



本来、チームはリードの創出、成約、顧客課題の解決といった重要な業務に集中すべきですが、多くの場合、反復的な手作業に多くの時間を奪われています。たとえば営業部門では、営業担当者が実際に営業活動に充てられる時間は、平均的な週でわずか30%にとどまります。では、残りの時間は何に費やされているのでしょうか?多くの場合、それは顧客情報や営業データの入力、リードの優先順位付け、見積書の作成といった、重要ながら時間のかかる業務です。
幸いなことに、CRM自動化を導入することで、こうした負担を大きく軽減できます。顧客関係管理(CRM)ソフトウェアに自動化機能が連携されていれば、手動のプロセスを効率化し、場合によっては完全に排除することも可能です。これにより、マーケティング、営業、カスタマーサービスチームの生産性と業務効率が大幅に向上します。さらに、人工知能(AI)と組み合わせることで、生産性は一層高まります。それでは、CRM自動化がビジネスの成功にどう貢献するのか、詳しく見ていきましょう。

CRMを使い始めたばかりの場合は
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CRM自動化の利点とは?
CRM自動化がビジネスを改善する主な方法をご紹介します。
効率性と生産性の向上
CRM自動化によって、チームの効率性と生産性が向上し、より付加価値の高い業務に集中できるようになります。
マーケティングチーム向け
- キャンペーンワークフローを効率化。広告のスケジューリング、メール配信、ソーシャルメディア投稿の管理を自動化することで、キャンペーンを継続的かつスケジュール通りに展開できます。
- A/Bテストの自動化。CRM自動化を活用すれば、広告クリエイティブ、ランディングページ、メールデザインなどのキャンペーン要素を効率的にテストできます。マーケティングAIがパフォーマンスデータを解析し、その結果に基づいて、キャンペーンを自信を持って実行、最適化できます。
- リードスコアリングの自動化。AIはリードデータ、行動、エンゲージメント履歴を分析し、コンバージョンの可能性に応じてスコアを自動で付与します。これにより、有望なリードを的確に絞り込み、関係構築に集中できます。
営業チーム向け
- 連絡先の作成と管理を自動化。メール、イベント、その他の種類のエンゲージメントアクティビティを自動的に取得し、直接CRMに追加します。自動化機能により、会議の依頼や競合他社の言及がオンラインで検出された際に営業担当者へ通知され、受信トレイ内の重要なメールを自動でマークすることも可能です。
- リードを監視し、優先順位を自動で付与。営業向けのAIは、成約見込みの高いリードを絞り込み、当該顧客や類似顧客との過去の成功事例に基づいたフォローアップアクションを提案します。また、リスクの高いリードを特定し、成約につなげるための最適なアプローチを提示します。
- 取引のスピードアップと意思決定の高度化。AIはすべてのタッチポイントで製品と価格の整合性を保ち、新製品やバンドル、プロモーションを通じて、市場の変化に迅速に対応できるよう支援します。
カスタマーサービスチーム向け
- 一般的な問い合わせの対応を自動化。CRMに連携されたAI搭載チャットボットは、顧客が簡単なリクエストを自己解決できるよう支援し、サービス担当者はより複雑なケースに集中できるようになります。
- ケースを1つのAIエージェントで完結。カスタマーサービスAIは、問題に最適なAIエージェントにケースを自動で割り当て、適切な返信や記事、次のアクションを提案します。また、顧客のリクエストを解釈し、あらかじめ定義されたシナリオに依存することなく、適切なアクションを実行できます。
- 顧客接点を向上。AI自動化により、返信の生成、製品に関する質問への対応、ナレッジ記事の作成、ケース完了後の要約までを自動化できます。

AIを活用したCRMへのジャーニーをマッピング
Forrester社が700名を超えるビジネスリーダーを対象に実施した調査をご覧ください。顧客サービス向上に向けて、ビジネスリーダーたちがどのようにAIを活用しているかをご確認いただけます。
顧客体験とエンゲージメントの向上
サービスチームにとって、AIチャットボットなどのセルフサービスツールは、簡単な問題を迅速に特定し解決することで、顧客体験を向上させるのに役立ちます。セルフサービスは顧客にとっても効果的です。60%を超える顧客が、基本的な問題の解決にセルフサービスを利用することを好んでいます。
セルフサービスツールに加え、自動化されたサービス応答や、AIが生成するオファーやレコメンデーションにより、サポート担当者はより重要な業務に集中できます。たとえば、複雑なケースへの対応、幅広い製品のサポート、そして何より顧客関係の構築に注力できます。顧客は今もなお、人間による対応を望んでいます。ブランドアンバサダーとしての役割も担うサービス担当者は、そうしたつながりを築くための時間を確保できます。
CRM自動化の特徴とは?
CRMには、生産性と効率性を高めるための多くの機能が搭載されています。CRMを選ぶ際には、以下のような自動化機能が含まれていることを確認してください。
取引先責任者管理
CRMの自動化により、マーケティング、営業、サービス部門において、常に最新の顧客情報を活用できるワークフローを構築できます。これにより、チームは最新のインサイトを活用して、適切な意思決定を行うことができます。
通知とリマインダー
CRMソフトウェアは、新規連絡先の作成、会議のリクエスト、サービスケースの完了など、特定のアクションに対して自動的にチームへ通知します。
ワークフローの自動化
CRMの自動化は顧客とのやり取りだけでなく、社内の連携も支援します。その理由は、AIが複雑なマルチユーザープロセス を効率的なワークフローに自動化できるからです。また、他のアプリと完全に連携されたコミュニケーションプラットフォーム により、共有ワークスペースでのコラボレーション、ノーコードでのプロセス自動化、対話型AIによるワークフロー生成も可能です。
リード管理
CRMの自動化は、リードの特定、追跡、評価を支援し、営業担当者ごとにパーソナライズされたタスクリストを作成できます。また、商談の進行状況を継続的に把握し、目標達成に集中できるようにします。
CRMの自動化はビジネスにどのように役立つか
現在、多くの企業がCRMの自動化を最大限に活用し成果を上げています。その具体的な事例を見ていきましょう。
AIがHolmes Murphy社のマーケティングと契約更新を推進
適切なメッセージを、適切なタイミングで届けることはマーケティングの基本的な目標の一つです。保険仲介会社のHolmes Murphy社は、この目標をCRM自動化によって実現しています。マーケティングチームはAIを使って見込み客の行動を分析し、よりスマートでパーソナライズされたキャンペーンを構築しています。たとえば、AIが各連絡先のメールやプッシュ通知のエンゲージメントデータを分析することで、最も反応が得られやすいタイミングを予測し、最適な送信スケジュールを設定できます。
さらに同社では、AIを用いて更新プロセスを合理化し、リスクの高いアカウントにはフラグを立てることで、チームが顧客維持により多くの時間をかけられるようになりました。その結果、約44,000時間の作業時間と690万ドルのコストを削減しています。
チャットボットで季節雇用のコスト削減と生産性向上を実現
新学期が始まると、生徒たちは新しい教科書を購入します。これに伴い、書籍出版社であるWiley社には多くの問い合わせが寄せられます。同社では、この繁忙期に対応するため、これまで追加でカスタマーサービス担当者を雇用してきました。現在では、AI搭載のチャットボットが一般的な問い合わせに対応しており、季節雇用のスタッフ数を削減することに成功しています。さらに、生成AIが顧客からの問い合わせに対して正確な回答を自動生成することで、担当者はより迅速に案件を解決できるようになりました。臨時スタッフの研修期間も従来の半分以下に短縮され、年間で約23万ドルのコスト削減を実現しています。案件が完了すると、AIが通話内容を自動で要約し、Wiley社はそれを傾向分析、製品フィードバックの収集、そして顧客体験の向上に活用しています。
AIがRBC Wealth Management社のサービスとコラボレーションを促進
RBC Wealth Management社のファイナンシャルアドバイザーは、新規顧客とのミーティング準備に3〜4時間を費やしていました。これは、最大26の異なるシステムから顧客情報を抽出する必要があったためです。しかし現在では、1つのCRMシステムにサードパーティ製のレガシーシステムを連携したことで、各顧客の情報を一元的に把握できるようになり、適切なタイミングでAIを活用したインサイトや推奨アクションを取得できるようになりました。たとえば、優先顧客への連絡が期日を過ぎた場合、AIがアラートを出し、自動ワークフローによって迅速にミーティングが設定されます。これにより、アドバイザーは事務作業に費やす時間を削減し、ビジネスの拡大に注力できるようになりました。
RBCではさらに、統合型プロダクティビティプラットフォームであるSlackを活用し、社内のコラボレーション効率も向上させています。運用チームは、複雑なサービス課題の解決に協力して取り組み、アドバイザーは顧客との計画や退職目標に関する会話にこのツールを活用しています。
CRMの自動化でビジネスを改善する
CRMの自動化は、マーケティング、営業、カスタマーサービスにおける、重要ながらも繰り返し発生する手作業を効率化し、チームがより価値の高い業務に集中できる時間を生み出します。AIを活用して業務負担を軽減することで、より成果を上げる強いチームづくりにつながります。
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