コールセンターを進化させるCTIの基礎知識

投稿日:2020.12.07

コールセンターは企業と顧客をつなぐ重要な窓口。そこで活用されているのが、CTIと呼ばれるシステムです。近年では機能性を高め、他部署との連携を重視した製品も登場しています。

ここでは、CTIとは何か、その機能や活用法について解説します。

CTIとは何か?

CTIとは「Computer Telephony Integration」の略で、電話とコンピューターを統合させるシステムを指します。

過去、電話とコンピューターは別々の進化を遂げてきました。しかし、電話回線を使ってデータをやりとりする技術が確立され一般にも普及すると、電話接続をコンピューターで管理するしくみが作られました。これが、大量の入電・架電をさばくコールセンターに受け入れられ、さまざまな機能を追加して、今日のCTIが出来上がっていったのです。

CTIの機能と役割

現在、市場には多くのCTIシステムが流通しており、その機能もさまざまです。しかし、CTIの基本的な機能は同じです。まずは、CTIの基本機能とその役割について説明していきます。

ポップアップ機能

ポップアップ機能とは、入電・架電のいずれの場合も、モニターに通話相手の情報を表示させる機能です。表示させる内容は企業ごと、またはサポートデスクかアウトバウンドセールスかといった業務ごとに異なるでしょう。どのような場合でも的確な対応をスピーディにとれるよう、必要な情報を選択して表示させるようにすれば、その後の応対がスムーズに行えます。

録音・着信履歴保存機能

CTIには、相手との通話内容を記録する録音・着信履歴保存機能が備わっています。そのおもな目的は、オペレーターの対応品質を保ち、高めるためです。

電話での会話は相手の顔が見えない上、声の調子ひとつで相手の受け止め方が変わります。ですから、言葉遣いから間の取り方、的確な回答ができているかどうかなど、注意しなくてはならない点が数多くあります。

そうした応対内容を検証し、よりブラッシュアップするために、このような機能が必要なのです。

電話制御機能

コールセンターの課題のひとつとして、「入電の偏り」があります。入電のタイミングや本数、また各オペレーターの通話時間などによって、特定のオペレーターに通話量が偏ってしまうということがあるのです。作業量が偏るのは公平ではありませんし、応対の品質にもばらつきが起こる可能性があります。

そうしたことのないよう、外部からの入電を自動的に振り分け、各オペレーターに均等に割り振っていくのが電話制御機能です。

そのほかの機能

製品によっては、より広範な機能を持つものもあります。

たとえば、セールスフォース・ドットコムの「Service Cloud」は、電話やメール、SNSなど複数のチャネルを使った顧客とのコミュニケーションツールですが、強力なCTI機能を備えています。

入電の電話番号から顧客情報を引き出し、オペレーターが応答する前に関連情報をすべて表示する機能や、電話の発信や保留、転送などをPC上ですばやく操作できる機能、通話ログを自動作成し、通話中にとったメモなども関連づけて保存できる機能など、多彩で高品質な機能を備えています。

オンプレミスとクラウド、どちらがいい?

ほかのデジタルツールやシステムと同様、CTIも「オンプレミス」と「クラウド」の2つのタイプが存在します。それぞれ、メリット・デメリットがありますから、自社の状況や用途に合わせて選ぶといいでしょう。

オンプレミス型

オンプレミス型とは、自社内にサーバーを設置して、そこにCTIシステムを構築する方法です。規模や機能の自由度が高く、自社に合った形に構築できるため、自社内にある程度の規模のコールセンターを置く場合に向いた方法でしょう。

一方で、システム構築に時間がかかり、初期費用が大きいこと、セキュリティも含めて自社で保守管理をしなくてはならないというデメリットも抱えています。

クラウド型

クラウド型とは、CTIシステムを、クラウドサービスとして利用する方法です。近年では主流のタイプで、導入スピードが早く、低コストで始められるのがメリットです。利用できるID数は調整できるので、仕事に関わるオペレーターの人数次第で、増やしたり減らしたりすることが可能です。

機能や設計の自由度という点ではオンプレミス型にかないませんが、製品によっては豊富なオプションを用意し、拡張性やほかのITツールとの連携を強化したものもありますから、一般的なコールセンター業務に使うのであれば不便を感じることはないでしょう。

セールスフォース・ドットコムが提供する「Service Cloud」は、クラウド型のシステムとなります。

CTIのメリット

コールセンター業務でCTIを活用するメリットは多々あります。大きなくくりでいえば、まず業務の効率化、次に対応品質の向上と維持。さらに、それらによって得られる、顧客満足度の向上です。それぞれについて解説していきます。

1. スムーズな対応で業務を効率化

コールセンターでCTIを活用すると、入電を各オペレーターに均等に振り分け、必要な情報を瞬時に呼び出し、モニターに表示させることで、外部からの入電に対して的確な対応をスピーディにとることができます。

これらの機能により、業務を大幅に効率化できます。

2. 対応品質の向上と維持

顧客との会話はリアルタイムのやりとりであり、こちらの言葉に相手がどのように反応するか、完全に読み切ることができません。だからこそ、対応品質の向上と維持は、大きな課題となります。録音した通話内容を詳しく検証することで、それが可能となるでしょう。

高品質な応対ができれば通話時間の短縮にもつながり、オペレーターの作業負荷を軽減することにも役立ちます。

3. 顧客満足度の向上

効率的で質の高い応対は、顧客満足度の向上に大いに貢献します。

顧客にとって、コールセンターは企業の顔そのもの。質の高いやりとりで、顧客の疑問や課題をすみやかに解決できれば、それは企業イメージの向上に直結します。CTIによって、企業のブランド力をさらに高めることができるのです。

CTIとCRMの連携が、顧客満足度を向上させる

CTIは顧客情報を記録・保存しておくデータベースを持っており、入電とともにモニターに表示させることができます。これを、セールス部門で使われるCRMと連携させれば、飛躍的に高度な機能性を獲得することができます。

それは、コールセンター業務の効率化にとどまらず、顧客満足度の向上にもつながっていきます。


CRMとの連携ができれば、入電と同時に相手先の電話番号から顧客情報を引き出し、オペレーターが応答する前に顧客情報が表示されます。それは、顧客名や購入製品だけでなく、購入履歴や問い合わせ・クレームの有無など、多岐にわたります。しかも、CRMとの連携によって、常に最新情報が提供されますから、高品質でスピーディな対応をとることができます。

これは、電話をかけてきた顧客にとって、大きな満足感につながります。そして、顧客満足度の向上はリピート率の改善を促し、さらに自社のブランド力の向上にも結びついていきます。

新たにCTIの導入を検討するのであれば、「CRMとのCTI連携」は不可欠だと考えていいでしょう。

CTI連携で自社と顧客とのつながりから改善・改革を果たした事例

最後に、CTI連携によって顧客とのコミュニケーションを見直すことで業務を改善・改革し、品質と生産性の向上を果たした事例をご紹介しましょう。

事例1 カスタマーサービスセンターをService Cloudで改革

会社名:ヤマトフィナンシャル株式会社

1986年の創業以来、コレクトサービスやコンビニ決済、カード決済など、宅配事業に関わる決済サービスを手掛けてきたヤマトフィナンシャル株式会社。決済のニーズがますます多様化していく中で、サービスの拡充と品質向上のため、「お客様の声に耳を傾ける」を重要なミッションのひとつに位置づけ、CRM専業チームを設置。従来のカスタマーサービスセンターの大幅な改革に着手しました。

これまでのシステムはCTI連携の機能がなく、データを蓄積するしくみもありませんでした。そのため、オペレーターが状況を把握できるまで、入電から約80秒もの時間がかかっており、必要部署へのエスカレーションも2分から3分を要していました。

そこで、元々導入済みだった「Sales Cloud」との親和性を考え、「Service Cloud」を導入。作業時間が短縮されたことで、状況把握までの時間は約40秒、エスカレーションは約1分と、大幅な短縮を実現。

また、蓄積された情報は、セールス部門とも共有されているため、必要に応じたすばやい対応が可能になっただけでなく、データを検証することでサービス改善につなげる活動も精力的に進められるようになりました。

事例2 多機能と柔軟さで、マルチチャネル戦略を推進する

会社名:株式会社エムアイカード

老舗百貨店の雄、三越伊勢丹。そのグループの一員としてクレジットカード事業を展開する株式会社エムアイカードは、三越と伊勢丹それぞれのハウスカードの運営会社が合併したクレジットカード会社です。合併後は、クレジットカードの利用増による顧客対応の強化が急務となりました。

カード会社としては後発となる同社は、早期の機能強化を狙って「Service Cloud」を導入。コンタクトセンターの生産性を高めるとともに、対応履歴を検証・ブラッシュアップすることで、顧客対応品質を高めることにも成功しました。また、顧客からの問い合わせや毎日のように変化する購買行動から、必要な情報を抽出・活用することで、グループ内でのシナジー効果を高めています。

「Service Cloud」は、その拡張性から、多くの入電が予想される時期にはオペレーターを増やし、十分な受け入れ体制をとることが容易となります。そのため、繁忙期と閑散期との差が激しい業界でも、柔軟に体制を整えることが可能です。

同社では、今後はマルチチャネルの強化を図り、ウェブや実店舗も含めた包括的な顧客対応を目指していく方針です。

機能的なCTIを導入し、さらなる業務改善を

コールセンターは企業にとって、重要な顧客接点です。顧客に不快な思いをさせず、スムーズな対応を実現するためには、オペレーターのスキルに加えて、機能性の高いCTIは不可欠です。

CRMとの連携やマルチチャネルへの対応など、今後不可欠となる機能にも注意しながら、自社にフィットしたツールを選び、存分に活用してください。

 

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