テレアポとは?トークスクリプトの作り方や成功率の上げ方を解説

 
最終更新日:2024.3.4
見込み顧客に、電話で営業をかけるテレアポ。営業担当者にとってテレアポは、あまり気の進まない仕事のひとつかもしれません。しかし、やり方を考えれば、テレアポの効果を高め、その成功率を高めることができます。
ここでは、テレアポをより効率化するコツと極意についてご紹介します。

テレアポとは、電話をかけて営業する「伝統的」手法

日本では、テレアポは「伝統的」ともいっていい営業手法です。手元にある企業リストを上から順番に、片っ端から電話をかけて営業していくというスタイルです。
これは、電話をかける側にとってもかけられる側にとっても、あまり望ましいものではありません。

飛び込み営業と並ぶつらい仕事

従来までの営業のスタイルは、一件でも多くの企業を回り自社製品を売り込む、いわば「足で稼ぐ」スタイルでした。その状況で、より多くの成約を取ろうと思ったら、一度や二度断られた程度で引き下がるわけにはいきません。
5回、10回と受付で門前払いされてもあきらめず、相手が根負けするほどに通い詰めて面会してもらい、契約をとる。一昔前までは、実際にそうした武勇伝を持つ営業担当者も多くいたことでしょう。それを実現するしたたかさ、粘り強さ、押しの強さを鍛えるためには、見知らぬ相手に、それも顔も見えない電話という手段で営業するテレアポは、格好のトレーニングになります。
そうしたこともあって、新人営業担当者の多くがテレアポや飛び込み営業のノルマを課されるのですが、慣れない本人たちにとっては、決して楽な仕事ではありません。

営業される側からも煙たがられがちなテレアポ

テレアポは、アプローチされる側にとっても、あまり愉快なものではありません。電話をかけられた側としては、「忙しい時間に割り込まれた」という感覚があるでしょうし、それが自社のニーズに合っていない話であれば、単に時間の無駄になってしまいます。そのため、営業のテレアポは、とりつがない企業も多いようです。運良く担当者につながったとしても、二言三言の言葉を交わしただけで切ってしまうのもよくある話です。
このようにテレアポという業務は、アプローチする側にもされる側にも、ストレスを与えがちです。
 
 

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テレアポが嫌がられる理由(営業担当者/営業先)

情報の送り手にとっても受け手にとっても、あまり愉快ではないテレアポ。しかし、営業手法としては手軽にできる方法ですし、マイナス点を改善することで、より効果的な手法に洗練させることもできるはずです。
そのための一歩として、まずはテレアポという手法が含んでいるマイナスポイントを洗い出してみましょう。

営業担当者にとってのテレアポの嫌な3つのポイント

まずは電話をかける側である、営業担当者にとってのテレアポの嫌なポイントを紹介します。これは、個人差が大きいところですが、おもなポイントを挙げていきましょう。

<テレアポの嫌な3つのポイント(営業担当者目線)>

  • 成功率が高くない
  • 時間効率が悪い
  • 精神的ストレスがある

成功率が高くない

テレアポは、一般的に成功率が高くありません。そもそも、担当者に電話をつないでもらうところからハードルが存在しますし、仮につながったとしても、最初の10秒で「うちは間に合ってるから」と、冷たく切られてしまうのは日常茶飯事です。

そのため、多くの営業担当者がテレアポに対する成功体験が乏しく、自信を持つこともできません。結果、「どうせ断られるのでは」という意識の中で作業することになります。

時間効率が悪い

相手の顔が見えない電話でのコミュニケーションでは、自分に信頼感を持ってもらおうと、つい話が長くなります。また、電話を切られたくない意識から、不要な言葉が多くなり、前置きが長くなる傾向も表れます。

しかし、時間と言葉をかけたからといって、必ずしも信頼されるわけではありません。むしろ、時間をかけた上で「いや、うちはいいよ。もう電話してこないで」などと言われてしまったら、それまでの労力が無駄になってしまいます。

精神的ストレスがある

前項までの話とリンクしますが、テレアポ業務は、得てして気持ちをネガティブな方向に誘導しやすいものです。そしてひと度「嫌だなぁ」という感覚を持つと、それをなかなかぬぐい去ることができません。
ネガティブな精神状態でテレアポをしていれば、良い結果に結びつかないのは当然のこと。そのため、ますます気持ちが折れていくという、悪循環にはまってしまいます。

営業先にとってのテレアポの嫌な2つのポイント

テレアポを受ける営業先にとっても、この手法のデメリットはあります。

<テレアポの嫌な2つのポイント(営業先目線)>

  • 時間を取られる
  • 押しつけがましい

時間を取られる

電話は、相手の状況にお構いなく割り込んでいくようなものです。トラブルやアクシデント、あるいはプレゼンの準備などで多忙であったり、何か重要な判断を迫られたりしているような状況で、突然入ってくるテレアポは、迷惑でしかありません。
「今忙しいから、後で」とやんわり断っても「では、これだけ聞いてください」などと引き延ばされると、イライラが募るばかりです。これでは、双方にとってマイナスにしかなりません。

押しつけがましい

押しつけがましさは、テレアポだけでなく、飛び込み営業にもいえることかもしれません。営業を受ける側からすると、自社商品に対して強い自信と愛着を持っていることは理解できるのですが、こちらが断っているにもかかわらずアプローチしてくる営業スタイルは、わずらわしいだけでしかありません。

 
 

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テレアポの基本的なトークスクリプトの5つのコツ

トークスクリプトとはテレアポの「台本」であり、基本的な話の流れをまとめたものです。テレアポはこのトークスクリプトに沿って進めていきますが、よくある相手の反応や、質問されることに対しても台本を用意しておき、臨機応変な対応ができるように準備しておきます。 業種によって、あるいは扱う商材によってトークスクリプトの内容が変わりますが、「挨拶」から始まる基本的な骨組みはほぼ共通です。

<トークスクリプトの5つのコツ>

  • 「挨拶」は堅くなりすぎず、あっさりと
  • 限られた言葉で自分を知ってもらう「自己紹介」
  • 相手の興味と関心を素早くつかむ「キャッチ」
  • 相手の反応によって枝分かれしていく「対応」
  • 「アポ取り」では、主導権を相手と分け合う

「挨拶」は堅くなりすぎず、あっさりと

相手の顔が見えない電話では、声の印象が結果に大きく作用します。まして、第一声は第一印象そのもの、そのため「ご多忙のところ、恐縮です」というような、堅苦しい言葉が飛び出しがちです。 しかし、こちらが堅い姿勢をとると、相手も身構えてしまいます。挨拶は第一印象を決めると同時に、その先のトークをスムーズに進める、入り口となるものです。挨拶は、堅くなりすぎずに、あっさりと抑えるといいでしょう。

限られた言葉で自分を知ってもらう「自己紹介」

ビジネス上では、「◯◯社の△△と申します」というのが一般的な自己紹介ですが、テレアポでは、このような自己紹介では不十分です。何をしている人間が、何の用事で電話をかけてきたのかわかりませんから、相手は警戒してしまいます。 さらに一歩踏み込んで、「□□というサービスを手掛けております、◯◯社の△△と申します」とすれば、自分が何者で何のために電話をかけているのか、相手がイメージすることができます。

相手の興味と関心を素早くつかむ「キャッチ」

キャッチとは、いわゆる「つかみ」で、テレアポの成否に関わる重要な部分です。広告のキャッチコピー、メルマガの件名と同じく、相手が「その先の情報を知りたい」と思うような、興味と関心を引きつける言葉が必要です。
たとえば、「□□というサービスのご案内です」という言葉よりも、「業務効率をさらに高める、□□という新しいサービスのご案内です」のほうが、相手に刺さりやすいはずです。 効率アップ、生産性の向上、コスト削減…相手の課題意識を刺激する言葉を使えば、トークを進めやすくなります。さらに、明確な根拠があるなら「従来比で150%」「時間とコストが半減」など、具体的な数値を入れると効果的でしょう。
その製品・サービスによってどんな利益を得られるのか、相手にイメージさせることが重要です。

相手の反応によって枝分かれしていく「対応」

ここから先は、相手の反応によって対応を変えていきます。「それはいいね」「え?そんなことできるの」など、好意的あるいは懐疑的な反応が返ってきたら、「ほかにも、このような機能も備えています」「こうした例が実際にございました」など、それぞれに対応するトークの流れを作ります。 少々難しいのは、「うちはいいや」と拒絶される場合です。「もう少しだけ聞いてください」などと、しつこく粘るのは逆効果で、引き際が肝心です。しかし、断られるたびに引き下がっていては、アポを取るのは難しいでしょう。 このような場合は、「◯◯のような課題の解決にはきっとお役に立てるのですが、そうした課題はございませんか」と、別の切り口から話の糸口を探ってみましょう。質問によって相手の悩みや業務課題を引き出し、それを自社製品・サービスがどのように解決するのかを説明できれば、うまく話を続けることができます。

「アポ取り」では、主導権を相手と分け合う

一通りの説明を済ませたらアポ取りの段階ですが、ここで大事なのは2点です。 まず、「買うか買わないかの判断は、相手に任せる」こと。当たり前のことですが、一方的にアポ取りを進めてしまうと、押しつけがましい印象を持たれ、相手が不快になることがあります。「導入するかどうか、ご判断いただくためにも、詳しくご説明させてください」というように、最終判断の主導権を相手にゆだねる姿勢を見せることです。 反対に、訪問の日程は、近日中でいくつかの候補をこちらから提案し、その中から選んでもらうといいでしょう。「いつ頃お伺いすればいいでしょうか」では、相手に「手が空いたら、こちらから連絡しますよ」と、かわされてしまいます。

テレアポの成功率を高める9つのテクニック

前時代的でデメリットばかりが喧伝されやすいテレアポですが、電話という身近なツールを使い、誰にでもできる手法であることから、まだまだ新規開拓の主力に据えている企業も多いはずです。 ならば、少しでもその効率を高め、成約へと導いていける方策を考えることが必要です。ここでは、テレアポの成功率を高める9つのテクニックをご紹介します。

<成功率を高める9つのテクニック>

  1. 成功率の高いリストを使う
  2. スクリプトを十分に練っておく
  3. 架電のタイミングを計る
  4. セールス感を弱める
  5. 話は手短に、簡潔に伝える
  6. アポイントは選択肢をしぼる
  7. 話し方にも工夫が必要
  8. 会話の内容の記録を取る
  9. 引き際を見誤らない

1 成功率の高いリストを使う

テレアポの成功率を高めるためにまず重要なのは、架電リストです。
テレアポでは、とかく量が重視されがちですが、電話を入れる対象が自社のターゲットから外れていては、成約どころか商談にすらなりません。自社で用意できればいいのですが、業者からリストを購入したりするような場合には、その精度と鮮度についてはきびしく見極めるべきでしょう。
意気込んで電話したところで「ああ、その事業部は3年前に売却しましたよ」などと言われてしまっては、目もあてられません。

2 スクリプトを十分に練っておく

テレアポの際、限られた短い時間で何を話すか。これは重要な問題です。
伝えるべき言葉の順序を間違えただけで、電話を切られてしまうこともあります。また、うまく言葉をつないでいけば、それだけ長い時間、会話を続けることができ、情報の伝達や信頼感の醸成につなげることもできます。それだけに、トークスクリプトは非常に大切です。
実際に、何をどの順序で話していくか、相手の反応にどう対応するかは、商材や価格帯などで大きく変わってきます。しかし、スクリプトの作成で重視すべきポイントは、「相手の情報を引き出す」「自社製品のメリットを理解させる」「それを導入することの利点を気づかせる」の3点です。 もちろん、すべてがクリアできなくても構いません。少なくとも、自社製品に興味を持ってもらえれば、訪問のアポイントにつなげることができます。

3 架電のタイミングを計る

相手先が多忙ではなく、会議等に拘束されていない。そんなタイミングを見計らって電話を入れるのは、テレアポのテクニックです。
業種によっては、多忙な曜日、時間帯もあります。また、「月曜の午前中はずっと会議」という企業も少なくありません。そんなときに営業のテレアポを入れても、徒労に終わるだけです。
何度か電話を入れて「不在」「会議中」ということが続くようなら、「いつ頃お電話すればよろしいでしょうか?」と聞いてしまうのもひとつの方法です。

4 セールス感を弱める

人は誰でも、「売りつけられる」ことを嫌います。同じ商品を買うにしても、自分で選んで買いたいと思うものです。ですから、セールス感が強すぎるトークは嫌われやすいものです。
そうした意味では、単に製品の長所を述べるのではなく、それを購入することによってもたらされる価値を語ったほうが有効でしょう。

5 話は手短に、簡潔に伝える

電話先の担当者は、多忙の中であなたの電話を受けています。それを思えば、会話はできるだけ手短に、要点を押さえてメリットを伝える、簡潔なものにすべきです。
話が長いと「またこの次に」ということになりやすいものですし、簡潔でないと短い時間で伝えたいことを伝えることができません。慣れが必要な部分ではありますが、常にこうした意識を持っておくことが大切です。

6 アポイントは選択肢をしぼる

直接訪問する機会を得られたなら、その日時はある程度しぼったほうが得策です。「いつ伺えばいいですか?」といった聞き方では、「時間ができたら、こちらから電話する」と返事される可能性が高まります。これでは、アポがないも同然です。
ですから「◯日か△日でしたら、終日いつでもお伺いできます。どちらがよろしいでしょう?」と選択肢をしぼり、相手に選んでもらうのが得策です。

7 話し方にも工夫が必要

テレアポに慣れていないと、上ずったような話し方になりやすいものです。しかしそれでは、相手に不信感を与えかねません。ですから、普段以上に気持ちを落ち着かせ、少しゆっくり話すよう、意識しましょう。
営業トークは作り声になってしまいがちですが、それは相手からの信頼を得るための障壁になりやすいもの。「あなたのために役立つ話をしたいのです」という意識を持ち、営業だということを相手に感じさせない落ち着いた話し方を心掛けることが大切です。

8 会話の内容の記録を取る

架電の際にどんな会話があったか。その内容はできるだけ記録しておくべきです。これは「次につながる可能性」になるからです。
たとえば「今忙しいから、かけ直してくれ」というのは、相手によく言われることです。しかしそのときに、「◯曜日の△時頃なら空いているんだけど」といったひと言があったなら、これは重要な情報です。電話を入れるならこの時間帯だ、ということがわかりますし、実際に電話がつながる確率も高いでしょう。
また後日、同じリストへの架電が必要になったとき、こうした記録が役立ちますし、別のアプローチを試してみるといった改善も可能になります。

9 引き際を見誤らない

これは飛び込み営業にもいえることですが、成約が欲しいばかりに、断られてもなおアプローチをやめないスタイルが横行しているようです。執拗な行動は自社に対する嫌悪感や反感となって残りますので、決して良いことではありません。
ですから、テレアポにおいても、引き際を見極めることが肝心です。「またご縁がありましたら、よろしくお願いいたします」という一言を添えて電話を切れば、お互い嫌な思いをしなくて済みます。自社の印象を損ねることもありませんし、時間を浪費することもありません。こうした引き際も、テレアポでは重要な要素です。

テレアポには、社外リソースを有効活用しよう

営業担当者は、商談を進めてクローズまで持っていくのが本来の役割です。しかし、多くの企業では、新規開拓のためのテレアポにそのリソースが割かれており、そのために、時間的にも精神的にも無視できない損失を受けています。
ならば、このプロセスを外注化することも、業務効率を考える上では意味があります。テレアポだけでなく、見込み顧客から案件化までのプロセスを外注する方法もあります。

テレアポは、新人のトレーニング的な意味があるとはいえ、ただ漫然と行っていたのでは、その成功率は決して高くはありません。それを自社内でまかなうとなれば、ここでご説明したような工夫は必要でしょう。
また、テレアポを外注してしまえば、営業は本来の業務である商談に専念することができます。テレアポを自社で行うのがいいのか、外注に任せるのがいいのかは、企業の方針によって異なりますが、最も貴重なリソースである人材を、いかに有効活用するかを考えることは、極めて重要です。

 
 
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不毛に見えるテレアポは、クローズの最初の一歩

新人のような経験の浅い人にとっては、テレアポはつらいばかりで、なかなかやりがいを感じられない、不毛な作業に見えるかもしれません。
しかし、テレアポは最終的にクロージングへとつながる最初の一歩です。ここで紹介したコツや極意を参考に、苦手意識を克服し、ゴールをイメージしながら効率の良いテレアポを実践してください。
 
 

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