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Agentforceを活用して、アドバイザーの営業力を強化するRBC Wealth Management

統合されたデータとAIエージェントが、迅速な対応やパーソナライズされたアドバイスの提供を実現し、強固な関係構築を支援します。

概要

手作業を伴うプロセスや顧客面談の準備によって、RBC Wealth Managementのファイナンシャルアドバイザーの業務効率は低下傾向にありました。 Data 360とAgentforceでワークフローを迅速化することで、アドバイザーはクライアントとの関係を構築する時間を確保できるようになりました。

企業情報

RBC Capital Markets, LLCの一部門であるRBC Wealth Managementは、信頼の厚いアドバイスとソリューションを通じて、顧客が財務目標を達成できるよう支援します。 RBC Wealth Managementの2,200人のファイナンシャルアドバイザーは、6,890億ドルの資産を管理しています。

数字が語る成果

60
アドバイザーが1回の顧客面談につき節約できる時間(分)
50 %
データ管理コストの削減率

サービス需要が高まる中で、手動のプロセスや分断されたツールがファイナンシャルアドバイザーのキャパシティを制限

カナダ最大の銀行の一部門であるRBC Wealth Managementは1世紀以上にわたり、個人や家族、法人が資産を形成し、それぞれの目標やニーズ、将来計画に合った戦略を構築できるよう支援してきました。 米国ですでに5番目の規模を誇るウェルスマネジメントプロバイダーであるにもかかわらず、RBC Wealth Managementは、さらなる成長目標を達成しようと意欲的に取り組んでいました。 2018年から2025年の間に、同社は事業を2倍に拡大しました。 今度は、それを半分の時間で実現したいと考えています。 米国全体で管理資産が増す中で、経験豊富なアドバイザーが不足しており、RBC Wealth Managementは、人材採用だけでは拡大する需要に対応できないことを認識していました。

このような状況を受け、2,200人のファイナンシャルアドバイザーは、より多くの顧客に、より効率的にサービスを提供する必要がありました。 しかし、顧客関係管理(CRM)の手動更新やポートフォリオの検索、顧客面談の準備、文字起こしといった作業に時間を取られ、価値を生み出す戦略的な対話にかける時間は残されておらず、新規顧客の獲得にまでは手が回らない状況でした。 また、アドバイザーが対応できるよう訓練を受けているような一般的な質問に答えるだけでも、数時間から数日かかることさえありました。 たとえば、新しい法規制やマーケットの変化によってポートフォリオが受ける影響についてクライアントが質問してきた場合、アドバイザーは社内のナレッジ記事や信頼できるマーケット分析、個々のクライアント計画を詳細に調べ、レコメンデーションを作成していました。 将来の資産形成に影響し得る、変化の激しいトピックについて、クライアントがリアルタイムのガイダンスを求める中で、このプロセスはあまりにも時間がかかるものでした。

分断されたツールやデータも、アドバイザーの業務を非効率にする要因となっていました。 多くの大手企業と同様に、RBC Wealth Managementは年数をかけて複雑なテクノロジースタックを築いてきました。 そして、提供サービスの拡大と顧客基盤の成長に伴い、新たなアプリやシステムを追加することでビジネスを支えてきました。 それぞれのシステムが個別に価値あるデータを生み出していたにもかかわらず、データはサイロ化されたツールの中に埋もれていました。 アドバイザーがクライアントのポートフォリオの全体像を把握するには、プラットフォーム間を行き来したり、複数のシステムで同じ検索を繰り返したりする必要がありました。

RBC Wealth Managementは、より多くの個人や家族が資産形成目標を達成できるようサポートするために、アドバイザーの働き方を再考する必要があると感じていました。 そこで同社は、よりスマートなツールを構築する機会を見出し、アドバイザーが回答の検索にかける時間を低減し、クライアントとの関係構築に専念できる時間を確保できるよう動き始めました。

アドバイザーが必要とする瞬間に、信頼できる回答を提供するAgentforce

RBC Wealth Managementは、次の成長過程において、シンプルさとスピード、そして革新性に重点を置きました。AgentforceのエージェントレイヤーであるAgentforce 360 Platformは、その実現に向けた戦略の中で重要な役割を果たしています。

同社が初めて導入したAIエージェントは、クライアントとの面談準備をサポートするものでした。ファイナンシャルアドバイザーはこれを活用することで、面談準備をより迅速かつきめ細やかに、そして最小限の労力で進めることができます。 6週間という早さで展開されたAgentforceには、アドバイザーが以前から利用していた、RBC Wealth Managementの主要CRMであるFinancial Services Cloudの顧客の「家計概要」ページから直接アクセスすることができます。 Agentforceはクリックひとつで起動し、過去1年分の構造化および非構造化CRMデータを自動的にレビューします。 その後、アドバイザー向けに、ポートフォリオの詳細、今後のタスク、個人の好みやマイルストーン(お気に入りのレストランや今後の記念日など)を網羅した、一貫性のある印刷可能な1ページ資料を提供します。

クライアントデータや過去のやり取りを調べるのに、以前は1時間以上費やしていた作業が、1分も経たないうちに完了できるようになりました。Agentforceによって、すべてのアドバイザーが面談前に高品質で詳細なインサイトに即座にアクセスできます。さらに、これまでは見落とされていたような重要な詳細情報まで把握できるケースも増えています 。 アドバイザーはデータの統合に時間を費やす代わりに、強固な顧客関係の構築や新規クライアントへのアプローチにさらなる時間を充てることができます。

「AIで資産を管理したくないと思っていても、単純な質問や住所変更などを簡単に済ませたいという人は多いはずです」とデジタルアドバイザープラットフォーム部門責任者のRohit Gupta氏は語ります。「Agentforceのおかげで、アドバイザーはよりきめ細やかなエンゲージメントに専念できます。」

最初に導入したAgentforceの成果が後押しとなり、RBC Wealth Managementは2つ目のAIエージェント「Knowledge Pro」を導入しました。 このツールにより、社内ポリシーや手順、FAQ、トレーニング資料がすべてData 360に集約され、アドバイザーはこれらを1か所で確認することができます。 アドバイザーはクリック操作だけでKnowledge Proに質問でき、「このポートフォリオは、クライアントの低リスク志向に合致してる?」といった複雑な問いを投げかけることもできます。そしてAgentforceが、その難しい作業を担います。

その裏側では、Agentforceが安全なAnthropic LLMを通して各質問を送信し、質問内容を理解したうえで、Data 360の統合データにもとづき推論を行い、応答します。Agentforceは、MuleSoft APIを介して取得した最新の社内ポリシーや手順書に加え、クライアント情報や口座情報などのCRMデータも参照し、最適な回答およびレコメンデーションを導き出します。クライアントに合わせて低リスク製品を組み合わせ、おすすめとして提示することも可能です。 Agentforce は、明確かつ対話的な言葉で応答し、根拠となる情報源のリンクも提示します。そのため、アドバイザーは提示された回答を信頼し、主導権を維持しながら、必要に応じて詳細を深掘りしていくことができます。

「Agentforceは、文字通り私たちの働き方を変えています」と、テクノロジー部門責任者のGreg Beltzer氏は述べています。 「検索の時代はもう終わりです。」 有意義な会話のための準備を迅速に行い、重要な質問にその場で回答できるこの機能は、RBC Wealth Managementのアドバイザーが新規顧客との強固な関係を構築し、長年担当する顧客との信頼関係を深めるのに役立っています。 ファイナンシャルアドバイザーとAIエージェントが連携することで、クライアントに応じた信頼性の高いガイダンスを提供し続けることが可能です。一方でアドバイザーは、スマートなツールを活用し、効果的かつ効率的にサービスを提供できます。

そして今後は、リアルタイムの営業サポート、パーソナライズされたポートフォリオのレコメンデーション、自動化されたドキュメント処理など、20以上のユースケースにAIエージェントを適用する計画を進めており、RBC Wealth ManagementはAgentforceを活用して、金融サービスにおける生産性の新たな基準を確立していきます。

AIで資産を管理したくないと思っていても、単純な質問や住所変更などを簡単に済ませたいという人は多いはずです。Agentforceのおかげで、アドバイザーはよりきめ細やかなエンゲージメントに専念できます。

Rohit Gupta氏
RBC Wealth Management社、, デジタルアドバイザープラットフォーム部門責任者

アドバイザーが各クライアントの目標とニーズの全体像を把握するのに役立つ、Salesforceの高度な統合プラットフォーム

RBC Wealth Managementは、高度に統合された上にCRM、マーケティング、アナリティクス、コラボレーションを集約することで、エージェント型AIAgentforce 360 Platformに適した強固な基盤を構築しました。

この基盤は、2019年に導入したFinancial Services Cloudから始まり、同社の主要なCRMとして機能しています。そして、ほぼすべてのデータがここに統合されています。 RBC Wealth ManagementはSalesforceプロフェッショナルサービスのサポートの下で、26の分断されたシステムをFinancial Services Cloudに統合し、業務を効率化するとともに、チーム全体でデータの一貫性を向上させました。 現在、口座開設からポートフォリオ管理に至るまで、アドバイザーのさまざまなワークフローを16のパートナーアプリがサポートしており、Financial Services Cloud APIを使用してMuleSoftに統合されています。 そこからData 360が引き継ぎ、このデータをMarketing CloudSlackTableau、およびRBCのイントラネット、クライアントポータル、取引システムなどの内部ソースからの情報とともに取り込み、調整します。 その結果、各クライアントの情報をリアルタイムかつ包括的に把握できるようになり、これが自動化からAIに至るまで、あらゆる機能の基盤となっています。

このようにFinancial Services CloudとData 360を緊密に統合することで、アドバイザーの負担が解消されます。 タブを切り替えたり、レポートを探し回る必要はもうありません。 その代わりに、Data 360によって適切な情報を適切なタイミングで把握できるようになり、アドバイザーはインサイトにもとづいて行動し、よりパーソナライズされた、先回り型のサービスをクライアントに提供することが可能になります。

「AIの導入を始めた企業にとって、Data 360はスイスアーミーのナイフのような万能なツールです。 そして、データを変換し、活用するための指針を示す、ロゼッタストーンのような役割を果たしてくれます」とBeltzer氏は語ります。

RBC Wealth ManagementのData 360のアーキテクチャの図

現在、RBC Wealth Managementでは、従業員6,000人以上がSalesforceツールを利用しており、導入率は95%に達しています。これは、同社が以前使用していたCRMの2倍以上の数値です。 オペレーション、コンプライアンス、ファイナンスの各チームは依然としてワークフロー固有のアプリを使用しているものの、これらすべてがMuleSoftを通じて連携しているため、組織全体でデータを利用でき、データ管理コストを50%削減しています。

Agentforce 360 Platformの各機能は、以下のようにクライアントとアドバイザーの体験を向上させる役割を果たします。

  • Marketing Cloud: 統合された顧客データを活用したパーソナライズされたアプローチを支援します。 アドバイザーは、「Campaign Central」と呼ばれるブランド化されたハブを通じてキャンペーンを管理します。このハブでは、リードや見込み客ごとにメッセージをターゲティングできます。
  • MuleSoft: MuleSoftがRBC Wealth Managementのあらゆる統合を促進します。それぞれが完全に相互運用可能であるため、システム同士が連携し、情報をスムーズに共有できます。 MuleSoftを活用することで、アドバイザーは卓越したクライアント体験を提供するのに必要なあらゆるタスクに対応できます。 署名用の書類送付、サービス履歴の簡易表示、マーケット統計の確認など、すべてのタスクがSalesforce内で完結します。
  • Tableau: 日々の業務の中心にリアルタイムのインサイトを据え、Financial Services Cloudのデータに直接連携します。これにより、アドバイザーは口座の健全性、クライアントのアクティビティ、営業指標に関する情報を即座に取得し、フォローすべき的確なタイミングを把握できます。
  • Slack: 企業の業務オペレーションシステムとして機能します。Tableauダッシュボードの共有や重要な変更事項に関する通知の受信、ワークフロー内でのデータアクセスといった機能を通じて、従業員同士がリアルタイムでコラボレーションできます。 インテリジェントで応答性と協調性にすぐれた顧客対応を実現します。

その裏側では、毎日1,000件を超えるフローがSalesforce全体で稼働しており、タスクの自動化や更新のトリガー、スムーズな動作環境の維持に寄与しています。 統合されたCRMとデータ戦略により、現在では口座のステータスを数秒で確認できるようになりました。これにより、アドバイザーは新規顧客との関係構築や、卓越したサービスの大規模な提供に注力できるようになりました。

AIの導入を始めた企業にとって、Data 360はスイスアーミーのナイフのような万能なツールです。 そして、データを変換し、活用するための指針を示す、ロゼッタストーンのような役割を果たしてくれます。

Greg Beltzer氏
RBC Wealth Management、, デジタルアドバイザープラットフォーム部門責任者

「Salesforceはメタデータを活用しているという点で、他社に対して本質的な優位性があります」とBeltzerは述べます。 「メタデータは、ただプラットフォーム上に構築されるものですが、その卓越性があったからこそ、当社はAIエージェントの導入を迅速に進めることができました。」

RBC Wealth Managementが自社ビジネスへのAI導入に着手した際に、セキュリティ、信頼、制御は決して譲ることのできない要素でした。 金融事業において、新しい技術を導入するということは、スイッチを切り替えるような簡単な作業ではありません。 セキュリティとコンプライアンスに対して厳格な規制要件が敷かれ、高い期待があるため、RBC Wealth Managementでは、単に既成のAIや自動化ツールを導入して移行プロセスを完了させるようなことはできませんでした。 新しく導入するシステムはすべて、安全性と透明性を備え、説明可能なものでなければなりません。また、出力結果に誤りやハルシネーションが生じる余地は一切ありません。

Atlas推論エンジンを搭載したAgentforceは、Salesforce Trust Layer内で完全に稼働します。 信頼できるデータにグラウンディングされた出力結果が生成され、金融規制で必須とされている説明可能性の条件を満たし、エンドツーエンドで保護されています。 ハルシネーション率がほぼゼロに抑えられていることから、Agentforceの活用に対する経営陣からの信頼をさらに高めることになりました。

RBC Wealth Managementは、Amazon Bedrock上で稼働させているAnthropicを、Salesforce Trust Layer内で運用しています。 プロンプトビルダーのようなツールを活用することで、厳格な品質管理を維持しながらAgentforceの応答を調整することができます。

さらにData 360により、保護機能が一段と強化されます。 RBC Wealth ManagementはShieldを使用して、すべての企業および顧客データをすでに暗号化していますが、データマスキングやきめ細やかなIDアクセス管理といった追加の保護機能によって安全対策がさらに強化されています。これらはすべて、リアルタイムのエージェント型AIユースケースをサポートしながら実現されています

Salesforceのゼロコピーアーキテクチャおよび管理データモデルにより、データをプラットフォーム内で完全に管理できる環境が整うため、さらにリスクが低減されます。Agentforceは定義されたガードレールの枠内で機能し、外部ソースからデータを取得することは一切ありません。さらに、MuleSoftがこの設定を強化し、RBC Wealth ManagementがAgentforceに流入するデータを個々のユーザーやAPI単位まで正確に制御できるようにします。

RBC Wealth Managementは、イノベーションとデータ管理のどちらにおいても妥協することはありませんでした。 Salesforceはその両方を提供し、迅速な対応とコンプライアンス確保を実現するとともに、自信を持ってアドバイザーをサポートできる環境を構築しました。

Salesforceはメタデータを活用しているという点で、他社に対して本質的な優位性があります。 メタデータは、ただプラットフォーム上に構築されるものですが、その卓越性があったからこそ、当社はAIエージェントの導入を迅速に進めることができました。

Greg Beltzer氏
RBC Wealth Management、, デジタルアドバイザープラットフォーム部門責任者