リード(見込み顧客)とは?マーケティング・営業での意味・種類から獲得方法と育て方を解説

 
最終更新日:2024.3.4
マーケティング・営業におけるリードとは、自社商品やサービスに興味・接点のある、初期段階の見込み顧客のことを指します。リードの意味や種類から、管理方法、獲得方法、ナーチャリングの方法までまとめました。

リードとは見込み顧客のこと

マーケティング・営業の分野でいうリードとは、まだ顧客として固定していない、初期段階の見込み顧客のことです。見込み顧客と判断する具体的な行動には、以下のような例が挙げられます。

  • オフィシャルサイト、あるいは製品サイトから問い合わせを入れてきた
  • 資料請求やデモ版をダウンロードした
  • 自社や自社製品の関連サイトを閲覧した
  • 見積依頼や購入の相談を持ちかけてきた

いずれも、成約見込みの高さこそ異なりますが、有望な「見込み顧客」であることに違いはありません。しかし、こちら側が間違った誘導をしてしまうと、離れてしまう可能性もあります。自社を支えてくれる優良顧客をつくるためには、見込み顧客をどう育てていくのか大切なのです。

 
 

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営業でのリード意味

営業でのリードは、「営業活動によって生み出された見込み顧客」を指します。訪問や電話などの営業活動そのものでは、リードと呼ばれることはありません。営業担当者が一定の成功を感じ、具体的な受注の可能性が見えてきた段階ではじめて、その見込み顧客をリードと見なすことが一般的です。この段階で営業担当者は、より具体的なアプローチや提案を行い、双方にとって有益な取引につなげていくことが大切です。

マーケティングでのリード意味

マーケティングでのリードは営業におけるリードとは違い、メルマガ配信やセミナー来場、Webサイトからの問い合わせなど、「マーケティング施策により生み出される見込み顧客」を指すことが一般的です。マーケティング活動によって生まれたリードは、その後営業に引き継がれます。

営業に引き渡されてもまだ案件化する段階に至っていない顧客も、マーケティング上のリードに含まれます。言い換えれば、営業のリードに比べて、マーケティングのリードは数も多いです。

リードには種類がある

一口にリードといっても、それぞれに自社と自社製品・サービスに対する知識や興味には差があります。成約の可能性を上げるためには、購買意欲やフェーズによって区切り、それぞれに適したアプローチをしましょう。ここでは、リードの種類について詳しく解説していきます。

1)購買意欲による分類

リードは購買意欲によって「ホットリード」と「コールドリード」の2種類に分けられます。

①ホットリード
ホットリードとは、自社製品に対する関心度が高く、将来的な顧客となる可能性が高いリードを指します。企業や業種によってホットリードの定義は異なります。
ホットリードの定義が曖昧だと、マーケティングと営業の間で齟齬が生じたり、顧客リストの信頼性が落ちてしまったりといった問題が生じやすくなります。

②コールドリード
コールドリードとは、自社製品に対する関心度が低く、購買の可能性が低いリードを指します。コールドリードであっても、的確にアプローチをかけていくことで、ホットリードに転換させることが可能です。

2)フェーズによる分類

次は、フェーズによる分類です。リードは以下の4段階に分けられます。

  1. MQL(Marketing Qualified Lead)
  2. TQL(Teleprospecting Qualified Lead)
  3. SAL(Sales Accepted Lead)
  4. SQL(Sales Qualified Lead)

営業フローが進むごとに担当を変えて違ったアプローチをすることで、リードを育成していきます。上記4つのリード分類について、ひとつずつ詳しく解説しています。

①MQL(Marketing Qualified Lead)

MQLとは、全リードの中からマーケティング部門がアプローチするリードを指します。MQLは自社製品を導入してくれそうな意欲は多少あるものの、成約に至るにはまだ遠い段階です。見込み顧客(リード)が必要とする情報をタイミングよく提供していき、自社製品・サービスに関する情報不足を解消するとともに、購買意欲を高めることがマーケティング部門に求められます。

②TQL(Teleprospecting Qualified Lead)

TQLとは、インサイドセールスなど電話でのアプローチをする段階のリードです。電話によってアポイントをとりつけ、営業部門へ引き継いでいきます。場合によっては電話のみで成約に至るケースもあります。

③SAL(Sales Accepted Lead)

SALとは、マーケティング部門やインサイドセールスから営業に引き継がれたリードを指します。フィールドセールスを行う営業部門が担当し、積極的にアプローチをしていきます。顧客の状況が変化し、SALの段階でないと判断されればTQLやMQLに戻されることもあります。

④SQL(Sales Qualified Lead)

SQLとは、すでにニーズが明確で、購買意欲も高い状態のリードを指します。購入意思が明確で興味関心も高く、少ないやりとりによって短期間で成約となる可能性が高いです。すでに顧客はサービスの機能や仕様を理解している状態なので、競合との価格競争が重荷になりやすい面もあります。

リード管理の3つのステップ

リードを効率的に成約へつなげるためには、リードの情報や現在の関係性をデータ化して、関係者間で適切に共有し、管理する必要があります。リード管理は、大きく以下の3ステップに分けられます。

  1. リードジェネレーション
  2. リードナーチャリング
  3. リードクオリフィケーション

マーケティング部門が担当する集客から受注までの段階を、上記の3つに分けることで、リード育成の効率化と営業部門に引き継がれた後の成約率向上が見込めます。

1. リードジェネレーション

リードジェネレーションとは、さまざまな接点を通じてリードを集めるステップです。潜在的なニーズを持つ層に働きかけ、できるだけ見込み顧客の母数を増やすことで、最終的な成約を増やして利益の増大につなげます。

2. リードナーチャリング

リードナーチャリングとは、段階的なアプローチで購買意識を高めるステップです。リードジェネレーションによって獲得した見込み顧客に対して、自社製品の特徴や優位性などの情報を提供し、漠然とした興味や関心から具体的な欲求へと変化を促していきます。

3. リードクオリフィケーション

キャンペーン管理とは、リードを商談へと導くためにマーケティング施策をタイミングよく実施する機能です。実施のタイミングはリードの属性や行動履歴によってフィルタリングされ、条件を満たしたときに実施されます。
ここからは、各ステップにおける活動方法を解説していきます。

1)リードの獲得方法(リードジェネレーション)

リードの獲得ステップである、リードジェネレーションの方法を詳しく解説します。リードの獲得方法には、以下の2つの型があります。

  • アウトバウンド型の集客
  • インバウンド型の集客

アウトバウンド型の集客

アウトバウンド型の集客とは、自社から外へ向かってメッセージを発信する従来の手法です。たとえば、以下を用いた方法が挙げられます。

  • 広告出稿
  • テレマーケティング
  • DM
  • 展示会
  • セミナー

このような情報発信を通して、リードに自社や製品・サービスに対する興味を抱いてもらうように働きかけます。アウトバウンドはプッシュ型で、自社製品や競合製品の知識や認知があまりないリード層に有効です。

ただし、多くの情報がネット上にあふれている現代において、アウトバウンド型の手法だけで成約まで導くのは難しくなっています。

インバウンド型の集客

プッシュ型のアウトバウンドに対し、インバウンドはプル型のマーケティング手法です。リードが求めている情報を提供し、問い合わせや資料請求などのアクションを起こすように促します。例としては以下が挙げられます。

  • オウンドメディア
  • メールマガジン

アウトバウンド型と比べて「待ち」の要素があるため、リード獲得までに時間がかかりやすいのはデメリットといえます。しかし、低コストで実施でき継続性が高いため、スムーズに運用できれば、常に一定数のリードを獲得し続けられます。

2)リードの育成方法(リードナーチャリング)

リードナーチャリングのステップでは、リードジェネレーションで集めたリードに、自社や製品・サービスの特徴、長所などの情報を与え、購買意欲を高めていきます。ここでは、リードナーチャリングのメリットや目的、手法について詳しく解説していきます。

リードナーチャリングのメリット・目的

リードナーチャリングのメリット・目的には以下が挙げられます。

  • 競合他社へのリードの流出を防止する
  • 集客コストのロスを抑えられる
  • 受注率の向上

①競合他社へのリードの流出を防止する

リードの取引対象は自社だけでないので、放っておけば競合他社への流出は避けられません。情報収集の段階から自社製品への興味や理解を深めてもらい、必要性を感じたときに「この製品だ」と思ってもらえるレベルまでリードを育成できれば、他社への流出を防ぐ効果が見込めます。

②集客コストのロスを抑えられる

リードジェネレーションの施策は、コストがかかるものも多いです。リードナーチャリングでリードを自社につなぎとめておくことで他社への流出を防ぎ、集客コストの損失を防げます。また、営業部門が担当しない段階でも、リードを適切に育成し続けることで、受注確度を高めた状態で営業へと引き継げます。

③受注率の向上

リードナーチャリングを行い、受注確度が上がれば、営業部門の受注数・受注率の向上を見込めます。何らかの理由で商談が滞ったときにも、マーケティング部門に対応を戻して再度、ナーチャリングすることで、商談が再開する可能性もあります。

リードナーチャリングの手法

リードナーチャリングの代表的な手法は、以下が挙げられます。

  • オウンドメディア
  • メールマガジン
  • ホワイトペーパー
  • SNS
  • セミナー開催

メールやSNSなど、見込み顧客の状況に合わせて、さまざまなチャネルで情報発信することで、自社製品への興味や関心を高めていきます。

3)リードの選定方法(リードクオリフィケーション)

リードクオリフィケーションでは、育成したリードから成約率が高そうなリードを抽出し、営業部門へと引き渡します。リードクオリフィケーションの代表的な手法には「スコアリング」があります。

スコアリング

スコアリングとは、リードの属性や行動などによって点数を付けて分類し、見込みの高い顧客を判断する方法です。たとえば「製品紹介ページを閲覧したらプラス3点」「メルマガを開封してリンクをクリックしたらプラス5点」といった具合です。

リードが自社に起こしたアクションの価値を数値化することで、ホットリードと低ニーズ層を明確に分類できます。そして、それぞれに最適な施策を打つことで、効率的なマーケティング活動が可能になるのです。

また、一定の点数になったら営業部門に引き渡すと決めておくことで、営業部門とマーケティング部門の間でリードの判断基準を共有し、同じ目標に向かって連携できるようになります。

ツールの活用でリード管理を効率化する

リード管理を確実に行おうとすれば、人の手作業では限界があります。そこで、MA(マーケティングオートメーション)の出番です。

MAを使用すれば、幅広い属性を持つリードをセグメント化し、さらにフェーズごとに最適なマーケティング施策をタイミング良く実行できます。

営業に引き渡す段階になれば、これまでのデータをそのままSFAやCRMに移行することで、営業での業務も格段にスムーズになります。それを考えると、営業が扱うSFA、CRMとの親和性が高いMAであれば、流れるようなワークフローで業務全体を動かしていくことができるでしょう。

 
 

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獲得した見込み顧客の情報を一元管理し、マーケティングプロセスの可視化や自動化を実現する。そのための手法として、マーケティングオートメーション(MA)に着目する企業が増えています。

実際にMAを活用しているお客様のシナリオから厳選して20個をピックアップ!7つのカテゴリーに分けて紹介します。

  1. 見込み客の見極め
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  5. 休眠顧客/失注商談の掘り起こし
  6. ABM/ターゲットアカウント向け シナリオ
  7. その他のシナリオ

ツールも活用してロスの少ないリード管理を

どんなリードでも、将来的に優良顧客に育つ可能性を秘めています。そのため、できるだけのアプローチは必要ですが、効率化のためにロスは極力抑えたいところです。

Salesforceでは、効果的にリード管理ができるソリューションを提供しています。ツールを存分に活用して、効果的なリード管理を実現してください。

 
 

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