導入初年度に「売上高14億円の壁」を突破、2年間で売上高10%増! 社内SNS Chatterでベテランと若手の情報共有を促進し製造業のノウハウを継承する”

 

「ベテラン社員たちが長い年月をかけて積み上げてきた技術やノウハウを必要としている若手社員はたくさんいるのに、そうした情報を社内でうまく共有できない。何とかならないものかと試行錯誤する中で出会ったのがSalesforceでした」
そう話すのは、大創株式会社の代表取締役社長を務める大塚雅一氏。創立40周年の節目を迎えた2011年、創業者である父の攘治氏(現代表取締役会長)から事業を引き継いで社長に就任した少壮の経営者である。

同社は、大阪府大東市に本社を構え、さまざまな製品のパッケージ等を作る際に使われる「抜型」の製造、販売を事業の主軸に据えるメーカーだ。抜型とは、パッケージの展開図の形に合わせて木製の板にレーザーで溝を彫り、その溝に刃や罫線を埋め込んだもの。それをプレスすることによって紙やダンボールをパッケージの形に切り抜く。抜型自体は一般の目に触れるものではないが、菓子や家電品、ティッシュペーパーなど、身の回りのありとあらゆる製品の箱やラベルは、これを用いて作られている。

1971年に設立された同社は、高い開発力と技術力に裏づけられたモノづくりによって顧客を増やし、1990年代半ば以降、それまで大阪の1カ所だった工場を九州、神奈川、東京に新設するなど、着々と事業を拡大していった。2013年6月時点の従業員数は125名(パート・アルバイト含む)、2012年6月期決算では売上高約14億2千万円を計上している。

しかし、パッケージなどの包装資材は、企業にとってコスト削減の対象にされやすい。紙器・段ボール市場は不況の長期化により縮小を続け、それにともなって関連業界ではシェア争いが激化し、同社を含む抜型メーカー各社は過当競争に陥っていった。

「事業は好調でしたが、この先さらに市場が縮小するのは明らかでしたし、また技術力に自信があるといっても、機械化と情報化の進んだ現代においては、同等の設備さえあれば、どの企業でもほぼ同レベルの製品を作ることができてしまいます。となれば必然的に、勝敗を決するのは『人材』ということになります。いかにお客様のご要望を聞き出し、それに対して最適な提案をするか。そういうノウハウは、これまで企業活動を支えてきたベテラン社員の中に蓄積されているはずです。よって、そのノウハウを若手社員と共有して営業スキルを向上させ、『人材』を『人財』に育て上げることこそが、競合他社に勝ち、会社をさらに発展させる上で不可欠であると考えました」(大塚氏)

 

 

課題は情報共有と営業力強化
転機となったChatterとの出会い

そのためには、ベテランと若手の交流を促し、情報共有を図る場が必要になる。同社がメーリングリストとウェブ掲示板を業務に取り入れたのは、そういう理由があったからだ。しかし、冒頭の大塚氏の述懐のように、経営陣の思い描いた通りにはならなかった。

「創業から40年が経過して、社員の世代ギャップが広がり、また事業規模の拡大とともに、各事業部・工場の持つノウハウの差が顕著になっていました。そこをカバーするために掲示板等を使い始めたわけですが、各社員の意識のベクトルがどうにも合わない。"おいしい"話題はたくさん転がっているのに、若手がそれを拾えないという状況が続きました」(大塚氏)

そうした課題の解決に苦慮すると同時に、当時副社長だった大塚氏には、熾烈な競争を勝ち抜く上でカギを握る営業力の強化のため、営業マンの行動を効果的に管理できるシステムを導入したいという思いもあった。ただ、自身も営業出身であるだけに、「システムで管理される」ことに対して抵抗を感じる社員がいるであろうことも想像できた。

「そんなとき、セールスフォース・ドットコムからタイミングよくリリースされたのが、企業向けソーシャルネットワークのChatterでした。見た瞬間、『ああ、まさにこれがやりたかったんだ』と思いましたね。社員それぞれの行動に対して、各人が情報を載せることのできるこのツールなら、ベテランと若手のコラボレーションを促進できると確信しました。もちろん、他の大手ベンダーの営業支援システムとも比較検討しましたが、やはりどれも『営業マンの行動を管理する仕組み』という色彩が濃く、仮にそれらを単体で導入すれば、社内の反発を招くだろうと思いました。その意味でも、誰でも簡単に、自由に使えそうなChatterの存在は大きく、弊社にとってはSalesforceを選ぶ決め手になりましたね」(大塚氏)

早速、大塚氏は、取締役会や各工場の責任者に対して導入を打診。興味深い試みであり、ぜひ導入して欲しい、との同意を得ることができた。一方、当時の社長の攘治氏からは、当初難色を示されたものの、導入によって実現できることや費用対効果などを説明した結果、最終的に、抜型の原価管理ができるようになるなら導入を許可する、という言葉を引き出すことに成功した。

Chatterを社内に浸透させた
ベテラン社員の自発的な利用

2010年11月、同社は、Chatterおよびクラウド型営業支援ツールのSales Cloudを導入。ただし当初は、社員にはあえてChatterしか使わせず、営業活動に関する書き込みも強制しなかったという。

「新しいツールを利用し始めることに対して、営業マンに面倒だと感じさせないために、まずは楽しく使ってもらうことが大切だと思ったのです。利用のハードルを下げるため、社員には『これは社内コミュニケーションツールだから、Facebookのようにどんなことでも書き込んでいいよ』と伝えました。それが情報共有の第一歩であると考えたからです」(大塚氏)

この"導入作戦"に反応して、Chatterを最初に使い始めたのは意外な人たちだった。普段、SNSなどをあまり利用しない50~60代のベテラン社員たちが、誤字脱字を交えつつ、阪神タイガースの勝敗から若手に対する叱咤激励に至るまで、さまざまな話題を積極的に書き込み始めたのだ。

「一般に、年配者のほうが、新しいツールに対してアレルギー反応を示すことが多いと思いますが、本当に気軽に社内SNSを楽しんでいるという感じでした。ただ、もしかすると彼らも、私と同様に、情報共有の進まない社内の現状に危機感を抱いていて、意識的に使ってくれていたのかもしれません。いずれにせよ、新しいツールを社内に浸透させる上で、今年63歳になる取締役を始め、先輩社員たちが自ら先頭に立って引っ張ってくれたことの効果は絶大でしたし、本当にありがたかったですね」(大塚氏)

大塚氏自身も、特定の相手にChatterの更新を通知する機能「メンション」を使い、社員ひとりずつに呼びかけるなどして周囲を巻き込んでいった。ときには、こんな趣向を凝らしたこともあったという。

「『iPadが欲しい営業マンはコメントをください』とChatterに書き込んだんです。平たくいえば"エサ"をまいたわけです。常にChatterをチェックしている社員は飛びつきますよね。ある日突然、彼らの手元にiPadが届き、当然社内では、『これ、どうしたの?』『いや、社長がChatterに書き込んでいたので』と話題になる。私のところへ『第二次募集はないんですか?』と聞きにきた社員もいましたよ(笑)。Chatterを見ないと損をする、と感じるところからスタートした社員も、その有用性と魅力にどんどん惹きこまれていって、今ではかなりのヘビーユーザーになっています」(大塚氏)

そうしたステップを踏んで、徐々に新しいツールに慣れさせる大塚氏の作戦は功を奏し、その後、Sales Cloudを本格的に使い始めた際にも、社内に拒否反応はなく、非常にスムーズに受け入れられたという。

データの可視化で営業活動数が激増し
「売上高14億円の壁」を突破

大塚氏は、売上などのデータをグラフ化してビジネス全体を把握できるSales Cloudの機能「ダッシュボード」を使って、まず、営業の活動数を可視化。活動数の増加が売上に直結していることがわかると、毎週月曜日、全社員にレポートをメールで配信し始めた。それを境に、全営業マンの活動数が飛躍的に増加し始めた、と大塚氏は振り返る。

「配信開始から1カ月後に3割増、その1カ月にはまた3割増、という具合に活動数が爆発的に増えていきました。『彼がこんなに売上を伸ばしているのは、これだけ活動しているからなのか。私もがんばらないと』と前向きにとらえ、奮起した社員が多かったようです。今でも活動数のレコードはどんどん更新されていますし、皆の意識がずいぶん変わったと感じます」(大塚氏)

その結果、同社にとって大きな目標だった「売上高14億円の壁」を、導入初年度の2011年6月期決算で突破。その後も前年比約5%増のペースで売上を伸ばし、2013年6月期の決算では売上高15億2千万円に達する見込みだという。縮小傾向にある紙器・段ボール市場においては異例の業績といえる。

それでも大塚氏は、Salesforceをもっと使いこなし、さらに大きな成果を上げたいと考えているようだ。

「弊社のお客様の多くはSalesforceのことをご存じないので、年内中にそうした方々とグループを作って情報共有を図り、Salesforceのメリットを共に享受していきたいと思っています。それから社内的にも、今はまだできていませんが、Salesforceで売上予測を行い、目標に対してより確実なアクションを取れるようにしたいと考えています。弊社が、そういうSalesforceの"一番おいしいところ"を味わうのはこれから、という感じですね」(大塚氏)
最後に大塚氏は、Salesforceの導入を検討している企業に対して、こんなアドバイスをしてくれた。

「弊社にも20代の若手社員がいますが、経営者やベテラン社員が彼らと面と向かって話をしたり、コミュニケーションを取ったりするのはなかなか難しいことです。私のような事業継承者の中には、それで悩んでいる方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。社員とのコラボレーションを充実させたい、経営意志をはっきりと表現したいという方には、Salesforceをおすすめしたいですね。特に製造業のノウハウの継承においては、非常に有効なツールだと思います」(大塚氏)

 長年の企業活動によって蓄積されたノウハウは、会社にとって何ものにも代えがたい財産だ。しかし、それを有効に活用できるか否かは、まったく別の問題なのである。

 
 
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