顧客や案件の情報を一元管理できるようになり、“抜け漏れ”がゼロになりました。Salesforceを導入して、ようやくビジネスのスタート地点に立つことができた。今やSalesforceがなければマイナス、きちんと活用して初めてプラス、という時代になったと考えています”

デジタルデータソリューション株式会社 代表取締役社長 熊谷 聖司 氏
 

仕事の書類や家族写真など、ハードディスクに保存していた大切なデータが、突然破損したり誤って消去されたりしてしまったら――。そんな緊急時のデータ復旧を請け負っているのが、デジタルデータソリューション株式会社(東京都中央区)だ。同分野で国内シェアの4割を占める同社は、10年連続業界No.1の地位に満足することなく、さらなるシェア拡大とともに、クラウドによるバックアップサービスや、不正アクセスを解析するフォレンジックサービス、データ復旧を保証するワランティサービスといった新規事業にも乗り出している。

そんな同社には、毎月2000~3000件の復旧依頼が届く。しかし、その過程で蓄積される膨大な顧客情報や案件情報は、複数のソフトやツールを使って管理する必要があった。特に5つの作業工程に分かれるデータ復旧フローの各部署間のやりとりは煩雑で、引き継ぎ時に情報の“抜け漏れ”が月間100件程度発生していた。代表取締役社長の熊谷聖司氏は当時をこう振り返る。

「各部署が“バケツリレー”のように情報を受け渡していました。しかし、部署間の意思疎通がうまくいかないと『依頼内容と違う』などといったお客様からのクレームに直結してしまう。警察や官公庁からのご依頼も多く、ミスは許されません。業務の円滑化とクレーム低減のためにも、全社的な情報共有の基盤が絶対に必要でした」(熊谷氏)

一方、経営判断や現場指示の根拠となるKPIを各部門で集計管理していたことも大きな問題だった。同社のビジネスは、ほぼ100%インバウンドによる顧客からの問い合わせで成立している。当然、売上に多大な影響を及ぼす新規案件数などのKPIを常時把握しておく必要がある。ところが、経営陣がそうした数字を知るには、そのつど担当部署に問い合わせなければならない。とりわけ外出先から即座に正確な数値を得ることは困難だった。各部門での集計作業にも長い時間がかかる。熊谷氏は「なんとか1クリックでリアルタイムにKPIを確認できないものか」と頭を悩ませていたという。

さらに、顧客からの電話やメールによる問い合わせ対応についても、効率化の余地が残っていた。大切なデータの入った機器を預けている顧客にとって、復旧作業の進捗状況は気がかりなものだ。しかし、新規依頼の窓口となる部門が、月間2000~3000件にのぼるそうした問い合わせにも対応しなくてはならなかったため、「案件を創出する」という部門本来の業務に専念できなかった。その点においても、プラットフォームを整備し、業務の仕組みを根本的に見直すことが急務だったのだ。

 

一連の課題を解決するために同社がService Cloudを導入したのは2016年11月。納入実績や拡張性、営業担当者の提案力が決め手だった。Service Cloudは、顧客・案件情報を一元管理できるCRMの基本機能だけでなく、円滑かつ効率的な問い合わせ対応を可能にする機能も充実している。

導入の効果はすぐに表れた。全社員が顧客データと案件の進捗状況をひと目で把握できるようになり、毎月100件近くあった“抜け漏れ”が一気に解消されたのだ。顧客・案件情報は、全社員に配布されたiPhoneを使っていつでも確認できる。同時に、社内SNS Chatterで複数のグループを立ち上げた結果、社内コミュニケーションが活性化され、情報共有が一段と進んだ。熊谷社長も「現場にちゃんとトップの考え方が伝わるようになった」と実感しているという。

さらに、企業と顧客を結ぶプラットフォームを構築するため、Customer Communityを活用。顧客向けのマイページ(カスタマーサイト)を設置し、顧客自身が復旧作業の進捗状況を確認できるようにしたのだ。情報システム部部長の趙暁豪氏はその効果のほどを語る。

「進捗情報やFAQでお客様の不安を解消できれば、もう問い合わせる必要はありません。毎月1500件あったFAQ問い合わせ数は、マイページ開設後、3分の1の約500件まで減り、お客様の満足度が大幅に向上したと感じます。また、それまで問い合わせへの対応に追われていた部門が、新規案件を作って売上を伸ばす、というコア業務に時間を費やせるようになったことも大きな成果です」(趙氏)

KPIの可視化には、蓄積した経営データを解析して視覚的に把握できるビジネスインテリジェンスツールEinstein Analyticsをあてた。売上や問い合わせ数、納品待ちの在庫数といった各項目をダッシュボード機能でグラフ表示し、簡単に定量分析と定性分析を行えるようにしたのだ。

「今は海外出張していても、ボタンひとつでリアルタイムのデータがわかります。今週の新規案件数が少ないのはなぜなのか、どこにボトルネックがあるのか、修理対応をより早めるためには何が必要か。Einstein Analyticsでそれらを分析することで、経営判断や現場への指示がとてもスムーズになりました」(熊谷氏)。

現場の負担も大幅に軽減された。顧客・案件情報は各工程の担当者が1日30分、KPIは各工程の責任者が1日1時間かけてそれぞれ集計管理していたが、そうした作業がほぼ不要になったのだ。

一方、取締役でデータ復旧事業部の上谷宗久氏は、今後の事業拡大におけるSalesforceの活躍にも期待を寄せる。同社が現在取り組んでいる、従来の“受け身”ではない“攻め”のアウトバウンド営業において、Salesforceが大きな役割を果たすと見込んでいるからだ。

「まずは13万人の既存のお客様に新サービスを提案するクロスセルに挑戦しています。さらに、見込みのお客様のWeb上での行動やSNS上の関心事項を把握して分析できるMarketing CloudやPardotは、弊社の今後の発展に欠かせないツールとなるでしょう」(上谷氏)

熊谷社長は、Salesforceについて改めてこう語る。

「今やひとつのプラットフォームに情報を蓄積して活用しなければ、会社は生き残れない。Salesforceを導入して、ようやくビジネスのスタート地点に立てる。Salesforceがなければマイナス、きちんと活用して初めてプラス、という時代になったと考えています」(熊谷氏)

Salesforceは、同社の業務の標準化やバリューチェーンの円滑化、KPIにもとづく経営判断の迅速化に多大な貢献を果たした。Salesforce導入の決断が、経営陣・現場社員・顧客という三者の満足度を大幅に向上させたのだ。

 
 
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