クラウドセキュリティとは?具体的なリスクと対策を徹底解説
クラウドセキュリティの基本から具体的なリスクと対策まで徹底解説。多要素認証、データ暗号化、従業員教育など実践的な方法を紹介した、IT担当者必見の記事です。
クラウドセキュリティの基本から具体的なリスクと対策まで徹底解説。多要素認証、データ暗号化、従業員教育など実践的な方法を紹介した、IT担当者必見の記事です。
クラウドサービスの利用が急速に拡大する一方で、情報漏えいや不正アクセスといったセキュリティリスクの不安も増大しています。本記事では、クラウドセキュリティの基本概念から、企業が直面する主要リスク、多要素認証やデータ暗号化などの具体的な対策方法まで、IT担当者が知っておくべき知識を網羅的に解説します。
企業でセキュリティに関わるすべての方に向けて、Salesforce が提供する様々なセキュリティオプションについて、その意義とユースケースを、対応する最新のセキュリティ脅威とあわせてご紹介します。
クラウドセキュリティとは、クラウド環境での不正アクセスや情報漏えいといったリスクを防ぐための対策を指します。従来のオンプレミス環境とは異なり、クラウドでは物理的なアクセス制御ができないため、新たなアプローチが必要です。
テレワークの普及や保守管理の手軽さから、多くの企業がオンプレミスからクラウドに移行しています。しかし、それに伴ってサイバー攻撃も巧妙化しているのが現状でしょう。このような背景から、クラウドセキュリティの必要性が高まっているのです。
クラウドサービスは提供形態によって種類が分かれており、それぞれでセキュリティの責任範囲が異なります。自社が利用するサービス形態を理解し、適切な責任分担を把握することが重要です。以下では、主要な3つのサービス形態について解説します。
SaaSとは、ソフトウェアやアプリケーションをインターネット経由で提供するサービスです。企業の責任範囲はデータとコンテンツに限定されます。アプリケーション、ミドルウェア、OS、ハードウェアなどの管理は、サービスを提供するベンダーの責任となるのが特徴でしょう。代表的なサービスとして、Microsoft 365やSalesforceなどが挙げられます。
PaaSとは、アプリケーションの開発環境をインターネット上で提供するサービスです。企業の責任範囲は格納されているデータだけでなく、PaaS上で開発したアプリケーションも含まれます。アプリケーションの脆弱性診断やセキュリティ対策ソフトの導入などの対策が求められるでしょう。開発者はインフラ管理から解放され、アプリケーション開発に集中できます。
IaaSとは、ネットワーク、サーバー、ストレージなどのインフラを提供するサービスです。データ、アプリケーション、ミドルウェア、OSまで企業の責任範囲となります。そのため、OS・ミドルウェアへの迅速なパッチ適用といった対策が必要です。3つのサービス形態の中でもっとも広範な管理責任を負うことになるでしょう。
クラウド環境では、従来のオンプレミス環境とは異なる特有のセキュリティリスクが存在します。企業はこれらのリスクを正しく理解し、適切な対策を講じることが求められるでしょう。以下では、主要なセキュリティリスクについて詳しく解説します。
クラウドサービスはデータが外部のサーバーに格納されているため、不正アクセスやサイバー攻撃による機密情報の流出リスクが高いといえます。また、従業員の不正行為によって漏えいする場合もあります。情報漏えいが発生すると、損害賠償、営業活動停止、復旧費用などの金銭的損害が発生するだけでなく、社会的信頼の低下にもつながるでしょう。
ベンダー側のサーバー故障やシステム停止によるデータ喪失リスクも無視できません。また、ユーザーや管理者の誤操作に起因する場合もあります。データ消失は、ビジネスの中断や財務的損失のリスクがあるため、適切なバックアップ体制の構築が不可欠です。
IDやパスワードの流出による外部からの不正な侵入も後を絶ちません。とくに、ブルートフォース攻撃(総当たり攻撃)による不正アクセスも問題になっています。企業の機密情報へアクセスされると、情報漏えいや書き換えなどが起きる可能性があるでしょう。
サイバー攻撃が巧妙化しており、甚大な被害が及ぶケースもあります。主な攻撃手法として以下が挙げられます。
これらの攻撃は年々高度化しており、企業は常に最新の脅威に対応する必要があります。
従業員が会社の許可を得ずにクラウドサービスを導入・使用することをシャドーITと呼びます。企業の管理が行き届かず、セキュリティリスクが増大するのが問題です。GoogleドライブやDropboxなどの無料サービスで発生しやすいといわれています。
上記のようなセキュリティリスクを防ぐためには、多層的な対策が必要です。技術的な対策から組織的な取り組みまで、包括的なアプローチが求められます。以下では、効果的な10の対策方法を見ていきましょう。
パスワード以外の認証要素を追加することで、セキュリティレベルを向上できます。たとえば、ワンタイムパスワード、生体認証、秘密の質問などを組み合わせる方法が効果的です。多要素認証の導入により、不正アクセスのリスクを大幅に軽減する効果が期待できます。
ユーザーごとに適切なアクセス権を付与することも重要です。「最小権限の原則」を適用し、業務に必要最小限の権限のみを与えます。さらに、IPアドレス制限や操作範囲も設定することで、より強固なセキュリティ体制を構築できるでしょう。
転送中のデータ暗号化(SSL/TLS化)、保存データの暗号化、エンドツーエンドの暗号化など、多層的な暗号化対策が必要です。また、暗号化したファイルとパスワードを別々のメールで送付する「PPAP」を廃止して、代替策を検討することも求められています。
顧客や取引先などの社外ユーザーと共有する場合は、ゲストユーザーの管理も怠ってはいけません。ゲスト招待権限を適切に設定し、招待経緯の把握とゲストユーザーのログを確認する必要があります。定期的に権限を見直すことで、不要なアクセス権を排除できるでしょう。
外部共有設定の定期的な確認により、意図しない情報公開を防止できます。サービスごとにどの箇所を共有・公開設定しているのか把握することが重要です。とくに、全体公開設定になっているファイルやフォルダがないか、定期的にチェックする必要があります。
定期的なバックアップの実施と、自動バックアップ機能の活用が推奨されます。3-2-1ルールに従い、3箇所に、2種類以上の方法で、1つは遠隔地に保存するのが理想的です。この手法により、データ消失リスクを最小限に抑えられるでしょう。
ログイン情報など認証に関するログ、ゲストユーザー招待に関するログ、外部共有リンク発行など外部共有に関するログを、月次など定期的にレビューしましょう。監査ログの確認は、不正な操作の早期発見だけでなく、内部不正の抑止力としての効果もあります。
既知の脆弱性を早期発見するために、定期的な診断が欠かせません。罠を仕掛けて別サイトへ誘導し攻撃する「クロスサイトスクリプティング」や、意図しないSQL文書を送ってデータベースを不正に操作する「SQLインジェクション」など、脆弱性を突いた攻撃への対策となります。定期的に診断を実施することで、セキュリティホールを塞ぎ、攻撃を未然に防げるでしょう。
クラウドセキュリティのリスクと対策方法について、従業員への教育は必須です。社内のセキュリティリテラシーを高めることによって、人的なミスや不正行為などを防げます。従業員への教育は、定期的な研修やeラーニングの実施が効果的でしょう。
セキュリティ性の高いクラウドサービスを利用することが、根本的な対策となります。認証を得ているサービスは信頼性が高く、安心して利用できるでしょう。クラウドサービスのセキュリティレベルを評価する基準や認証を得ていると安心です。
クラウドサービスのセキュリティレベルを客観的に評価するために、さまざまな基準や認証制度が存在します。これらの認証を取得しているサービスは、一定以上のセキュリティ水準を満たしていると判断できるでしょう。以下では、主要な認証制度について紹介します。
国際規格による第三者認証として権威のある認証の一つです。年次のサーベイランス審査と3年ごとの更新審査が行われるため、継続的なセキュリティ品質の維持が求められます。この認証を取得しているサービスは、国際的な基準でセキュリティが担保されているといえるでしょう。
日本セキュリティ検査協会(JASA)による認証制度です。ゴールド(第三者認証)とシルバー(自己認証)の2段階があり、企業は自社のセキュリティレベルに応じて選択できます。国内のクラウドサービスで広く採用されている認証です。
米国のクラウドセキュリティ団体による評価制度です。自己認証、第三者認証、継続審査の3段階があり、段階的にセキュリティレベルを高められます。グローバルに展開するクラウドサービスで多く採用されているでしょう。
上記以外にも、以下のような認証制度が存在します。
これらの認証を参考に、自社の要件に合ったクラウドサービスを選定することが重要です。
クラウドセキュリティに関するガイドラインは、自社のセキュリティを見直す参考になります。公的機関が公開しているガイドラインは、最新のセキュリティ動向を反映しており、実務に役立つ情報が豊富です。以下では、主要なガイドラインを紹介するでしょう。
「クラウドサービス利用・提供における適切な設定のためのガイドライン」では、設定ミス防止のための具体策が紹介されています。実際の事故事例を基にした実践的な内容となっており、すぐに活用できる知見が得られるでしょう。
「クラウドサービス利用のための情報セキュリティマネジメントガイドライン」では、リスク管理とセキュリティ対策の理解を深められます。企業のクラウド利用における包括的なセキュリティマネジメントの考え方が示されており、組織的な取り組みの参考になるでしょう。
クラウドサービスを選定する際は、セキュリティ性を重視することが不可欠です。機能や価格だけでなく、総合的なセキュリティレベルも確認しましょう。以下では、選定時の重要なチェックポイントを解説します。
以下のような、セキュリティに関する機能が搭載されているかを確認しましょう。
これらの機能が標準で提供されているサービスを選ぶことで、追加コストを抑えつつ高いセキュリティを実現できるでしょう。
国際規格の取得状況を確認することが重要です。また、ITreviewなど第三者評価サイトでの実際のユーザーレビューも参考になります。認証取得の有無だけでなく、実際の運用におけるセキュリティ品質も確認できます。
セキュリティサポートの有無も確認する必要があります。また、セキュリティアップデートの頻度も重要な判断材料です。迅速な脆弱性対応が行われているクラウドサービスを選ぶことで、常に最新のセキュリティ水準を維持できるでしょう。
SalesforceのTrusted Servicesは、Salesforceデータをセキュアに保護するソリューションです。データを監視して異常を検知することで、セキュリティリスクに対しても早急な対応が可能になるため、コンプライアンス維持につながります。
顧客情報をはじめとする機密情報が豊富なSalesforceのデータを安全に保護するため、「Trusted Services」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。無料トライアルも用意しているので、ぜひご相談ください。
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クラウドセキュリティは、デジタル時代の企業にとって不可欠な対策です。本記事で解説した対策を実行することで、情報漏えいリスクの軽減やサイバー攻撃からの保護などが実現し、ビジネスの継続性が高まるでしょう。
クラウドのメリットを最大限に活かしつつ、安全なデジタル環境を構築するために、適切なクラウドサービスの選定と、継続的なセキュリティ対策の実施が重要です。