経営者のストレスの1つは、先の売り上げが見えないこと。今期の売り上げは見えても、来期やその先の売り上げについては直前まで見えない、という状況は、戦略策定上望ましくありません。この原因は、売り上げが見えそうな(すぐに買ってくれそうな)顧客ばかりを対象に営業していることにあります。今期に買うか買わないかの2択のみの営業を続けていると、「買ってくれる顧客」を常にゼロから探し続けるというサイクルから抜け出せません。これを解決するために、営業と販売促進などマーケティングを担当する部署が分業して、マーケティングが見込み案件を継続的にフォローし、確度が高くなったら営業に渡すというやりかたに注目が集まっています。しかし、営業とマーケティングの協業にあたっては、お互いが不満を持ち、大きな壁が存在するのも事実です。

マーケティングを担当する部署は、自分たちが渡したリード(見込み案件)を営業がすぐにフォローしてくれないと不満を持っています。それに対して営業部門は、マーケティングから渡されるリードは検討・購入段階になるまで時間がかかることや、案件単価が低いことなどの理由で重要案件ではないとみなし、手間をかけてフォローする余裕はない、意欲が起きないという反論します。この問題の原因は、マーケティングと営業の間で、リードに対する認識を合わせていないことにあります。

営業部門にリードを渡しても迅速に
フォローしてくれない
vs
マーケティング部門からのリードは
すぐに案件化しないレベルのリードが多い

企業向けの製品やサービスは、情報収集から検討、購入まで、一定の時間をかけて購入されます。しかし、営業部門は既存顧客との取引対応や月々の売り上げ責任があるため、購買のステージが進んでいない案件のフォローは後回しになります。
よってマーケティングが、営業がフォローしたいと思うリードを渡すためには、マーケティングと営業の間で、渡すべきリードの基準を明確化し合意するプロセスが欠かせません。その基準に達していない場合は、マーケティングを担当する部署が引き取って育成(ナーチャリング)を行います。マーケティングと営業が両輪となってリード獲得、育成、案件化を進めていくことで初めてBtoBマーケティングの成功に繋がるのです。
リードがそれぞれどのステージにあるか(基準を満たすレベルにまで成熟しているか)を調べるのは、従来は手間のかかる作業でした。ところが、いまや顧客はホームページやeメールを閲覧し、問い合わせる前に情報収集を活発におこないます。マーケティング部門は、ホームページへの訪問履歴や、eメールの開封履歴などを、デジタルテクノロジーを使って一元管理することで、リードのステージ確認やステージアップ施策を効率的に実施できるようになりました。その手法はマーケティングオートメーション(MA)と呼ばれ、多くの企業で導入が進んでいます。MAではターゲットセグメントごとに最適化したメールを配信できるため、全ターゲット向けの内容を詰め込んだメールを一律に配信するよりも、顧客の開封率が高くなります。その結果を踏まえて購買意欲を確認したり、購買意欲を引き上げたりすることができるのが、MAを活用したメールマーケティング手法です。

MAでは、メールの配信フローも自動化することができます。ターゲットセグメントごとのメール配信や、閲覧コンテンツの分析によるスコアリング、そのスコアリング結果に基づく次のメール配信など、カスタマージャーニーと呼ばれる検討・購入までの仮説プロセスにそったコミュニケーションを、自動で実施できるのです。
マーケティングオートメーションツールのなかでも国内での導入が最も多い*製品がセールスフォース・ドットコムPardotです。

*(出典)DataSignReport
・上場企業3,634社の導入状況(10月2日公開・調査期間9月20日​)
https://datasign.jp/blog/datasign-report-20181002/

​・上場企業の枠を外した国内約18万サイトの導入状況(10月2日公開・調査期間2018年9月8日 〜 9月16日)
https://datasign.jp/blog/datasign-report-docodoco-20181002/

営業とマーケティングが連携するには、見込み案件の発掘から成約までのプロセスを共通言語で認識できる環境が必要です。つまり、MAとSFAのツールが連携できている必要があります。PardotはSFA/CRMツールのデファクトスタンダードであるSales Cloudと同じセールスフォース・ドットコムの製品のため、連携に特別な作業が必要ありません。Sales CloudユーザーであればPardot導入による効率的なマーケティング支援が簡単に実現可能です。担当営業へのリード自動割り当てはもちろん、リードの行動履歴に応じてアラートを出すことも可能なため、例えばもし積極的にWebコンテンツを閲覧しているリードがいれば、営業が即日フォローすることもできます。CRM内の顧客情報も共有できるため、常に最新の顧客情報に基づき精度の高いマーケティング活動を実施できることも大きなメリットです。

PardotはSales Cloudと非常に緊密に連携しているため、クローズドループレポート機能を通じて、受注した案件の要因となった活動をあぶりだすことができます。受注した案件と、それが発生した見込み客発掘活動とを結びつけることで、受注につながりやすい施策の傾向が明らかになります。また、ライフサイクルレポート機能では、営業サイクルの健全性を全体像で確認して、営業プロセスのどこがボトルネックになっているのかを知ることができます。動向追跡によって、見込み顧客のホームページでの行動を可視化し、ナーチャリングから商談に至るまでのプロセスを把握することも可能です。受注につながりやすい顧客の行動の中から、当初は想定していなかったものに気づけることで、適切な投資配分とともに、マーケティング施策の受注化率の精度を向上することができます。

MAとSFA/CRMが分断されているシステムでは、投資対効果や受注化アップのための分析もマニュアル作業になるため、マーケティング活動の最適化に手間と時間がかかってしまいます。PardotはSales Cloudと顧客データを一元管理しているため、そのようなことは起こりません。効果の高いマーケティング実現には一元管理された顧客データの分析は欠かすことのできない要件です。
Pardotを利用すれば営業企画や販売促進などマーケティング部門ではない部署でも高度なデジタルマーケティングが簡単に実施することができます。デジタルマーケティングを実施しリード獲得に成功した事例を紹介しましょう。

パワーエレクトロニクス分野のリーディングカンパニーとして高い評価を受けているコーセル株式会社は、国内事業を着実に伸ばす一方で、グローバル展開も積極的に推進していました。1990年に米国子会社、1997年にドイツ販売子会社を設立しました。アジア地域での販売も1993年にスタート、販売代理店経由でのビジネスを拡大してきました。ここで課題になったのが成熟しつつあるアジア市場で、さらなる成長を遂げるための営業体制の確立でした。インターネットや携帯電話の普及が急速な勢いで進んだことで、『力ずくのアウトバウンド型営業』は通用しなくなったのです。そこでコーセルは「ユーザーに密着し、ユーザーを掌握する」営業の実現に向けた取り組みを開始したのです。

その第一歩となったのが、Webを活用してリードを獲得し、商談につなげる仕組みの構築でした。そのデジタルマーケティングの基盤としてSalesforce Pardotを導入、2016年4月に運用を開始しました。Webページに掲載するコンテンツも、主として製品スペックを紹介する内容から、ユニークセールスポイントを訴求する内容へと変更しました。利用企業にとってのメリットやベネフィットを最初に語り、それがなぜ実現できるのかを説明する構成にすることで、問い合わせフォームに誘導するよう工夫しています。

Webサイトで集めたリード情報をもとに、メールマガジンの配信も新たにスタートしました。新製品の案内やケーススタディー、具体的な製品活用方法などを盛り込んだメールマガジンを、年間20本以上発行しています。これらの施策により、問い合わせ件数はPardot導入前に比べ、約10倍にまで増加するとともに、これまでリーチできなかった「未知の顧客」からの問い合わせも、Webサイト経由で寄せられるようになりました。メールマガジンの開封率も高いもので18~20%に達しています。Pardotで得たリードを効果的に商談化するため、2017年5月にはSalesforce Sales Cloudの運用も開始し、以前は業務時間全体の約3割を占めていたレポーティング時間が、現在では2割程度にまで削減されました。コンバージョンを意識した営業工程管理も可能になり、商談を大切に扱うという文化も定着しつつあります。

現在は、BtoBビジネスにおいてもインターネット・Webを活用した情報収集が積極的におこなわれています。デジタル化が進んだ現在では、マーケティングがデータを活用し、売り上げに直接貢献する施策を実施できるようになりました。その武器となるのが、見込み顧客を適切な育成し、適切なタイミングでスムーズに営業に渡すことのできる、Salesforce Pardotです。マーケティングを担当する部署も含めた、売れる営業組織のために、MAはいまや欠かせない存在となりました。

 
 
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