BtoBマーケティングツール10選をカテゴリごとに解説!自社に合う選び方も紹介
おすすめのBtoBマーケティングツールを5カテゴリ(MA・SFA・CRM・メール配信・ウェビナー)ごとに解説します。
おすすめのBtoBマーケティングツールを5カテゴリ(MA・SFA・CRM・メール配信・ウェビナー)ごとに解説します。
BtoBマーケティングツールは、MA・SFA・CRM・メール配信・ウェビナーの5カテゴリに整理できます。どれから手をつけるかは機能の多さではなく、リード獲得から商談化までのどこが詰まっているかで決まります。
MAは見込み顧客の獲得・育成、SFAは商談の進捗管理、CRMは顧客情報の一元管理を担います。一方、メール配信とウェビナーは、それぞれ配信や接点づくりに特化したツールです。製品ごとに機能の重なりがあるため、カテゴリ名だけで選ぶと、同じ機能を二重に買ってしまいがちです。
この記事では、5カテゴリごとに代表ツールを料金と向き不向きで比較し、候補を絞り込むための4つの観点も紹介します。
営業・サービス・マーケティングをオールインワンで。AI搭載のCRMで、顧客管理をスモールスタートできます。
BtoBマーケティングツールとは、リード獲得から育成、商談化、受注に至る工程のうち、特定の工程を効率化するツールの総称です。担当する工程によって、大きく次の5カテゴリにわかれます。
高機能な製品を選べば、すべての課題を解決できるわけではありません。自社のどの工程が止まっているかを先に特定すると、候補を絞り込みやすくなります。
| カテゴリ | メインで担当する工程 | 解決したい課題 |
|---|---|---|
| MA | リードの獲得・育成・選別 | リストはあるが商談につながらない |
| SFA | 商談化した後の進捗・営業活動の管理 | 案件がどこで止まっているか分からない |
| CRM | 顧客情報・接点履歴の一元管理 | 顧客情報が担当者ごとに散らばっている |
| メール配信 | 育成工程のうち配信と反応の計測 | 一斉配信が安定して回らない |
| ウェビナー | 検討層との直接的な接点づくり | 見込み顧客と対話する機会がない |
MAツールは、見込み顧客の獲得から育成、選別までを効率化するツールです。フォームで集めた見込み顧客にメールを配信し、反応に応じて営業へ引き渡す対象を選別するところまでを担います。
主な機能と、それぞれが解決する課題は以下のとおりです。
スコアリング(見込み度の点数化)は、最初から精緻に組む必要はありません。料金ページを閲覧した人に通知を出すといった行動検知から始めてみましょう。
MAで見込み顧客の関心に応じたメッセージ配信や、営業チームへの連携を行うイメージは、以下の動画でも確認できます。
SFAツールは、商談化した後の進捗や営業担当の活動を数値で管理するツールです。MAから引き渡されたリードを受け取り、案件がどの段階で止まっているかを可視化します。
機能は次の4つが軸になります。
訪問や提案の記録がツールに残るため、担当者の頭の中にしか情報がない状態を避けられます。
金額の大きい商談ほど、記録の共有が効いてきます。年間契約金額300万円以上のBtoB商材の購買に2名以上で関与した307名を対象とした調査では、営業と接触した時点で、購買プロセスの平均約4割がすでに完了しており、課題の明確化についても70.4%が「完了」または「おおむね進んでいた」と答えています。
営業が会う前に検討が進んでいるぶん、誰がいつ何を懸念したかを1か所に残しておくと、次の一手を決めやすくなります。
(出典:株式会社IDEATECH(デマジェン総研共同調査)「日本のBtoB大型購買プロセスに関する実態調査」2026年 )
SFAで営業活動や商談情報をどのように管理できるかは、Sales Cloudの概要動画でも確認できます。
CRMツールは、企業情報や担当者、問い合わせ履歴、過去の商談結果を1か所に蓄積するツールです。「営業活動」を管理するSFAに対し、CRMは「顧客そのもの」を管理します。
実際の製品では、顧客情報の管理と営業活動の管理が1つの製品にまとまっているケースが多くあります。そのため本記事でも、両者はSFA/CRMとして併記して比較します。
使いどころは受注前だけではありません。受注後のフォローや、失注から時間が経ったリードの掘り起こしにも、同じデータを活用できます。
顧客データが1か所に集まっているかどうかは、後からMAやウェビナーを追加したときの効果にも影響します。
メール配信ツールは、MAが担う育成機能のうち、メール配信に特化したツールです。大量にメールを送信しても、迷惑メール扱いされずに届く割合(到達率)を高め、属性や反応でグループ(セグメント)を分け、開封やクリックを計測できます。
MAとの主な違いは次の2点です。
行動に応じて配信内容を自動で切り替えたいならMA、まずはメールを安定して配信したいなら配信専用ツールが適しています。
一方で、MAを導入したものの一斉配信しか使えていない場合は、必要な機能が配信ツールの範囲に収まっている可能性が考えられます。使っていない機能に費用を払い続けるより、運用できる範囲に道具を合わせたほうが定着しやすくなるでしょう。
ウェビナーツールは、検討度が高い見込み顧客と直接対話できる場をつくるツールです。オンライン会議ツールとの違いは、開催前後の機能が揃っている点にあります。
具体的には、以下のような機能が搭載されています。
BtoBで特に効くのは視聴ログです。誰が何分視聴したか、どの回に参加したかがわかれば、検討度を判断する材料になります。
この視聴ログをMAやSFA/CRMに渡せるかどうかで、開催して終わりになるか商談化につながるかが変わります。ツール単体の機能よりも、データの行き先を先に決めておきましょう。
ここでは、おすすめのMAツールを3つ紹介します。料金体系と前提とする運用量が製品ごとに大きく異なるため、まずは下の比較表から確認してみてください。
選ぶ基準は機能の多さではなく、自社が回せる運用量です。シナリオを何本も設計できる体制があるのか、まずは1本のメール配信から始めたいのかで、適した製品が変わります。
| ツール名 | 提供会社 | 初期費用 | 月額費用 | 向いている企業規模・ユースケース | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| Agentforce Marketing(旧Marketing Cloud) | Salesforce | 0円(導入支援を委託する場合は別途) | 180,000円/組織/月〜(Marketing Cloud Next Growth・年間契約) | 営業・サービス部門と顧客データを共有したい中堅〜中規模企業 | 営業・サービスと同一のクラウドサービス上で顧客データを共有できる |
| HubSpot Marketing Hub | HubSpot Japan株式会社 | 0円(Starterは導入支援の購入が任意) | 840円/月/シート~(Starter・年払い) | 少人数から始めて段階的に広げたい企業 | シート単位の課金。同社の無料CRMと同じ基盤で連携しやすい |
| SATORI | SATORI株式会社 | 300,000円(税別) | 148,000円/月(年間契約・税別) | リード獲得が継続的に回っている段階の企業 | 単一プラン制。個人情報取得前の匿名訪問者にもアプローチできる |
Agentforce Marketing(旧Marketing Cloud)は、Salesforceのクラウドサービス上でマーケティング施策を担う製品です。営業・サービス部門と同じ顧客データを見ながら配信を設計できる点が、他のMAと性格を分けています。
最大の特徴は、営業・サービス部門と同じ顧客データを見ながら配信を設計できる点です。「先週サポートに不具合を問い合わせた顧客には案内を送らない」「失注から半年経った企業にだけ別の内容を出す」といった条件を、部門をまたいだ情報にもとづいて設定できます。
配信結果は営業側の画面からも確認できるため、リードを渡した後に何が起きたかを追えます。AIエージェントプラットフォームのAgentforceも組み込まれており、顧客情報の要約やメール文面の下書きを任せられます。
料金はMarketing Cloud Next Growthエディションが月額180,000円/組織、Advancedエディションが月額390,000円/組織です(いずれも年間契約)。ユーザー単位ではなく組織単位の課金のため、運用に関わる人数が増えても月額は変わりません。
営業・サービス部門と顧客データを共有しながらマーケティングを進めたい企業におすすめです。マーケティング専任の担当を置く前の段階であれば、後述するStarter Suite のほうが入り口として選びやすいでしょう。
HubSpot Marketing Hubは、少人数から段階的に広げられる料金設計が特徴のMAツールです。
Starterの最低利用料金は年払いで月額840円/シートです。同社の無料CRMと同じ基盤で動くため、顧客データを別に用意しなくても配信を始められます。
2024年以降はシート単位の課金が採用されており、運用に関わる人数が増えるほど月額が積み上がります。マーケティング担当だけが使うのか、営業も含めて全員に配るのかで総額が変わるため、契約前に必要なシート数を洗い出しておきましょう。
少人数のチームでスモールスタートし、段階的に広げていきたい企業におすすめです。
(参考:HubSpot公式サイト )
SATORIは月額148,000円(年間契約・税別)の単一プラン制で、機能をプランごとに選び分ける必要がありません。どの機能が上位プラン限定かを比べる手間がない反面、小さく始めるという選択肢もない構成です。
他の2製品と分かれるのは、個人情報を取得する前の匿名訪問者にアプローチできる点です。フォーム送信前のWeb訪問者に対してポップアップなどで接点をつくり、資料請求へつなげる使い方ができます。すでにサイトへの流入はあるのに、フォーム経由のリードが増えない企業に適しています。
月額とは別に初期費用が300,000円(税別)かかるため、初年度の総額は2,076,000円(税別)になります。この価格帯の費用に見合う運用を行うには、コンテンツやセミナーでリードを継続的に獲得できていることが欠かせません。
(参考:SATORI公式サイト )
SFA/CRMはID単位の課金が主流で、1IDあたり数千円から数万円まで幅があります。営業担当の人数と、どこまで細かく商談を管理したいかで現実的な候補を絞り込むことが可能です。
もう一つ確認したいのが最低利用ID数です。下限が設定されていると、営業が3名の体制でも規定数分の費用が発生します。表示価格だけでなく、この条件まで含めて比べてください。
| ツール名 | 提供会社 | 初期費用 | 月額費用 | 向いている企業規模・ユースケース | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| Salesforce Starter Suite | Salesforce | 0円) | 3,000円/ユーザー〜 | 少人数で営業・サービス・マーケティングをまとめたい中小企業 | 最大2ユーザーまで無料のFree Suiteあり。全プランにAgentforceを搭 |
| Mazrica Sales | 株式会社マツリカ | 0円 | 6,500円/ID〜(最低10ID・月額65,000円〜/税別) | 複数名の営業チームで案件の進捗を揃えたい企業 | 案件ボードで進捗を把握。上位プランほど機能が充実する構成 |
| GENIEE SFA/CRM | 株式会社ジーニー | 公式サイトに記載なし(要問い合わせ) | スタンダード:3,450円/ID(税抜) | まず営業情報を記録する習慣をつくりたい企業 | 国産で画面が分かりやすい。最低利用期間の設定あり |
Starter Suite は、営業・サービス・マーケティングを1つにまとめた構成を月額3,000円/ユーザーから使えます。カテゴリごとに製品を買い足さなくても、リードの獲得から商談の進捗、受注後の問い合わせまでが同じ場所に残ります。
始め方も段階的に選べる点が特徴です。最大2ユーザーまで無料のFree Suite で顧客情報の一元管理から試し、人数が増えたらStarter Suite 、機能を広げたい段階でPro Suite (月額12,000円/ユーザー)へ移れます。プランを上げてもデータはそのまま引き継げるため、途中でツールを乗り換えるときの移行作業が発生しません。
全プランにAgentforceのAIエージェントが組み込まれており、ガイド付きのセットアップに沿って進められるため、専任のIT担当がいなくても初期設定を自社で完了できます。
ただしクラウドで提供されるサービスのため、常時インターネットに接続できる環境が前提になります。オフラインでの運用が必須の現場には向きません。
(参考:Starter Suiteの詳細 )
Starter SuiteとPro Suiteで何ができるかを短時間で把握したい場合は、以下の紹介動画もあわせて確認してみてください。
Mazrica Salesの月額費用は6,500円/ID(最低10ID)からで、上位プランほど機能が充実する構成です。案件ボードで商談の進捗をカードとして並べられるため、いま何件がどの段階にあるかを開いた瞬間に把握できます。
入力の負荷を下げる設計も特徴で、名刺の取り込みやメールからの情報反映といった機能が営業担当の手間を減らします。日報を書く文化が根づいていないチームでも記録が残りやすくなります。
一方で契約は10ID単位からのため、営業担当が3名の体制でも月額65,000円(税別)が発生します。初期費用はかかりませんが、人数が少ないうちは1人あたりの負担が実質的に重くなる点を織り込んでおいてください。
(参考:Mazrica Sales公式サイト )
GENIEE SFA/CRMのスタンダードプランは1IDあたり月額3,450円(税抜)で、SFA/CRMのなかでは始めやすい価格帯にあります。国産で画面構成が分かりやすく、営業担当が自分で入力を続けられる状態をつくりやすい設計です。
まず商談の記録を1か所に集め、情報を蓄積する習慣づくりから始めたい企業に向いています。上位プランでは分析やカスタマイズの幅が広がるため、記録が定着してから機能を足す進め方も取れます。
注意したいのは最低利用期間です。1年契約が前提のため、数か月だけ試して合わなければ止める、という使い方には向きません。
(参考:GENIEE SFA/CRM公式サイト )
メール配信ツールは、保有するアドレス件数やレコード数に応じて月額が変わる料金設計が主流です。今のリスト規模だけでなく、1年後にどこまで増える見込みかを織り込んで費用を見立ててください。
もう一つの分かれ目は、配信後の反応をどこまで追うかです。開封やクリックを見て次の一手を変えたいのか、まず届くメールを安定して出したいのかで候補が変わります。
| ツール名 | 提供会社 | 初期費用 | 月額費用 | 向いている企業規模・ユースケース | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 楽楽メールマーケティング(旧配配メール) | 株式会社ラクス | 要問い合わせ(金額非公開) | 登録アドレス数に応じて変動(金額非公開) | 配信後の反応まで追って育成に使いたい企業 | 現行はStandard・Premium・Bridgeの3プラン。開封・クリックの追跡や来訪通知に対応 |
| ブラストメール | 株式会社ラクスライトクラウド | 10,000円(Light・Standard/1年契約は5,000円) | Lightプラン:月額4,000円(登録5,000件まで・税抜) | まず一斉配信を安定して回したい企業 | 機能を絞った分だけ操作が分かりやすい |
楽楽メールマーケティング(旧配配メール)は、初期費用と月額利用料の2本立てで、月額は登録アドレス数に応じて変わります。現行はStandard・Premium・Bridgeの3プランで、上位になるほど育成寄りの機能が使えます。金額は公開されておらず、見積もりを取り寄せる形になります。
配信して終わりではなく、その後の反応まで追える点が特徴です。開封やクリックの追跡に加え、上位プランではサイト来訪の通知やシナリオ配信(行動に応じて配信内容を自動で切り替える機能)にも対しています。反応した相手を営業へ渡す運用まで組めるため、MAほど複雑な設計をせずに育成の入り口まで押さえたい場合に向いているでしょう。
2025年10月に配配メールから楽楽メールマーケティングへ名称が変わり、楽楽クラウドブランドへ統合されました。旧名称のまま検索すると古い料金情報に当たるため、見積もりは現行サイトから取り寄せてください。
(参考:楽楽メールマーケティング公式サイト )
ブラストメールは株式会社ラクスライトクラウドが提供するメール配信サービスで、Lightプランは月額4,000円(登録アドレス5,000件まで・税抜)です。初期費用は10,000円で、1年契約なら5,000円に下がります。登録アドレス数に応じてプランが分かれる構成のため、リストが小さいうちは費用を抑えられます。
機能を絞っている分、画面が単純で操作を覚える負担が小さくなります。担当者が交代しても引き継ぎで詰まりにくく、兼務でメール配信を回している体制と相性がよい設計です。
ただしシナリオ配信やスコアリングは対象外です。行動に応じて配信内容を自動で切り替える段階に入ったら、MAへの移行を検討することになります。
(参考:ブラストメール公式サイト )
ウェビナーツールは、ライブでの双方向のやり取りを重視するか、アーカイブ配信や視聴ログの活用を重視するかによって、適した製品が分かれます。どちらも配信できますが、得意とする用途が異なります。
両製品とも、料金は開催規模やプラン内容によって変わります。想定する参加人数と配信頻度を先に決めておくと、必要なライセンスの規模が見えます。
| ツール名 | 提供会社 | 初期費用 | 月額費用 | 向いている企業規模・ユースケース | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
Zoom(Zoom Webinars) |
Zoom Communications | 0円 | ウェビナーライセンス9,149円/月〜(定員100名・税抜)※別途Zoom Workplaceプロ以上が必要 | 参加者と双方向にやり取りするライブ開催 | 参加者側の利用経験が広く浸透。Q&Aや投票で反応を取れる |
| ULIZA | 株式会社PLAY | 50,000円〜(Standardプラン・参考価格) | 50,000円〜(Standardプラン・参考価格) | アーカイブ配信と視聴ログの活用 | 動画配信基盤として視聴状況を細かく取得できる |
Zoomはオンライン会議での利用が広く浸透しているため、参加者が当日の操作を新たに覚える負担が小さくなります。申込から参加までの離脱を抑えたい、ライブ開催向きの製品といえるでしょう。
また、Q&Aや投票の機能を使えば、開催中に参加者の反応をその場で拾えます。質問の内容そのものが、どこに関心があるかを示す情報になります。
ウェビナー機能は通常の会議プランとは別枠で、Zoom Workplaceのプロ以上に加えてウェビナーライセンスを追加購入します。ライセンスは定員別で、100名が月額9,149円、500名が月額19,350円、1,000名が月額51,000円です(いずれも税抜)。
(参考:Zoom公式サイト )
ULIZAはアーカイブ配信・視聴ログの活用に強い動画配信基盤です。会議ツール由来ではなく、開催後の視聴データ活用を前提に設計されている点が特徴です。
視聴ログを細かく取得できるため、当日参加できなかった相手がいつどこまで視聴したかまで追えます。アーカイブを最後まで見た相手は検討度が高いと判断でき、開催後も接点を持ち続けられます。
料金はStandardプランが初期費用・月額とも50,000円から、Proプランが初期費用・月額とも100,000円からです(いずれも公式サイト掲載の参考価格)。配信流量とストレージの上限でプランが分かれるため、取得したい視聴データの粒度と併せて見積もりを取ってください。
(参考:ULIZA公式サイト )
候補が出そろったところで、絞り込みの観点を整理します。高機能な製品を選べば安心という発想で選ぶと、使わない機能に費用を払い続け、結局定着しないという結果になりがちです。実際、中小企業でデジタル化によるビジネスモデルの変革まで進んでいる事業者は2.8%にとどまり、2023年の6.9%、2024年の3.2%から低下しています。
機能の多さより、自社で回せるかどうかを軸に置いてください。
見るべきは4点です。解決したい課題に対応する機能があるか、総額が予算に見合うか、担当が交代しても運用が続くか、既存ツールとデータがつながるかを順に見ていきます。導入目的が曖昧なまま製品名から決めてしまうと、契約したものの十分に活用されないツールになりがちです。
(出典:中小企業庁「中小企業白書」2026年 )
まず、自社の課題を1つに特定してください。リードが足りないのか、獲得したリードの育成が止まっているのか、商談化した案件が前に進まないのかを見極めます。この3つはそれぞれ対応するカテゴリが違います。
リードが足りないならMAのフォーム・ランディングページ機能やウェビナー、育成が止まっているならMAのシナリオ配信やメール配信ツール、商談が進まないならSFA/CRMが適しています。複数を同時に解こうとすると、あらゆる機能を備えた製品を選ぶことになり、設定と運用が担当者の手に余りやすくなります。
「月あたりのリード数を今の2倍にする」といった数値で課題を表現しておくと、候補の絞り込みも早くなります。どの機能がその数値の達成に寄与するかを判断しやすくなるためです。
月額の表示価格を並べただけでは比較になりません。課金単位が製品ごとに違うためです。本記事で挙げた製品でも、GENIEE SFA/CRMはID単位、HubSpot Marketing Hubはシート単位です。楽楽メールマーケティングは登録アドレス数、Marketing Cloud Nextは組織単位で、数え方がそれぞれ異なります。
総額に影響するのは月額だけではありません。初期費用、最低利用ID数、最低利用期間の有無も見てください。たとえばMazrica Salesは1ID 6,500円ですが最低10IDからのため、営業が3名の体制でも月額65,000円が発生します。
自社の数字を当てはめて計算してみてください。手順は次の3つです。
この形にすれば、課金単位の違う製品同士でも同じ土俵で並べられます。
使いやすさは好みの問題ではなく、担当者が交代しても同じ品質で運用を続けられるかという継続性の問題です。現在の担当者が使いこなせても、設定した本人しか触れない状態になれば、異動や退職をきっかけに運用が止まりやすくなります。
見極める方法は単純です。無料トライアルやデモを、担当者1人だけで試さないことが重要です。実際に使う複数のメンバーで、日次の入力から設定変更まで一通り試してください。1人でも操作に迷う箇所があれば、そこが将来の属人化の入り口になります。
併せて、日本語のサポート窓口があるか、学習用のオンライン教材が用意されているかも確認しておくと、新しいメンバーが加わったときも、早く運用を始められます。
カテゴリごとに最も評価の高い製品を個別に選ぶと、顧客データがツールの数だけ分断しやすくなります。MAには行動履歴、SFAには商談履歴、名刺管理には連絡先が入っているのに、どれを見れば最新の状況が分かるのか誰にも答えられない状態です。
この分断は、部門間の連携にも影響します。営業担当者159名への調査では、マーケティング部門から渡されるリードの課題として「リードに関する十分な情報が提供されない」を挙げた人が42.1%にのぼりました。リードの件数だけを渡しても、その相手が何に関心を示したかという情報がなければ、営業側では優先順位を判断できません。
確認すべきは、追加設定なしで連携(ネイティブ統合)できるのか、外部の連携サービスを挟む必要があるのかです。後者の場合、連携部分の設定や保守も日々の運用に加わります。最初から統合された1つのクラウドサービスを選べば、こうした連携作業自体を減らせます。
(出典:ソフトブレーン株式会社(株式会社IDEATECH調査)「営業とマーケの間にある溝とは?〜営業部門/マーケティング部門の部門間連携に関する課題調査〜」2024年 )
データの分断に対するもう一つの答えは、連携を後から作り込むのではなく、最初から統合されている構成を選ぶことです。Salesforceは営業・サービス・マーケティングの機能を1つのクラウドサービス上で利用でき、カテゴリごとにツールを買い足さなくても顧客データが1か所に集まります。
始め方は無料からです。最大2ユーザーまで使えるFree Suite で顧客情報の一元管理を試し、チームが広がったらStarter Suite (月額3,000円/ユーザー)、機能を拡張する段階でPro Suite (月額12,000円/ユーザー)へ進めます。プランを上げてもデータはそのまま引き継げるため、成長に応じて別のツールへ乗り換える必要がなく、データ移行の負担も抑えられます。
全プランにAgentforceのAIエージェントが組み込まれており、顧客情報の要約やメールの下書きなどの業務を支援できます。営業とマーケティングを兼務している体制では、記録と資料作成に取られていた時間を施策の検討に振り向けられます。
まずは無料のFree Suite で顧客情報を1か所に集めるところから試してみてください。
2ユーザーまでずっと無料。営業・サービス・マーケティングを1つのプラットフォームで管理でき、クレジットカードも不要です。
あります。ただし、期間限定の無料トライアルと、ユーザー数や機能に上限を設けた無料プランは別物です。前者は一定期間が過ぎると有料プランへの切り替えが必要になりますが、後者は条件の範囲内なら使い続けられます。
たとえばSalesforceのFree Suiteは最大2ユーザーまで無料で、顧客情報を1か所に集めるところから始められます。ただし無料枠では扱えるユーザー数やデータ量に上限があるため、利用人数やデータ量が無料プランの上限を超えた段階で、有料プランへの切り替えが必要になります。
この3つは対立する選択肢ではなく、担当する工程が異なるため、組み合わせて利用できます。MAは主に商談化する前の獲得・育成を、SFAは商談化した後の営業活動・案件管理を担い、CRMは顧客情報を一元管理するため、どちらから入るかは詰まっている工程で決まります。
リードは集まっているのに商談につながらないならMA、リードは営業に渡っているのに案件が停滞しているならSFA/CRMからです。3つを同時に導入する必要はありません。後から連携できる構成かどうかを契約前に確認したうえで、自社の課題に合わせて段階的に導入するとよいでしょう。
※ 本記事に掲載している各ツールの料金・機能・サービス内容は、記事執筆時点(2026年7月)の情報にもとづいています。最新情報は各社の公式サイトをご確認ください。また、本記事に掲載している他社製品・サービスに関する情報は、各社の公開情報をもとに作成しています。掲載情報の完全性・正確性を保証するものではありません。各製品の詳細・正確な仕様については、各社に直接お問い合わせください。
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複雑な設定は不要で、導入初日からリード管理や顧客情報の整理をスピーディに始められます。まずは無料でSalesforceの使いやすさを体験し、自社の営業活動にどのように役立つかをご確認ください。
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