ノウハウ共有の方法とは?メリットや活用できるツールを紹介

 
最終更新日:2024.2.6

さまざまな現場の業務には、個々のメンバーが経験によって獲得したノウハウがあります。こうしたノウハウは、企業にとって貴重な資産となります。チーム内でノウハウを共有することができれば、チーム全体のパフォーマンスが上がり、業務をさらに効率化することも可能です。

ここでは、効果的なノウハウ共有の方法について解説します。

ノウハウは組織の大きな財産

情報だけでなく、業務に関わるあらゆるノウハウを関係者同士で共有する。「ノウハウ共有」あるいは「ナレッジマネジメント」などと呼ばれるこうした手法が、近年になって注目を集めています。

人手不足の時代、製造業の現場では「技術の継承」が大きな課題となっています。一度失われた技術を取り戻すことは簡単ではありませんから、その重要性は容易に推測できます。また、セールスの分野でも、優れた手法やノウハウ、成功事例をチーム内で共有・蓄積しようという動きが強まっています。

ネットで流通している知識とは異なり、実体験から導き出されたノウハウは、個人の中に眠っている「仕事の知恵」です。しかし、それをほかのメンバーにも共有することができれば、組織にとって大きな財産となるはずです。

ノウハウ共有で生まれるメリット

組織というものは、程度の差こそあれ、何らかの課題や問題を抱えているものです。その原因はさまざまですが、ノウハウ共有がもたらすいくつものメリットは、組織の課題解決にも役立つことが多いものです。
ここからは、ノウハウ共有によるメリットをいくつかご紹介します。

<ノウハウ共有で生まれるメリット>

  • 属人性が低下しチーム力が高まる
  • 作業の繰り返しを防ぎ、作業効率が上がる
  • 顧客満足度が高まり、LTV向上につながる
  • メンバー間での信頼関係が強まる

属人性が低下しチーム力が高まる

セールス部門では、個々のメンバーがそれぞれにノウハウを持ち、自分なりのスタイルで業務にあたることが多いものです。しかし、属人化されたノウハウは、メンバーの異動や退職があると、すべて失われてしまいます。独自のノウハウで獲得・維持してきた顧客がいれば、その顧客すら失うことにもなりかねません。
しかし、ノウハウを組織内で共有すれば、そうしたリスクを回避できます。また、能力の高いメンバーの成功事例からほかのメンバーが学ぶことで能力のばらつきを均質化し、チーム全体のパフォーマンスを底上げすることができますし、いろいろな事例を蓄積しておくことで、どのような場面にも対応できる柔軟さを身につけることもできます。
 
 

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  • ROIを最大化するには

作業の繰り返しを防ぎ、作業効率が上がる

各メンバーが共通して行っている作業を一本化して共有しておくことで、繰り返し作業を防ぎ、時間を効率良く使うことができます。
セールスではフェーズによって、必要な情報や作成する資料が異なりますが、これを各メンバーがそれぞれ作成していたら、大きな時間的ロスになります。こうした資料は、客先が違うからといって、内容にはさほど違いがありません。そこで、メンバー間で共有しておき、必要に応じて手直しして使うようにすれば、作業効率は一気に高まります。
さらに、使い続ける中でメンバーが知恵を出し合い、ブラッシュアップしていけば、より有用な資料へと改善していくこともできます。

顧客満足度が高まり、LTV向上につながる

ノウハウ共有によって属人性が排除されるということは、チーム内の全員が同じ行動をとることができるということになります。これは、顧客の信頼を高め、LTV(顧客生涯価値)の向上につながることでもあります。
顧客は、担当者が代わる度に、自社の状況を説明したり、同じミスを起こされたりすることを当然嫌います。しかし、ノウハウの共有が十分でないと、このようなことが高い確率で起こりえます。
既存顧客の信頼をさらに厚くし、継続的な収益につなげるためにも、ノウハウ共有は大きな力を発揮してくれるのです。
 
 

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メンバー間での信頼関係が強まる

メンバー間での緊張感や競争は、それが適度なものならばチームにとって有効に働くでしょう。しかし、誰かが自分だけの情報やテクニックを囲い込んでしまうと、チームの人間関係にも悪影響を及ぼすことがあります。
しかし、ノウハウを積極的に共有すれば、そうしたことは起こりにくくなります。些細な情報や、ちょっとしたテクニックでもオープンにできる環境になりますから、チーム内のコミュニケーションも自然と活性化するでしょう。メンバー同士の信頼関係が高まれば、何らかのトラブルやアクシデントが起こった際にもチームとして対処し、収束を図ることができます。

ノウハウ共有のステップ

ここからは、ノウハウ共有のしくみを導入し、浸透させるプロセスをご紹介します。実際の作業は、組織の規模や状況によって違いがありますから、自社に合った形で導入していくことが大切です。
また、共有のしくみを作り上げ、スムーズに運用させるまでには、ルールの策定や現場の意見調整など、さまざまな作業が必要です。ですから、部門内のプロジェクトと位置づけ、担当者を置いて進めていくといいでしょう。

<ノウハウ共有のステップ>

  1. なぜ必要なのかを理解させる
  2. 共有のルールを定めておく
  3. 共有のしくみを作る
  4. 成果を検証し、改善を重ねる

1. なぜ必要なのかを理解させる

新しいことを始めようとすると、かなりの頻度で「また何か余計なことを…」というような拒否反応が起こります。その多くは、「手間が増える」「面倒くさい」という、半ば感覚的なものなのですが、そのまま放置しておいては新たな一歩は踏み出せません。
ですから、ノウハウ共有を行う前に、まず「なぜそれが必要なのか」ということを、組織内に十分に理解させることが重要です。

また、ノウハウ共有によって手間が増えることは間違いありませんから、それを超えるどのようなメリットがあるのかということも、メンバー全員がしっかり理解できるまで説得すべきでしょう。ツールを使う場合、ツールの使い方を覚え、情報を入力する手間は増えるものの、作業効率が高まって本来のコア業務に没頭できる時間が増えれば、それはメンバーにとってもメリットになるはずです。

2. 共有のルールを定めておく

次に必要なのは、共有のルールを定めることです。まず決めるべきは、「何を共有するか」でしょう。
訪問や見積書の枚数などの行動量、活用した資料などは、数字やファイル名で示すことができますが、「クロージングのタイミングの計り方」や「状況に応じたトークの内容」などは、そのまま記録することができません。正確さを求めると、記録・入力作業そのものが大きな負担となってしまいます。
かといって、記録の方法を統一しておかないと、後から検索をかける際に取りこぼしてしまったり、内容がわかりにくい記述になってしまったりします。ですから、なるべく端的かつ誤解のないような記録の仕方に統一しておくことです。

3. 共有のしくみを作る

ルールの設定と並行して、「どのようなツールを使うのか」「どのように業務に取り入れていくのか」「成果をどのような指標で測定するのか」「見直しのタイミングをどこに設定するのか」といった、ノウハウ共有の運用のしくみづくりも必要です。

ワークフローの変化を伴うしくみづくりでは、「やってみないとわからない」ということにしばしばぶつかります。そのため「とりあえずやってみて、不備があれば検討しよう」ということになりがちです。
その場合、「やっぱりダメだった」というところに落ち着きやすいもの。そうした結末を避けるためにも、事前にできるだけ細かいところまで作り込んでおいたほうがいいでしょう。そうでないと、ツールやシステムへの投資が無駄になってしまいますし、「ノウハウ共有はうちでは無理」という悪しき前例だけが残ることになります。

4. 成果を検証し、改善を重ねる

ノウハウ共有をスタートしたら、その運用状況は常にモニターしておきましょう。「すべてのメンバーが支障なく共有のしくみを活用できているか」「成果は上がっているか」「修正が必要な部分はないか」など、現場の状況に応じて改善を重ね、より使いやすく成果が上がる枠組みへと改善していきましょう。
ノウハウ共有の目的は、そのしくみを作ることでも、運用することでもありません。効果的に活用して、収益という結果に結びつけることです。もちろん、すぐに結果が表れるものでもありませんから、長いスパンで成果を測定し、メンバーの声もフィードバックしながらブラッシュアップしていきましょう。

ノウハウ共有を行う方法

ノウハウ共有を行う代表的な方法は、以下のとおりです。

<ノウハウ共有を行う方法>

  • 勉強会の実施
  • マニュアルの作成
  • ノウハウ共有ツールの活用

社内勉強会で成功事例や専門知識などのノウハウ共有をすることで、社員全体のスキルアップを図れます。また、オンラインのノウハウ共有ツールを活用すると、ノウハウの検索性が向上し、いつでもアクセスできるようになります。

ノウハウ共有で利用できるツールは?

ノウハウ共有では、プラットフォームとなるツールが必要です。どのツールがいいのかは、組織の規模や状況によって違いますから、一概にはいえません。
ここからは、ノウハウ共有で利用できるツールの種類をいくつかご紹介します。

<ノウハウ共有で利用できるツール>

  • 社内SNS
  • グループウェア
  • オンライン学習プラットフォーム

社内SNS

プライベートで利用されることの多いSNSを社内に導入すれば、情報の発信・記録が手軽にできます。グループを設定しつつも、部署を越えたやりとりもできますから、使い勝手は抜群でしょう。
ただし、蓄積されていく情報の管理という点では作業が繁雑になりますから、ごく小規模な組織向きかもしれません。

グループウェア

グループウェアは、情報の発信・記録に加え、スケジュールやタスクの管理・共有もできますから、ノウハウ共有の役割を持たせるには適しています。すでにこうしたツールを導入しているなら、作業負荷の増加に対する現場の抵抗感も少ないでしょう。
ただし、どのような機能を使って共有のしくみを構築するかは、コストも含めて検討が必要となります。

 
 

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  • なぜCRMで売上や生産性が伸びるのか
  • CRM戦略の立て方とは
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オンライン学習プラットフォーム

蓄積されたノウハウをオンライン学習プラットフォームに蓄積すれば、人材育成に活用することができます。個々のメンバーが空いた時間に過去のノウハウを学ぶことができますし、新規メンバーのオンボーディングをよりスムーズにし、短期間でパフォーマンスを高めることにも役立ちます。
個々のメンバーのノウハウを「企業の資産」と考えれば、これが資産価値を最大化させる方法のひとつといえるでしょう。
Salesforceでは、「Trailhead」というオンライン学習プラットフォームを提供しています。

ノウハウ共有を成功させるポイントは?

ノウハウ共有は、ルールやしくみの構築から導入・運用まで、いくつもの作業を経て実現します。しかし、そのプロセスの中には、注意すべきポイントもあります。
最後に、ノウハウ共有を成功させるポイントを2つ解説します。

<ノウハウ共有を成功させるポイント>

  • 誤解のないよう、明文化する
  • ノウハウ共有と人事評価をリンクさせる

誤解のないよう、明文化する

ノウハウ共有の方法について、誤解のないように明文化するというのは、たとえば「訪問提案の後、必ず電話でフォローする」ということでは不十分です。こうした書き方では「いつ」が曖昧ですし、「誰に」「どのように」が不明です。また、「フォローする」だけでは、「ご検討をよろしくお願いします」だけで終わりになりかねません。
「こちらの提案の理解度をどう測定するのか」「回答をもらう期限をいつ頃に設定するのか」といったところまでカバーし、誰が見ても誤解のない内容に明文化するようにしましょう。

ノウハウ共有と人事評価をリンクさせる

能力の高いメンバーにとって、ノウハウは自分自身の武器でもあります。「やすやすと公開したくない」という感情は理解できます。ですから、ノウハウを公開した側には何らかのインセンティブを設けたり、人事評価にリンクさせるしくみを作ったりするといいでしょう。
同時に、ノウハウを学ぶ側にも配慮し、ほかのメンバーのノウハウを活用するメリットを理解してもらうような働きかけや、それによる評価のしくみなどを設定できれば、なお良い結果を得られるでしょう。

かけがえのないノウハウという資産を、有効に活用しよう

個人が経験を通じて獲得したノウハウは、アプリや情報、ビジネスツールのように、「購入して導入する」ということができません。つまり、企業にとっては、実に得がたい資産といえます。
その資産をどのように蓄積し、磨き上げ、有効に活用していくか。それは、すべての企業が持つ課題でもあるでしょう。
かけがえのないノウハウという資産を無駄にせず、業務の中で活かす方策を、ぜひとも見つけ出してください。

 
 

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