や手続きに関する問い合わせが可能となり、利便性が向上するでしょう。
日鉄興和不動産株式会社と株式会社日鉄コミュニティは、マンションの管理業務の一部にAIを活用できる「リビオ AI スマート管理」を開発しました。
これにより、入居者は24時間365日いつでも問い合わせが可能となり、利便性が向上します。
本システムは、スマートフォンやタブレットのアプリを介することで、音声対話を利用できます。音声対話は、日本語・英語・中国語・韓国語の4ヵ国語に対応しており、多様な人々の生活をサポート可能です。
多言語対応は今後ますます増えていくことが予想されますが、AIに対応を任せられるとコールセンターや管理員の負担軽減にもつながるでしょう。
株式会社レオパレス21は、AIチャットボットを活用して、ユーザーの物件探しをサポートする「バーチャルデスク」を提供しています。
「バーチャルデスク」は、AI店員の質問にユーザーが答えていく対話形式で、ニーズに合った物件を探すことが可能です。
遠隔地に居住する方や店舗になかなか足を運べない多忙な方でも気軽に利用できるため、従来よりも幅広い客層に物件を紹介できる可能性があります。
利用が進むことでAIは学習を深め、より精度の高い案内ができるようになるでしょう。
株式会社ウィルは「AIウィルくんの『住まい提案サービス』」によって、ユーザーニーズにあわせた物件を提案しています。
本サービスで活用しているAIは、これまで同社で不動産を購入した顧客の希望条件やライフスタイルなど、住まいに関するデータや物件、地理データを学習しています。
膨大なデータの分析結果を踏まえて、ユーザー自身も気づいていない潜在ニーズを満たす物件提案が可能です。ユーザーは物件探しのなかで自分のニーズに気づき、高い満足度を得られるでしょう。
東京都では、5GやAIを活用することで、効率的に空き家を把握し、流通や利活用の促進など空き家対策に取り組む事業をサポートしています。
令和4年度に採択されたマイクロベース株式会社は「将来空き家予測による空き家の発生予防施策支援」を展開。GISとAIを活用し、地図データと自治体が保有するデータなどを複数重ね合わせることで空き家の発生予測を行い、地図上に可視化します。
予測を基に対策を打てば、空き家になる前に物件を流通・利活用できるはずです。
野村不動産ソリューションズ株式会社は、不動産情報サイト「ノムコム」にAIを活用した機能である「ハッシュタグ・間取り図検索」を導入しました。
従来は、ユーザーが希望通りの物件を自分自身で見つけにくいという課題を抱えていました。より、ニーズに沿った物件を見つけられるようにするために、SNSで利用されているハッシュタグに注目します。
アットホームと共同で開発した「間取図特徴抽出 AI モデル」は、間取り図を解析して特徴を言語化できるAIです。間取りの特徴から「片付けしやすい間取り」「家事動線がスムーズな間取り」というように、ハッシュタグを生成。
さまざまなユーザーが重視しているハッシュタグを選定し、物件情報にタグとして付与します。ユーザーは、ハッシュタグ掛け合わせて検索することで、よりニーズに合った物件の検索が可能です。
不動産業界向けのAIツールやシステムはさまざまですが、すぐに導入できるツールとしてAI搭載型SFA/CRMをご提案します。
SFA/CRMは、顧客情報や営業活動の記録など各種データを蓄積し、データの利活用を促進できるツールです。AIが搭載されている製品であれば、リアルタイムにデータを分析・可視化できるうえ、業務に沿った提案を受けられます。
Salesforceが提供するCustomer 360アプリはあらゆる企業のビジネスロジックや知見をAIエージェントで具現化し、業務の効率化を支援します。
SalesforceのAIに関する最新の情報はSalesforceのAI(人工知能) のページでご確認ください。
| 製品 | AIによる機能 |
|---|---|
| Sales Cloud | ・生成AIでセールスメールを自動作成 ・通話記録の文字起こしと分析 ・顧客調査を自動化 |
| Service Cloud | ・AIを活用したナレッジ検索 ・問い合わせの分類を自動化 ・多言語ボットの搭載 |
| Marketing Cloud | ・データから類似顧客を特定 ・見込み客のスコアリング ・オファーの最適化 |
〜見込み顧客を顧客化するためのヒント〜
不動産業界で新たな価値創造を実現するための、DXの手法/イノベーションの実現に焦点を当て総合的に学びます。
AIは、不動産業界の業務効率化や生産性の向上に寄与します。新たなビジネスモデルの創出や企業変革を実現できれば、DX促進の手段にもなるでしょう。
不動産業界では、さまざまなAIソリューションが提供されており、自社が解決したい課題や目的に応じて選ぶことが大切です。
SalesforceのAI は、CRMやSFA、MAなどの各種システム・ツールと連携して活用できるAIです。AIを搭載した適切な製品をご紹介いたしますので「生成AIを活用して業務を効率化したい」「データを活用した意思決定を行いたい」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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