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ダボス会議の参加者が、Agentforceを活用したサポートで貴重な時間を節約

AIエージェントは75%の質問に瞬時に回答します。そのため、変革に取り組む参加者は細部にわたる計画や調整ではなく、インパクトのある議論に集中できます。

概要

5日間で450以上のセッションが開催される世界経済フォーラムの年次総会では、多くの発見があります。Agentforceを活用したデジタルコンシェルジュは、参加者にイベントのナビゲーションを提供し、完璧なスケジュールを組み、つながりを生み出すことで、グローバルなインパクトを加速します。

企業情報

世界経済フォーラムは、官民連携のプラットフォームとして、リーダー同士をつなぐことで、世界的な課題に取り組み、世界を前進させています。

成果

75 %
解決率
99.9 %
Agentforceの回答率
5
アクティブなユーザーの1日あたりの質問数

参加者は、複雑な日程とタイトなスケジュールに翻弄されながら、質問に対して瞬時に回答してもらいたいというニーズを抱えていました。

毎年、CEO、国家元首、変革の推進者など、世界でもっとも影響力の大きい3,000人以上のリーダーがスイスのダボスに集結し、5日間にわたる世界経済フォーラムの年次総会に臨みます。このダボス会議でのさまざまなディスカッションにより、将来に向けた数十億人の雇用確保から、アマゾン盆地などにおける生物多様性の回復に至るまで、緊急性の高い問題に対するグローバルな行動が促進されます。

450以上のセッション、5つの主要テーマに加えて、重要な個別会議もあるダボス会議のスケジュールを設定することは、参加者にとって、完成図が不明な細部にわたるスケジュール計画・調整のパズルに運任せで取り組むようなものです。ゲストの数が限られており、ほとんどの参加者は個人的なアシスタントを同伴できないため、信頼できるアドバイザーとしてプライマリエンゲージメントマネージャー(PEM)が現地サポートを担います。これまで、PEMは「次のAIセッションに質疑応答の時間はあるのか?」や「木曜午後の持続可能な農業セッションにはどのように行けばいいのか?」といった質問に対応する必要がありました。各PEMには8社以上の企業が割り当てられます。企業の多くは複数の参加者を抱えているため、質問の数は膨れ上がります。

PEMは参加者を支援するために忙しい日程の中で時間を捻出し、リソースを個別に検索してセッションの詳細、会場の情報、シャトルのスケジュールなどを確認していました。こうした質問の回答に忙殺されるため、PEMは、本来の強みである業界ならではの戦略やポリシーに関する深い知識を活かすことが困難になっていました。フォーラムでは、PEMが対応できない状況に備えて専門デスクとデジタルキオスクを設置していましたが、どちらも、こうした過酷なイベント期間に求められる24時間体制のオンデマンドサポートを提供することはできませんでした。

フォーラムは年次総会だけでなく、年間200以上のイニシアチブも運営しており、それぞれ独自の目標、メンバー、プロセスを抱えています。その中でも特に野心的な取り組みの1つが、1t.org(One Trillion Trees Community)です。気候を守り、管理し、回復させるための自然にもとづく解決策の推進を目的としたイニシアチブです。1t.orgは集団としての努力を必要としますが、各メンバーのアクションの実行方法に関する見解が異なるため、フォーラムの職員は時間のかかるハンズオンサポートを余儀なくされています。

ダボス会議に見られるようなスピード重視の対応から、1t.orgをはじめとする継続的なコミュニティ活動まで、フォーラムは複雑でインパクトの高い作業を世界規模でサポートするために、それまでよりも優れた手法を求めていました。

シャトルの時間から直前のセッション変更まで、Agentforceはダボス会議の参加者のために強力なリアルタイムのサポートを提供します。

年次総会の計画担当者は、参加者向けの情報源を追加する代わりに、Agentforce 360 Platformを活用したAIエージェントであるAgentforceを利用して、フォーラムのイベントアプリ内にAIコンシェルジュを直接構築しました。その結果、Agentforceとチャットするだけで、バッジ、セッション、交通、会場の細部にわたる計画や調整に関する答えが得られるようになりました。

2025年度のダボス会議で導入されたこのAIエージェントは、アクティブユーザーからの質問に1日あたり約5回対応し、すぐにその真価を発揮しました。2025年のダボス会議では、Agentforceは99.9%の回答率を達成。正確な自動回答による解決率は75%に上りました。さらに、参加者はトピックや日付ごとにセッションを絞り込み、スクロールして詳細を確認できます。これらのすべてが、単一のシームレスな体験の範囲内で実現されています。

「参加者にとって、時間ほど貴重なものはありません」と、フォーラムのエンジニアリング責任者であるAbdel El Yahiaoui氏は語っています。「Agentforceのサポートにより、参加者はイベントを最大限活用できるようになりました」

この成功を土台として、フォーラムは2026年度のダボス会議でAgentforceの機能を拡大しました。AIエージェントは質問に答えるだけでなく、予約、スケジュール変更、会議のキャンセルや、スケジュールへのセッションの追加や削除、センチメントを理解するための任意のアンケートにもとづく反応の把握など、参加者の代理としてアクションを実行できるようになります。さらに、イベントマップとガイド機能を接続することで、参加者が会議室や会場を速やかに見つけられるように支援します。複数の建物にまたがる複数のセッションをナビゲートできるため、参加者にとって画期的なサポートと言えます。

Agentforceは、推論してアクションを実行するために、Data 360Agentforce SalesAgentforce Marketingや社内ナレッジ記事から情報を取得し、状況に応じたオンデマンドのサポートを提供します。Data 360では、Salesforce CRMによる500以上のカスタムオブジェクトをホストし、よくある質問の解決に向けたAgentforceの一元的な知識ベースを構築します。参加者がチャットで会議室や会場について質問すると、Agentforceは利用可能な会場のリストを検索し、動的なマップへのリンクとその会場への道順とともに回答します。

フォーラムは参加者のサポートデータをData 360にすでに取り込んでいたため、Agentforce Builderで状況対応型のサポートを構成し、わずか5週間でカスタムエージェントを導入できました。APIコールで接続された複数のSalesforceオブジェクトを使用してAIエージェントを構築し、Herokuを利用してすべてのバックエンドサービスを集約しました。

Agentforceは、APIを介してフォーラムのモバイルアプリと直接連携されるため、フォーラムの既存のアーキテクチャ内でフルマネージド環境をスムーズに実装できました。厳密に管理されたセキュリティと信頼性が最優先される重要度の高いイベントでは、この点が不可欠です。Salesforceとフォーラムは、Agentforceがサードパーティのアプリケーションと接続せず、内部データのみでグラウンディングされるように配慮しました。

また、Salesforceはフォーラムと連携し、モデルに対して厳格なストレステストを実施しました。Office of Ethical and Humane Use of Technology(テクノロジーの倫理的、人道的な利用に関する審議会)は、「トリック」を仕掛けることで、Agentforceが不正確な回答を出力したり、あらかじめ設定された指示から逸脱したりするように促しましたが、Agentforceは一貫してコンプライアンスに準拠した丁寧な回答を出力しました。

「私たちが目指すのは、変革を推進する人々が互いにつながるために、物理的にもデジタル的にも、適切な環境を生み出すことです」と、プロダクト&デジタルエクスペリエンスオフィス責任者のMerid Berhe氏は語っています。「Agentforceにより、参加者は数秒で回答を得られるようになり、実世界のインパクトを高める関係構築と対話という重要な作業に専念できます」

私たちが目指すのは、変革を推進する人々が互いにつながるために、物理的にもデジタル的にも、適切な環境を生み出すことです。

Merid Berhe氏
プロダクト&デジタルエクスペリエンスオフィス責任者, World Economic Forum

常時サポートをダボス会議以外にも拡大し、常に進化を追求する

ダボス会議でスタートしたこの取り組みは、より広範なマルチエージェント戦略へと急速に拡大しています。Agentforceは、フォーラムの複数のチャネルにすでに導入されています。

フォーラムはAgentforceを立ち上げて、1t.orgが既存のメンバーと接続できるように支援しており、回復の取り組みを加速し、マングローブ林の保全と再生に着手しています。AIエージェントは、1t.orgでのチャットベースの体験を通じて、ツリーフォースサーフェス関連のリソースをリアルタイムで呼び出し、メンバーのアクションを支援しています。1t.orgメンバーがセルフサービスで必要な情報を取得できるようにサポートすることで、メンバーは速やかに行動できるようになり、フォーラムの職員もあらゆる質問に答える必要がなくなるため、効率アップにつながります。

ツリーフォースエージェントのデータは、PostgreSQLデータベースで構造化され、1t.orgコミュニティから直接取得したコンテンツとともにExperience Cloudで構成されます。Salesforce Acceleratorプログラムの一部として構築、導入されたこのAgentforceは、フォーラムで今後追加される200以上のグローバルイニシアチブをサポートする拡張可能なアプローチの基盤となります。

今後の展望として、フォーラムはAgentforceを活用し、組織全体でメンバーシップの登録とサポートケースの管理をシンプルにするビジョンを掲げています。

フォーラムは、こうした現在稼働中の実装と今後の計画を組み合わせることで、新たなエージェント型エンタープライズとしての地位を確立しています。具体的には、コミュニティ、職員、メンバーを同様にサポートし、職員による手作業を増やすことなく、人間味のあるパーソナライズされた体験を提供できるようになっています。


Agentforce 360 Platformでシステム、データ、人々をつなぎ、質の高い成果とインサイトを導き出す

Agentforceは、フォーラムの幅広いSalesforceエコシステムのほんの一部にすぎません。イベント中は、モバイルアプリやデジタルサイネージ、さらにバッジプリンター、セッションアクセス、交通、宿泊ツールまで、ほぼあらゆるシステムがSalesforceと連携され、情報の一貫性と最新の状態を保ちます。

フォーラムは、複数のSalesforceソリューションを駆使して、イベントやプログラム全体で参加者、メンバー、職員のシームレスな体験を調整しています。

  • Agentforce Serviceは、オムニチャネルアシスタンス、高度なケース管理、UpLink(フォーラムのオープンイノベーションプラットフォーム)などのポータルも含めて、Webやモバイル全体でカスタマーサポートを強化します。
  • Agentforce Marketingは、パーソナライズされたマルチチャネルコミュニケーション、イベントへの招待、ユーザージャーニー、コミュニティエンゲージメントを大規模に実現することで、アウトリーチとエンゲージメントを処理します。
  • MuleSoftは、フォーラムのSalesforce CRMをサードパーティの財務、人事、出張管理、業務システムに安全に接続します。
  • Tableauは、このデータを実践的なインサイトに変換し、イニシアチブ全体でエンゲージメント、参加状況、アカウント活動を追跡します。

これらのツールを組み合わせて、接続された単一のエコシステムを構築し、リアルタイムの意思決定、パーソナライズされた体験、運用効率をサポートすることで、フォーラムはグローバルなインパクトを最大限広めるために必要な拡張性、信頼性、信用を獲得できます。

深く統合されたAgentforce 360 Platformは、フォーラムがダボス会議でAgentforceを活用したコンシェルジュを立ち上げる際に、大きなアドバンテージをもたらしました。データとワークフローはすでに一元化されていたため、Agentforceのローコードツールを使用してAIエージェントをわずか5週間で設計、実装、テストできました。接続された単一のプラットフォームで実行することで、プロセスの合理化を進め、自動化でエラーを削減し、ワークフローを通じてグローバルな運用の全体で一貫性を保つことができました。

世界中のもっとも影響力の大きいリーダーが集うイベントでは、データセキュリティが不可欠です。フォーラムは、ShieldAgentforce Trust Layerを組み合わせることで、高度な暗号化、詳細なユーザー活動モニタリング、監査証跡、ゼロデータリテンション、動的グラウンディングを実現しました。こうした保護を通じて、GDPRやHIPAAなどの規制に確実に準拠し、機密データを保護し、アプリケーションの全機能を維持することで、フォーラムはAIを活用したサービスを自信を持って安全に拡張できました。

Salesforceは、スピード、効率、エンタープライズクラスのセキュリティを組み合わせることで、フォーラムがAIを活用したサービスを大規模に提供できるように支援し、グローバルなイベントの体験と管理体制の刷新をサポートしています。